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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

消費税しょうひぜいは、くにに よって どうして ちがうの?

日本の消費税は、世界ではどのくらいの高さなのか ── 「引き算で納める税」が国ごとに姿を変えた理由

日本の消費税の標準税率10%は、OECD37か国で下から4番目 ── 付加価値税の仕組みと、国ごとの税率・例外のちがい

分野:歴史・文化

日本の 消費税しょうひぜいは 10パーセントです。じつは、おなじような 税ぜいが ある 37の くにの なかで、日本は 下から 4ばんめの ひくさだと いわれます。

国によって、税ぜいの たかさも、たべものの あつかいも ちがうのは どうしてでしょう。この ノートでは、フランスの ぎじゅつしゃが かんがえた「ひきざん」の しくみと、アメリカの ふしぎな ばあいが わかります。

日本の消費税は10%です。ところが、同じような税をもつOECD加盟37か国の中で、日本は34位、下から4番目の低さにあたります[5]。

しかも国によって、食べ物にかかる税が0%の国もあれば、12%の国もあります。なぜ同じ名前の税なのに、こんなにちがうのでしょうか。1954年にフランスの役人が考えた「引き算で納める」しくみと、アメリカという例外から、その理由が分かります。

たとえば、税ぬき1000円の食料品に払う金額は、イギリスは1000円(0%)、フランスは1055円(5.5%)、日本は1080円(8%)、スウェーデンは1120円(12%)と、国によって開きがあります。

日本の消費税の標準税率10%(うち2.2%は地方消費税)は、付加価値税をもつOECD加盟37か国のうち34位、下から4番目である[5]。それでも、日本のレジで払う金額が「安い」と感じるとは限らない。国ごとに、食料品などへの税率や、税の取り方そのものがちがうからだ。

では、同じ付加価値税が、なぜ国によってこれほど姿を変えたのか。1954年のフランスで生まれた「前の段階の税を引いて納める」仕組みと、その例外にあたるアメリカの売上税を比べると、その理由が分かる。

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1. おなじ パンでも、くにで はらう おかねが ちがう?

1. 同じ食べ物でも、国によって税のかかり方がちがう

1. 食料品の税率は、国ごとにどれくらいちがうのか

スーパーで パンを 買う ところを そうぞうして ください。ねだんが 1000円の たべものを 買った とき、いろいろな くにの ルールで 税ぜいを たすと、はらう おかねは こう なります[4]。

イギリスは 1000円 のままです。フランスは 1055円、ドイツは 1070円、日本は 1080円、スウェーデンは 1120円に なります。1000円と いうのは わたしが きめた れいで、ほんとうの ねだんでは ありません。

おなじ ような 税ぜいなのに、イギリスでは ぜろ、スウェーデンでは 12パーセントも かかる のは ふしぎです。そもそも、この 税ぜいは、どうやって できた のでしょうか。

かりに、家で食べる食料品を、税ぬきで1000円分買ったとします。財務省の比較表(2026年1月現在)の税率を使って計算すると、レジで払う金額は国によってこうなります[4]。

イギリスは食料品にゼロ税率があるので1000円のまま。フランスは食料品に5.5%なので1055円、ドイツは7%で1070円、日本は酒類と外食をのぞく飲食料品に8%で1080円、スウェーデンは12%で1120円です。1000円は計算のための仮の金額です。

標準税率だけを見ると、イギリスとフランスは20%、ドイツは19%、スウェーデンは25%で、日本の10%よりずっと高く見えます。ところが食べ物だけを見ると、日本の8%はスウェーデンより低く、イギリス・フランス・ドイツより高くなります。こうなるのは、国ごとに「標準の税率」と「食べ物の税率」を別に決めているからです。では、そもそもこの税は、どんな問題を解くために生まれたのでしょうか。

日本では、酒類と外食をのぞく飲食料品に8%の軽減税率が適用される。仮に税ぬきで1000円分の食料品を買うと、財務省の比較表(2026年1月現在)の税率から、次のように支払いが分かれる。イギリスはゼロ税率で1000円、フランスは5.5%で1055円、ドイツは7%で1070円、日本は8%で1080円、スウェーデンは12%で1120円になる[4]。1000円は計算のための仮の金額である。

