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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

年を とると、どうして せが ちぢむ ことが あるの?

朝と夜で身長が違う体は、年を重ねるとなぜ「戻りにくい縮み」を抱えるのか

加齢と身長低下 ── 椎間板の水分減少・椎体の圧迫骨折・円背の3要因と、日内変動

分野:からだ

じつは、わたしたちの 身長は、朝と 夜で ちがいます。夜の ほうが、すこし ひくく なって います。

この ちがいは、ふつう ねている あいだに もどる ことが 多いです。ところが、としを とると、もどりにくい ちぢみが 少しずつ ふえる ことが あります。どうして なのか、せぼねの 中を のぞいて みましょう。

朝いちばんに測った身長と、夜寝る前の身長は、ふつう同じではありません。体は毎日、ほんの少し縮んだり伸びたりしています。

ところが年を重ねると、朝になっても戻りにくい縮みが少しずつたまっていくことがあります。背骨の中で何が起きているのか、3つの理由に分けて見ていきます。

身長は一日のうちでも変動し、成人90人を測った研究では朝と夕の差は平均1.61cmだった[1]。一方、加齢に伴う身長低下には、寝ても戻りにくい変化が含まれる。

この低下には、椎間板が狭くなること、椎体の圧迫骨折、姿勢の変化(円背)などが重なるとされる[2]。このメモでは、この3つを医療機関・学会・研究論文の資料をつき合わせて整理し、数字の読み方の注意もあわせて書く。

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1. 夜に なると、なぜ ひくく なるの?

1. 1日の中で、身長は伸び縮みしている

1. 日内変動 ── 椎間板から水分が出ることによる、1日単位の変化

せぼねは、小さな 骨ほねが 何こも つながって できて います。骨ほねと 骨ほねの あいだには、ついかんばんと いう やわらかい ざぶとんが はさまって います。

ざぶとんには、水が ふくまれて います。おきて たって いる 間は、体の おもみで、水が すこしずつ おされて 出て いきます[1]。だから 夜は、ざぶとんが すこし うすく なって、身長が ひくく なる ことが 多いです。

ねて いる 間は、おもみが かからないので、水が もどります。朝には、夜より 身長が もどって いる ことが 多いです。

水を すった スポンジを、手で ぎゅっと おす ところを 思いうかべて ください。ただし 本当の ついかんばんは、スポンジのように 水が ぜんぶ 出る わけでは ありません。

大人 90人で はかった 研究では、朝と 夕方の ちがいは 平均へいきんで 1.61センチでした[1]。1円玉の 大きさ(2センチ)より、すこし 小さい ぐらいです。

背骨の間のクッション

背骨は、椎骨という小さな骨が積み重なってできています。その骨と骨の間にあるのが椎間板で、中心にある髄核は水分を多くふくんでいます。歩いたり跳ねたりするときの衝撃をやわらげる、クッションのようなものです。

立っている時間だけ、縮む

立っていると、重力のせいで髄核から水分が外へ出ていき、身長が下がります。寝ている間は体重がかからず、水分がまた取りこまれて元に戻ります[1]。

ガーナで30歳以上の成人90人が協力した測定では、朝と夕方の差は平均1.61cmでした[1]。ほぼ1円玉の直径(2cm)ほどの伸び縮みです。人によって差はありますが、この縮みは平均としては、寝ている間に戻る傾向があります。

椎間板は、中心の髄核と、それを囲む線維輪からなる。髄核には水分が多く含まれ、立位では重力によって髄核から水分が押し出され、身長が下がる。臥位の間に水分が再び取りこまれ、平均として朝には戻る傾向がある[1]。

ガーナの30歳以上の成人90人(無作為抽出)の測定では、朝夕の差は平均1.61cmだった[1]。1日の差は1.5〜2cm程度が目安とされるが、測定条件や集団、個人で変わりうる。この変動は一般に回復する性質のもので、次に述べる加齢による低下とは性質が異なる。

2. 年を とると、どのくらい ちぢむ?

