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ゲームボーイカラーは なん色 でるの? ── 32000と 56の ひみつ

ゲームボーイカラーの「32000色」と「56色」── 色の数え方と、初代ソフトに本体が色をつける仕組み

ゲームボーイカラーの画面 ── 15ビット色(32768)と同時発色56色の内訳、反射型TFT液晶と電池持ち、旧ソフトの自動着色

分野:技術

ゲームボーイカラーは、32000色ぐらいの 中から 色を えらべました。でも、いちどに 画面へ 出せる 色は、いちばん 多くて 56色だと いわれます[1]。

どうして 32000と 56で、こんなに ちがうのでしょう。かけ算と たし算で たしかめると、この ふたつの 数の わけが わかります。

1998年に出たゲームボーイカラーは、約32000色の中から色を選べました。ところが、同時に画面へ出せるのは最大56色です[1]。

どうして、こんなに差があるのでしょうか。かけ算とたし算で検算すると、この2つの数の意味と、初代のソフトにも本体が色をつける仕組み、電池持ちの数字が分かります。

ゲームボーイカラー(1998年10月21日発売)は、約32000色から選べるが、同時発色は最大56色とされる[1][2]。前者は色の表し方、後者はパレットの数から出る数字で、別のものだ。

では、その2つはどう計算でき、なぜ光らない反射型の液晶のまま色をつけられたのか。この記事では、32768と56の内訳、電池持ちの数字、旧ソフトに本体が色をつける仕組みが分かる。

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1. 32000色なのに、どうして 56色しか でないの?

1. 「32000色」と「56色」── 同じ画面の、ちがう数字

1. 約32000色と最大56色 ── 2つの数字は何を数えたものか

おみせの 本には「32000色」と 書いて ありました。でも、同じ 本体の せつめいには「56色どうじ」とも あります。

たとえば、100色の いろえんぴつが ある 家でも、きょう つかう のは 5本、という ことが ありますね。ゲームボーイカラーも、ちかい かんじです。

ただし ほんとうは、えんぴつを 入れかえるのではなく、「パレット」ごとに つかえる 色が きまっていて、その くみあわせを えらぶ しくみです。まず 32000の ほうから かぞえて みましょう。

2つの数字は、数えているものがちがう

ゲームボーイカラーは、1998年10月21日に発売されました。反射型のTFTカラー液晶を使い、約32000色の中から、最大56色を同時に表示できたと伝えられています[1]。GAME Watchも「32,000色中56色同時発色可能」と紹介しています[2]。

よく「32000色が一度に出る」と誤解されますが、そうではありません。32000は「選べる色の総数」、56は「一度に画面で使える色の数」です。たとえるなら、色鉛筆が3万本あっても、机の上に出せるのは56本、というイメージです。

この2つの数字は、どう計算で出てくるのでしょうか。

ゲームボーイカラーは1998年10月21日に発売され、反射型TFTカラー液晶を採用して、約32000色の中から最大56色を同時に表示できた。前の機種の初代ゲームボーイは4階調のモノクロ画面だった[1]。GAME Watchの記事も「32,000色中56色同時発色」と記している[2]。

「約32000色」は表現できる色の総数、「最大56色」は同時発色数で、前者が一度に画面に出るわけではない。この区別が本記事の軸になる。なお2つの数字の内訳は、有志の技術資料Pan Docsで確かめられる[3][4]。任天堂の公式資料ではない点に注意が要る。

2. 32768色は、3つの 色の かけ算

2. 32768通りは、赤・緑・青の「32段階」を3回かけた数

2. RGB555 ── 32の3乗=2の15乗=32768

画面の 色は、あか・みどり・あお の 3つの 光を まぜて つくります。この 3つを、それぞれ 32だんかいの つよさで きめられると、ぎじゅつの しりょうに かいて あります[3]。