注目したいのは、標準税率との関係だ。標準税率は日本10%、ドイツ19%、イギリスとフランス20%、スウェーデン25%で、日本は最も低いが、食料品に限ると日本の8%は、イギリス・フランス・ドイツよりも高い。つまり、国ごとの税の重さは、標準税率だけでは比べられない。

財務省は、付加価値税をもつOECD加盟37か国の食料品に対する適用税率の平均を8.3%としている(非課税は0%として計算)[5]。日本の8%は、この平均とほぼ同じ水準だ。ただし、同じ「消費への税」が、なぜ国ごとにここまでちがう設計になったのかは、仕組みの成り立ちを知らないと見えてこない。まず、その仕組みが解こうとした問題から見ていく。

2. 税ぜいが なんども かさなると どうなる?

2. 取引のたびに税がかかると、税が雪だるまのようにふくらむ

2. 取引のたびに全額へ課税すると、何が起きるのか

こむぎを つくる 人、こむぎを 粉こなに する 人、パンを やく 人。パンが おみせに ならぶまでに、いくつもの 人の てを わたります。

もし、わたす たびに ぜんぶの ねだんに 税ぜいが かかると、どう なるでしょう。こむぎが 40円、粉こなが 60円、パンが 100円で、税ぜいが 10パーセントなら、40円に 4円、60円に 6円、100円に 10円。ぜんぶで 20円に なります。

パンの ねだんの 10パーセントは 10円なのに、はらう 税ぜいは 2ばいです。しかも、てを わたす 回かずが ふえるほど、もっと ふえます。この 数は わたしが かんがえた れいです。

フランスでは、こういう ふうに 生産せいさんの だんかいごとに かかる 税ぜいに たいする ひはんが つよかった という せつも あります[2]。どうすれば、2ばいに ならずに すむのでしょうか。

小麦を作る農家、小麦を粉にする製粉所、粉からパンを焼くパン屋。パンが店に並ぶまでには、いくつもの手を通ります。もし、手を渡すたびに売った金額の全額へ税がかかるとしたら、どうなるでしょうか。

税率10%で考えます。農家が小麦を40円で売ると税は4円、製粉所が粉を60円で売ると税は6円、パン屋がパンを100円で売ると税は10円。合計は20円です。ところが、最後の値段100円の10%は10円ですから、税が2倍に重なっています。手を渡す回数が増えるほど、この重なりは大きくなります。これは、仕組みを分かりやすくするための私の計算例で、実際の税額ではありません。

フランスでは、生産の段階ごとに税がかかる「カスケード(滝)型」の課税への批判が強かったとされます[2]。滝のように、上の段階の税が下の段階へ流れこんで重なっていくからです。付加価値税を考えたモーリス・ラウレにも、この重なりをなくす狙いがあったという説明があります(ただし、この点は百科事典サイトの記述にもとづくので、「そうした狙いもあったとされる」くらいに受け取ってください)。

小麦農家が40円、製粉所が60円、パン屋が100円で売る流れで考える。取引のたびに売上の全額へ10%の税をかけると、納める税は4円、6円、10円で合計20円になる。完成品の価格100円の10%は10円だから、税額は倍になる。この例のように、取引のたびに売上全額へ課税すると、段階が増えるほど、前の段階にかけた税の上にさらに税がのる。この数字は仕組みを示すための私の計算例で、実際の税額ではない。

フランスでは、生産の段階ごとに税がかかる「カスケード(滝)型」の課税への批判が強かったとされ、のちに付加価値税を考えたモーリス・ラウレには、それをなくす狙いもあったと伝えられる[2]。ただし、この記述は二次資料によるもので、「世界で最初の付加価値税」と言い切れるかどうかまでは、この資料からは分からない。

この「重なり」を解く方法が、あとで述べる仕入税額控除である。では、それを考えたのは誰か。

3. 税ぜいの「ひきざん」を かんがえた 人は だれ?

