1. まげた クリップは、もとに もどる?
1. 少し曲げれば戻り、大きく曲げれば戻らない ── その境目はどこか
1. 「元に戻る」と「戻らない」── 弾性と塑性の定義
うすい したじきを、手で 少し そらせて みましょう。手を はなすと、もとの 形に もどります。でも ぐいっと 大きく まげると、あとが のこって、もどりきらない ことが あります。
力を かけられた ものが、力を とった あとに もとに もどろうと する せいしつを、弾性と いいます。もどらない へんかを する せいしつは、塑性です[3]。
では、「もどる」と 「もどらない」の さかいめは、どこに あるのでしょう。じつは、この さかいめに ついて、むかしの 人が おもしろい かくしかたを して いました。
薄い下敷きを手で少しそらせて、離してみてください。すぐに元の形に戻ります。ところが大きく曲げると、跡が残って、完全には戻らないことがあります。
力を加えられた物体が、力を取り去ると元に戻ろうとする性質を弾性といいます。元に戻らない変形を示す性質は塑性です。弾性の限界を超えて力を加えると、力をゼロに戻してもひずみ(変形)が残ります[3]。
つまり、ものには「ここまでなら戻る」という限界があるのです。その限界の手前にどんな決まりがあるのかを、17世紀のイギリスの科学者フックが調べました。
下敷きを軽くそらせて離せば元に戻り、強く折れば跡が残る。この日常の経験を用語にしたものが、弾性と塑性である。弾性は、外力で変形した物体が力を除くと元に戻ろうとする性質、塑性は、力を除いても元に戻らない変形を示す性質をいう。応力(物体の内部に生じる、単位面積あたりの力)がある値を超えると、応力が0になってもひずみが残る。この値が弾性限度である[3]。
ここで大切なのは、「戻る・戻らない」が物体の種類ではなく、加えた力の大きさで決まる点である。同じ下敷きでも、少しの力なら弾性、大きな力なら塑性になる。ただし境目の位置は材料で違い、輪ゴムとクリップでは大きく異なる(第4章)。では、限界の手前では、力と変形の間にどんな規則があるのか。この問いに答えようとしたのが、フックである。
2. フックは、わかった ことを なぜ あんごうに して はっぴょうした?
2. フックは「ばねの法則」を暗号にして発表した
2. 比例の法則と、アナグラムで示された発見(1676〜1678年)
ばねを 引っぱると、力が 2ばいに なれば、のびも 2ばいに なります。この きまりを「フックの ほうそく」と いい、1678年に イギリスの フックが 見つけたと されて います[1]。
フックは、この きまりを、まず あんごうの かたちで 見せました。ことばの もじを ならべかえた もので、1676年の ことです。のちに とき明かした 答えは、ラテン語で「ut tensio, sic vis」、「のびに おうじて 力も」と いう いみでした[2]。
なぜ あんごうに したのかは、しりょうには かいて ありません。ただ、この きまりが つかえるのは、「ちいさく のびて いる あいだ」だけです。では、そこを こえると?
ばねを引っ張ると、力が2倍になれば伸びも2倍になります。このように、ひずみが小さいとき、応力(物体の内側に生じる力)はひずみに比例する、というのがフックの法則です。1678年にイギリスのR・フックによって発見されたとされます[1]。
おもしろいのは、フックがこの法則をすぐには公表しなかったことです。英語版Wikipediaによると、1676年に、ラテン語の文字を並べかえたアナグラムの形で示し、1678年に答えを明かしました。答えは「ut tensio, sic vis」、つまり「伸びに応じて、力も」という意味です。本人は1660年から気づいていたと述べたそうです[2]。
なぜ暗号にしたのか、資料には理由が書かれていません。ただ、この法則が成り立つのは「ひずみが小さいとき」という条件つきです。では、その条件を超えるとどうなるのでしょうか。
弾性の範囲で、力と変形の関係を最初に式の形にしたのがフックの法則である。ひずみが小さいとき、応力はひずみに比例する、と表される。日本語の事典(コトバンク)は、1678年にイギリスのR・フックが発見したと記す[1]。
ところが英語版Wikipediaは、少し異なる経緯を伝える。フックは1676年にラテン語のアナグラム(文字の並べかえによる暗号)で法則を示し、1678年に答えの「ut tensio, sic vis」(伸びに応じて力も)を公表した。本人は1660年から知っていたと主張したという[2]。つまり、「1678年の発見」は公表の年で、気づいた年はもっと前だった可能性がある。年号を引用するとき、どの出来事を指すのかをそろえる必要がある。暗号にした理由は、挙げた資料には書かれていない。
もう一つ大切な点がある。Wikipediaによれば、フックの法則はばねなどの実際の反応への一次近似であり、どんな材料も、ある大きさ以上に伸ばしたり縮めたりすれば、永久変形や状態の変化を起こす[2]。法則の条件の外側で何が起こるのか。次は、境目を越えた世界を見る。
3. さかいめを こえると、きんぞくの 中で なにが おきる?
