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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

髪かみを ブラシで とかすと、どうして まとまるの?

髪かみをとかすと、もつれはどうほどけ、あぶらはどう広がる?朝のブラッシングで何が起きているのか

ブラッシングで毛髪の何が変わるのか:もつれ・皮脂・光の反射、そして乾燥した日の静電気

分野:からだ

あさ、髪かみを とかすと、ふわふわが おさまって まとまります。ところが、ふゆの かわいた 日は、おなじ ブラシで かえって ふくらむ ことが あります。

とかす ことで、髪かみの うえでは なにが おきて いるのでしょう。この 記事では、からまりが ほどける こと、あたまの あぶらが ひろがる こと、静電気せいでんきが おきる ことの 3つが わかります。

髪をとかすと、広がっていた髪が落ち着き、つやも出てきます。それなのに、冬の乾燥した日には、同じブラシで髪がふわっと浮くことがあります。「整える」はずの動作が、なぜ逆の結果になることがあるのでしょうか。

この記事では、もつれをほどく、頭皮の皮脂を髪に広げる、静電気を起こしうる、というブラッシングの3つの働きと、整うときと広がるときの分かれ目が分かります。

髪をとかすと整うのに、乾燥した冬の日には、同じブラシが髪を逆立てることがある。ブラッシングは一つの動作だが、毛髪に対しては少なくとも三つのことを同時にしている。

この記事では、もつれの解消、頭皮の皮脂の広がり、摩擦による帯電という三つの働きと、ツヤの見え方、ぬれた髪への注意点から、「整う」ときと「広がる」ときの分かれ目が分かる。

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1. ブラシを あてると、まず なにが ほどけるの?

1. ブラシが最初にしているのは、もつれをほどくこと

1. 最初の仕事は、からまりをほどくこと:なぜ毛先から始めるのか

ふわふわに もつれた 髪かみに ブラシを あてて、まず おきる ことは、この もつれが ほどける ことです。

ほどく ときは、あたまの うえから いきなり とかさない ほうが よいと いわれます。まず けさきの ほうを とかして、すこしずつ 根元へ すすみます。うえから むりに ひくと、からまりが かたく なったり、髪かみが きれたり する ことが あるからです。

ひもが こんがらがった ときと おなじです。むすびめの ちかくから ほどくと、ほどけやすく なります。ただし 髪かみは 1本ずつ ほそいので、ひもより ずっと きれやすい ところが ちがいます。

髪かみは、おとなで 10万本ほども あると いわれます。その1本1本を、ブラシが すこしずつ そろえて いきます。

髪は1本1本が細く、たくさんの本数があるので、ちょっとしたことで互いに絡まります。ブラシを通すと、まず起きるのは、この絡まりがほどけることです。

ほどくときは、頭頂部からいきなりとかすのではなく、毛先のほうからほぐし、少しずつ根元へ進めるのがよいと説明されています[1]。上から力ずくで引くと、絡まりがかえって強まったり、髪が切れたりするおそれがあるためです。ほどけた毛先をつくってから上へ進めれば、ブラシが通る道があらかじめ開いていることになります。

頭髪は一般に約10万本(個人差があります)あり、1日に約100本が自然に抜けるとされます[2]。ブラシに数本の髪がついても、とかしたから抜けたとは限らず、もともと抜けていた毛が混じっている可能性もあります。

ここまでは「ほどく」だけの話でした。では、ほどけた髪の上で、さらに何かが起きているのでしょうか。次の章で、髪の表面を見ます。

髪は細い繊維が10万本ほども集まっているため、互いに絡まりやすい。ブラシがまず担うのは、この絡まりの解消である。ただし、とかし方には順序がある。頭頂部から一気に通すと、絡まりが強まったり毛が切れたりするおそれがあるため、毛先をほぐしてから根元へ進める方法が勧められている[1]。

頭髪は一般に約10万本(個人差がある)で、1日約100本が自然に抜けるとされる[2]。ブラシに抜け毛が付いても、それだけでは、ブラシが髪を抜いたと決める根拠にはならない。

では、絡まりが取れた髪は、表面で何が変わるのか。次章で、髪の表面構造と、ブラシが運ぶものを見る。

2. あたまの あぶらは、ブラシで けさきまで はこばれるの?