3. 郵便電話局から税務へ来た技術者が考えた「引き算」

3. 郵便電話局の技術者ラウレが考えた、仕入税額控除という「引き算」

この 問題を とく しくみを かんがえた のは、フランスの モーリス・ラウレと いう 人です。1954年の ことで、はじめは 郵便ゆうびんや でんわの しごとを して いた 人でした[1]。

ラウレの アイデアは、「まえの 税ぜいは ひいて おさめる」と いう もの です。さっきの パンで やって みます。

こむぎを うった 人は 4円を おさめます。粉こなを うった 人は、うった ぶんの 6円から、かった ときに はらった 4円を ひいて、2円を おさめます。パンを うった 人は 10円から 6円を ひいて、4円です。

4円と 2円と 4円を たすと 10円で、さいごの ねだんの 10パーセントと ぴったり おなじ です。日本の 国税庁こくぜいちょうも、この しくみは、税ぜいが 二重、三重に かからない ための ものだと せつめい して います[3]。

では、この しくみは、くにに よって どう ちがって いくのでしょう。

この重なりをなくす方法を考えたのが、フランスのモーリス・ラウレです。理工科学校の出身で、はじめは郵便電話局(PTT)で働き、のちに税務の仕事へ移って、1952年に税務総局の副局長になりました。1954年に付加価値税(フランス語でTVA)を考えたことで知られます[1]。この税は、フランスですぐに採用され、のちに多くの国へ広がったと、フランスの鉱山技師協会の人物紹介は伝えています。

ラウレの発想は「前の段階で払われた税を引いて納める」ことでした。さきほどのパンでやってみます。農家は40円の売上にかかる4円を納めます。製粉所は、売上の6円から、仕入れた小麦にかかっていた4円を引いて、2円を納めます。パン屋は売上の10円から仕入れの6円を引いて、4円です。

3人の納める額は4円、2円、4円で、合計はちょうど10円。最後の値段100円の10%と一致します。日本の国税庁は、生産や流通の各段階で税が二重、三重にかからないよう、売上にかかる消費税額から仕入れにかかる消費税額を引いて納める、と説明しています[3]。税は事業者を通じて商品の値段にのせられ、最終的には買った消費者が負担します。

この例では、段階が増えても、引き算のおかげで税の合計は最後の値段の税率分だけで済みます。では、同じ仕組みを使いながら、国ごとに税率や食べ物の扱いがちがうのはなぜでしょう。

この重なりを解いた考え方が、フランスの税務官僚モーリス・ラウレによる付加価値税(フランス語でTVA、taxe sur la valeur ajoutée)である。ラウレは理工科学校の出身で、郵便電話局(PTT)に勤めたのち税務の仕事に就き、1952年に税務総局の副局長になった。1954年に消費への間接税として考案し、フランスですぐ採用され、やがて多くの国へ広がったとされる[1]。フランスで法律が公布されたのは1954年4月10日とされるが、これも二次資料による日付である[2]。

仕組みの核は、売上にかかる税額から、仕入れにかかった税額を引いて納める点にある。先の例で、農家は4円、製粉所は6円から仕入れ分の4円を引いた2円、パン屋は10円から6円を引いた4円を納める。合計は10円で、完成品100円の10%と一致する。国税庁も、日本の消費税について、生産・流通の各段階で二重、三重に税がかからないよう、課税売上げに係る消費税額から課税仕入れ等に係る消費税額を控除すると説明している[3]。

税を実際に負担するのは、最終的には消費者である。税は事業者を通じて価格にのせられ、取引ごとに次の相手へ転嫁されていく[3]。事業者は引き算をしながら納める役にまわり、そのおかげで、この例では段階が増えても、税の合計は最後の価格にかかる税と同じ額になる。では、この共通の骨組みの上で、国ごとの設計はどう分かれたのか。

4. 税ぜいの たかさは、だれが きめるの?

