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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

工場の でんきを へらすには、なにから はじめるの?

工場の省エネは、なにから始めればいいのか ── 目に見えない空気の漏れと「測る」話

工場の省エネは、どこから手をつけるのか ── 圧縮空気の漏れ・運用改善と設備投資・エネルギー原単位

分野:技術

工場が お休みの 日曜日にも、うごいて いる きかいが あった、という 話が あります。コンプレッサーの しょうエネの だい一歩は、目に 見えない 空気の もれを 見つける ことだと いわれます。

では、工場の でんきを へらすとき、なにから はじめれば いいのでしょう。さいしょは「はかる」こと。その じゅんばんと、国の 目ひょうが 分かります。

人も製造ラインも止まっている休みの日に、コンプレッサーだけが動いていた。省エネ診断で電力を1週間つづけて測ったら、そんな例が見つかった、という資料があります。コンプレッサーの省エネは、圧縮空気の漏れを見つけることが第一歩といわれ、その漏れは10〜20%という調査もあります。

では、工場の省エネは、なにから始めればいいのでしょうか。この記事では、「測る、お金のかからない使い方の見直し、設備」という順番と、目に見えない空気の漏れの測り方、国の目標の考え方が分かります。

操業していない土日にもコンプレッサーが動いていた、という省エネ診断の例が紹介されている。圧縮空気はメーカーの調査で10〜20%が漏れているとされ、しかも漏れは目に見えない。ただしこの数字は2005年刊の書籍にもとづく調査の目安で、どの工場もそうだという意味ではない。

工場の省エネは、どこから手をつけるのか。測定で現状を知る段階、運用改善と設備投資の費用と効果のちがい、漏れ率の測り方と試算の前提、国が掲げるエネルギー原単位の年平均1%という目標の意味が分かる。

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1. 日曜日の 工場で、なぜ きかいが 動いて いたの?

1. 誰もいない日曜日に、動いている機械があった

1. 休日の工場でコンプレッサーが動いていた ── 測定が見つけたもの

工場が お休みの 土曜日と 日曜日。人も、ものを つくる ラインも とまって いるはずです。

ところが、ある しょうエネの しんだんでは、1週間 つづけて でんきを はかったら、お休みの 日にも コンプレッサーが 動いて いる ことが 分かった、と しょうかいされて います[7]。コンプレッサーは、空気を ぎゅっと おしこめて、あっしゅく空気を つくる きかいです。

なぜ 動いて いたのかは、この 資料しりょうでは 分かりません。ひとつ 考えられるのは、あとで 出て くる 空気の もれです。あなが あいて いたら、使って いなくても 空気は へるので、コンプレッサーは つくり つづける ことに なるからです。ただし これは 考えられる 一例れいで、この 工場の げんいんと いう わけでは ありません。

長野県の 資料しりょうは、しょうエネを すすめるには まず はかって、いまの ようすを 知る ことが だいじだと 話して います[5]。はかると、見えなかった ムダが 見えて きます。

工場が休みの土曜日と日曜日。人も製造ラインも止まっているはずなのに、コンプレッサーだけは動き続けていた。経済産業省の関東経済産業局のセミナー資料に、そんな省エネ診断の例が紹介されています。1週間つづけて電力を測ったところ、操業していない土日にもコンプレッサーが動いていることが分かったそうです[7]。コンプレッサーは、空気をぎゅっと押し縮めて圧縮空気をつくる機械です。

なぜ動いていたのかは、この資料からは分かりません。ひとつ考えられるのは、このあと出てくる空気の漏れです。穴があいていれば、使っていなくても空気は減り、コンプレッサーはつくり足し続けることになるからです。ただしこれは筋道から考えた一例で、この事例の原因だと言っているわけではありません。

省エネは「測る」ことから始まる

長野県工業技術総合センターの技術情報は、省エネを進めるにはまず測定で現状を知ることが重要で、見える化、分析、ムダの発見という順に改善を進められると説明しています[5]。埼玉県の省エネ診断の資料も、実測をともなわない現状把握は不十分だと注意しています[6]。