2. 頭皮の皮脂を、髪の先へ運ぶ「配達」でもある

2. 頭皮の皮脂は髪の表面を覆う:ブラシは皮脂の輸送路でもある

あたまの かわからは、皮脂ひしという あぶらが すこしずつ でて います。ブラシで とかすと、この あぶらが 髪かみの 根元から けさきの ほうへ ひろがる、と いわれます。つやや うるおいが でる ひとつの わけです。

ブラシは、あぶらを はこぶ 「はいたつ やさん」でも あります。ただし ほんとうは、ブラシが ぜんぶ ちょうど よく はこぶ わけでは ありません。長い 髪かみほど、けさきまで とどくのは たいへんです。

また、髪かみの いちばん そとがわは あぶらの うすい そうで おおわれて いて、これが いたむと、さわった ときに かさかさ します。あぶらは、髪かみを まもる そとがわの ひとつでも あります。

頭皮からは皮脂がにじみ出ています。ブラッシングには、この皮脂を髪全体に行き渡らせ、ツヤとうるおいを与える働きがあるとされます[1]。ブラシは、ほどく道具であると同時に、あぶらを根元から毛先へ運ぶ道具でもあるわけです。

皮脂が大切なのは、髪の最も外側を脂質の層がおおっていて、これが傷むと手触りが乾いたものになるためです。ライオンの研究では、髪どうしの摩擦が手触りを左右する要因の一つとして調べられ、根元に近い髪と傷んだ毛先とでは、最表面の構造も摩擦の性質も異なることが示されています[3]。毛先は、根元より長い時間、ブラシや洗髪にさらされてきた場所なので、状態が違っていても不思議ではありません。

ただし、ブラシで皮脂が運ばれる量を測った資料は、今回見た範囲にはありません。長い髪では毛先まで届きにくい、という見方はあくまで一般的な説明です。

頭皮から分泌される皮脂は、ブラッシングで髪の長さ方向へ広げられ、ツヤとうるおいを与えるとされる[1]。この皮脂の運搬は、整髪とは別に、髪の表面を保護する意味を持つ。健康な髪の最表面は脂質の層でおおわれており、これが傷むと手触りが乾いたものになるという。ライオンは、毛髪間の摩擦が手触りを左右する因子の一つだとして、キューティクル1枚の表面と摩擦の関係を、摩擦力顕微鏡(FFM)でナノメートル規模に調べた。その結果、根元に近い部分と、傷んだ毛先とでは、最表面の構造もナノレベルの摩擦特性も異なることが明らかになったと報告している[3]。

毛先は、毛根から出てから最も長い時間、ブラシや洗髪、衣服との摩擦にさらされてきた場所である。そのため、表面の層が根元とは異なる状態になっていても不自然ではない。ブラッシングで皮脂が毛先まで届く量は、髪の長さや皮脂の量によっても変わると考えられる。

ここまでは、ほどける・運ぶ、というブラシの二つの働きだった。では、「ツヤが出る」とは、髪の表面で何が起きているのか。

3. つやつやに みえるのは、ひかりが どうなるから?

3. つやつやに見えるのは、光の返り方がそろうから?

3. ツヤは「光の返り方」の問題か:キューティクルの重なりと見え方

髪かみの ひょうめんには、うすい かけらが、タケノコの かわや かわらの ように かさなって います。これを キューティクルと よびます。

ひょうめんが そろって いると、ひかりが おなじ むきに はねかえって、つやつやに みえる、と いわれます。でこぼこ して いると、ひかりが ばらばらに なって、くすんで みえる、と いわれます。

ブラシで とかすと この かけらが そろう、と いう せつめいも ありますが、ほんとうに そろうのかは、まだ はっきり しません。「そろう かもしれない」くらいに おぼえて おいて ください。

髪の表面は、キューティクルという薄い細胞が、タケノコの皮や瓦屋根のように重なった構造をしています。1枚が髪の周囲の約3分の1〜2分の1をおおうといわれます[2]。

ツヤについては、表面がそろっていると光が同じ向きにはね返って輝いて見え、凸凹していると光が散ってくすんで見える、と一般に説明されます[5]。ブラシで整えると、この光の返り方がそろい、ツヤが出る、という流れです。

ただし、これは美容分野の一般的な解説で、ブラッシングで表面が整うことを直接測った研究は、今回見た範囲では見つかっていません。ツヤには皮脂の量や髪の太さ、光の当たり方も関わるでしょう。「ブラシでツヤが出る」の中身は、もつれの解消と皮脂の広がりが主であり、光の話は一つの見方として受けとるのが妥当です。