4. 税率は、どこまでが共通で、どこからが国ごとの自由なのか

4. EUの「15%以上」という下限と、国ごとの自由の範囲

ヨーロッパの くにぐには、いっしょに EUと いう なかまを つくって います。そこでは、ふつうの 税ぜいの たかさは 15パーセント いじょうに する きまりが あります。

けれども、うえの かぎりは ありません[7]。ですから、フランスや イギリスは 20パーセント、ドイツは 19パーセント、スウェーデンは 25パーセントと、くにで ばらばらです[4]。

たべものの 税ぜいは、ドイツが 7パーセント、スウェーデンが 12パーセント、フランスが 5.5パーセントと、ふつうの 税ぜいより ひくく して います[4]。

イギリスの たべものは 「ぜろ ぜいりつ」です。税ぜいが ぜろでも、しくみの うえでは しいれに かかった 税ぜいが もどって きます。

ヨーロッパには、EU(欧州連合)という国々の集まりがあります。EUでは、付加価値税の標準税率を15%以上にする決まりがありますが、上の限りはありません。2022年の改正で、一部の品目には5%よりも低い税率や、ゼロ税率も認められるようになりました[7]。

だから、同じヨーロッパでも、フランスは20%、ドイツは19%、スウェーデンは25%と、国によって標準税率が異なります。なお、イギリスはEUの国ではありませんが、同じように付加価値税があり、標準税率は20%です[4]。

食料品は、国ごとの設計がとくに分かれる部分です。ドイツは7%、スウェーデンは12%、フランスは5.5%(外食は10%)で、イギリスはゼロ税率です[4]。

ゼロ税率は、税が0%になる点では「税がかからない」ように見えますが、引き算の仕組みで考えると、売上にかかる税が0なので、仕入れで払った税を引くとマイナスになり、戻ってくる形になります。食料品などの生活に欠かせないものの税を軽くする方法は、国ごとに選び方が分かれていることが分かります。

EUでは、付加価値税の標準税率を15%以上にする決まりがあるが、上限はない。欧州委員会の説明では、2022年の改正で、一部の品目に5%未満の軽減税率やゼロ税率も認められた[7]。下限だけを共通にして上限を決めなかったことで、同じ制度の中でも国ごとの差が残った。財務省の比較表(2026年1月現在)の標準税率は、フランス20%、ドイツ19%、スウェーデン25%、EU外のイギリス20%である[4]。

食料品への税率は、さらに分かれる。ドイツ7%、スウェーデン12%、フランス5.5%(外食は10%)で、イギリスは食料品などにゼロ税率を適用している[4]。

ゼロ税率は、非課税とは別の扱いになる。ゼロ税率では、売上にかかる税が0%でも、仕入れで払った税は引き算の結果として戻る。仕組みの上でゼロ税率は、「最後の消費者の負担を0にしながら、途中の事業者の負担も残さない」設計といえる。ここまでの国は、どこも「付加価値税」という引き算の仕組みを採っていた。では、この仕組みを採らなかった国はあるのか。

5. アメリカには どうして ふかかちぜいが ないの?

5. アメリカには、国ぜんたいの付加価値税がない

5. 米国に連邦の付加価値税がない理由と、小売売上税

アメリカには、国ぜんたいで かける 付加価値税ふかかちぜいは ありません[5]。そのかわり、「しゅう」という、くにの なかの 大きな くぎりごとに、おみせで ものを 売る ときに 税ぜいを かけて います。

これは 小売売上税ぜいと いいます。たとえば ニューヨーク市では 8.875パーセントだと、日本の 財務省ざいむしょうの ひょうに あります[5]。

どうして こう なったのかを、ある 会社の ブログでは、税ぜいを かける ちからが くにと しゅうに わかれて いる ためだと、せつめい しています。売上税ぜいは しゅうの もの だからです[6]。

売上税ぜいは、ふつう、さいごに おみせで 売る ときに かかる 税ぜいです。ひきざんを する ひつようが ありません。

世界の多くの国が付加価値税を持つなかで、アメリカには国ぜんたいで決めた付加価値税がありません。財務省の比較資料も、アメリカには連邦の付加価値税はなく、州などが地方税として、事業者が消費者に売る段階で課す小売売上税がある場合がある、と説明しています。たとえばニューヨーク市では8.875%です[5]。