32が 3つで、32×32×32。けいさんすると、32768に なります。これが「32000色ぐらい」の もとに なる 数です。

ただし、この 数は「えらべる 色の ぜんぶ」です。いちどに 出せる 数では ありません。

5ビットが3つで、15ビット

ゲームボーイカラーの色は、赤・緑・青を、それぞれ5ビットで表します(RGB555と呼ばれます)[3]。5ビットで表せるのは、2の5乗=32通りです。

3色ぶんだと、32×32×32=32768通り。2の15乗とも同じ数です。これが「約32000色」の正体です。ただし、この説明は有志による技術資料にもとづき、任天堂が公式に示した内訳としては断定できません。

では、同時に使えるのが56色だけなのは、どんな数え方なのでしょうか。

色は赤・緑・青を各5ビットで保持するRGB555で表される[3]。各成分は2⁵=32段階なので、32³=2¹⁵=32768通りになり、これが「約32000色」の計算上の根拠だ。

ただし、これは色空間の大きさで、同時に画面へ出せる色数ではない。同時発色数は、色を何組のパレットとして持てるかで決まる[4]。

3. 56色は、2しゅるいの 絵の具ばこの たし算

3. 56色は、背景用とキャラクター用のパレットの足し算

3. 同時発色56の内訳 ── 4×8+3×8、透明色の扱い

パレットとは、絵の具を ならべる いたの ことです。ゲームボーイカラーには、4色 ぶんの いたが 8まい、はいけい用に あります。

キャラクター用は、4色 ぶんの いたが 8まい。1つぶんは「とうめい」なので、色として つかえるのは 3色です。4×8=32、3×8=24。たすと 56に なります[4]。

とうめいの ところは、うしろの はいけいが 見えます[4]。

この 56は、パレットの わくを ぜんぶ たした 数です。いつも 56しゅるいが 見える、という ことでは ありません。

背景は4色×8組、キャラクターは3色×8組

パレットは、画面に使う色をまとめた「絵の具の板」のようなものです。ゲームボーイカラーには、背景用に4色ぶんのパレットが8組、キャラクター(スプライトと呼ばれます)用に3色ぶんのパレットが8組あります[4]。

4×8=32、3×8=24で、合わせて32+24=56。記事にある「最大56色」と、この計算は一致します[1]。56は「合計56色ぶんのパレット枠」の数で、いつも56種類の色が見えるという意味ではありません。

キャラクター用は、なぜ3色なのか

キャラクター用のパレットは4つ目の色を持つ形ですが、その0番目の色は「透明」に使われ、色として数えません[4]。透明な場所には、後ろの背景が見えます。だから、キャラクターが色を持てるのは3色です。

この56という数は、32768という選べる色の総数に比べるとずっと小さな数です。画面の絵がどうなったのか、見方を変えてみましょう。

パレット方式なので、同時発色数は「パレットの数×1組の色数」で決まる。背景用は4色×8組、スプライト用は3色×8組で、4×8+3×8=32+24=56になる[4]。報道にある最大56色[1]と、この計算は一致する。56はパレット枠の合計であり、56種類が必ず同時に見えるという意味ではない。

スプライト用のパレットでは、0番目の色は常に透明で、色として使われない。4色のパレットでも、実質3色というわけだ[4]。ただし、Pan Docsの内訳をそのまま公式の仕様書として扱うことはできない。56という数字が公式発表と計算で一致する、という範囲に留めて読むのが妥当だ。

では、色が増えたぶん、絵の細かさも増えたのか。

4. 色は ふえたけど、画面の 大きさは どうなったの?

4. 色は増えても、ドットの数は初代と同じだった

4. 160×144ドットは共通 ── 実機とモニターで色の見え方がちがう

画面は、よこ 160、たて 144の 小さな つぶ(ドット)で できて います。この 数は、はじめの ゲームボーイと 同じです[4]。

つまり、つぶの 数は かわらず、色だけが ふえました。同じ 大きさの ぬりえに、4本から 色えんぴつを たした ような ものです。

ところで、おなじ 色の 番ごうを パソコンの 画面に 出しても、本体の 画面とは すこし ちがう 見え方に なる ことが あります[3]。

解像度は変わらず、色だけが増えた

ゲームボーイカラーの画面は、初代と同じ横160×縦144ドットです[4]。絵の細かさは変わらず、色の数だけが増えました。

実機とパソコンでは、色の見え方がちがう

技術資料によると、同じ色の値でも、本体の画面と、パソコンのモニターでは、見え方がちがうそうです。いちばん明るい色は、真っ白というより明るい灰色に近く、色の混ざり方にも癖があると書かれています[3]。