測ってはじめて、休みの日の電力のような「見えなかったムダ」が見えてきます。では、測ったあとは、何から手をつけるのでしょうか。

製造ラインが止まる休日に、コンプレッサーだけが動いていたら、そこにはムダが隠れている可能性がある。関東経済産業局のセミナー資料には、1週間連続で電力を測ったところ、工場が操業していない土日にもコンプレッサーが稼働していることが分かった、という省エネ診断の例が載っている[7]。コンプレッサーは空気を圧縮して圧縮空気をつくる機械である。

稼働の理由は、この資料の範囲では分からない。仮説として考えられるのは、後で述べる圧縮空気の漏れだ。配管に穴があれば、設備を使っていなくても圧力は下がり、コンプレッサーは圧力を保つために運転し続ける。ただしこれは筋道から立てた仮説にすぎず、この事例の原因とは断定できない。また削減額などの数字は、資料の要約にとどまるため載せない。

この例が示すのは、平日の昼間の運転だけを見ていても、ムダは見つかりにくいということだ。長野県工業技術総合センターの技術情報は、省エネを進めるにはまず測定により現状を知ることが重要で、見える化・分析・ムダの発見の順に改善できると述べる[5]。埼玉県の省エネ診断資料も、実測なしの現状把握は不十分としている[6]。測定は出発点で、では測ったあとに何をするのかが次の問いになる。

2. お金を かけない 方ほうから はじめる、って ほんと?

2. 測ったあとは、お金のかからない方から手をつける

2. 運用改善と設備投資 ── 費用・効果・手間のちがい

はかった あとは、2つの やり方が あります。

1つめは、「つかい方を 見なおす」やり方です。たとえば、使って いない 時間に きかいを とめる ような ことです。お金は あまり かかりませんが、自分たちで 考えて 動く 手間は おおきいと、埼玉県さいたまけんの 資料しりょうは 整理して います[6]。

2つめは、しょうエネに つよい 新しい せつびを 入れる やり方です。ききめは 大きい ものの、かかる お金も 大きい、と 同じ 資料しりょうに あります[6]。

だから、じゅんばんは「はかる」→「お金の かからない つかい方の 見なおし」→「せつび」と 考えると すじが 通ります。いちばん 大きな 買い物は、はかった 数字を 見てから 決められるからです。

埼玉県の省エネ診断の資料は、省エネの進め方を大きく二つに分けて整理しています[6]。

運用改善 ── 安く始められるが、手間がかかる

ひとつは運用改善です。機械の使い方や止め方を見直すもので、初期投資は小さくすみます。そのかわり、自分たちで考えて行動する手間は大きい、と資料は書いています。たとえば、人のいない時間に機械を止める、といった見直しが当てはまります。

省エネ設備の導入 ── 効果は大きいが、投資も大きい

もうひとつは、省エネ性能の高い設備を入れることです。効果が大きい反面、投資額も大きくなります[6]。

この二つを並べると、順番が自然に決まります。まず測って現状を知り、初期投資の小さい運用改善から手をつける。そのうえで、大きな費用がかかる設備の入れかえは、測った数字を見てから考える。これが工場の省エネの基本の流れです。ただし、これは資料の整理から読み取れる大まかな順番で、すべての工場に当てはまる決まりではありません。

最初の「測る」で、圧縮空気の漏れがよく話題になるのはなぜでしょうか。

測定で現状を把握したあと、どの対策を選ぶか。埼玉県の省エネ診断資料は、運用改善は初期投資が小さい一方で、自前で考えて行動する手間が大きく、省エネ設備の導入は効果が大きい反面、投資額が大きいと整理する[6]。費用・効果・手間の3つの軸で、2つの手段の性格が逆になっている。

この性格のちがいから、運用改善を先に試す考え方がある。初期投資の小さい運用改善(たとえば人のいない時間に機械を止めるなど)を先に試せば、投資なしに効果が出る部分が分かる。それでも残る分を、設備更新で取りにいく。運用改善で状況が変わってから設備を選ぶほうが、能力を大きくしすぎる無駄な投資を避けられるはずだ、と筋道では考えられる。ただしこれは資料の整理から読み取った大まかな流れで、設備によっては運用改善より先に更新する判断もありうる。

手間の大きさは、運用改善の「弱み」でもある。誰かが考えて動かなければ進まないため、測定の結果を共有する仕組みが要る。次に、測定で最初に見つかる大物として、圧縮空気の漏れを見る。

3. 空気の もれは、どうして ほうって おかれるの?

