1. むかしは、体の中の ほねが 見えなかった
1. 昔は、体の中の骨が見えなかった
1. 1895年のX線の発見が骨折の診断を一変させた
いまでは、うでや あしを つよく ぶつけたとき、びょういんで レントゲンを とれば、中の ほねが どう なって いるか すぐに わかる。でも、この しくみが できたのは、そんなに むかしの ことでは ない[1]。1895年、ドイツの 学者 レントゲンは、目に 見えない ひかりの なかまを 見つけた[1]。その 年の 12月、レントゲンは おくさんの 手を、この ひかりで うつして みた。すると、手の 中の ほねと、ゆびわの かたちが、はっきりと うつって いたのだ[1]。
2. ほねが なおるのには、3つの だんかいが ある
2. 骨が治るのには、3つの段階がある
2. 骨折の治癒は炎症期・修復期・リモデリング期を経る
ほねが おれると、まず、おれた ところに 血が あつまって かたまりに なる[2]。つぎに、その かたまりが すこしずつ、やわらかい「かりの ほね」に かわって いく[2]。さいごに、その かりの ほねが、じかんを かけて、もとの ほねと おなじ かたさ・かたちに 作りかえられて いく[2]。この さいごの しあげには、なんかげつも かかる ことが ある[2]。
骨が折れると、まず、折れたところに血が集まってかたまりになる[2]。次に、そのかたまりが少しずつ、やわらかい「仮の骨」に変わっていく[2]。最後に、その仮の骨が、時間をかけて、もとの骨と同じかたさ・形に作りかえられていく[2]。この最後の仕上げには、何か月もかかることがある[2]。
骨折の治癒は、大きく3つの段階を経て進む。まず骨折直後から1〜2週間、骨折部にさまざまな成長因子を含む血液のかたまり(血腫)が形成される「炎症期」。次に骨をつくる細胞(骨芽細胞)が増殖し、軟骨組織を経て、本来より強度の弱い仮の骨「仮骨」に置き換わっていく「修復期」。そして、不要な部分が吸収されながら、数か月から1年以上かけてもとの骨の形と硬さに近づいていく「リモデリング期」である[2]。
3. 子どもの ほねは、しなって おれて、はやく なおる
3. 子どもの骨は、しなって折れて、早く治る
3. 小児の骨は自家矯正力が高く若木骨折を起こしやすい
子どもの ほねは、大人の ほねより やわらかくて、しなやかだ[3]。そのため、ぽきっと まっぷたつに おれるのでは なく、わかい 木の えだを まげたときのように、かたほうだけが さけて おれる ことが ある[3]。さらに おどろく ことに、子どもの ほねは、すこし ゆがんだ まま くっついても、その あと はんとしくらい かけて、ひとりでに まっすぐに なおって いく ことが ある[3]。ただし、これは 医しゃが 見て はんだんする ことなので、うでや あしが うごかせない、たいじゅうを かけられないなど、ほねおれかもと 思ったら、じぶんで はんだんせずに、かならず びょういんで 見て もらおう[3]。
子どもの骨は、大人の骨よりやわらかくて、しなやかだ[3]。そのため、ぽきっと真っ二つに折れるのではなく、若い木の枝を曲げたときのように、片方だけが裂けて折れることがある。これを「若木(わかぎ)骨折」という[3]。さらに驚くことに、子どもの骨は、少しゆがんだままくっついても、そのあと半年くらいかけて、ひとりでにまっすぐに直っていくことがある[3]。ただし、これは医師が見て判断することなので、腕や足が動かせない、体重をかけられないなど、骨折かもと思ったら、自分で判断せずに、必ず病院で診てもらおう[3]。
成長期の骨は弾力があり、骨の中ほどの部分では、ひびが入りながら部分的に折れ曲がる不完全骨折「若木骨折」が生じやすい。木の若い枝を折り曲げたときの状態に似ていることから、この名がついた[3]。小児の骨折の最大の特徴は「自家矯正力」の高さにある。整復後にいくらか変形や隙間が残っても、軽度であれば問題にならない。ある病院の解説によれば、5歳以下ではおよそ30度、8歳まででおよそ20度、10歳でおよそ15度の曲がりであれば、半年ほどでまっすぐな骨に置き換わっていくという目安が示されている[2]。ただし、これはあくまで一般的な目安であり、実際にどこまで手術をせずに様子を見られるかは、骨折した部位やずれの程度によって医師が判断する。手足を動かせない、体重をかけられないなど骨折が疑われる症状があるときは、自己判断せず整形外科を受診する必要がある[3]。