なぜ、こうなったのでしょうか。企業のブログ記事では、一つの説明として、税を課す権限が連邦政府と州に分かれていて、売上税は州のものだと挙げられています。この記事によると、課税する地域は全米に1万2千以上あり、税率は地域によって幅があり、課税されない地域もあるそうです。1932年にミシシッピ州が、最初の近代的な一般売上税を導入したとも書かれています[6]。企業の資料なので、数字は「といわれる」にとどめておきます。

売上税は、一般に、最後に店が消費者へ売る小売の段階で課される一段階の税です。引き算をして、前の段階の税を差し引く仕組みがありません。税率が地域によって幅があるといわれるので、同じ国の中でも、買う場所で税のかかり方がちがうことになります。これも、付加価値税が国ごとに姿を変えた例のひとつです。

米国には、連邦の付加価値税は存在しない。代わりに、州などが地方税として、事業者が消費者に売る段階で課す小売売上税がある場合があり、ニューヨーク市では8.875%である[5]。日本の財務省は、これを付加価値税とは別の小売売上税として、注で説明している。

一つの説明として、課税の権限が連邦と州に分かれ、売上税は州に属することが挙げられている。ある企業のブログは、課税地域が全米で1万2千超あり、税率は地域によって幅があり課税されない地域もあること、世界では170を超える国に付加価値税があること、1932年にミシシッピ州が最初の近代的な一般売上税を導入したことを伝える[6]。企業の資料なので、これらの数字は「〜といわれる」にとどめる。

仕組みで見ると、売上税は一般に最終の小売段階で課される一段階の税で、前の段階の税を引く操作がない。つまり、ここまで読んできた「引き算で納める」税とは、そもそも設計がちがう。付加価値税が広がった世界でも、すべての国が同じ道を選んだわけではない。では、日本はこの中でどこに位置するのか。

6. 日本の 10パーセントは、どう できた?

6. 日本の消費税は、どんな道のりで10%になったのか

6. 日本の10%はどう積み上がり、世界でどの位置なのか

日本の 消費税しょうひぜいは、1989年に はじまりました。そのあと 1997年に 5パーセント、2014年に 8パーセント、2019年に 10パーセントに なりました[8]。

この 10パーセントの うち 2.2パーセントは、地方消費税ちほうしょうひぜいです[4]。

日本の 10パーセントは、まえに 書いた 37の くにの なかでは 34ばんめで、下から 4ばんめです。税ぜいの たかさは、くにの くらしや しくみに あわせて きまる ものなので、ひくい ほうが いい、たかい ほうが わるい、と いうわけでは ありません。

では、じぶんの いえに ある ものでも、この ひきざんを たしかめられるでしょうか。

日本の消費税は1989年に始まり、その後、1997年に5%、2014年に8%、2019年に10%と上がってきました[8]。10%のうち2.2%は地方消費税です[4]。

世界の中での位置は、財務省の比較で分かります。付加価値税をもつOECD加盟国37か国のうち、日本の標準税率10%は34位、下から4番目でした[5]。この順位は、標準税率だけを並べた比較で、食べ物などの軽い税率や、税収が何に使われるかまでは比べていません。

ここまで見てきたことを並べ直すと、こうなります。付加価値税は、取引のたびに税が重なる問題を、「前の税を引いて納める」ことで解く仕組みとして1954年にフランスで生まれました。その後、標準税率も、食べ物の扱いも、アメリカのように売上税を選ぶかどうかも、国ごとにちがう形になりました。

日本の消費税は1989年に導入され、税率は1997年に5%、2014年に8%、2019年に10%と上がった[8]。10%のうち2.2%は地方消費税で、国税と地方税の合計になっている[4]。

財務省の比較では、付加価値税をもつOECD加盟37か国のうち、日本の標準税率10%は34位、下から4番目である。同じ37か国の食料品に対する適用税率の平均は8.3%(非課税は0%として計算)で、日本の食料品8%は平均と近い[5]。標準税率は低めでも、食料品の税率は平均並みであり、税率の高さは「標準」と「食料品」を分けて見ないと誤読する。

