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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

すきとおった コンソメスープを つくる とき、どうして たまごの しろみと にくを いれるの?

すきとおったコンソメは、なぜ卵白と肉を足して作るのか

コンソメを澄ませるために濁りの元を足す:卵白のラフトと、家庭の固形コンソメのちがい

分野:技術

すきとおった コンソメスープを つくる ときには、わざと たまごの しろみと にくを たします。にごりを とりたいのに、にごりそうな ものを いれるのです。どうして、そんな ことを するのでしょう。

しろみは、かたまると にごりを あつめる そうに なります。この メモでは、コンソメの つくりかたと、おうちの こけいの コンソメの ひみつが わかります。

澄んだスープを作るために、わざわざ卵白と肉を足す。コンソメの伝統的な作り方は、一見すると逆のことをします。濁りを取りたいのに、濁りそうなものを入れるのはなぜでしょうか。

卵白は、固まって浮かぶと濁りを集める層になります。この記事では、その「ラフト」のはたらきと、家庭の固形コンソメが別の作り方であることが分かります。

澄んだスープを得るために、卵白と肉を足して静かに加熱する。コンソメの伝統的な作り方は、濁りを減らす工程に、わざわざ濁りの元に見える材料を加える。この逆説は、どう成り立つのか。

この記事では、卵白が浮かんでできる層「ラフト」が濁りを捕まえるしくみと、家庭の固形コンソメが卵白で澄ませたものではなく、乾燥した材料を固めたものであることが分かる。

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1. にごりを とるのに、どうして たまごの しろみを いれるの?

1. 濁りを取るのに、なぜ卵白と肉を入れるのか

1. 卵白と肉を足すと澄む:濁りを「引きつける」層ができる

コンソメは、ブイヨンという だしから つくります。ブイヨンは、にくや やさいを にて だした スープです。コンソメは、それを もっと てまを かけて、すきとおらせた スープです。

やりかたは こうです。つめたい ブイヨンに、たまごの しろみと、ひき肉と、やさいを まぜます。そして、とても よわい 火で、ゆっくり あたためます。

すると、しろみが かたまって、うえに うきます。うかんだ ところが、ちいさな にごりを くっつけて いくと いわれます。したには、すきとおった スープが のこります。

たとえば、ガムテープで ゆかの ほこりを とる ように、しろみの そうが にごりを あつめる のだと おもうと わかりやすいです。ただし ほんとうの しくみは、もっと ふくざつです。

コンソメの土台になるブイヨンは、肉と香味野菜、ブーケガルニ(香草の束)などを煮出しただし汁です。コンソメは、それをさらに調理して仕上げたスープで、名前はフランス語で「完成された」という意味だと紹介されています[1]。

伝統的な作り方では、冷たいブイヨンに卵白を混ぜ、ごく弱く加熱します。料理書の解説では、卵白の細かい粒が、スープに漂う小さな濁りの粒を磁石のように引きつけ、それらがかたまって浮き上がり、下に澄んだ液が残るとされています[2]。

実際の手順では、卵白に、挽いた鶏肉や香味野菜を混ぜて冷たいブイヨンに入れます。ゆっくり温めると卵白が固まって表面に浮き、不純物を捕まえた「ラフト」(浮きかすの層)になります[3]。日本語の辞典的な説明も、卵白などで灰汁を吸着させてから漉す、という流れで書いています[4]。

ただし、なぜ濁りが卵白に寄ってくるのかは、料理書や解説サイトの説明が中心です。ここでは「〜とされる」と受け取るのがよさそうです。

コンソメの土台であるブイヨンは、肉と香味野菜、ブーケガルニを煮出しただし汁である。コンソメは、そのブイヨンをさらに調理して仕上げたスープで、consommé はフランス語で「完成された」と紹介される[1]。語源は consommer の過去分詞で、16世紀には、濃縮して澄ませた「仕上がったスープ」を指した。アカデミー・フランセーズの辞典初版(1694年)は「ごく煮つめた肉の濃いブイヨン」と定義しており、澄んでいることより、濃く仕上げることが先に意味されていた[2]。

では、澄ませる工程は何をしているのか。伝統的な手順では、冷たいブイヨンに卵白を混ぜ、ごく弱く加熱する。卵白の粒が、液中の細かい濁りの粒を磁石のように引きつけ、それらがまとまって浮くことで、下に澄んだ液が残るという説明が料理書に見られる[2]。