画面の「色」は、数字だけでなく、どんな液晶に映すかでも変わる、ということです。その液晶は、初代とどこがちがったのでしょう。

画面の解像度は、初代(DMG)やMGB、カラー(CGB)の各機種で160×144ドットと共通だ[4]。カラー化で増えたのは色数であって、画素数ではない。

実機の表示は、sRGBに合わせたモニターとは見え方がちがう。最大輝度は白ではなく明るい灰色に近く、色の混ざり方にも癖があると技術資料は述べる[3]。同じRGB値を入れても、表示する液晶の特性で見た目が変わる、ということだ。

この液晶は、初代の液晶とどこが違い、電池の持ちはどうなったのか。

5. 光らない 画面で、電池は どれくらい もったの?

5. バックライトのない反射型液晶で、電池は約20時間

5. 反射型TFT液晶と電池持ち ── 単3電池2本で約20時間

ゲームボーイカラーの 画面は、うしろから 光らせる ライトを つかわない、「はんしゃがた」でした。まわりの 光を はね返して 色を 見せる しくみです[2]。

ライトを つかわないので、電池が ながもち しやすく なります。たん3の 電池2本で、およそ 20時間 あそべたと いいます[5]。

おなじ ころの カラーの ゲームギアは、電池6本で 3時間ほどでした[5]。

さいしょの ゲームボーイが しろくろ だったのは、電池の もちと ねだんを かんがえた、という 話も あります。

ライトを使わず、まわりの光で見せる

ゲームボーイカラーは、バックライトを使わない反射型のTFTカラー液晶を採用し、省電力につながったと伝えられています。単3電池2本で約20時間遊べたそうです[2][5]。

同じ時期のカラー携帯機だったゲームギアは、単3電池6本で約3時間でした[5]。ゲームギアは電池の数が3倍なのに、遊べる時間はゲームボーイカラーの約7分の1です(3÷20=0.15)。電池1本あたりで比べると、10時間と0.5時間で約20倍の差になります。ただし、これは本体の大きさなども無視した単純比較です。

初代が4階調だったわけ

初代が4階調のモノクロだったのは、乾電池の持ちと価格が関係していたとされます。

もうひとつの疑問です。初代のソフトは、カラーの本体で遊べたのでしょうか。

ゲームボーイカラーは、バックライトを使わない反射型TFTカラー液晶で省電力化し、単3電池2本で約20時間遊べたと伝えられる[2][5]。同時期のカラー携帯機ゲームギアは、単3電池6本で約3時間だった[5]。

電池1本あたりで比べると、約20時間÷2本=10時間/本、約3時間÷6本=0.5時間/本で、約20倍になる。ただし、画面の大きさや他の部品の消費電力も違うので、液晶方式だけの差とは言えない。

初代が4階調モノクロだったのは、乾電池の持ちと価格を考慮したため、との記述がある。

6. 昔の ソフトにも、どうして 色が ついたの?

6. 初代のソフトに、本体が色をつけた仕組み

6. 旧ソフトの自動着色 ── ブートROMのパレット選択

ゲームボーイカラーでは、はじめの ゲームボーイの ソフトも あそべました。ふしぎな ことに、もとの ソフトは 色を もって いないのに、色が ついて 見えます。

本体が、ソフトに あわせて 色の くみあわせを えらんで、ぬって くれる からです[6]。

はじめの ロゴが 出て いる あいだに、ボタンと 十字キーを おすと、色の くみあわせを じぶんで えらぶ ことも できます[6]。

色は本体が選ぶ

ゲームボーイカラーでは、初代ゲームボーイのソフトも遊べました。ソフト自身は色を持っていないので、本体が色の組み合わせを選んで、画面に色をつけます[6]。

ロゴが出ている間に、AボタンやBボタンと十字キーの組み合わせを押すと、色の組み合わせ(パレット)を自分で選べます[6]。

ソフトの例

GAME Watchは、初代とカラーの両方で遊べる最初のソフトとして『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』を、カラー専用のソフトの例として『ポケットモンスター クリスタルバージョン』をあげています[2]。

