1. 1日に 出て いく 水は、どれくらい?
1. 1日に出ていく水は、ペットボトル5本ぶん
1. 1日に出る水の内訳:尿と便のほか、皮膚や呼吸からも出ていく
ゆっくり 休んで いる 大人の 体からは、1日に およそ 2.5リットルの 水が 出て いくと いわれます[1]。500ミリリットルの ペットボトルなら、5本ぶんです。
おしっこと うんちで およそ 1.6リットル。のこりの およそ 0.9リットルは、いきと 皮ふから 出て いきます(あせも ふくみます)。
体の 重さの 半分から 3分の2は、水だと いわれます[2]。それでも、毎日 5本ぶんが 出て いくのです。
では、出て いった ぶんは どう おぎなうのでしょう。のむ 水は、1日 およそ 1.2リットル。出て いく 水の 半分ほどしか ありません。のこりは、食べ物と、体の 中で できる 水が うめて います。
尿と便、息と皮膚から
安静にしている成人の体からは、1日に約2.5Lの水が出ていきます。500mLのペットボトルで数えると5本ぶんです。内訳は、尿と便で約1.6L、息と皮膚(汗を含む)から約0.9Lです[1]。
体の半分以上は水
体重のうち、水が占める割合は約半分から3分の2とされ、男性は約60%、女性は52〜55%、赤ちゃんでは約70%と、年齢や性別で変わります[2]。安静にしている日なら、毎日5本ぶんが出ていっても体が干からびないのは、同じくらいの水が入ってくるからです。
ただし、飲み物で入るのは1日約1.2Lで、出ていく量の半分ほどです[1]。足りない分は、食べ物と、体の中でできる水が埋めています。それはどんな水でしょうか。
安静にしている成人の水の排出は1日約2.5Lで、内訳は尿と便で約1.6L、呼吸と皮膚(発汗を含む)から約0.9Lである[1]。尿と便が全体の64%、呼吸と皮膚が36%にあたる。この約0.9Lの中身は、3章で扱う。
これだけの水が毎日出ていっても体が干からびないのは、体に水が大量にあり、出たぶんが入ってくるからである。水は体重の約半分から3分の2を占め、成人男性では約60%、女性では52〜55%と、脂肪の多さなどで差が出る。出生時や乳児期は約70%と高い[2]。資料により55〜70%と幅があるため、約60%は成人男性の目安として読む。
ここで注意したいのは、2.5Lが「飲む量」ではなく、入る水と出る水それぞれの合計だという点だ。飲み物で入るのは約1.2Lにすぎない[1]。出る水の残りの半分は、どこから来るのか。
2. たりない 水は、どこから 来るの?
2. 足りない水は、食べ物と体の中から入ってくる
2. 入る水の内訳:飲み物1.2L、食べ物1.0L、体内でできる代謝水0.3L
ゆっくり 休んで いる 大人が 1日に 入れる 水も、およそ 2.5リットルです。のみものから 1.2リットル。食べ物から 1.0リットル。のこりの 0.3リットルは、体の 中で できる 水です[1]。
ごはんや おかずにも、水が 入って います。のんだ つもりが なくても、食事を すると 水は 入るのです。
体の 中で できる 水は、ごはんなどの えいようを 体が もやして、力に する ときに できます。ペットボトル 半分より すこし 多い くらいです。
これで 入る 水も 2.5リットル。出る 水と 入る 水が、だいたい 同じに なって います。
ところで、出て いく 水の 中には、あせを かいた つもりが なくても 出る 水が あります。
入る水も、3つに分かれる
安静にしている成人が入れる水も、1日約2.5Lです。内訳は、飲み物から約1.2L、食べ物から約1.0L、体の中でできる水(代謝水)が約0.3Lです[1]。飲み物だけでは、出ていく量の半分ほどにしかなりません。
食べ物の水と、体の中でできる水
食事をすると、食べ物に含まれる水がペットボトル2本ぶん入ってきます。代謝水は、体が栄養を燃やしてエネルギーを取り出すときにできる水です。約0.3Lは、ペットボトル半分より少し多いくらいです。
出る量は1.6+0.9=2.5L、入る量は1.2+1.0+0.3=2.5Lで、足し算をするとつり合います。ただしこれは、安静にしている大人の平均的な目安です。暑い日や運動をした日は汗が増えるので、大きく変わります[1]。
出ていく約0.9Lの中には、汗をかいたという感覚がなくても出る水があります。
入る水の内訳は、飲み物が約1.2L、食べ物が約1.0L、代謝水が約0.3Lで、合計は約2.5Lになる[1]。1.2÷2.5=0.48なので、飲み物として入る水は出る水の約48%にとどまる。「1日2.5L飲む」と読まれがちな数字は、出入りそれぞれの合計であって、飲む量ではない。
代謝水は、体の中で栄養を燃やす(代謝する)ときにできる水である。量は約0.3Lと少ないが、飲食に頼らず体内で補われる分として、収支の計算に入る。出る水は1.6+0.9=2.5L、入る水は1.2+1.0+0.3=2.5Lで、安静時の平均では出入りがつり合う[1]。
この表は安静時の成人の平均で、気温や運動で変わる。汗が増えれば出る側が大きくなり、飲み物で補う量も増える。1つの数字を「必要量」として覚えるより、出入りの内訳を知るほうが使いやすい。では、出る側の約0.9Lのうち、汗をかいた自覚のない分はどれほどなのか。
4. 水は 体の 中で、なにを して いるの?