実際には、卵白を挽いた鶏肉と香味野菜と一緒に冷たいブイヨンに混ぜる。ゆっくり温めると卵白が固まって浮き、不純物を捕まえた層「ラフト」になる[3]。日本語の説明では、卵白などで灰汁を吸着させて漉し、浮いた脂を取って澄ませたものがコンソメとされる[4]。濁りを減らすために、濁りに見える材料を足す。しかし、足した卵白は加熱で固まると、濁りの粒を集める層になる。ここが、この作り方のおもしろいところだ。

なお、濁りが卵白に集まる機構そのものは、料理書や解説の説明にとどまり、ここでは「〜とされる」にとどめる。

2. しろみが うかんだら、かきまぜては いけないの?

2. ラフトができたら、混ぜずにそっとすくう

2. 沸騰させず、ラフトを崩さず:失敗しやすい理由

この スープを つくる ときは、ぐつぐつ ふっとうさせては いけません。ぐつぐつ にると、うかんだ しろみが こわれて、スープが にごって しまいます。

はじめは、なべの そこに くっつかない ように、ときどき まぜます。でも、うえに しろみの そうが できたら、もう まぜません。

そうに ちいさな あなを あけて、おたまで そっと すくいます。ぬのを しいた ざるで ゆっくり こします。むりに おすと、にごって しまいます。

ひやして うかんだ あぶらが かたまったら、とりのぞきます。ここまで やって、やっと すきとおった スープが できあがります。

ラフトができるまでは、鍋の底に材料が付かないよう、ときどき混ぜます。けれどもラフトができたら、崩さないようにします。沸騰させると、固まった卵白の層が壊れて、せっかく捕まえた濁りがスープに戻ってしまうからです[3]。

澄んだ液を取るときは、ラフトに小さな穴をあけ、そこからお玉でそっとすくいます。ラフトを崩すと濁ります。布でゆっくり漉し、押し出さないのも大事です。冷やして固まった脂があれば取り除きます[3]。

ここまでの手順は「かき混ぜない」「沸騰させない」「押し出さない」と、ほとんどが「しない」ことです。澄んだスープをつくる作業は、静かに待つことが多く、そこに料理人の腕が出ます。ただし、温度や時間はレシピによって違い、ここでは数値を決めません。

澄ませる工程は、混ぜる時期と混ぜない時期の見極めに集約される。加熱の初めは、材料が底に付かないよう混ぜる。ラフトができたら崩さない。沸騰させると、固まった卵白の層が壊れ、捕まえた濁りがスープに戻る[3]。

取り出しも同じ考え方である。ラフトに小さな穴をあけ、そこからお玉で澄んだ液をそっとすくう。ラフトを崩すと濁る。布で漉すときも、ゆっくり落とし、押し出さない。冷えて固まった脂は取り除く[3]。

濁りを捕まえているのがラフトという層である以上、層を壊す操作が避けられるのは筋が通る。ただし、手順や温度はレシピによって異なり、卵白の変性温度などの数値は、ここでは断定しない。「何度で何分」より「崩さない」が、どのレシピにも共通する要点として読める。

3. コンソメには、どんな なかまが いるの?

3. 「完成された」スープには、どんな変種があるのか

3. 変種と濃さ:料理書に見る広がり

コンソメには、たくさんの なかまが います。とりの にくで つくる もの、さかなの もの、やまで とれた とりや けものの にくで つくる もの。むかしの りょうりの 本には、ひゃくしゅるいを こえる コンソメが のって います。

あじを 2ばいに こくした ダブルコンソメも あります。1846ねんの 本には、しろみを 8こ(から ごと)つかう つくりかたが のって いました。

コンソメと いう なまえは、フランスごで 「かんせいされた」と いう いみだと いわれます。てまを かけて しあげた、という いみだと おもうと たのしいです。

コンソメは、ひとつの料理というより、作り方の型です。ソワイエの1846年のレシピは、卵白を8個(殻ごと)使います。エスコフィエは鶏・魚・ジビエのコンソメを載せ、ルイ・ソールニエ(Louis Saulnier)の『料理便覧』(1914年)は、百種類以上の変種を収めています[2]。倍の濃さの「ダブルコンソメ」もあります。