4. 大人に なると、なおるのに 時間が かかる
4. 大人になると、治るのに時間がかかる
4. 加齢とともに骨癒合に要する期間は延びる傾向がある
子どもの ころに くらべて、大人に なると、ほねが くっつくまでに もっと 時間が かかるように なる[4]。とくに 年を とった 人は、ほねの 中の みつどが へって、血の めぐりも わるく なる ため、わかい 人より なおるのに 時間が かかりやすいと される[4]。おれた ばしょや 体の じょうたいに よっても、なおる はやさは おおきく ちがう。
じぶんの ほねや、家ぞくの ほねおれの 話を きいて みる
自分の骨や、家族の骨折の話を聞いてみる
自分の骨や、家族の骨折の経験を聞いてみる
家ぞくや まわりの 人に、いままで ほねを おった ことが あるか きいて みよう。もし あったら、なおるまでに どれくらい かかったか、どんな ふうに なおって いったかも、きいて みると おもしろい。
家族やまわりの人に、いままで骨を折ったことがあるか聞いてみよう。もしあったら、治るまでにどれくらいかかったか、どんなふうに治っていったかも、聞いてみるとおもしろい。
身近な人に骨折の経験を聞いてみよう。年齢によって治るまでの期間がどう違ったか、レントゲンでどのように経過を確認したかなど、具体的なエピソードを通じて、この記事で扱った治癒の3段階を実感を持って理解できるはずだ。
しらべた ところ
参考にした情報源
参考にした情報源
- Siemens Healthineers Japan「"レントゲンはおかしくなったに違いない"」。 https://www.siemens-healthineers.com/jp/news/x-ray-technoligy-roentgen.html (1895年11月8日にヴィルヘルム・レントゲンがX線を発見したこと、同年12月22日に妻アンナ・ベルタの手を撮影し骨と結婚指輪の輪郭が写ったこと、金属がX線を通しにくいため指輪が黒く写ったことは同出典による)
- 鶴巻温泉病院「知って得する身体の話 第7回 骨折-人間誰でもリモデリングで生まれ変われる-」。 https://www.sankikai.or.jp/tsurumaki/disease/karada/karada7.html (骨折の治癒が炎症期(血腫形成)・修復期(仮骨形成)・リモデリング期の3段階を経て進むこと、リモデリング期には数か月から1年以上かかることがあること、5歳以下でおよそ30度・8歳までおよそ20度・10歳でおよそ15度の変形であれば半年ほどでまっすぐな骨に置き換わるという目安が示されていることは同出典による)
- 日本整形外科学会「小児の骨折」。 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/infants_bone_fracture.html (成長期の骨に弾力があり骨幹部で若木骨折が生じやすいこと、小児の骨折は自家矯正力が高いこと、手や足が使えない・体重をかけられないなどの症状があれば自己判断せず整形外科を受診すべきこと、治療法はX線所見をもとに医師が選択することは同出典による)
- リハサク「骨折は何週間で治る?骨がくっつくまでの期間と早めるコツを解説」。 https://rehasaku.net/magazine/body/fracture-time-takes-for-bones-heal (高齢者は骨密度の低下や血流の減少により骨癒合に時間がかかりやすいこと、実際の治癒期間は骨折部位や年齢、生活環境などによって大きく異なることは同出典による)
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