2. 「戻りにくい縮み」は、どのくらい積み重なるのか

2. 加齢に伴う身長低下の大きさ ── 平均値の読み方

朝に なっても もどりにくい ちぢみが、ながい 年月で すこしずつ たまって いく ことが あります。

ある 研究では、平均へいきんすると、60さいを すぎてから ちぢみかたが 早く なり、女の人の ほうが、どの 年だいでも 早い ようでした[2]。

ただ、これは たくさんの 人の 平均へいきんです。ちぢみかたは 人に よって ちがいます。ちぢまない 人も いますし、ちぢむ ことが わるい ことでも ありません。

40〜80歳の人に見られた身長低下(年齢群ごとの平均)

中国の40歳以上の1,286人を調べた研究では、身長の低下は男女とも60歳以降に速まると報告されています。年齢群ごとの平均で見ると、女性のほうが、どの年代でも男性より速かったそうです[2]。

別の見積もり

日本の医療機関の解説には、米国の研究として、30歳から70歳の間に平均で男性が約3cm、女性が約5cm、80歳までには男性が約5cm、女性が約8cm縮んだ、という紹介があります[3]。

研究ごとに数字は違い、どちらも集団の平均です。自分や家族に、そのまま当てはめるものではありません。

中国の40歳以上の成人1,286人(男706・女580)を調べた研究では、平均の身長低下は男女とも60歳以降に加速し、女性はどの年代でも男性より速いと報告されている[2]。年代別のcm値は、本文の図表と照合できていないため、ここには載せない。

日本の医療機関の解説は、米国の研究として、30〜70歳で平均男性3cm・女性5cm、80歳までに男性5cm・女性8cmの低下を紹介している[3]。ただし、原典は本稿では未確認。

いずれも集団の平均値で、対象の人種・年齢構成・測定法が異なる。日本人や個人の予測には使えない。数字は概数として扱うのが妥当である。

3. ざぶとんが、かたく うすく なる

3. 理由1 ── クッションが、水を保てなくなる

3. 椎間板の水分低下 ── 髄核の含水率の変化

ひとつめの わけは、ついかんばんの 中の 水が へる ことです。

わかい ころの ついかんばんは、水を たっぷり ふくんで います。としを とると、水が へって、かたく うすく なって いきます[4]。

ふくらんだ ざぶとんが、ながい 年月の うちに ぺったんこに なる ところを 思いうかべて みて ください。ただし、ついかんばんは ぺったんこに なるのでは なく、うすく かたく なる ほうが ちかい です。

すると、朝に ねて おきても、水が もとどおりには もどらず、その 分だけ 身長が ひくく なります。

水分が減ると、うすくなる

髄核の水分は、若いころは約80〜85%、中年期に約70〜75%、60代以降は70%未満に下がる、と説明されています[4]。ただし資料によって幅があり、正確な数字はそれぞれの研究で少しずつ違います。

水分が減ると、クッションとしての力が落ち、椎間板は薄く硬くなっていきます。1枚1枚はわずかな薄さでも、背骨には椎間板がいくつも並んでいるので、全部を合わせると身長の差として表れる、と考えられます。

1日の伸び縮みも、小さくなる?

高齢になると椎間板が硬くなるので、1日の伸び縮みも小さくなる、といわれます。ただし、この点はまだ確かな資料で確かめられていないので、ここでは「といわれる」までにとどめます。

髄核の含水率は、若年期に約80〜85%、中年期に約70〜75%、高年期に70%未満とされる[4]。資料により80〜90%など幅がある。含水率が下がるほど、クッションとしての機能は落ちる。

水分保持に関わる物質としてプロテオグリカンが挙げられ、加齢で減ると椎間板が硬く薄くなるとの説明もある。ただし、これは検索結果の要約のみで確認しており、本稿では確かな事実としては扱わない。