澄ませる道具は共通でも、元のブイヨンを変えれば、鶏、魚、ジビエと、まったく別の味になります。「完成された」という名前は、このやり方で味を磨き上げる、という意味と読むこともできます。

コンソメは、固定された一つのレシピではなく、澄ませる工程を共通にした型として料理書に現れる。ソワイエ(1846年)は卵白8個(殻ごと)を使う作り方を載せ、エスコフィエは鶏・魚・ジビエのコンソメを、ルイ・ソールニエ(Louis Saulnier)の『料理便覧』(1914年)は百種類以上の変種を収める。倍の濃さのダブルコンソメもある[2]。

変わるのは元のブイヨンと濃さで、卵白(などのたんぱく質)に濁りを集めさせる骨組みは共通である。つまり、コンソメという名前は、味ではなく、仕上げ方の約束事を指していると読める。この名前が「完成された」と訳されるのも、この点と整合する[1]。

4. おうちの こけいの コンソメは、しろみで すきとおらせて いるの?

4. 家庭の固形コンソメは、卵白で澄ませたものなのか

4. 固形コンソメは、伝統的なコンソメとは別の作り方:乾燥した材料を固めたもの

おうちに ある、こけいの コンソメは、じつは ちがう つくりかたです。しろみで すきとおらせた スープを かんそうさせた ものでは ありません。

かんそうさせた ざいりょうを、ペーストの ように まぜて、かたちを つくります。しおや あぶら、うまみの もとなどが 入って います。メーカーに よって、なかみは 大きく ちがいます。

日本では、1962年に アジノモトが 「KKコンソメ」を はつばい しました。パンにも あう スープの もとで、1つで 2人ぶんでした。1969年には、こなの ような つぶの ものも でました。

家庭の固形コンソメは、卵白で澄ませたスープを固めたものではありません。一般的な固形ブイヨンは、液体を乾燥させるのではなく、乾燥した材料をペースト状に混ぜて成形します。主な原料は、塩、油脂、グルタミン酸ナトリウム、香料などで、製品によって中身は大きく違います[5]。

乾燥ブイヨンを固める発想は古く、17〜18世紀には知られ、19世紀初めにフランスの料理人が特許を出願しましたが、新規性がないとして却下されました。工業生産は、マギーが1908年、オクソが1910年、クノールが1912年です[5]。マギーは1907年とする説もあるため、「最初」とは言い切れません。

日本では、味の素の「KKコンソメ」が1962年に発売されたロングセラーです。発売時はパンにも合う洋風スープの素で、1キューブで2人分でした。顆粒は1969年に発売されました[6]。なお、個別の製品の実際の工程は公開されておらず、ここで書いたのは一般的な作り方です。

家庭向けの固形コンソメは、伝統的なコンソメを乾燥させたものではない。一般的な固形ブイヨンは、液体を乾燥させるのではなく、乾燥済みの材料をペースト状に混ぜて成形する。主原料は塩、油脂、グルタミン酸ナトリウム、香料などで、製造者や年代によって中身が大きく異なる[5]。つまり「コンソメ」という名前を受け継いだ、別の作り方の製品である。ただし味の素製品の実際の工程は非公開で、一般論としての説明である。

乾燥ブイヨンを固める発想は古く、17〜18世紀に知られ、19世紀初めにはフランスの料理人が特許を出願したが、新規性がないとして却下された。工業生産が確かめられるのは、マギー1908年、オクソ1910年、クノール1912年である。マギーの発売を1907年とする説もあるため、どれが最初かは断定しない[5]。

日本では、味の素の「KKコンソメ」が1962年に発売され、発売時は「味の素 KK コンソメスープ」の名で、パンにも合う洋風スープの素として1キューブで2人分とされた。顆粒は1969年である[6]。

5. かたい かたまりは、どうして おゆに とけるの?

