1. さとうは、消えて いない
1. 砂糖は消えたのではなく、粒が小さくばらばらになった
1. 溶けた砂糖は消えず、見えない粒として水に散らばる
さとうを 水に 入れて、スプーンで かきまぜると、さとうの かたちは なくなります。でも、重さは かわりません。さとうと 水を いっしょに はかれば、とかす 前と 同じ 重さです。
では、さとうは どこに いるのでしょう。さとうは、目では 見えない ほど ちいさな つぶに わかれて、水の 中に まぎれて います。水が すきとおって いるのは、つぶが 小さすぎて 光を 大きく さえぎらないからです。
砂糖を水に入れてかき混ぜると、結晶は見えなくなり、水は透明なままになります。ここで「砂糖が消えた」と考えると、重さが減ったことになってしまいます。しかし、砂糖と水を合わせた重さは溶かす前と変わりません[7]。
答えは、砂糖が一つひとつの分子にまで分かれて、水の中に一様に散らばったということです。水を蒸発させると白い結晶が戻ってくるのは、散らばった粒がそのまま水の中に残っていたからです。
2. 水の ちいさな つぶは、はしが 少し かたよって いる
2. 水の分子は、両端がわずかに電気を帯びている
2. 水分子の極性が、溶けた粒を引き寄せて囲む
水は、とても 小さい つぶ(分子)が たくさん あつまって できて います。その つぶの さんその がわは 少し マイナスに、すいそ の がわは 少し プラスに かたよって います。つぶ全体では 電気は つり合って いますが、はしに 少しずつ 電気の かたよりが あるのです。
そこで、さとうや しおの つぶの まわりに 水の つぶが あつまり、つぶを かこみます。この かこむ はたらきを、すいわと いいます。
水の分子は、酸素原子が電子を強く引きよせるため、酸素の側がわずかにマイナス、水素の側がわずかにプラスに偏っています。このような分子を極性分子といいます。
食塩のイオンや、水となじみやすい部分を多くもつ砂糖の分子は、この偏りと引き合って水の分子に囲まれます。溶けた粒のまわりに水の分子が集まる現象を水和といい、事典では粒と水分子の間の静電引力によるものと説明されています[5]。
水分子は極性をもつ。酸素側が負、水素側が正にかたよるため、陽イオンは酸素側、陰イオンは水素側の水分子に引かれ、水和イオンを作る。事典も、粒と水分子の双極子の間の静電引力によると記述している[5]。
砂糖のような分子では、水酸基(OH)などの部分が水と水素結合で結びつく。砂糖はイオンに分かれないため、溶けた粒の数は溶かした分子の数と同じである。ここが食塩との大きな違いである。
3. しおは、電気を もった ちいさな つぶに わかれる
3. 食塩は、水に溶けると電気を帯びた粒に分かれる
3. 電離説 ── 物理の学生が、塩の溶けかたを調べた
しおは、水に とけると、プラスと マイナスの 電気を もった 小さな つぶに わかれます。この つぶを イオンと いいます。だから、しおを 入れた 水は 電気を 通すように なります。
この 考えを だしたのは、スウェーデンの アレニウスと いう 人です。はじめは 大学の 中で 反対された と いわれて います。それでも、この 考えは のちに 広く みとめられ、1903年に ノーベル化学しょうを もらいました。
4. さとうは、いくらでも とけるの?