4. 水は体の中で、栄養を運び、体温を保っている
4. 体の水がになう仕事:溶かして運ぶ、体温を保つ、熱を逃がす
体の 重さの 半分から 3分の2は 水です。のうや じんぞうなどは、およそ 8わりが 水。あぶらの 多い ところは、3わりほどです[1]。
水の しごとは、大きく 3つ あります。1つめは、えいようを とかして、血で 体じゅうへ はこぶ こと。2つめは、いらなく なった ものを とかして、おしっこで 外へ 出す こと。3つめは、体の 温度を たもつ こと です。
水は あたたまりにくく、さめにくい せいしつが あります。あつい 日は あせが じょうはつ して、ねつを 外へ にがします[1]。
水は 体の 中で はたらきながら、おしっこや あせと いっしょに 出て いきます。だから、毎日 入れなおす ひつようが あるのです。
臓器や筋肉の約8割は水
成人の体の水分は、体重の約55〜60%です。脳・腎臓・肝臓・筋肉などは約80%が水で、皮下脂肪は約33%です。女性は脂肪が多いぶん約55%、高齢者は約50%と、年齢や体の組成で変わります[1]。
溶かして運び、熱を保ち、老廃物を出す
水の働きは大きく3つ説明されます。栄養を溶かして血液で運ぶこと、いらなくなった老廃物を尿として出すこと、そして体温を保つことです。水は温まりにくく冷めにくい性質をもつので、体温が急に変わりにくくなります。暑いときは、汗が蒸発して熱を逃がします[1]。
だから、毎日入れなおす
体は、老廃物を尿に溶かして外へ出しています。こうして体から水が出ていくので、そのぶんを飲み物や食べ物で補う必要があります。では、不足してきたとき、体はどう知らせるのでしょうか。
成人の体の水分は体重の約55〜60%で、組織ごとの差が大きい。脳・腎臓・肝臓・筋肉は約80%が水で、皮下脂肪は約33%である。女性は脂肪が多いため約55%、高齢者は約50%となる[1]。体重70kgの男性では、水は細胞の中に約28L、細胞のまわりに約10.5L、血液中に3.5L弱あり、体の水の大部分は細胞の中にある[2]。
水の仕事は3つに整理される。1つ目は溶解と運搬で、血液やリンパが栄養を運び、老廃物は尿として排泄される。2つ目は体温の維持で、水は比熱が大きく温度が変わりにくい。3つ目は熱の放出で、発汗によって熱を逃がす[1]。
注目したいのは、老廃物を尿として排泄する働きだ。尿として水も体の外へ出ていくので、その分を飲食で補う必要がある。そのため、体の水は、体内に保たれながら出入りをくり返している。体はその不足を、どのように感じ取るのか。
5. のどが かわくのは、どうして?
5. のどの渇きは、水が減り始めたあとに届く知らせ
5. 渇きが生じる流れ:血漿浸透圧の上昇と、体重の1%という目安
体の 水が へると、のうの おくに ある 場所が、それを 感じとります。そこから 「のどが かわいた」と いう 感じが 出ます。水を のんで 水が 足りると、かわきは おさまります[2]。
おしっこも かわります。水が たりない ときは、体が 水を のこそうと して、おしっこが こく なります[4]。
のどの かわきは、体の 水が へり はじめた 合図だと いわれます。体の 重さの 1%ほどの 水が へると、かわきを 感じる とされます[1]。体重 40キログラムなら、400グラム。ペットボトル 1本 たらずです。
体の 水の ようすを、自分で 見て みるには どうしたら いいでしょう。
脳が、水の不足を感じ取る
体が水を必要とすると、脳の奥にある神経中枢が刺激されて、「のどが渇いた」という感覚が生じます。水分が十分になると、渇きはおさまります[2]。体の水分が足りなくなると、血液の中の成分の濃さ(浸透圧)が上がり、のどが渇き、尿が濃くなる、と環境省は説明しています[4]。
渇きは「始まった」知らせ
体重の約1%の水が失われると、のどの渇きを感じ、約2%で、めまいや吐き気、食欲の低下が出るとされます[1]。体重40kgの子なら、1%は約400gで、500mLのペットボトルより少ない量です。のどの渇きは、水が減り始めたあとに届く知らせと読めます。数字は資料によって幅があるので、目安として受け取ります。
水が足りない状態が続くと、熱中症などのリスクが高まるともされます[4]。体の水の様子は、自分で観察できるでしょうか。
体が水を必要とすると、脳の奥の神経中枢が刺激されて渇きの感覚が生じ、水分が十分になると渇きはおさまる[2]。環境省の資料は、水分摂取量が不足すると血漿浸透圧が上昇し、のどが渇き、尿が濃縮されると説明する[4]。血漿浸透圧とは、血液の液体部分に溶けている成分の濃さのことで、水が減れば相対的に上がる。
