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3Dプリンターの 糸は、何で できて いるの?

3Dプリンターの糸は、何でできているのか

3Dプリンターの糸は、何でできているのか

分野:技術

3Dプリンター用の フィラメントを 売って いる お店の ページを 見ると、色も ねだんも バラバラな しょうひんが、ずらりと ならんで いる。

よく 見ると、名前の ところに 「PLA」「ABS」など、見なれない アルファベットが 書いて ある。これは 色の ちがいでは なく、そざい(何で できて いるか)の ちがいを あらわす 名前だ。その 中には、コーヒーの のこりかすから 作られた フィラメントまで ある。

3Dプリンター用のフィラメントを売っているお店のページを見ると、色も値段もバラバラな商品が、ずらりと並んでいる。

よく見ると、名前のところに「PLA」「ABS」など、見慣れないアルファベットが書いてある。これは色の違いではなく、素材(何でできているか)の違いを表す名前だ。その中には、コーヒーの残りかすから作られたフィラメントまである。

3Dプリンター用フィラメントの通販ページを開くと、同じ形状の製品なのに、名前の欄に「PLA」「ABS」「PETG」といった見慣れない略称が並んでいる。これらは色の違いではなく、素材そのものの違いを示す名称である。

扱いやすさを重視したもの、強度や耐熱性を追求したもの、木や金属の質感を再現したもの、水に入れるだけで溶けてなくなるものまで、フィラメントの素材には数十種類の選択肢がある。近年では、コーヒーの搾りかすやビールの醸造かすを原料にした変わり種まで登場している。フィラメントの素材ごとの特徴を取り上げる。

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1. 「PLA」は、いちばん つかいやすい

1. 「PLA」は、一番使いやすい

1. 「PLA」は、扱いやすさで選ばれている

いちばん よく つかわれる フィラメントは、「PLA」と いう そざいだ。とうもろこしなどの しょくぶつから 作られて いて、ひくい 温度で とかせるので、はじめて 3Dプリンターを つかう 人にも 向いて いる[1]

ねだんは 1キログラムで だいたい 2500円から 4000円くらい。ただし、あつい 場所に おくと やわらかく なって しまう ため、車の 中など 高温に なる ところには 向かない[1]

なつに きる Tシャツと、雪の 日に きる あつい コートの きじが ちがうように、フィラメントも、何を 作るかに よって、ふさわしい しゅるいが ちがう。

一番よく使われるフィラメントは、「PLA」という素材だ。とうもろこしなどの植物から作られていて、低い温度で溶かせるので、初めて3Dプリンターを使う人にも向いている[1]

値段は1キログラムでだいたい2500円から4000円くらい。ただし、暑い場所に置くと柔らかくなってしまうため、車の中など高温になるところには向かない[1]

PLA(ポリ乳酸)は、とうもろこしなどの植物由来のでんぷんを原料とする樹脂じゅしで、190〜220度程度の比較的低温で造形できる。冷えたときの収縮(反り)が少なく扱いやすいため、入門用として広く使われている[1]

価格は1キログラムあたりおよそ2500〜4000円が相場である。ただし耐熱温度はおよそ55〜60度と低く、夏場の車内のような高温環境では変形するおそれがある[1]

2. 「ABS」は じょうぶで、「PETG」は 中間の せいしつを もつ

2. 「ABS」は丈夫で、「PETG」は中間の性質を持つ

2. 「ABS」は強度、「PETG」はバランスで選ばれる

「ABS」は、PLAより ずっと じょうぶで、あつさにも つよい そざいだ。おもちゃの レゴブロックにも つかわれて いる そざいと 同じ なかまだ。ただし とかす とき とくゆうの においが 出るのが 弱点だ[2]

「PETG」は、PLAの あつかいやすさと、ABSの じょうぶさの りょうほうを 少しずつ もつ そざいだ。ペットボトルと にた なかまの プラスチックで、じっさいに つかう 道具の ぶひんなどに 向いて いる[2]

「ABS」は、PLAよりずっと丈夫で、暑さにも強い素材だ。おもちゃのレゴブロックにも使われている素材と同じ仲間だ。ただし溶かすとき特有のにおいが出るのが弱点だ[2]

「PETG」は、PLAの扱いやすさと、ABSの丈夫さの両方を少しずつ持つ素材だ。ペットボトルと似た仲間のプラスチックで、実際に使う道具の部品などに向いている[2]

ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)は、耐衝撃性・耐熱性に優れた樹脂で、耐熱温度はおよそ95〜105度に達する。レゴブロックにも使われている素材である。ただし造形時に独特のにおいが発生し、冷却時の収縮も大きいため、周囲を囲う「エンクロージャー」がある機種のほうが扱いやすい[2]

PETG(ペットボトルと同系統のポリエステル樹脂)は、PLAの扱いやすさとABSの強度の中間的な特性を持つ。耐熱温度はおよそ75〜80度で、においも比較的少なく、実用部品の製造に適した素材として選ばれることが多い[2]