3. 水漏れともガス漏れとも違う、空気の漏れ

3. 圧縮空気の漏れ率 ── 10〜20%という数字の読み方

水が もれたら ゆかが ぬれます。ガスが もれたら においが します。でも、あっしゅく空気が もれても、目には 見えません。音も 小さい ため、気づかれにくい、と J-Net21 は 書いて います[1]。

コンプレッサーの メーカーの 調べでは、あっしゅく空気の 10〜20%が もれて いる、とされます[1]。10この うち 1〜2こが、空に にげて いく ような ものです。ただし これは 2005年の 本に のった メーカーの 調べの 目やすで、どの 工場も 同じとは かぎりません。

この 資料しりょうは「空気の もれを なくす ことは、コンプレッサーの しょうエネの だい一歩」と いわれる、とも 書いて います[1]。

水が漏れれば床がぬれ、ガスが漏れればにおいがします。ところが圧縮空気は、漏れても見えず、環境や火災の危険もないため、放置されがちだとJ-Net21(中小機構)は説明します[1]。音がかすかに聞こえる程度で、誰かが気づかなければ何年も漏れ続けるかもしれません。

10〜20%という数字

同じ資料は、コンプレッサーメーカーの調査では圧縮空気の10〜20%が漏れている、と紹介します。出典は省エネルギーセンター刊『空気圧縮機』(2005年)の記述です[1]。つまり、つくった空気のうち10個に1〜2個ぶんが使われず、外へ出ていく計算です。別のJ-Net21のQ&Aは、コンプレッサーが工場全体の消費電力の10〜30%を占めることもあるとします[2]。

ここで、読み方に注意が要ります。これは日本中の工場の平均ではなく、メーカーの調査の目安です。ですから「10〜20%」は、自分の工場を測る前の「このくらいのことがある」というヒントとして受け取るのがよさそうです。

この資料は、空気漏れ対策を「コンプレッサーの省エネの第一歩」ともいわれると紹介しています[1]。では、見えない漏れを、どうやって数字にするのでしょうか。

水漏れは床がぬれ、ガス漏れはにおいで気づくが、圧縮空気の漏れは、目に見えず、環境上・火災上の危険もないため放置されやすい。J-Net21(中小機構)の省エネQ&Aはそう説明する[1]。気づく手がかりが弱いから、測定という手段が意味をもつ。

同じQ&Aは、コンプレッサーメーカーの調査では圧縮空気の10〜20%が漏れているとし、空気漏れ対策をコンプレッサー省エネの第一歩とする[1]。この数字の出どころは省エネルギーセンター刊『空気圧縮機』(2005年)で、全工場の平均ではなく、メーカー調査の目安である。別のQ&Aは、コンプレッサーが工場全体の消費電力量の10〜30%を占めるとする[2]。これは「占めることがある」という幅のある数字だ。最近の実測値や、日本の工場全体の平均は、ここで使った資料では分からない。

2つの数字は、そのままかけ合わせられない。10〜30%は工場の電力に占めるコンプレッサーの割合で、10〜20%は空気の量の割合だからだ。漏れた空気の量の割合が、そのまま電力の割合になるとは限らない。それでも、見えない漏れが工場の電力に関わる規模になりうることは分かる。では、見えない漏れの量は、どのように数字にできるのか。

4. 見えない もれを、どうやって はかるの?

