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レジは、ピッと なった あと、どうやって ぜんぶの ねだんを たすの?

バーコードに値段は入っていないのに、レジはどうやって合計を出すのか

バーコードに価格の欄はないのに、レジの合計はどこから出るのか ── 価格マスタ・チェックデジット・税の端数処理

分野:技術

レジで「ピッ」と なる とき、読み取って いる 数字には、ふつう ねだんは 入って いません。では、レジは どこから ねだんを 知るのでしょうか。

この 記事を 読むと、ねだんを 引く しくみと、足し算の 機械きかいが 生まれた 話、消費税しょうひぜいで 1円 ずれる わけが 分かります。

スーパーのレジで読み取られるバーコードの数字には、ふつう値段が入っていません。それなのに、ピッと鳴るたびに値段が出て、最後には合計が出ます。

値段はどこから来るのか。足し算の機械はいつ、何のために生まれたのか。消費税の端数はどう扱われるのか。この記事を読むと、合計が出るまでの道すじが分かります。

商品に付くJANコードには、価格を入れる欄がない[1]。それでもレジは、読み取った瞬間に値段を出し、会計の最後に税込みの合計を出す。値段は番号の外にある表から引かれ、足し算の発想は、1879年に酒場の売上を守るために作られた機械にさかのぼる。

この記事を読むと、価格マスタの検索(PLU)、チェックデジットの検算、税率ごとに1回だけ端数を処理するルールが、一本の線でつながって分かる。

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1. ピッと なると、ねだんは どこから 出て くるの?

1. ピッと鳴ったとき、値段はどこから出てくるのか

1. 値段の欄がない番号から、どうして値段が出るのか

バーコードの 下には、13この 数字が ならんで います。これは「この 商品は どれか」を 見分ける 番号です。

数字は、左から 会社の 番号、商品の 番号、たしかめ用の 1けた、の じゅんに ならびます[1]。ねだんを 書く ところは ありません。

では、ねだんは どこに あるのでしょう。レジの ほうに ある「ねだんの 表」の 中です。レジは 読み取った 番号で その 表を 引いて、ねだんを 見つけます[2]。ことばを じしょで 引く のと にて います。ただし 本当は、人が 見るのでは なく、コンピューターの 中で 引きます。

すべての 商品が この やり方では ありません。はかりで 重さを はかって 売る 商品などでは、ねだんを 番号の 中に 入れて おく やり方も あります[2]。

番号が指すのは「商品」であって「値段」ではない

日本の商品に付くJANコードには、13桁の標準タイプと8桁の短縮タイプがあります。13桁のものは、左から順に、事業者を表す番号、商品を表す番号、確認用の1桁が並びます[1]。並びのどこにも、価格の欄はありません。

では値段はどこにあるのか。POSと呼ばれるレジの仕組みでは、読み取った番号をもとに、コンピュータの中にある価格マスタ(値段の表)を検索し、見つかった価格をレシートに印字します。この方式をPLU(プライス・ルック・アップ)といいます[2]。番号は「この商品は何か」を伝えるだけで、値段は番号とは別の表に入っている、ということです。

値段を番号に入れる方式もある

価格をデータベースから引かず、コードの中に持たせる方式もあります。NON-PLUと呼ばれ、とくに量って売る商品などに使われます。店が自由に番号を付けるインストアコードもあります[2]。ふつうの商品は表を引く方式、量り売りなどは別の方式、と使い分けられているわけです。

JANコードの標準タイプは13桁で、左から事業者コード、商品アイテムコード、チェックデジット(1桁)の順に並ぶ。短縮タイプは8桁で、並びのルールは同じだ[1]。構成要素に価格は含まれない。したがって、レジが値段を知る手段は、番号以外の場所に求めるしかない。

その場所が価格マスタである。POSは読み取ったコードで価格マスタを検索し、得た価格をレシートに印字する。この方式はPLU(プライス・ルック・アップ)と呼ばれる[2]。番号が識別、表が価格、と役目が分かれているため、同じ番号を読み取っても、参照する表の中身しだいで値段は変わりうる、という設計になる。

例外もある。価格をデータベースから参照せず、コード内に持たせるNON-PLUは、とくに計量商品などに使われる。店が自由に番号を付けるインストアコードもある[2]。

2. さいごの 1けたは、何の ため?