5. 運ぶときは固く、使うときは溶ける:固形の設計

5. 輸送に耐え、湯でほぐれる:固さの両立

こけいの コンソメは、はこぶ とき、こわれては こまります。でも、つかう ときは すぐに とけて ほしいです。

あぶらを つぶに して とけやすく して、ゆれにも たえる かたさに する けんきゅうが、おこなわれて いると いいます。いまは、70ど の おゆで 2ふん まぜると とける ように、せっけい されて いるそうです。

むかしの こけいは、とけにくくて つかいにくかった、と いう こえも あったそうです。

固形コンソメには、矛盾した条件があります。輸送の振動では崩れない固さが必要なのに、使うときは湯にさっと溶けなければなりません。

味の素の製品改善のページによると、脂を造粒して溶けやすくし、輸送の衝撃に耐えつつ、使うときには溶ける固さを研究しているそうです。現在は、70℃の湯で2分混ぜると溶けるように設計されているといいます[6][7]。

かつては、溶けにくくて使いづらいという声もあり、改良が重ねられたことがうかがえます。固めて持ち運ぶ工夫の裏に、地道な調整が重ねられてきたことがうかがえます。

固形コンソメの設計課題は、「輸送に耐える固さ」と「調理時にほぐれる柔らかさ」の両立である。味の素の製品改善のページによれば、脂を造粒して溶けやすくし、輸送の衝撃に耐えつつ使用時には溶ける固さを研究しており、現在は70℃の湯で2分混ぜると溶ける設計だという[6][7]。

以前の製品に「溶けにくくて使いづらい」という声があったことも、同じ資料に触れられている。固めるという発想自体は古くから知られていたが、家庭で使われ続けるには、固さと溶けやすさの調整という、地道な改良が必要だったと読める。

6. おうちの こけいの コンソメを、じぶんで しらべて みよう

6. 台所の固形コンソメから、澄ませる工夫を考える

6. 手もとの固形コンソメから確かめられること

おうちに こけいの コンソメが あれば、ふくろの うらの 「げんざいりょう」を 見て みましょう。しおや あぶらが 書いて あるでしょうか。ほかには どんな ざいりょうが 書いて あるでしょうか。ひょうじだけでは、つくりかたまでは わからない ことも あります。

ためしに、大人と いっしょに、あたたかい おゆに 入れて みる ことも できます。やけどに 気を つけて、とける ようすを 見て みましょう。にごって いるか、すきとおって いるか、どうでしょうか。

スープが にごる ことと、すきとおらせる ことが、どうして ちがうのか。そう 思えたら、りょうりの 本を 見て みるのも おもしろいです。

家に固形コンソメがあれば、袋の裏の原材料表示を見てみましょう。塩や油脂など、どんなものが、どの順に書かれているでしょうか。

大人と一緒に、温かい湯に入れてみるのも一つの手です。やけどに気をつけて、溶けるようすや、スープの色を見ます。濁っているか、澄んでいるか。その見た目が、卵白で澄ませたコンソメとどう違うのかを考えてみると、名前が同じでも作り方は別物だと実感できます。

さらに調べたいときは、料理書や、各メーカーの公式ページが手がかりになります。

手もとに固形コンソメがあれば、原材料表示を、伝統的なコンソメの作り方と見比べてみる。材料の違いに気づけるだろう。ただし、表示だけでは詳しい製法までは分からない。

調べる手がかりは、料理書(ソワイエ、エスコフィエ、ソールニエなど)、辞典、そして各社の製品情報ページである。卵白のたんぱく質が濁りをどう集めるかの機構は、料理科学の専門書に当たると、本記事の「〜とされる」の部分を確かめられる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

卵白のはたらきの説明は料理書・解説サイトに基づく。製品の実際の工程は非公開で、一般論として書いた。

  1. 味の素「簡単おいしいコンソメ」 https://www.ajinomoto.co.jp/consomme/ (名前の意味、ブイヨンとの関係)
  2. Wikipedia「Consommé」 https://en.wikipedia.org/wiki/Consomm%C3%A9 (語源、卵白で澄ませる説明、料理書の例)
  3. Great British Chefs「How to make a consommé」 https://greatbritishchefs.com/how-to-cook/how-to-make-consomme (ラフトの作り方と取り出し方)
  4. Wikipedia「ブイヨン」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%A8%E3%83%B3 (日本語での説明)
  5. Wikipedia「Bouillon cube」 https://en.wikipedia.org/wiki/Bouillon_cube (固形ブイヨンの歴史と作り方)
  6. DIME「味の素 KKコンソメ」 https://dime.jp/genre/2055570/ (日本での発売、溶ける設計)
  7. 味の素 製品改善ページ https://www.ajinomoto.co.jp/products/anzen/kodawari/step1/improve.html (固さと溶けやすさの工夫)

なおした ところ

更新履歴

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