この順位は、あくまで標準税率だけの比較である。食料品の税率や、売上税のような別の仕組みまでは、順位には表れない。

全体を振り返ると、1954年にフランスで、取引ごとの税の重なりをなくす仕組みとして生まれた付加価値税は、EUの下限だけの共通ルール、食料品への軽い税率やゼロ税率、米国の売上税という別の道に分かれていった。同じ名前の税でも、設計の選び方が国ごとに異なる、と整理できる。

7. レシートで ひきざんを たしかめて みよう

7. レシートの数字で、税の仕組みを確かめる

7. 日本語の公的資料で、確かめてみる

ちかくの おみせで もらった レシートを さがして みましょう。税ぜいぬきの ねだんと、消費税しょうひぜいの きんがくが 書いて ある ことが あります。

税ぜいぬきの ねだんを、税ぜいりつが おなじ ものごとに わけて、それぞれに 10パーセントや 8パーセントを かけると、税ぜいの きんがくに なるかを けいさんして みます。たべものは 8パーセントの ばあいが あります。

いつか、行って みたい 国の 税ぜいの たかさを、おうちの 人と いっしょに ざいむしょうの ひょうで しらべて みても いいですね。

家にあるレシートを1枚用意してください。税ぬきの合計金額と、消費税の金額が書かれているものがあります。税ぬきの金額に10%をかけた数と比べてみてください。食べ物だけは8%のものもあるので、品物ごとに分けて計算します。

計算が合えば、「売上にかかる税」が、いま自分が払った形で見えていることになります。パン屋さんは、その税から仕入れの税を引いて残りを納めている、という道すじを思い出してみてください。

行ってみたい国があれば、財務省の「諸外国における付加価値税の概要」で、標準税率と食料品の税率を引いてみてください。同じ食べ物でも、国によって税の置き方がちがうことが分かります。

まず、国税庁のタックスアンサー「消費税のしくみ」で、日本の仕入税額控除の説明を読む[3]。次に、財務省の「諸外国における付加価値税の概要」で国別の標準税率・食料品の税率を確認し[4]、「OECD加盟国における付加価値税率の比較」で日本の順位の根拠を確かめる[5]。

国税庁の説明と財務省の比較表を見比べると、仕入れの税を引く仕組みと、国ごとの税率のちがいを、日本語だけで確かめられる。国を一つ選び、標準税率と食料品の税率を表から拾って、先の1000円の計算をやり直してみるとよい。

手元のレシートで、税ぬき金額と税額の比が10%(食料品は8%)に近いかを計算してみるのも、仕組みを確かめる実験になる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。税率と順位は、財務省の資料(2026年1月現在の表)による数字です。

  1. Annales des Mines「Maurice LAURÉ (1917-2001)」 https://www.annales.org/archives/panneaux/Laure.pdf (ラウレの経歴と考案の年)
  2. Wikipedia「Maurice Lauré」 https://en.wikipedia.org/wiki/Maurice_Laur%C3%A9 (カスケード課税への批判と公布日。二次資料)
  3. 国税庁 タックスアンサー No.6101「消費税のしくみ」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6101.htm (仕入税額控除のしくみ)
  4. 財務省「諸外国における付加価値税の概要(2026年1月現在)」 https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/108.pdf (国ごとの標準税率・食料品の税率)
  5. 財務省「OECD加盟国における付加価値税率の比較」 https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/itn_comparison/j04.htm (日本の順位・米国の売上税)
  6. Fonoa「Why the US Has No VAT」 https://www.fonoa.com/resources/blog/the-american-exception-why-the-us-has-no-vat-system (米国に付加価値税がない理由。企業ブログ)
  7. European Commission「VAT rates」 https://taxation-customs.ec.europa.eu/taxation/vat/vat-directive/vat-rates_en (EUの標準税率の下限)
  8. 財務省「消費税の導入の経緯・税率の推移」 https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/d05.htm (日本の税率の推移)

なおした ところ

更新履歴

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