2. 最後の1桁は、読み間違いに気づくための数字

2. チェックデジットを検算する ── 12桁から13桁目を求める

13けたの うち、さいごの 1けたは、まちがいを 見つける ための 数字です[1]。ほかの 12けたから、計算で 出します。

れいを 見て みましょう。490123456789 の 次に くる 数字です。

左から 1番目、3番目、5番目…の 数を 足します。4+0+2+4+6+8=24。次に、2番目、4番目、6番目…の 数を 足します。9+1+3+5+7+9=34。この 34を 3ばいして 102。24と 102を 足すと 126 です。

126の 一の くらいは 6。10から 6を 引くと 4。これが 13けた目で、4901234567894 に なります。もし 1つの 数字を 読みまちがえると、この 計算が あわなく なって、まちがいに 気づけます。

入力ミスや読み取り違いを見つける番人

13桁の最後の1桁はチェックデジットといい、入力ミスや読み取り違いを見つけるための確認用の数字です[1]。前の12桁から計算で決まるので、どれか1つを読み違えると、計算結果と最後の1桁が合わなくなります。

12桁の490123456789で計算してみる

計算は次のとおりです。左から数えて奇数番目の6つ(4、0、2、4、6、8)を足すと24。偶数番目の6つ(9、1、3、5、7、9)を足すと34で、これを3倍して102。24と102の合計は126です。この一の位の6を10から引いた4が、13桁目になります。つまり4901234567894です。

この計算の手順は、GS1(国際的な商品コードの標準をつくる団体)が公開している、チェックデジットの手計算の手順と同じ形です[8]。電卓がなくても、紙と鉛筆で検算できます。

チェックデジットは、入力ミスや読み取り違いを検出するための確認用の1桁で、前の12桁から計算される[1]。計算はモジュラス10・ウェイト3と呼ばれる形で、奇数番目の6桁を1倍、偶数番目の6桁を3倍して合計し、その一の位を10から引く(一の位が0なら0)。

12桁の490123456789で検算する。奇数番目は4・0・2・4・6・8で計24。偶数番目は9・1・3・5・7・9で計34、3倍して102。合計126の一の位は6、10−6=4となり、13桁目は4、全体は4901234567894である。

ここで重みを1と3にしているので、1桁だけ読み違えた場合は、合計の一の位が変わり、13桁目と合わなくなる。この手順は、GS1が公開しているチェックデジットの手計算の手順と同じ形である[8]。

3. 足し算の 機械きかいは、さかばで 生まれた

3. 足し続ける機械は、酒場の売上を守るために作られた

3. 1879年のデイトン ── 値段を覚える機械より、足し続ける機械が先だった

アメリカの 町、デイトンに、さかばを ひらいて いた ジェームズ・リッティーという 人が いました。1879年の ことです。お店の 売上が、はたらく 人に ごまかされて いたと いわれます[5]。

リッティーは 弟の ジョンと、売った お金を きろくする 機械きかいを 作りました。ヒントは、蒸気船じょうきせんで プロペラの 回る 数を 数える 道具を 見た ことだ そうです[5]。

さいしょの 機械きかいは、キーを おすと、その 金額きんがくが 1日の 合計に 足されて、文字ばんに 出る つくりでした。お金を 入れる 引き出しは ありませんでした[5]。

のちに、会社を 買い取った ジョン・H・パターソンが、紙の ロールに 売り買いを きろくする しかけを 足しました。これが レシートの もとに なったと いわれます[6]。

きっかけは、売上の「目減り」だった

1879年、アメリカ・オハイオ州デイトンの酒場の主、ジェームズ・リッティーは、店で働く人たちに売上をごまかされていることに悩んでいたと伝えられます。弟のジョンと作ったのが、売上を記録する機械でした。蒸気船で、プロペラの回転数を数える装置を見たことが発想のもとになったとされます[5]。

値段を覚える機械ではなく、足し続ける機械

最初の機械は、キーを押すと、その金額が1日の売上の合計に足され、文字盤に表示される作りでした。現金の引き出しはなく、ただ合計を足し続けるだけです。ベルや引き出しは、あとの改良で加わりました[5]。

1884年にはジョン・H・パターソンがこの機械を作る会社を買い取り、ナショナル・キャッシュ・レジスター(NCR)社と名づけました。紙のロールに取引を記録する仕組みを加え、これがレシートの元になったとされます[6]。

この機械の目的は、そもそも値段を引くことではなく、合計を機械に残して不正を防ぐことだった。1879年、米オハイオ州デイトンの酒場主ジェームズ・リッティーは、弟のジョンとともに、従業員による着服を防ぐため、売上を記録する機械を作ったとされる。蒸気船のプロペラの回転数を数える装置を見たことが着想とされる[5]。

最初の機械は、キーを押すとその金額が1日の合計に足され、文字盤に出る構造で、現金の引き出しはなかった。ベルと引き出しは後の改良である[5]。つまり、価格表を持つ現代のレジより先に、足し続けて結果を見える形に残す機械があったことになる。

1884年にはパターソンが事業を買い取ってNCR社と名づけ、のちに紙のロールで取引を記録する仕組みが加わって、これがレシートの元になったとされる[6]。なお、発明日や特許の細かい日付は、資料により記述が食いちがうため、本記事では年にとどめる。

4. はじめての「ピッ」は、いつ 鳴ったの?