3. 境目を超えると、金属の中で何が起きるのか
3. 降伏点から破断まで ── 応力ひずみ曲線を読む
きんぞくを ゆっくり 引っぱって いくと、さいしょは ばねの ように、はなせば もどります。そのうち ある ところを こえると、もどらなく なります。さらに 引っぱると、さいごには ちぎれます[4]。
なかで なにが おきて いるのでしょう。名古屋市科学館の せつめいでは、ふつうの きんぞくに 力を くわえて かたちを かえると、となりあう げんしの つながりが きれて、ずれて、べつの げんしと つながります。これでは もとの すがたには もどれません[5]。
ただし これは、むずかしい しくみを やさしく したものです。では、この「もどる はんい」は、ものに よって どれくらい ちがうのでしょう。
引っ張ると、どう変わっていくか
金属の棒をゆっくり引っ張り、力と伸びの関係をグラフにしたものを、応力ひずみ曲線といいます。最初は、力を取り除けば元に戻る弾性の領域です。ある点を超えると、塑性変形が始まります。この点が降伏点です。そこから先も引っ張り続けると、材料はむしろ硬くなっていく(加工硬化)ことがあり、最大の力(引張強さ)に達したあと、一部分がくびれて細くなり、やがて切れる、とWikipediaは説明しています[4]。
上降伏点・下降伏点という2つの降伏点が現れるのは軟鋼の特徴で、すべての材料に出るわけではありません。
原子のレベルでは
名古屋市科学館の資料は、普通の金属に力を加えて形を変えると、隣り合う原子どうしのつながりが切れ、ずれて別の原子とつながると説明します。そのため、元の状態には戻れません[5]。これは、わかりやすく説明されたもので、くわしい説明(転位のすべり)はもっと専門的になります。
では、戻る限界は、材料によってどのくらい違うのでしょうか。
引っ張り試験で、試験片に加える力を増やしていくと、応力とひずみの関係は段階的に変わる。まず、除荷すれば元に戻る弾性領域。次に、降伏点で塑性変形が始まる。軟鋼では上降伏点・下降伏点が現れるが、これは軟鋼の特徴で、全材料に出るわけではない。塑性領域では、変形を進めるのに必要な応力がむしろ増える加工硬化が見られ、引張強さ(最大の応力)に達したあと、試験片の一部が局部的に縮むくびれが生じて、破断に至る、とWikipedia(応力-ひずみ曲線)は説明する[4]。ここでは数値は示さない。材料や条件で大きく変わるからである。
原子の目で見ると、なぜ戻れないのか。名古屋市科学館の資料は、普通の金属に力を加えて変形させると、隣り合う原子どうしのつながりが切れ、ずれて別の原子とつながるため、元の状態に戻れない、と説明する[5]。展示解説の平易な説明で、厳密には結晶中の転位がすべる現象として扱われる。
ここで重要なのは、「原子のつながりが切れてつなぎかわる」ことが、戻れなさの理由として挙げられている点である。逆に言えば、つながりを切らずに形を変えられる材料があれば、戻れるはずだ。その前に、材料ごとの境目のちがいを見ておこう。
4. ゴムは、どうして とても のびても もどれるの?