カラー機は初代のソフトも動かせる。ソフト自身は色を持たないため、本体の起動時のプログラムが互換用のパレットを選び、画面に色をつける。ロゴの表示中にAまたはBボタンと十字キーを組み合わせて押すと、利用者が選び直せる[6]。パレットの選ばれ方は有志の技術資料の記述にもとづく。

GAME Watchは、初代とカラー両対応の最初のソフトを『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』、カラー専用ソフトの例を『ポケットモンスター クリスタルバージョン』と書く[2]。「最初」という紹介はGAME Watchの記述だ。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

3色 だけで、キャラクターを かいて みましょう。紙の 白を、うしろが 見える「とうめい」の ばしょに 見たてて、3色の いろえんぴつだけで、すきな いきものを ぬります。

3色でも、ぬりかたを くふうすると、ふしぎと それらしく 見えます。つかう 色の えらびかたで、見え方が かわります。

もし おうちに ゲームボーイカラーが あれば、むかしの ソフトを いれて、はじまりの ロゴの ときに 十字キーを おして みるのも、おもしろいですよ。電池は おとなの 人と いっしょに いれかえて ください。

色鉛筆を3本だけ選び、紙の白を、背景が見える「透明」の場所に見立てて、好きな動物を塗ってみましょう。3色で描くと見え方がどう変わるかが、実際に体験できます。使う色の選び方で、見た目がずいぶん変わります。

ゲームボーイカラーが家にあれば、初代のソフトを入れて、ロゴが出ている間にAボタンと十字キーを組み合わせて押してみてください。色の組み合わせが変わります。電池を入れかえるときは、大人の人といっしょにしてください。

もっと読みたくなったら、ファミ通[1]やGAME Watch[2]の記事、有志の技術資料Pan Docs[3]を開いてみてください。

紙の白を透明色とみなし、色鉛筆3本でキャラクターを塗ると、スプライト用の3色パレットの制約が体験できる。実機があれば、旧ソフトを入れてロゴ表示中にボタンと十字キーを押し、色の組み合わせが変わるのを観察できる。電池の交換は大人といっしょに行う。

資料を読むなら、発売と仕様の概要はファミ通[1][5]とGAME Watch[2]、色数・パレット・起動時の挙動はPan Docs[3][4][6]が詳しい。Pan Docsは有志の資料で、任天堂の公式資料ではない。任天堂の一次資料との突き合わせは、さらに調べる価値のある課題だ。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:ファミ通、GAME Watch、有志の技術資料Pan Docsを使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. ファミ通「ゲームボーイカラー」の記事(2024年10月)。https://www.famitsu.com/article/202410/21187 (発売日・反射型TFT液晶・色数について)
  2. GAME Watch「ゲームボーイカラー23周年」の記事。https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1360065.html (色数・省電力・ソフトの例について)
  3. Pan Docs: Palettes。https://gbdev.io/pandocs/Palettes.html (15ビットの色と実機の色の見え方について。有志の技術資料)
  4. Pan Docs: Specifications。https://gbdev.io/pandocs/Specifications.html (パレットの数と画面の大きさについて。有志の技術資料)
  5. ファミ通「ゲームボーイカラー」の記事(2021年10月)。https://www.famitsu.com/news/202110/21237723 (電池持ちとゲームギアとの比較について)
  6. Pan Docs: Power-Up Sequence。https://gbdev.io/pandocs/Power_Up_Sequence.html (旧ソフトに色がつく仕組みについて。有志の技術資料)

なおした ところ

更新履歴

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