4. 溶ける量には限りがある
4. 溶解度 ── 水100gに溶ける量の上限と、温度による差
コップの 水に さとうを 少しずつ 入れて いくと、ある ところで とけのこりが 出て きます。これ いじょうは とけない、という しるしです。
20℃の 水 100グラムには、さとうは 200グラムほど、しおは 36グラムほど まで とけます。さとうは しおより ずっと たくさん とける のです。しおは、お湯に しても とける りょうが あまり かわりません。
5. とけるとき、ねつを うばう もの、出す もの
5. 溶けるときに熱をやりとりする物質と、気体の逆の傾向
5. 溶解の熱と、気体の溶解度が温度で逆になる理由
つめたい パックの 中には、白い こなが 入って いる ものが あります。水と まぜると パックが つめたく なるのは、こなが 水に とける とき、まわりの ねつを すい取る からです。反対に、ねつを 出して あたたかく なる とけかたも あります。
あたたかい たんさんすいは ぬけやすい と いわれます。たんさんの 気体は、温度が 上がると 水に とける りょうが へるからです。さとうや しおと ぎゃくの 動きです。
6. しらべて みよう
6. 自分でも調べてみたくなったら
6. 自分で調べてみたくなったら
同じ コップの 水に、同じ スプーンで さとうを ひとさじずつ 入れて、とけのこりが 出る まで 数えて みて ください。大人と いっしょに、たべものの さとうや しおだけを 使って ください。なめたり、のんだりは しないで ください。
さとうを とかした 水を 少し あさい お皿に とって、日の あたる まどに 何日か おいて ください。白い つぶが 出て くるか、見て みましょう。
今日できること:同じコップの水に、同じスプーンで砂糖を一杯ずつ入れ、とけ残りが出るまでの杯数を数えます。お湯と水の両方で同じことをして、差を比べてみましょう。お湯を使うときは、大人といっしょに行ってください。
数日かけてできること:砂糖水を浅い皿に少量入れ、日の当たる窓辺に置きます。水が減ったあとに出てくる結晶を観察しましょう。なめたり飲んだりはしないでください。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
このメモは、下にあげた公開情報をもとに書いています。文章や図を無断で転載してはいません。もっと正確に知りたいときは、必ず下の出典にあたってください。リンク先の内容や、リンク切れの有無は保証できません。
- ウプサラ大学「Svante Arrhenius」(英語のページ)。 https://www.uu.se/en/about-uu/history/prominent-people/svante-arrhenius (アレニウスの博士論文が、塩の溶解と電気伝導を扱ったこと、電離説、指導教授からの助言、大学内の反対とのちの広い承認)
- Nobel Prize「The Nobel Prize in Chemistry 1903」(公式サイト)。 https://www.nobelprize.org/prizes/chemistry/1903/summary/arrhenius (電解質の解離の理論による1903年のノーベル化学賞)
- 独立行政法人 農畜産業振興機構(alic)「消費者コーナー」(2018年5月9日更新)。 https://alic.go.jp/koho/kikaku03_001083.html (20℃の水100gに溶ける量の目安。食塩は約36g、砂糖は約200g。食塩は温度が変わってもほとんど変わらないこと)
- 「溶解度」の項目(デジタル大辞泉・小学館、百科事典マイペディア・平凡社、改訂新版 世界大百科事典・平凡社)。コトバンク掲載。 https://kotobank.jp/word/%E6%BA%B6%E8%A7%A3%E5%BA%A6 (溶媒100gに溶ける溶質のグラム数で表すこと、温度で値が変わること、液体に対する気体の溶解度は温度が高くなると減少すること)
- 「水和」の項目(日本大百科全書、百科事典マイペディア、化学辞典)。コトバンク掲載。 https://kotobank.jp/word/%E6%B0%B4%E5%92%8C (溶質の粒が水分子に取り囲まれる現象。イオンの場合はイオンと水分子の双極子の間の静電引力によること)
- 「硝酸アンモニウム」の項目(改訂新版 世界大百科事典・平凡社)。コトバンク掲載。 https://kotobank.jp/word/%E7%A1%9D%E9%85%B8%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%A2%E3%83%8B%E3%82%A6%E3%83%A0 (水によく溶け、溶けるときに大量の熱を吸収するため寒剤に利用されること)
- 宮城県教育委員会の小学校理科の指導資料(第5学年「物の溶け方」。PDF)。 https://www.edu-c.pref.miyagi.jp/mnavidata/22J0018.pdf (物を水に溶かしても、水と物を合わせた重さは変わらないこと。溶ける量には限度があること。「溶けると重さが減る」と考える児童が多いこと)
- 論文「Crumbling Crystals: On the Dissolution Mechanism of NaCl in Water」(arXiv:2211.04345)。 https://arxiv.org/pdf/2211.04345 (水中での塩化ナトリウムの溶解の仕組みを、計算によって調べた研究。細かい過程は研究が続いていること)
なおした ところ
更新履歴
更新履歴(改版の記録)
- 初版を公開。
このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。