4. 境目は材料によってちがう ── ゴム・鋼・アルミ
4. 比例限度と弾性限度のずれ ── ゴム・鋼・アルミ
わゴムは、びよーんと 長く のばしても、はなせば もとに もどります。きんぞくの クリップなら、そんなに のばせません。ものに よって、「もどる はんい」は ちがうのです。
じてんでは、「ひれいが なりたつ はんい」と 「もどる はんい」は、ふつう ちかいと かかれて います。でも ゴムのように、ひれいの はんいを ずっと こえても、もどる ものも あります[1]。
ゴムが もどる りゆうは、きんぞくとは ちがいます。ゴムの 中の ぶんしは ゆれて いて、できるだけ ばらばらの じょうたいに もどろうと します[3]。くわしい ことは、べつの ページに ゆずります。
では、「もどれない」はずの きんぞくが、じつは もどる ことは あるのでしょうか。
輪ゴムは、びよんと長く伸ばしても、離せば元に戻ります。金属のクリップなら、それほど伸ばせません。「元に戻る範囲」は、材料によって違います。
辞典によれば、比例の関係が成り立つ限界(比例限度)は、普通は弾性限度に近いとされます。しかしゴムのように、比例限度をかなり超えても弾性を保つ物質もあります[1]。金属でも、英語版Wikipediaによれば、鋼は降伏強さ以下でほぼ直線的に伸びますが、アルミなどには、弾性の範囲のごく一部でしかフックの法則に従わない材料もあります[2]。
ゴムが戻る理由は、金属とは別です。分子が熱で絶えず動いていて、できるだけ無秩序な状態に戻ろうとする、という説明があります[3]。詳しくは別の記事に譲ります。
ここまで見てきた金属は、境目を越えたら戻れませんでした。ところが、境目を越えても戻る金属が、偶然見つかったのです。
弾性の範囲がどこまで続くかは、材料ごとに大きく異なる。比例限度(応力がひずみに比例する限界)は、一般に弾性限度に近い。ところがゴムのように、比例限度をかなり超えても弾性を保つ物質がある[1]。比例の関係が成り立つ範囲と、元に戻る範囲は、必ずしも重ならない。
金属の中でも事情は異なる。Wikipediaによれば、鋼は降伏強さ以下でほぼ直線的な関係を示すが、アルミニウムなどは弾性範囲のごく一部でしかフックの法則に従わない[2]。
ゴムの弾性は、一般の固体とは仕組みが異なる。ゴム状弾性は、分子が熱運動をしていて、できるだけ無秩序な状態に戻ろうとすることが原因とされる[3]。詳しくは別の記事に譲る。
この整理をふまえると、問いが一つ残る。金属は、塑性変形すると原子のつながりが切れて戻れない。その常識を破る合金が、もし存在するなら、原子の世界で何が違うのか。その合金は、会議室の偶然から見つかった。
5. かいぎで まわされた おびに、ライターを ちかづけた 人
5. 回覧された帯にライターを近づけた、1961年の会議
5. ニチノールの命名(1959年)と、1961年の偶然の発見
ニッケルと チタンという 2つの きんぞくを まぜた ごうきんが あります。アメリカの かいぐんの けんきゅうじょの ビューラーという 人が 1959年に、「ニチノール」と なづけました。なまえは、ニッケル、チタン、けんきゅうじょの なまえの かしらもじを あわせた ものです[7]。
1961年の かいぎで、この ごうきんの ほそい おびが、アコーディオンの ように おりたたまれ、みんなの 手に まわされました。なんども まげられた あと、ぎじゅつの ふくぶちょうの ムゼーはかせが、パイプに ひを つける ライターの ねつを あてると、おびは ぐぐっと のびたと つたえられて います[7]。
まげた ものが、ねつで もどった。これが「かたちの きおく」に きづく きっかけに なったと いわれます。でも、なぜ もどれたのでしょう。
この合金は、ニッケルとチタンをほぼ1対1で混ぜたもので、「ニチノール」といいます。アメリカ海軍の研究所にいたビューラーが1959年に命名しました。名前は、Nickel(ニッケル)、Titanium(チタン)、研究所の名前の頭文字を合わせたものです[7]。
転機は1961年の会議でした。アコーディオンのように折りたたまれた細い帯が、参加者の間で回覧され、何度も曲げ伸ばしされました。パイプを吸う技術副部長のムゼー博士が、パイプ用のライターの熱を帯に当てたところ、帯が伸びた、と伝えられています[7]。
この話は、再録された記事によるもので、資料は二次的です。それでも、普通の金属ではありえない動きが、会議の場の偶然で見つかったという筋は、研究の面白さをよく伝えています。では、なぜ帯は戻ったのでしょうか。
この合金は、ニッケルとチタンがほぼ1対1の割合のニチノールである[5]。名は、米国海軍兵器研究所(NOL)のビューラー(W. J. Buehler)が1959年に付けたもので、Nickel Titanium Naval Ordnance Laboratoryの頭文字から作られている[7]。
形状の記憶が見つかったのは、1961年の研究所の会議である。アコーディオン状に折った細い帯が参加者に回され、何度も曲げられた。技術副部長のムゼー博士が、パイプ用のライターの熱を当てたところ、帯が伸びた。この一件が、形状の記憶に気づく決め手になったという[7]。なお、命名者のビューラー本人はこの会議に出ておらず、助手が発表したとされる。熱を当てたのはムゼー博士である。
この話の出どころは、1997年に再録された記事(Kauffman & Mayo)という二次の資料である。出来事の細部は、「伝えられている」程度に読むのが妥当だ。それでも、偶然が発見につながった点は興味深い。曲げられた帯が熱で戻る、という現象は、塑性変形の定義(力を除いても戻らない)と矛盾して見える。次は、この矛盾を原子のレベルでほどく。
6. なぜ、まげても ねつで もどれるの?