高齢者は椎間板の柔軟性が落ちるため、身長の日内変動が子どもより小さいともいわれるが、一次資料では未確認であり、確かな事実としては扱わない。

4. 骨ほねが つぶれて しまう ことも

4. 理由2 ── 背骨の骨そのものがつぶれる

4. 椎体の圧迫骨折 ── 骨粗鬆症と胸椎の前弯

ふたつめの わけは、せぼねの 骨ほねが つぶれる ことです。

骨ほねが もろく なる びょうきが あります。すると、せぼねの 骨ほねが、上から おされて 少し つぶれて しまう ことが あります。せなかが まるく なって、せが ひくく なります[5][6]。

いたみが かるくて、気づかない うちに おきる こと(いつのまにか こっせつ)も あるそうです[5]。

ただし、せが ひくく なったから かならず こっせつ、と いう わけでは ありません。気に なるときは、大人に そうだん して、おいしゃさんに みて もらいましょう。

骨がもろくなると、背骨がつぶれる

骨がもろくなる骨粗鬆症が進むと、椎体(背骨の骨の、太い部分)が上から押されてつぶれることがあります。これを圧迫骨折といいます。日本臨床整形外科学会の解説では、圧迫骨折が進むと胸のあたりの背骨が前に曲がり、身長が縮むと説明されています[6]。

痛みが軽いこともある

圧迫骨折は、痛みがあまり強くなく、「いつの間にか骨折」として気づかれることもあるそうです[5]。とはいえ、身長が縮んだからといって、かならず骨折しているわけではありません。心配なときは、大人に相談して医師に見てもらう、というのが大切です。

骨粗鬆症などにより椎体がつぶれる椎体圧迫骨折が生じると、背中が丸くなり、身長が低下する[5]。日本臨床整形外科学会は、圧迫骨折の進行に伴い胸椎が前方に曲がり、身長が縮むと説明している[6]。

痛みが軽く、気づかないうちに骨折している「いつの間にか骨折」もある[5]。ただし、身長低下=骨折ではなく、椎間板や姿勢の影響とも重なる。整形外科では若年時からの身長差が受診の目安として使われるといわれるが、その基準(2cm程度とする解説がある)の原文は未確認で、診断そのものではない。

5. せなかが まるく なる わけ

5. 理由3 ── 姿勢と筋力の変化

5. 円背の進行 ── 骨格筋の減少と姿勢

みっつめの わけは、せなかを ささえる 力が よわく なる ことです。

せなかと おなかの 筋肉きんにくが おとろえると、せなかが まるく なりやすく なります[3]。まるく なると、その 分 せが ひくく なります。

せなかを ささえる 力は、体を うごかす ことで、よく なる ことが ある そうです[5]。

背中を支える筋肉

背筋や腹筋のような骨格筋が衰えると、背中が丸くなる円背が進み、身長が縮むと説明されています[3]。姿勢は骨の形だけでなく、それを支える筋肉にも関わっているのです。

姿勢や筋力は、リハビリテーションなどで改善することがあるとされています。一方、圧迫骨折は早めに医療機関を受診することが大切だと説明されています[5]。

背筋・腹筋など骨格筋が衰えると、円背(背中が丸くなること)が進み、身長が短縮する[3]。姿勢や筋力は、リハビリテーションなどで改善することがあるとされる。一方、圧迫骨折は早期の受診が必要とされる[5]。

円背は椎間板の変性や圧迫骨折とも連動するため、姿勢だけが原因とは限らず、原因を1つに絞りこむのは難しい。

6. みっつが かさなって いる

6. 3つが重なって、1つの数字になる

6. 複合要因としての身長低下

年を とって せが ひくく なる のは、ざぶとんが うすく なる こと、骨ほねが つぶれる こと、せなかが まるく なる こと、が かさなって おきる ことが ある、と いわれて います[2]。

朝と 夜の ちぢみは、ねている あいだに もどる ことが 多いです。としを とった ときの ちぢみは、もどりにくい 分が ふえて いく のです。

やってみよう。おうちの 人と いっしょに、朝 おきた とき と 夜 ねる まえに、おなじ 場所で 身長を はかって みましょう。かべに かかとと せなかを つけて、かたい 本を あたまの 上に のせて、かべに しるしを つけます。