4. 見えない漏れを、圧力の下がり方で数字にする

4. 漏れ率の測定法と、削減額の試算例の前提

ふうせんに 空気を 入れて、口を むすぶと します。小さな あなが あいて いたら、ふうせんは すこしずつ しぼみます。あなが 大きいほど、はやく しぼみます。

工場でも、にた 考え方で もれを はかります。はいかんの 先を ふさいで、コンプレッサーを うごかして、きまった あつりょくに なったら とめます。そのあと、空気の あつりょくが どれくらいの 時間で さがるかを はかります[1]。はやく さがるほど、もれが 多いのです。

この はかり方で、コンプレッサーが 出す 空気の うち、何%が もれて いるかが 分かります[1]。

J-Net21には、けいさんの 例れいも あります。55キロワットの コンプレッサーを 1年に 6000時間 うごかす 工場で、もれ 8%を ゼロに すると、1年に 約やく25700キロワットじ、でんき代で 約やく51万4000円へる、という 例れいです。1キロワットじを 20円と して けいさんして います[1]。ただし これは、きまった 条件じょうけんの 計算例れいで、ほかの 工場の ききめは、せつびに よって かわります。

ふうせんの口を結ぶと、小さな穴からでも、少しずつ空気が抜けてしぼみます。工場でも、考え方は似ています。

圧力の下がる時間を計る

J-Net21が紹介する方法では、まず配管の末端を閉じてから、コンプレッサーを動かします。決められた圧力になったら止め、そこから使う圧力の上限から下限まで下がるのに何秒かかるかを計ります。漏れがあれば圧力は下がり、早く下がるほど漏れは多いことになります。これをコンプレッサーの吐出し流量と比べると、漏れ率が求められます[1]。

削減の試算例を読む

同じ資料には試算例があります。55kWのインバータ式スクリューコンプレッサーを年6,000時間、平均負荷率70%で運転する工場で、漏れ率8%を0%にしたとします。すると、年間で約25,700kWhの電力が減り、電気代は1kWhあたり20円で計算して年に約51万4,000円の削減になる、という計算です[1]。

この数字は、機械の大きさ・運転時間・電気代の単価などの前提をそろえた計算例です。自分の工場のコンプレッサーなら、同じ結果になるとは限りません。また、この例は8%を0%にした場合で、10〜20%の削減額ではありません。それでも、見えない漏れが、金額に換算できる大きさになりうることは分かります。

ところで、省エネには国の目標があります。生産量が増えた年は、どう評価されるのでしょうか。

漏れ量は、J-Net21の省エネQ&Aによれば、次のように測る。配管の末端を閉鎖してからコンプレッサーの運転を始め、規定圧力に達したら停止する。停止後、漏れによって圧力が使用圧力の上限から下限まで下がる時間を計り、吐出し流量に対する漏れ率を求める[1]。漏れが多いほど、圧力の下がる時間は短くなるので、時間を測れば見えない漏れを数字にできる。条件は「配管末端を閉じ、設備を使っていない状態」で、運転中の実際の漏れとは測り方がちがう点に注意したい。

同じQ&Aの試算例は、55kWのインバータ式スクリューコンプレッサー、年間運転6,000時間、平均負荷率70%の条件で、漏れ率8%を0%にしたときの削減を示す。計算は「55kW÷0.90(総合効率)×(60-53)%×6,000h/年≒25,700kWh/年」で、25,700kWh×20円/kWh=514,000円/年である[1]。式の(60-53)%は、漏れ分に相当する負荷の差と読めるが、この資料の式の細かい定義までは今回読み切っていないため、数字は結果だけを前提つきで紹介する。

この例の限界は3つある。①漏れ率8%は10〜20%の目安とは別の仮定である。②電気代の単価20円/kWhは試算上の数字で、契約によって変わる。③機種や運転パターンがちがえば、同じ穴でも結果がちがう。したがって、51万円は「前提をそろえた一例」であり、他の工場の予想値ではない。それでも、見えない漏れを測れば金額に直せるという筋道は示している。次の問いは、こうした取り組みを、国はどう評価するのかである。

5. 作る 数が ふえたら、しょうエネは しっぱい?