6. 原子のつながりを保ったまま形が変わる
6. マルテンサイト相とオーステナイト相 ── 形状記憶と超弾性
形状記憶合金は、まげても、ある おんど いじょうに すると、もとの かたちに もどる ごうきんです[5]。
ふつうの きんぞくは、まげると となりあう げんしの つながりが きれて しまいます。でも この ごうきんは、ひくい おんどでは、となりあう げんしの つながりを たもった まま、かたちが かわります。あたためると、もとの すがたに もどり、つながりが おなじ ままなので、かたちも もとに もどります[5]。
もどる おんどは、ごうきんの わりあいや ねつの くわえかたで、20度から 100度ぐらいの あいだで かえられます[5]。もどる おんどが ひくくて、へやの なかや 体の おんどで すぐ もどる ものは、超弾性と よばれます[5]。
この 力は、わたしたちの みの まわりでも つかわれて います。
名古屋市科学館の資料では、変形させても、ある温度以上にすると元の形に戻る合金を形状記憶合金と呼んでいます。20種類以上あり、ニッケルとチタンがほぼ1対1のニチノールが最もよく使われます[5]。
戻れる理由は、原子のつながり方にあります。低い温度の状態(マルテンサイト相)では、力を受けたとき、隣り合う原子のつながりを保ったまま形を変えます。温度を変態温度以上に上げると、元の状態(オーステナイト相)に戻ります。原子のつながりが同じなので、形も元に戻ります[5]。普通の金属が「つながりを切って、つなぎかえる」のとは、ここが違います(第3章)。
形が戻る温度は、割合や熱処理で20〜100度ほどの間で変えられます。この温度が室温や体温より低いものは、変形しても力を除くとすぐ元の形に戻ります。これを超弾性といいます[5]。東北大学の資料も、変態点が常温以下の合金を超弾性合金と呼び、見かけの弾性が鋼の通常のばねより大きいと述べています[6]。
形状記憶合金は、変形しても、ある温度以上にすれば元の形に戻る合金で、20種類以上が知られる。最も広く使われるのは、ニッケルとチタンがほぼ1対1のニチノールである。割合や熱処理によって、形を回復する温度を20〜100度ほどの間で変えられる[5]。
原理は、結晶構造の変化(変態)にある。低温のマルテンサイト相に力を加えると、隣り合う原子どうしのつながりを保ったまま形が変わる。変態温度以上に温めると元のオーステナイト相に戻り、原子のつながりが同じなので、形も元に戻る[5]。普通の金属では、塑性変形で原子のつながりが切れてつなぎかわるため戻れない(第3章)。ちがいは、つながりを保つか切るかにある。
では、どうして「室温でもすぐ戻る」ものがあるのか。形が戻る温度が低いものは、室温や体温でもすぐ元の形に戻り、超弾性と呼ばれる。形状記憶との違いは、戻る温度である[5]。東北大学の資料も、変態点が常温以下の合金を超弾性合金と呼び、見かけの弾性が鋼の通常のばねより大きいと記す[6]。つまり超弾性は、見かけの弾性が普通の鋼より大きい合金の性質である。
こうして「戻る」と「戻らない」の境目は、材料の種類や温度で動く、と分かる。身のまわりで、この境目を使っている道具はあるのか。
7. みの まわりの ものを ためして、さがして みよう
7. クリップと輪ゴムで境目を試し、暮らしの中の形状記憶合金を探す
7. 境目を自分の手で確かめる ── 身近な試しかたと、資料の読みどころ
クリップと わゴムで、さかいめを ためして みましょう。まず、わゴムを 少し のばして はなします。もとに もどります。つぎに、クリップを 少しだけ まげて はなします。もとに もどる ことが あります。大きく まげると、まがった ままに なります。
あんぜんの ため、目の ちかくで まげないで ください。なんども まげると おれて、ささる ことが あるので、1回か 2回に して、おとなに いって からにしましょう。
この 力が つかわれて いる ものは、形状記憶合金の ブラジャー、めがねの フレーム、つりぐ、はの ほうせいの ワイヤー、すいはんジャーの あつりょくを ととのえる ぶひん、パイプの つぎてなどです[5]。おうちで、めがねや つりぐを 見て みましょう。
クリップと輪ゴムで、境目を試してみましょう。輪ゴムを少し伸ばして離すと、元に戻ります。クリップを少しだけ曲げて離すと、戻ることがあります。大きく曲げると、曲がったままになります。力の大きさで、「戻る」と「戻らない」が分かれることが分かります。