はかりかたで 1センチぐらい ずれる ことも あります。ちがいが 小さいときは、はかりまちがいかも しれません。

年を重ねた人の身長低下は、椎間板の水分が減って薄くなること、椎体がつぶれること、姿勢が変わることの3つが複合して起きうる、と説明されています[2]。原因が椎間板だけ、というわけではありません。

朝夕の変化は寝ている間に戻る傾向がありますが、この3つによる低下には、寝ても戻りにくい変化が含まれます。

やってみよう ── 朝と夜の身長を測る

家の人に協力してもらい、朝起きてすぐと、夜寝る前に、同じ場所で身長を測ってみます。壁に背中とかかとをつけ、固い本などを頭の上に水平にのせて、壁に印をつけます。

測り方によって1cm前後は簡単にずれるので、小さい差が出ても出なくても、それだけで何かが決まるわけではありません。何回か測って、そろえたやり方でくらべてみましょう。

加齢に伴う身長低下は、椎間板の狭小化、椎体の圧迫骨折、姿勢の変化(円背)などが複合して生じるとされる[2]。原因を椎間板だけとする見方は不十分で、3つの要素のどれが大きいかは個人によって異なる。

日内変動(1日単位、平均としては回復する)と、加齢による低下(年単位、戻りにくい変化を含む)は、椎間板の水分が関わる点では共通するが、性質が異なる。

家で試すなら、朝と夜に同じ場所で身長を測ってみるとよい。壁に背中とかかとをつけ、水平な板や本を頭にのせて印をつける。1cm程度の誤差は測り方で出るため、条件をそろえ、何回か測る必要がある。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

「せぼねの ついかんばん」や「こつそしょうしょう」を キーワードに、日本語の ホームページで しらべて みましょう。

体の ことで こまったら、大人に そうだんして、おいしゃさんに 話して ください。

今日できること:家族に協力してもらい、朝と夜に同じ方法で身長を測ってみます。もし差が出なくても、測り方をそろえる大切さが分かります。

公式情報:日本臨床整形外科学会の脊椎骨粗鬆症・椎体圧迫骨折の解説は、日本語で読めます[6]。このメモは医療の助言ではありません。身長が縮んだと感じたら、医師に相談してください。

加齢と身長低下の研究は[2]、英語だが、年代別の数字と危険因子が表で整理されている。日本語では、日本臨床整形外科学会[6]や医療機関の解説[4][5]が読める。

このメモは医療上の助言ではない。身長の低下や背中の痛みが気になるときは、医師に相談すること。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:研究論文、日本臨床整形外科学会、医療機関の解説を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. Diurnal Height Changes among Adults aged 30+ in Ghana(ARC Journals)。https://arcjournals.org/journal-of-diabetes-and-endocrinology/volume-3-issue-1/4 (朝夕の身長差の平均1.61cmと、椎間板から水分が出る仕組みについて)
  2. Age trend and risk factors of height loss in Chinese over 40(PMC)。https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12450710/ (身長低下の複合的な原因と、年代別の平均値について)
  3. 同友会メディカルニュース「身長が縮んだ!と感じた方へ」。https://www.do-yukai.com/medical/190.html (米国の研究の紹介と、筋力低下と円背について)
  4. 足立慶友整形外科「椎間板の変性による症状と機能障害」。https://clinic.adachikeiyu.com/8379 (髄核の水分の割合の目安について)
  5. 中内整形外科クリニック「年を取ると背が縮む?」。https://www.nakauchi-seikei.jp/blog/column/n234/ (圧迫骨折、筋力低下、受診の目安について)
  6. 日本臨床整形外科学会「脊椎骨粗鬆症・椎体圧迫骨折」。https://jcoa.gr.jp/脊椎骨粗鬆症・椎体圧迫骨折/ (胸椎が前に曲がり身長が縮むという説明について)

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