5. 生産が増えても省エネを比べる「原単位」

5. エネルギー原単位 ── 年平均1%低減という努力目標の意味

こんな 話を 考えて みましょう。去年は 1000こ 作って、でんきを 500 使いました。今年は 1200こ 作って、540 使いました。でんきの 使う 量りょうは ふえましたが、しょうエネは しっぱいでしょうか。

1こ あたりで 見ると、去年は 0.5、今年は 0.45です。1こ 作るのに 使う でんきは へって います。ただし、この 数字は 説明せつめいの ための かりの 数です。

国の 法律ほうりつ「しょうエネほう」は、この「1こ あたり」を 「げんたんい」と 名前を つけて、中長期に 見て 毎年 平均へいきん 1%いじょう へらすことを 目ひょうに して います[3]。これは、がんばって めざす 努力どりょく目ひょうで、「できる はんいで」と ついて います[3]。

一定の 量りょういじょうの エネルギーを 使う 工場は、へらす 計画を 3〜5年ぶん 作って、毎年 出します[3]。

去年は1,000個つくって、エネルギーを500使った工場があるとします。今年は1,200個つくって、540使いました。使う量は増えたので、省エネは失敗でしょうか。

1個あたりで割ってみます。去年は500÷1,000=0.5、今年は540÷1,200=0.45です。生産が増えても、1個をつくるのに使うエネルギーは減っています。数字は説明のための仮のものです。

「原単位」で比べる

この「1個あたり」に近い考え方が、省エネ法のエネルギー消費原単位です。原油に換算したエネルギー使用量を、生産数量など、エネルギー使用量と密接な関係をもつ値で割って求めます[4]。生産量が変わっても比べられるのが利点です。

省エネ法の指針は、この原単位を中長期的にみて年平均1%以上低減させることを目標とし、技術的かつ経済的に可能な範囲で努めるよう求めています[3]。努力目標であり、使用量そのものを毎年1%減らす意味ではありません。仮の数字の工場なら、0.5が1年後に0.495になる計算です。

計画を立てて、毎年出す

一定以上のエネルギーを使う特定事業者などは、削減の中長期計画を3〜5年度分を目安に作り、毎年度提出する義務があります[3]。「測る」と「運用改善・設備」を、長い目で組み立てるための仕組みと読めます。ただし、特定事業者になる基準の数字は、この記事の資料では確かめていないので書きません。

生産量が増えた年に、エネルギー使用量そのものを減らせとするのは無理がある。そこで省エネ法の評価は、エネルギー消費原単位という割り算の指標を使う。原単位は、原油換算のエネルギー使用量を、生産数量その他のエネルギー使用量と密接な関係をもつ値で割った値だ[4]。仮に去年が500÷1,000=0.5、今年が540÷1,200=0.45なら、使用量が8%増えても原単位は10%減っている。数字は説明用の仮のものである。

省エネ法の中長期計画の指針は、原単位を中長期的にみて年平均1%以上低減させることを目標とし、技術的かつ経済的に可能な範囲内で実現に努めるとする[3]。努力目標であり、使用量を毎年1%減らす規則ではない。仮の例で0.5を毎年1%ずつ下げれば、1年後は0.495、約5年後に約0.475になる。しかも「技術的かつ経済的に可能な範囲」という限定が付く。

同じ資料は、特定事業者等が削減の中長期計画を3〜5年度分を目安に毎年度作成・提出する義務を負い、省エネ取組の優良な事業者は提出頻度が軽減されるとも述べる[3]。この制度が、冒頭の「測る→運用改善→設備」を一度きりでなく繰り返す動機づけになっていると読める。ただし、この読みは筆者の解釈で、資料が因果を述べているわけではない。特定事業者の指定基準の数値や、事業者を4段階に分ける制度の割合は、検索要約や古い年度の数字しかないため、書かない。

6. 家の でんきメーターで、るすばんの でんきを 見てみよう

6. 家の電気メーターで、留守番中の電気を見てみる

6. 出口 ── 家庭で試せる「測る」と、資料の読みどころ

工場の 「はかる」を、家で ためして みましょう。かならず、おうちの 人と いっしょに 見ます。メーターには さわりません。見るだけです。

1. 家を 出る 前に、でんきメーターの 数字を ノートに 書きます。2. 帰って きたら、もう 一度 数字を 見て、書きます。3. 2つの 数字の ちがいが、るすの 間に 使った でんきです。

