1. かけた ところに、だれが 光を 当てて いるの?
1. 三日月の欠けた部分に見える、ぼんやりした光
1. 地球照とは何か ── 月の暗部が見える現象
夕方の 西の 空に、ほそい 月が 出て います。よく 見ると、かけた ところにも、まるい 月の 形が うすく 見えます。
月は 自分では 光りません。太陽の 光を はね返して、光って 見えます。太陽が 当たらない ところは、まっくらの はずです。なのに、なぜ ぼんやり 見えるのでしょう。
この 見えかたを、ちきゅうしょうと 言います。
夕方の西の空に細い月が出ているとき、欠けた部分にも、丸い月の輪郭がうっすら見えることがあります。
月は自分で光っているわけではなく、太陽の光を反射して輝いています。太陽が当たらない側は、本来は真っ暗なはずです。それなのに見えるのはなぜでしょうか。
この現象は「地球照(ちきゅうしょう)」と呼ばれます[1]。
2. 月から 地球を 見たら どう 見えるの?
2. 月に立って地球を見上げると
2. 「満地球」── 月から見た地球の満ち欠け
月に 立って、空を 見上げた ところを 思いうかべて ください。地球が、まるい 大きな ボールのように うかんで います。
地球も 太陽の 光を はね返して います。とくに 雲や 氷は、よく はね返します。その 光が 月の よるがわを、ぼんやり てらします。
たとえば、日なたの かべに 当たった 光が、かげの 中まで 少し 明るく する ことが ありますね。それと 少し にて います。ただし、月と 地球の 間は ずっと 遠くて、空気も ありません。
月の夜側に立って地球を見上げたところを想像してみましょう。地球は、空に浮かぶ大きな球として見えるはずです。
地球も太陽の光を反射しています。その光が月の夜の側を、ほんのり照らしています。それを、私たちは地球から見ているのです。光は「太陽から地球へ、地球から月へ、月から地球へ」と、二度も跳ね返ってきたことになります。
たとえるなら、日なたの壁で跳ね返った光が、日かげの部屋をぼんやり明るくするのに似ています。ただし月と地球の間には空気がなく、ずっと離れています。
3. どうして ほそい 月の ときに 見えやすいの?
3. 細い月のころに見やすい理由は、2つある
3. 見やすさの条件 ── 満地球の明るさと、月の明部の小ささ
ふたつ 理由が あります。
ひとつめ。月が ほそい ときは、月から 見ると 地球が ほとんど まんまるです。地球の 光が、いちばん たくさん 月に 当たります。
ふたつめ。月が ほそいと、光って いる ところが 小さいので、まぶしく ありません。明るい 電気の となりでは ろうそくが 見えにくいけれど、電気を 消すと 見えるのに にて います。
理由は2つ挙げられています[1]。
1つめは、月が細いころ、月から見た地球がほぼ満ちた状態になることです。このとき地球から月へ届く反射光が強くなります。
2つめは、月の明るい部分が小さいので、まぶしくなく、暗い部分が見やすいことです。明るい電灯のそばでは、ろうそくの火が見えにくくなりますが、電灯を消すと見えるようになります。それと似た関係です。
4. 500ねん まえの 人は、どう 考えたの?
4. 500年前のレオナルド・ダ・ヴィンチのノート
4. レスター手稿のダ・ヴィンチ ── 地球の海が月を照らす
いまから 500ねんほど 前に、イタリアの レオナルド・ダ・ヴィンチが、ノートに この ことを 書いたと いわれて います[3]。
「地球の 海に 当たった 太陽の 光が、月の くらい ところを てらす」という 考えです。絵も かいて いたそうです。
ダ・ヴィンチが この 見えかたを はじめて 見つけた 人かどうかは、わかりません。でも、光の 通り道を よく 考えた 人だった ことは、たしかなようです。
15世紀から16世紀にかけて活躍したレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452〜1519)は、この現象の仕組みをノートに書き残したことで知られています[3]。
そのノートには、地球の海で反射した太陽の光が月の暗い部分を照らす、という趣旨の説明があり、スケッチも添えられていると伝えられます。ガリレオが望遠鏡で月を観察した1609年より、約100年前のことです。
ダ・ヴィンチが「最初の発見者」だったとまでは言えません。ただ、地球と月が光をやりとりしていると考え、その理由を書いた人の1人であることは確かなようです。
5. 月の 光で、地球の 雲を はかる?