安全のため、目の近くでは曲げないでください。何度も曲げると折れて、指を傷つけることがあります。1回か2回にとどめ、保護者に伝えてからにしましょう。
形状記憶合金は、洗濯しても型くずれしないブラジャー、めがねのフレーム、釣り具、歯列矯正のワイヤー、炊飯ジャーの圧力調整弁、パイプの継ぎ手などで使われています[5]。身のまわりのものを見直して、どこで「戻る力」が使われているかを想像してみてください。
名古屋市科学館の資料(PDF)[5]は、日本語で短く読める原典です。
輪ゴムは少し伸ばして離すと戻る。クリップを少し曲げて離すと、戻る場合がある。大きく曲げると曲がったままになる。輪ゴムとクリップでは戻り方が違うこと、同じクリップでも力の大きさで戻り方が変わることを、手で観察できる。ただし、安全のため目の近くでは曲げないこと。何度も曲げると折れて、指を傷つけるおそれがある。1回か2回にとどめ、保護者に伝えてからにしよう。
形状記憶合金は、洗濯しても型くずれしないブラジャー、めがねのフレーム、釣り具、歯列矯正のワイヤー、炊飯ジャーの圧力調整弁、パイプの継ぎ手などに使われる[5]。
読みどころは三つある。①名古屋市科学館の資料[5]は、原子のつながりという言葉だけで、塑性変形と形状記憶のちがいを説明している。②フックの年号は、コトバンク[1]とWikipedia[2]で説明が異なるので、各自で比べられる。③ニチノール誕生の話は、再録記事[7]が英語で読める。本文の「ビューラーの助手が発表した」といった細部は、この記事が出どころである。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:事典・百科事典、科学館の資料、大学の資料、再録された記事を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。
- コトバンク「フックの法則」。https://kotobank.jp/word/%E3%81%B5%E3%81%A4%E3%81%8F%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87-3167195 (比例の法則、1678年の発見、比例限度と弾性限度について)
- Wikipedia「Hooke's law」。https://en.wikipedia.org/wiki/Hooke%27s_law (アナグラムの経緯、法則の限界、鋼とアルミのちがいについて。百科事典)
- コトバンク「弾性」。https://kotobank.jp/word/%E5%BC%BE%E6%80%A7-95165 (弾性と塑性の定義、ゴムの弾性について)
- Wikipedia「応力-ひずみ曲線」。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%9C%E5%8A%9B-%E3%81%B2%E3%81%9A%E3%81%BF%E6%9B%B2%E7%B7%9A (降伏点から破断までの段階について。百科事典)
- 名古屋市科学館「S506 形状記憶合金」。https://www.ncsm.city.nagoya.jp/exhibit_files/pdf/S506.pdf (原子のつながり、形状記憶合金のしくみ、暮らしでの利用について。展示の解説)
- 鈴木資料「金属材料の評価」(SPring-8)。https://support.spring8.or.jp/Doc_workshop/iuss/2009/metal_mate_eval-1/suzuki.pdf (超弾性合金の定義について。講習会資料)
- Kauffman & Mayo「The Story of Nitinol」(1997年)。https://nnci.net/sites/default/files/2020-02/Story%20of%20Nitinol.pdf (ニチノールの命名と1961年の会議の話について。再録記事)
なおした ところ
更新履歴
更新履歴(改版の記録)
- 初版を公開。
- 中学生向けの題名を、日常の疑問が先に来る形に見直した。
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