ところが、ここで話は終わりません。冬の乾燥した日には、同じブラシが「整える」の反対の結果を生むからです。

髪の最表面は、キューティクル(毛小皮)という薄い細胞が、タケノコの皮や瓦屋根のように重なった構造をとる。1枚が髪の周囲の約1/3〜1/2をおおうとされる。ツヤの見え方は、この表面がそろっていると光が同じ向きにはね返り、凸凹だと光が散乱してくすんで見える、と一般に説明される[2][5]。

この説明は理屈として分かりやすいが、一般的な説明にとどまる。ツヤの見え方は、皮脂の量、髪の太さ、断面形状、光の当たる角度とも関わるはずである。したがって、「整う」の中身は、もつれの解消、皮脂の広がり、そして表面のなめらかさ、という確かめやすい要素に分けて考えるのが妥当だ。

では、乾燥した日にブラシが逆に髪を浮かせる理由は何か。ここで登場するのが、もう一つの働きである。

4. ふゆの あさ、どうして ブラシで かみが ふくらむの?

4. 乾燥した日に、ブラシが髪を浮かせるわけ

4. ブラッシングは摩擦帯電を起こす:乾燥と髪の太さが条件になる

2つの ものを こすりあわせると、静電気せいでんきが おきる ことが あります。髪かみと ブラシも おなじです。こすれた ところで、電気が かたよります。

かたよった 電気を もった 髪かみの 1本1本は、おなじ しゅるいの 電気どうしで、たがいに はなれようと します。だから、ふわっと ひろがって みえるのです。

静電気せいでんきの いちばんの げんいんは、かわいた くうきと いわれます。ほそくて やわらかい 髪かみほど おきやすいとも いいます。タオルで ごしごし ふく ときも、おなじ ことが おきます。

ブラシで髪をこすると、摩擦帯電という現象で髪に電気がたまります。髪の毛や皮膚は、物を並べた帯電列の+側(上位)にあり、ナイロンやウールの近くに位置します[4]。材質の組み合わせは帯電の向きや程度に影響しますが、実際の帯電は湿度や表面の状態にも左右されます。

同じ種類の電気を帯びた髪どうしは、反発しあいます。そのため、1本1本が離れて広がり、ふわっと浮いて見えます。

髪の静電気のいちばんの原因は乾燥といわれます。タオルでごしごし拭くなど、摩擦でも起きやすく、細くて柔らかい髪ほど起きやすいという説明もあります[6]。冬は空気が乾くため、毎日と同じとかし方でも、広がりやすくなるのです。

ただし、帯電列の序列は条件で入れ替わりやすく、「髪は必ず+、ブラシは必ず−」とは言えません。ブラシの素材が変われば、向きも大きさも変わります。

ブラッシングで髪が広がるのは、摩擦帯電による。物質を、こすったときの電荷の移動しやすさで並べたものが帯電列であり、人間の毛髪は一般に+側(上位)に位置し、ナイロンやウールの近くにある。材質の組み合わせは帯電の向きや程度に影響するが、実際の帯電は湿度や表面の状態にも左右される[4]。

帯電した髪は、互いに同じ極性の電荷を持つため静電反発を起こし、1本ずつ離れて見える。

この現象の最大の原因は乾燥とされる。また、タオルでごしごし拭く摩擦でも起きやすく、細くて柔らかい髪ほど起こりやすいという[6]。メディア記事であり、湿度の具体的なしきい値までは示されていない。

帯電列は、湿度・温度・表面の状態で結果が変わるため、厳密な序列は決めにくい。そのため「髪は必ず+、ブラシは必ず−」といった断定はできず、ブラシの素材によって電荷の向きも量も変わる[4]。では、静電気を減らすために、道具で何ができるのか。

5. ブラシの ざいりょうや、ぬれた 髪かみは どうなの?

5. ブラシの素材と、ぬれた髪への注意

5. 素材による起きやすさの差と、ぬれた髪が受ける摩擦

ぶたや いのししの けで できた ブラシは、あたまの かわに やさしく、静電気せいでんきが おきにくいと いわれます。「おきない」ではなく「おきにくい」です。

ぬれた 髪かみを つよく こすると、そとがわの かけらが はがれて、したの そうが でて しまう ことが ある、と いう はっぴょうも あります。

だから、おふろあがりは ちからを いれて とかしたり ごしごし こすったり せず、タオルで そっと おさえる ほうが よさそうです。

豚毛や猪毛などの天然毛のブラシは、頭皮への刺激が比較的やさしく、静電気が起きにくい特徴がある、とされます[1]。「起きない」ではなく「起きにくい」であって、乾燥した日の広がりがゼロになるわけではありません。