だれも いない 間も、れいぞうこなどは 動いて います。ゼロでは なくて ふつうです。なにが 動いて いるのか、おうちの 人と 話して みると、「見えない ムダ」の 見つけ方が わかります。ただし、メーターの 形は 家に よって ちがいます。数字が 読めない ときは、おうちの 人に 聞いてください。

工場の しょうエネの 話は、J-Net21の「しょうエネQ&A」に、くわしく のって います[1]。

工場の「測る」を、家庭に持ってきてみましょう。家族と一緒に、家の電気メーターを見ます。メーターには触らず、数字を見るだけにします。

出かける前に数字を書きとめ、帰ってきたらもう一度書きます。差が、留守のあいだに家で使われた電気の量です。冷蔵庫のように、人がいなくても動くものがあるので、ゼロにならないのが普通です。メーターの形は家によってちがうので、読み方が分からないときは家の人に聞いてください。

休みの日の工場でもコンプレッサーが動いていた、という診断の例があります[7]。自分の家では、誰もいないあいだに何が電気を使っているのでしょうか。そう考えると、省エネの「測る」の意味が、少し身近になります。

工場の省エネの進め方は、J-Net21の省エネQ&A[1][3]に、日本語でくわしく載っています。国の目標の考え方なら、原単位の項目[4]が入り口になります。

家庭でも「測る→運用→設備」の順を試せる。出かける前と帰宅後に電気メーターの数字を書きとめ、差から留守中の使用量をつかむ。冷蔵庫など常時動く機器があるので、ゼロにならないのは普通だ。メーターには触れず、読み方が分からないときは家の人に聞く。工場のコンプレッサーのように、使っていない時間に動く機器を探す練習になる。

資料を読むなら、漏れ率の測り方と試算例は省エネQ&A Q1308[1]、原単位の定義はQ1245[4]、年平均1%と中長期計画はEQ0009[3]が入り口になる。省エネ法の条文や指針(資源エネルギー庁など)に直接あたれば、「努力目標」の言い回しや対象事業者の基準を、自分の目で確かめられるだろう。

残る問いは多い。最近の工場で、圧縮空気の漏れは実際にどのくらいか。測定でムダが見つかった事例は、どれくらい削減につながったのか。自分の学校や家の電気を測ってみると、この問いが具体的な数字として見えてくる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:J-Net21(中小機構)の省エネQ&A、長野県・埼玉県・関東経済産業局の資料を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. J-Net21 省エネQ&A「圧縮空気漏れ対策の省エネ効果は?」。https://j-net21.smrj.go.jp/development/energyeff/Q1308.html (空気漏れの特徴、漏れ率10〜20%、測り方、試算例について)
  2. J-Net21 省エネQ&A「圧縮空気システムの省エネ(吐出圧力の低減)」。https://j-net21.smrj.go.jp/development/energyeff/Q1166.html (コンプレッサーの電力割合と漏れ率の別の目安について。検索要約)
  3. J-Net21 省エネQ&A「中長期計画作成指針の改正(2020年10月14日)」。https://j-net21.smrj.go.jp/development/energyeff/EQ0009.html (原単位の年平均1%低減の目標と、中長期計画の提出について)
  4. J-Net21 省エネQ&A「省エネ法でのエネルギー原単位と生産量換算」。https://j-net21.smrj.go.jp/development/energyeff/Q1245.html (原単位の定義について)
  5. 長野県工業技術総合センター 技術情報 No.464。https://www.gitc.pref.nagano.lg.jp/pdf/gijutujoho/gijutujoho464.pdf (まず測って現状を知ることについて。検索要約)
  6. 埼玉県 省エネ診断資料。https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/25640/02enegy30.pdf (運用改善と設備導入の費用・効果・手間の整理について。検索要約)
  7. 経済産業省 関東経済産業局 省エネセミナー資料。https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/sho_energy/data/r4_shoene_seminar01f.pdf (休日にコンプレッサーが動いていた診断例について。検索要約)

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