4. 足し続ける機械に、「番号で商品を見分ける目」が加わった日

4. 1974年6月26日の朝 ── バーコードがレジに届くまで

バーコードの 話は、1949年に さかのぼります。ウッドランドと シルバーが 特許とっきょを 出して、1952年に みとめられました[7]。ウッドランドは、すなはまで 指で 線を 引いた ときに 思いついた と いわれます。

はじめて 商品の バーコードが レジで 読み取られたのは、1974年6月26日の 朝 8時すぎ。アメリカの オハイオ州 トロイの スーパーでした[7]。むかしから 言われて いる 話では、その 商品は ガムでした。

こうして、足して いく 機械きかいに、番号で 商品を 見分ける 目が ふえました。

砂に指で引いた線から

バーコードの特許は、ウッドランドとシルバーが1949年に出願し、1952年に成立しました。ウッドランドは、マイアミビーチの砂に指で線を引いて、着想を得たとされています[7]。

1974年、スーパーのレジで

1974年6月26日の朝8時すぎ、オハイオ州トロイのマーシュ・スーパーマーケットで、UPC(アメリカのバーコード)が付いた商品が、はじめてレジで読み取られました。伝説では、客が出したのはリグレーのガムのマルチパックだったといわれます[7]。足し続ける機械に、番号で商品を見分ける目が加わった、とも言える日です。

バーコードの着想は、レジより古い。ウッドランドとシルバーは1949年に特許を出願し、1952年に成立した。ウッドランドは同年、マイアミビーチの砂に指で線を引いて思いついたと語られる[7]。

それが実際のレジに届いたのは、1974年6月26日の朝8時すぎ、オハイオ州トロイのマーシュ・スーパーマーケットだった。UPC付きの商品がはじめて会計で読み取られた。伝説では、客のクライド・ドーソンが出したのはリグレーのガムのマルチパックとされるが、商品の種類は伝承の域を出ない[7]。

この記事の文脈で見れば、足し続ける機械(1879年)に、番号で品を識別する入力(1974年)が加わったことで、「ピッ」から合計までの道すじが完成したことになる。

5. 消費税しょうひぜいは、なぜ 1円 ずれる ことが あるの?

5. 商品ごとに税を丸めると、なぜ1円ずれるのか

5. 税率ごとに1回だけ端数を処理するルール ── 1円のずれを防ぐ考え方

買った ものの 1つずつに 消費税しょうひぜいを 出して 足すと、まとめて 出した ときと、1円 ちがう ことが あります。

れいで 見ます。2925円と 3066円の 商品を、消費税しょうひぜい 10%で 買います[4]。1つずつ 出すと、292.5円と 306.6円です。小数の ところを きりすてて、292円と 306円。足して 598円に なります。

まとめて 出すと、2925+3066=5991円。その 10%は 599.1円で、きりすてて 599円です。1円 ちがいますね。

国税庁こくぜいちょうの せつめいでは、1まいの 紙に ついて、わりあいごとに 1回だけ はすうを まとめる きまりです。1つずつ 丸めて 足す やり方は、みとめられて いません[3]。

ただし、これは 紙の 書き方の きまりで、レジの 中の 計算の きまりでは ありません。

1つずつ丸めた場合と、合計から出した場合

税抜2,925円と3,066円の商品に、10%の消費税がかかるとします。商品ごとに税を出して端数を切り捨てると、292.5円→292円、306.6円→306円で、合わせて598円。一方、2つの合計5,991円に10%をかけると599.1円で、切り捨てて599円です。1円の差が出ます[4]。

国税庁の説明は「1回だけ」

国税庁は、適格請求書に消費税額などの1円未満の端数が出る場合、1枚の書類につき税率ごとに1回の端数処理を行う必要があると説明しています。切り上げ・切り捨て・四捨五入のどれにするかは任意です。商品ごとに税額を計算して端数処理し、その合計を書くことは認められません[3]。