3. 「TPU」は ゴムの ように 曲がり、「ナイロン」は じょうぶだ

3. 「TPU」はゴムのように曲がり、「ナイロン」は丈夫だ

3. 「TPU」は柔軟性、「ナイロン」は高強度を持つ

「TPU」と いう フィラメントは、かたまっても ゴムの ように やわらかく 曲げられる。くつの そこや、スマホの カバーのような、まげのびする ぶひんに つかわれる[3]

「ナイロン」は、とても じょうぶで、こすれても へりにくい そざいだ。ただし しめった 空気を すいやすく、つかう 前に しっかり かんそうさせる ひつようが ある[3]

「TPU」というフィラメントは、固まってもゴムのように柔らかく曲げられる。靴の底や、スマホのカバーのような、曲げ伸ばしする部品に使われる[3]

「ナイロン」は、とても丈夫で、こすれても減りにくい素材だ。ただし湿った空気を吸いやすく、使う前にしっかり乾燥させる必要がある[3]

TPU(熱可塑性ポリウレタン)は、ゴムに近い弾性を持つ柔軟なフィラメントで、靴底やスマートフォンケースなど、繰り返し曲げ伸ばしされる部品に向いている[3]

ナイロン(PA)は耐摩耗性・強度に優れ、産業用途にも使われる素材だが、吸湿性が非常に高いという弱点を持つ。湿気を含んだまま加熱すると気泡が生じて造形品質が落ちるため、印刷前の乾燥管理が欠かせない[3]

4. 木や 金ぞくの こなを まぜた フィラメントも ある

4. 木や金属の粉を混ぜたフィラメントもある

4. 木材フィラメントと金属フィラメントが質感を再現する

PLAに 木の こなを まぜた フィラメントで いんさつすると、木の ような 見た目と さわりごこちの さくひんが できる。いんさつ中には、木の においが する ことも ある[4]

PLAなどに 金ぞくの こな(どうや ステンレスなど)を まぜた フィラメントも ある。いんさつした あと、みがくと 金ぞくらしい つやが 出る[4]

PLAに木の粉を混ぜたフィラメントで印刷すると、木のような見た目と触り心地の作品ができる。印刷中には、木のにおいがすることもある[4]

PLAなどに金属の粉(銅やステンレスなど)を混ぜたフィラメントもある。印刷したあと、磨くと金属らしいつやが出る[4]

木材フィラメントは、PLAなどの樹脂に木の粉末を混ぜ込んだ複合素材で、木目調の質感や、造形中に木の香りが漂うといった特徴を持つ。竹の粉末を高い割合で配合し、ノズル詰まりを抑えた製品も開発されている[4]

金属フィラメントは、PLAやナイロンなどの樹脂に、銅・真鍮・ステンレス鋼などの微細な金属粉末を配合したものである。造形後にやすりがけや研磨をすると、金属特有の質感や光沢が現れる[4]

5. 水に 入れると、フィラメントが とけて なくなる

5. 水に入れると、フィラメントが溶けてなくなる

5. 水溶性フィラメントが、複雑な形の支えになる

うでを のばした 形など、空中に うき出た ぶぶんが ある さくひんは、いんさつ中に ささえが ひつように なる ことが ある。この ささえに 「PVA」と いう フィラメントを つかうと、いんさつが おわった あと、水に つけるだけで きえて なくなる[5]

いらなく なった ところを けずったり きったり しなくて すむので、こまかい 形を きれいに 作れる ように なる。

腕を伸ばした形など、空中に浮き出た部分がある作品は、印刷中に支えが必要になることがある。この支えに「PVA」というフィラメントを使うと、印刷が終わったあと、水につけるだけで消えてなくなる[5]

いらなくなったところを削ったり切ったりしなくて済むので、細かい形をきれいに作れるようになる。

張り出した形状やアーチ状の構造を造形するとき、通常は一時的な支持材(サポート材)が必要になる。PVA(ポリビニルアルコール)は水溶性を持つ樹脂で、サポート材専用のフィラメントとして使われる[5]

造形が完了したあと、水に数時間浸すだけでサポート部分だけが溶けてなくなり、本体を傷つけずに複雑な形状を取り出せる。工具で削り取る手間もかからない[5]

6. コーヒーの かすからも フィラメントが 作られる

6. コーヒーのかすからも、フィラメントが作られる

6. コーヒーかすなど廃棄物から作られたフィラメントが登場した

さいきんでは、コーヒーを いれた あとに のこる かすを まぜた フィラメントも 作られて いる。すてられる はずだった ものを りようする こころみだ[6]

ほかにも、ビールを 作る ときに 出る しぼりかすや、あさの せんいを まぜた フィラメントなど、めずらしい げんりょうを つかった しゅるいが つぎつぎに 作られて いる[6]

最近では、コーヒーを入れたあとに残るかすを混ぜたフィラメントも作られている。捨てられるはずだったものを利用する試みだ[6]