5. 月の光から、地球の雲の量を探る
5. 反射率(アルベド)の観測 ── 地球照が測る地球の明るさ
いま、この 光は 研究にも つかわれて います[1]。
地球の 雲が かわると、地球が はね返す 光の 量も かわります。すると 月の くらい ところの 明るさも かわります。この 明るさを はかれば、地球の 雲の ようすを さぐる てがかりに なります。
アメリカの 天文台では、20ねんほど、月の 光を はかり つづけたと いわれて います[5]。月を 見ながら、地球の ようすを しらべて いる ことに なります。
6. いつ、どこを 見れば いいの?
6. 見つけやすい時期と方向
6. 観察の目安 ── 月齢と方向
月が ほそい ころに、見やすく なります。新月の 前は、明け方の 東の 空です。新月の あとは、夕方の 西の 空です[3]。
月が ふとく なって くると、光って いる ところが まぶしくて 見えなく なります。月の 形を 見て、ほそい 日を ねらって みましょう。
新月の前は、明け方の東の空に細い月が出ます。新月の後は、夕方の西の空に出ます[3]。目安は、新月の前後です。
月が太ってくると、明るい部分がまぶしくなり、暗部は見えなくなっていきます。
見る時期は、新月の前なら明け方の東の空、新月の後なら夕方の西の空である[3]。目安は新月の前後である。
月が太るにつれ明部がまぶしくなり、暗部は見えにくくなる。
自分でも しらべて みたく なったら
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
月を 見つけて みよう
おうちの 人と いっしょに、月が ほそい ころに、空の ひらけた ところで 見て みましょう。夕方や 明け方に 外へ 出る ときは、くるまに 気を つけて ください。
かけて いる ところが ぼんやり 見えたら、その 日の 月の 形を えに かいて みましょう。
本を 読むなら
としょかんで「月」の 本を さがして みましょう。ちきゅうしょうの ことも のって いる ことが あります。
細い月で確かめる
月が細い日に、家族と一緒に空が開けた場所で観察してみましょう。欠けた部分がうっすら見えたら、その日の月の形と時刻、見えた方角をノートに書き留めます。夕方や明け方に外へ出るときは、道や車に気をつけてください。
もっと調べるなら
日本天文学会が出している天文学辞典の「地球照」を読むと、仕組みをもう一度たどれます。
観察と記録
月が細い日に、空が開けた場所で観察する。夕方は西、明け方は東の空を見て、暗部が見えたかどうかと月齢・時刻を記録する。図書館の天文書や、天文学辞典・月探査情報ステーションの解説で仕組みを確かめると、記録と照らし合わせやすい。
資料を読むなら
図書館の日本語の天文書で、月の観察記録の書き方や地球照の説明を探し、自分の記録と比べてみるとよい。日本語の解説どうしを読み比べると、説明の違いにも気づける。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
記事で使った資料です。
- 天文学辞典「地球照」。https://astro-dic.jp/earthshine/ (仕組み、見やすい理由、反射率の研究への利用)
- 月探査情報ステーション Q029。https://moonstation.jp/faq-items/q029 (地球照の仕組みの第二の説明)
- sorae「地球照」の解説。https://sorae.info/astronomy/20210713-earthshine.html (見る時期と方向、ダ・ヴィンチの記述)
- Wikipedia「Earthshine」。https://en.wikipedia.org/wiki/Earthshine (反射源が主に雲であるという現在の理解)
- AGU Newsroom「Earth is dimming due to climate change」。https://news.agu.org/press-release/earth-is-dimming-due-to-climate-change/ (地球照による反射率の長期観測)
なおした ところ
更新履歴
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