資料から言えることと、言えないこと

これは請求書の記載のルールで、店の値札の税込表示の決まりとは別の話です。レジの内部の計算方法を定めたものでもありません。ただ、このルールに合わせるなら、商品ごとではなく合計から税を出す形になるはずです。

商品ごとに消費税額を出して端数処理し、足し上げると、合計から税を出した場合と食いちがうことがある。税抜2,925円と3,066円(税率10%)の例では、切り捨てで292円+306円=598円、合計5,991円×10%=599.1円→切り捨てで599円と、1円の差が出る[4]。

国税庁は、適格請求書の消費税額等に1円未満の端数が出るときは、一の適格請求書につき税率ごとに1回の端数処理を行うとする。切り上げ・切り捨て・四捨五入などの方法は任意だが、商品ごとの端数処理を合計して記載することは認められない[3]。

端数処理の方法を変えても、商品ごとに処理すれば差は残りうる。四捨五入にすると、292.5→293円、306.6→307円で計600円、合計の599.1円は599円で、今度は1円の差が逆向きに出る(手元の計算)。

なお、このルールは適格請求書の記載にかかるもので、店の値札の税込表示の決まりとは別だ。レジの内部の計算方法を定めたものでもないので、「このルールに合わせるなら合計から税を出す形になる」という読み方にとどめる。

6. 家の 商品で、さいごの 1けたを 当てて みよう

6. 家の商品で、最後の1桁を当ててみる

6. 手元の商品で検算し、原典にあたる

お家に ある おかしや ぶんぼうぐから、13けたの バーコードの ものを えらびます。左の 12けたを、さっきの 計算に あてはめて みましょう。出た 数が、13けた目と 同じなら せいこうです。

計算には、えんぴつと 紙が あれば できます。

レシートを もらった 日は、おうちの 人と いっしょに、消費税しょうひぜいの ところを 見て みましょう。国税庁こくぜいちょうの ホームページには、この 1円の ずれの 話が のって います。

お店の レジは、この 1円の ずれを、どこで さけて いるのでしょうか。

お菓子や文房具など、13桁のバーコードが付いた商品を、家の中から1つ選んでください。左の12桁を、第2章の計算にあてはめます。出た数が13桁目と同じなら、成功です。紙と鉛筆、あれば電卓だけでできます。

レシートがあれば、税の欄がどう書かれているかも見てみましょう。国税庁の「端数計算」のページ[3]には、この1円のずれの考え方が書かれています。

お店のレジは、この1円のずれを、どこで避けているのでしょうか。

手元の13桁のバーコードの商品で、第2章の手順どおりに12桁から13桁目を求め、印字された数字と照らす。一致すれば、自分の手で規格の考え方を再現したことになる。8桁の短縮タイプは、構成のルールは同じだ[1]。

計算手順の確認にはGS1の解説[8]が、税の端数については国税庁のNo.6371「端数計算」[3]が使える。どちらも原典で、後者は日本語で読める。そのうえで、レジの内部は商品ごとの税をどの段階で丸めているのか。そこが、次に調べる価値のある問いだ。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:事業者向け用語集、流通用語辞典の引用、国税庁の公式ページ、会計サービスの解説、博物館系の記事、Wikipedia、雑誌記事、GS1の解説を使った。何に使ったかは、各項目の最後に書いている。

  1. Square「JANコード」(用語集)。https://squareup.com/jp/ja/glossary/jan-code (JANコードの構成とチェックデジットについて)
  2. Weblio「バーコード」(流通用語辞典・Wikipediaの引用)。https://www.weblio.jp/content/バーコード (価格マスタの検索とNON-PLUについて。二次資料)
  3. 国税庁 タックスアンサー No.6371「端数計算」。https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6371.htm (税率ごとに1回の端数処理について)
  4. freee「インボイスの端数処理」の解説。https://www.freee.co.jp/kb/kb-invoice/rounding-invoice/ (商品ごとに処理すると1円ずれる例について。二次資料)
  5. American Table「Ritty's Incorruptible Cashier」。https://americantable.org/articles/rittys-incorruptible-cashier-1879/ (1879年のレジの発明について。英語の記事)
  6. Wikipedia「Cash register」。https://en.wikipedia.org/wiki/Cash_register (NCR社とレシートの元について。二次資料・英語)
  7. Smithsonian Magazine「The history of the barcode」。https://www.smithsonianmag.com/innovation/history-barcode-180956704/ (バーコードの特許と最初の読み取りについて。英語の記事)
  8. GS1「How to calculate a check digit manually」。https://www.gs1.org/services/how-calculate-check-digit-manually (チェックデジットの計算手順について。英語の記事)

なおした ところ

更新履歴

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