他にも、ビールを作るときに出る搾りかすや、麻の繊維を混ぜたフィラメントなど、珍しい原料を使った種類が次々に作られている[6]

近年、廃棄物を原料に使った変わり種フィラメントが登場している。米国のメーカーは、コーヒーの搾りかすを配合した「Wound Up」、ビールの醸造かすを配合した「Buzzed」、麻の繊維を配合した「Entwined」といった製品を展開している[6]

バルセロナでは、再生PLAとコーヒーかすを組み合わせた素材による3Dプリント家具がカフェに設置された例もある。この素材は成分の大部分が有機物で構成され、生分解性を持つとされる[6]

じぶんでも やって みる

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

家や 学校に 3Dプリンターが あったら、つかって いる フィラメントの ふくろの ひょうじを 見て、どんな そざいか しらべて みましょう。

身の まわりの プラスチックせいひん(ようき・おもちゃ・文ぼうぐ など)の 下がわを 見ると、そざいの しゅるいが しるされて いる ことが あります。どんな そざいが つかわれて いるか、見つけて みましょう。

家や学校に3Dプリンターがあったら、使っているフィラメントの袋の表示を見て、どんな素材か調べてみましょう。

身の回りのプラスチック製品(容器・おもちゃ・文房具など)の下側を見ると、素材の種類が記されていることがあります。どんな素材が使われているか、見つけてみましょう。

身近な製品の素材表示を確かめてみる

プラスチック製品の底面などにある識別マーク(PET・PE・PP・PSなど)を探し、3Dプリンターのフィラメントの素材名(PLA・ABS・PETGなど)と同じ系統のものがあるかを比べてみる。3Dプリンターやフィラメントが身近になくても、家庭にある製品の素材表示だけで調べを始められる。

資料を読む

  • 各フィラメントの詳しい印刷条件や特性について、メーカーの技術資料で調べてみる。[1]

しらべた ところ

参考にした情報源

参考にした情報源

  1. SK本舗「【2026年版】3Dプリンターフィラメント完全比較ガイド」。 https://skhonpo.com/blogs/3dprinter-practice/filament-comparison-guide-2026 (PLAが植物由来の樹脂で190〜220度程度の低温で造形できること、価格帯がおよそ1kgあたり2500〜4000円であること、耐熱温度がおよそ55〜60度と低いこと)
  2. SK本舗「PLA vs ABS vs PETG 比較ガイド」、SK本舗「【2026年版】3Dプリンターフィラメント完全比較ガイド」。 https://skhonpo.com/blogs/faq/pla-abs-petg-comparison-guide (ABSの耐衝撃性・耐熱性〔約95〜105度〕とにおい・収縮の弱点、PETGがPLAとABSの中間的な特性を持つこと、それぞれの耐熱温度と価格帯)
  3. SK本舗「各フィラメントの特徴」、kokishi-computing「PLA、TPU、ABS、PETGを徹底比較」。 https://skhonpo.com/pages/filament-features (TPUがゴムに近い弾性を持つ柔軟な素材であること、ナイロン〔PA〕が高強度だが吸湿性が非常に高く印刷前の乾燥管理が必要なこと)
  4. i-MAKER「3Dプリンターの木材フィラメント完全ガイド」、ホッティーポリマー株式会社「3Dプリンター用金属フィラメントとは?」。 https://i-maker.jp/blog/wood-filament-11577.html https://www.hotty.co.jp/columns/metal-filament-3dprinter/ (木材フィラメントが樹脂に木の粉末を混ぜた複合素材で木目調の質感と香りを持つこと、竹の粉末を高い割合で配合しノズル詰まりを抑えた製品があること、金属フィラメントが樹脂に銅・真鍮・ステンレス鋼などの金属粉末を配合したもので研磨により金属質感を再現できること)
  5. Forward AM/日本3Dプリンター株式会社「水溶性サポート材(サポートフィラメント)とは?」。 https://ultrafusefff.jp/blogs/column/12 (PVAが水溶性を持つ樹脂でサポート材専用フィラメントとして使われること、造形後に水に浸すだけでサポート部分が溶けてなくなること)
  6. 3DP id.arts「リサイクルゴミ生まれの3Dプリントフィラメント」、3DP id.arts「コーヒー廃棄物を利用した3Dプリント家具」。 https://idarts.co.jp/3dp/landfillament-3d-print-filament/ https://idarts.co.jp/3dp/coffee-waste-turns-3d-printed-furniture/ (米国メーカーによるコーヒーかす配合「Wound Up」、ビール醸造かす配合「Buzzed」、麻繊維配合「Entwined」といった製品、バルセロナでの再生PLAとコーヒーかすを組み合わせた3Dプリント家具の事例)
  7. きになるノート「3Dプリンター ── プラスチックを積み上げて立体を作るしくみ」。 ../articles/3d-printer-history.html (3Dプリンターの発明の歴史とFDM方式の造形の仕組み自体については、この記事で詳しく扱っている)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

  •  初版を公開。

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