渇きと尿の濃縮は、別々の反応ではなく、同じ変化を合図にして起きる。一方は水を足す方向(飲む)、もう一方は出る水を減らす方向(尿を濃くする)に働く。出入りの収支でみれば、入る水を増やし、出る水を減らすという、両面からの調整にあたる。
ただし、渇きは早期の警報とは言いきれない。資料では、体重の約1%の水を失うと渇きを感じ、約2%でめまい・吐き気・食欲低下、約10〜12%で筋けいれんや失神が起こりうるとされる[1]。体重40kgなら1%は約400gで、渇きを感じたときには脱水が始まっていると読める。これらの数字は資料に示された目安として扱う。不足が続くと、熱中症などのリスクが上がるともされる[4]。
では、こうした水の出入りを、家にあるもので自分でも数えられるだろうか。
6. 自分の 1日の 水を、コップで かぞえて みよう
6. 自分の1日の水を、コップで数えてみる
6. 1日の飲み物を数え、水の収支に当てはめて検算する
やってみよう 1日に のんだ ものを、コップで かぞえて みましょう。おちゃも ジュースも みそしるも、水が 入って います。
コップ 1ぱいが 200ミリリットルなら、6ぱいで 1.2リットル。これが、大人の へいきんの のみものの りょうです[1]。のむ りょうは、おとなと 子どもで ちがいますし、あつい 日や うんどうした 日は ふえます。
かぞえて みると、水が 体を どんな ふうに 出入りして いるかが、少し 見えて きます。
もっと 知りたい人は、このページの いちばん 下に ある しりょうの ページを、おうちの 人と 見て みましょう。水の はたらきが のって います。
コップで数えてみる
1日に飲んだものを、コップで数えてみましょう。お茶、ジュース、牛乳、汁物も、水が入っているので数えます。コップ1杯を200mLとすると、6杯で1.2Lです。1.2Lは大人の平均的な目安で、子どもや、暑い日、運動した日は変わります[1]。
数え終わったら、食べ物から入る水も思い出してください。飲み物だけでは出ていく量の半分ほどにしかならないのは、この数え方で実感できるはずです。
もっと知りたくなったら
水の出入りの図と数字は、長寿科学振興財団の「健康長寿ネット」に載っています。のどが渇くしくみは、環境省の「健康のため水を飲もう」推進運動のページにあります。どちらも、資料ごとに数字の区切りが少し違うので、見比べると発見があります。
1日に飲んだものをコップで数え、収支に当てはめて検算できる。コップ1杯を200mLとして、6杯で1.2Lになる。成人の平均的な飲み物の量は約1.2L、食べ物から約1.0L、代謝水約0.3Lで、合計は約2.5Lである[1]。数えた飲み物の量を1.2Lと見比べると、大人の平均の目安とどれくらい違うかが分かる。
ただし、2.5Lという値は安静時の成人の平均で、年齢・気温・運動・体格で大きく変わる。出る水の側にも汗の量という変数があるため、1つの数字をそのまま自分の「必要量」とみなすことはできない。数えてみて分かるのは、飲み物がせいぜい半分ほどだという構造のほうである。
もとの資料は、長寿科学振興財団「健康長寿ネット」(水の働きと1日に必要な摂取量)と、環境省「健康のため水を飲もう」推進運動のページである。ここでの数字の区切りは、資料ごとに少しずつ異なる。出典欄の資料を見比べると、どこで食いちがうかを自分で確かめられる。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文は、ここにある資料の内容を、自分の言葉で言いかえたものです。割合や量は、年齢・性別・季節・運動で変わる目安です。医療の判断は、かかりつけの医師などにご相談ください。
- 長寿科学振興財団 健康長寿ネット「水の働きと1日に必要な摂取量」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/water.html (1日の出入りの量、水の働き、組織ごとの水の割合、脱水の目安)
- MSDマニュアル家庭版「体内の水分について」 MSDマニュアル家庭版(体内の水分について) (体の水の割合、細胞内外の分布、のどの渇きの感覚)
- コトバンク「不感蒸散」(日本大百科全書・世界大百科事典など) https://kotobank.jp/word/%E4%B8%8D%E6%84%9F%E8%92%B8%E6%95%A3 (不感蒸泄の量)
- 環境省「健康のため水を飲もう」推進運動 https://www.env.go.jp/water/water_supply/nomou/ (水分不足と浸透圧、のどの渇き、尿の濃縮)
なおした ところ
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