ぬれた髪については、クラシエが、ぬれた髪に摩擦が加わるとキューティクルが剥がれて最下層が露出する「ぬれ髪ダメージ」を確認したと発表しています。乾いた状態とぬれた状態では、剥がれ方が異なるそうです[7]。入浴後の髪はタオルで強くこすらず、そっと水分をとってから整えるほうが、髪には負担が少ないと考えられます。

ただし、これは一社の発表で、とかす順序や頻度の最適解を示したものではありません。

ブラシの素材も、静電気の起きやすさを左右する。豚毛・猪毛などの天然毛ブラシは、頭皮への刺激が比較的やさしく、静電気が起きにくいとされる[1]。ただし「起きない」のではなく「起きにくい」という程度である。乾燥した日の髪の広がりを、ブラシの素材だけで止めることはできない。

もう一つの注意点が、ぬれた髪である。クラシエは、毛髪がぬれた状態で摩擦を受けるとキューティクルが剥がれ、最下層が露出する「ぬれ髪ダメージ」を確認したと発表した。乾いた状態とぬれた状態とでは、剥がれ方が異なるという[7]。入浴後に髪をタオルで強くこすったり、ぬれたまま力を入れてとかしたりすることが、髪の表面に負担をかけうるということになる。

ただし、これは一社の発表である。ここでの結論は「ぬれた髪は表面が弱い状態になりやすい可能性がある」までで、とかす道具や回数の優劣を決めるものではない。

6. おうちで たしかめて みよう

6. 家のくしと紙きれで、静電気を見てみる

6. 条件を一つずつ変えて、髪の広がりを観察する

ぷらすちっくの くしと、ちいさく ちぎった 紙を よういします。かわいた 日の あさに、くしで 髪かみを 10かい とかしてから、くしを 紙に ちかづけて みましょう。紙が くしに よって くれば、静電気せいでんきが おきて いる しるしです。

あめの 日など、しめりけが ある 日にも おなじ ことを して、くらべて みて ください。くしを つかうのは かわいた 髪かみだけにして、ぬれた 髪かみでは しない ほうが よいです。

プラスチックのくしと、細かくちぎった紙を用意します。乾いた日の朝、髪を10回とかしてからくしを紙に近づけ、くしにくっつくかを見ます。湿気の多い日にも同じことをして、くらべてみましょう。

ブラシの素材や、とかし方を変えて、髪の広がり方の違いを観察してもよいでしょう。ただし、ぬれた髪に強い摩擦や力を加えると表面を傷めることがあるといわれるので、力を入れてとかさないようにしましょう。

一方で、ブラッシングの「整う」の中身は、ツヤの光の話まで含めて、まだ一般的な解説に頼る部分があります。調べるなら、髪の表面や摩擦を扱った企業や大学の研究発表が、手がかりになります[3]。

確かめる方法は、条件を一つずつ変えることである。乾燥した日の朝と湿気の多い日で、同じくしで髪を同じ回数とかし、小さな紙片をくしに近づけて、くっつく枚数を数える。次に、ブラシの素材だけを変えて比べる。条件を同時に変えると、どれが効いたか分からなくなる。

ぬれた髪に強い摩擦や力を加えると表面を傷めることがあるため、力を入れてとかさない。

調べる手がかりとして、摩擦力顕微鏡(FFM)で髪表面の摩擦を調べたライオンの研究発表がある[3]。ツヤの見え方については、光を角度別に測る研究を原典で確かめると、一般解説の説明がどこまで支えられるかが分かるだろう。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文の事実は次の資料で確かめました。美容分野の解説と企業の発表は一般的な説明で、測定値は出典にありません。

  1. 美的.com「ブラッシングの効果」 https://www.biteki.com/232612/ (皮脂の広がり、毛先からのとかし方、天然毛ブラシ)
  2. Wikipedia「毛髪」 https://ja.wikipedia.org/wiki/毛髪 (髪の本数・キューティクルの構造)
  3. ライオン 研究開発「毛髪の摩擦」 https://www.lion.co.jp/ja/rd/development/body/case02.php (髪表面の摩擦と手触り)
  4. Wikipedia「帯電列」 https://ja.wikipedia.org/wiki/帯電列 (摩擦帯電と帯電列)
  5. 美的.com「ヘア解説」 https://www.biteki.com/191441/ (キューティクル表面の凸凹とツヤの一般解説)
  6. coloria「髪の静電気」 https://coloria.jp/magazine/articles/ZecyC (乾燥と静電気)
  7. ニュースイッチ「クラシエ」 https://newswitch.jp/p/4743 (ぬれ髪ダメージ)

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