1. おしっこは、ためてから 作るのでは なく、作りながら ためて いる
1. 「行きたい」と思う前から、尿は少しずつ作られている
1. 尿は「ためてから作る」のではなく、「絶えず作りながらためる」
じゅぎょう中に 「トイレに 行きたいな」と 思った ことは ありませんか。そのとき 急に おしっこが 作られ はじめた わけでは ありません。
おしっこは、じんぞうで 休まず 作られて います。2本の 細い くだ(にょうかん)を 通って、ぼうこうと いう ふくろに 流れこみ、そこで 少しのあいだ ためられます[3]。
1日に 出る おしっこの りょうは、1リットルから 2リットルぐらいと されます[8]。1.5リットルと して、1日の 1440分で わると、1分間に およそ 1ミリリットルです。これは へいきんの 計算で、いつも 同じ 速さで 作られて いる、と いう 意味では ありません。
おしっこは、ためてから 作る ものでは なく、作りながら ためて いる ものです。では、その 「作る」は、じんぞうの 中で どう 行われて いるのでしょう。
「トイレに行きたいな」と思いはじめたとき、尿が急に作られはじめたわけではありません。腎臓では尿が絶えず作られていて、2本の尿管を通って膀胱に流れこみ、そこで一時的にためられます[3]。
1日の尿量は、1〜2リットルが通常の範囲とされます[8]。1.5リットルとして1日の1440分で割ると、1分あたり約1.04ミリリットル。小さじ(5ミリリットル)の5分の1ほどです。これは平均から割った計算で、いつも一定の速さで作られているという意味ではありません。
尿は、ためてから作るのではなく、作りながらためています。では、その「作る」は腎臓の中でどのように行われているのでしょうか。
「尿は膀胱で作られる」と思いがちだが、膀胱は作る場所ではなく、ためる場所である。腎臓では尿が絶えず作られ、2本の尿管を通って膀胱に流れこみ、そこで一時的に貯められる[3]。
どれほどの速さで作られているのか。尿量の正常範囲は、OpenStaxの表では1日1〜2Lとされる[8]。1.5Lを1440分で割ると約1.04mL/分で、小さじ(5mL)の5分の1ほどになる。ただし出典の値ではなく平均を割っただけなので、一定の速さで作られている証拠にはならない。
この計算が示すのは、膀胱にたまる尿は「腎臓がその間に少しずつ送ってきた分」だということである。ためる側の膀胱の仕組みは4章で見るとして、まず、作る側の腎臓の中で何が起きているのかから確かめる。
2. じんぞうで こされた 水の ほとんどは もどされ、のこりが おしっこに なる
2. 腎臓でこされた液の大部分は戻され、残りが尿になる
2. 糸球体でこされた液の大部分は戻され、残りが尿になる
じんぞうの 中には、「ネフロン」と いう 小さな こす しくみが あります。1つの じんぞうに、およそ 100万こも あります[1][2]。
ネフロンの はじまりには、とても 細い 血の くだが 小さな 玉のように まるまった ところが あります。その かべは うすくて、水や 小さな ものが 通りぬけます。血の 中の いらない ものも、水と いっしょに こしとられます[1]。
茶こしを 思いうかべて ください。小さな ものだけが 通りぬけます。ただし 本当は、通りぬけた 水の ほとんどは、あとで 体に もどされます。
こされた 水や、体に 大切な ものの ほとんどは、そばの 血の くだに すいこまれて、体に もどります。のこりが おしっこに なります[1]。こされる 水の りょうは、出て くる おしっこの りょうより ずっと 多いのです。
こうして できた おしっこは、どうやって ぼうこうまで 行くのでしょう。
腎臓には、血液をこして尿のもとを作る最小の単位「ネフロン」があり、1つの腎臓に約100万個あります[1][2]。
ネフロンの入り口には、毛細血管が小さな球のようになった「糸球体」があります。その壁は薄く、水と小さな分子、老廃物が壁を通りぬけて、尿細管の側へ入ります[1]。ここでこされた液が、のちに尿になります。通りぬけるのは小さなものが中心なので、茶こしのような働きに近いといえます。
ところが、こされた液がそのまま尿になるわけではありません。尿細管のそばの血管が、水のほとんどと、体に必要なミネラルや栄養分を吸い戻し、残りが尿になります[1]。こされる液の量は、資料により1日約150リットル(子ども向けの解説)〜約180リットル(MSDマニュアル)と幅があり、実際に出る尿は1〜2リットルほどです[7][2]。
こうして残った尿は、腎臓を出たあと、どうやって膀胱まで届くのでしょうか。
尿が作られる現場は、腎臓の中のネフロンである。1つの腎臓に約100万個あり[1][2]、各ネフロンの始まりが糸球体、つまり毛細血管が小さな球状になった構造をしている。壁が薄いため、水と、小さな分子や老廃物が尿細管の側へ通りぬける[1]。これが「ろ過」である。
ところが、ろ過された液がそのまま尿になるのではない。尿細管のそばを走る血管が、水のほとんどと、体に必要なミネラルや栄養分を再吸収し、残りが尿になる[1]。ろ過される量は、資料により1日約150L(一般向けの解説)から約180L(MSDマニュアル)と幅があり、実際に出る尿は1〜2L程度である[7][2]。米国のNIDDKは量をクォートで書いているため、リットルの資料の数字とそのまま並べて比べない。
つまり尿は、「不要なものを選んで捨てる」前に、いったん水ごと大きくこして、必要なものを取り戻したあとの残りである。再吸収の量が条件によってどう調節されるかは腎臓の大きな主題だが、本稿は尿が通る道すじに絞る。さて、残った尿は、腎臓を出たあとどうやって膀胱へ向かうのか。
3. にょうかんは、ただの くだでは なく、きんにくで おくって いる
3. 尿管は、ただの管ではなく、筋肉の波で尿を送っている
3. 尿管は平滑筋の蠕動によって、低い圧力のまま尿を膀胱へ送る
こされて できた おしっこは、2本の にょうかんを 通って、ぼうこうへ 向かいます。にょうかんは、ただの くだでは ありません[5]。
くだの かべには、きんにくが あります。この きんにくが、波のように じゅんに ちぢんで、おしっこを ぼうこうの 方へ おし出して います。弱い 力で、そっと 送るのだと いいます[5]。
ホースの まわりを、手で じゅんに ぎゅっ、ぎゅっと にぎって いく ようすを 思いうかべて ください。ただし 本当は、手では なく、くだの かべの きんにくが 動きます。
じんぞうの 中には、この 動きの ペースを とる ところが ある、と いわれて います[5]。
では、ぼうこうに ついた おしっこは、どうなるのでしょう。
尿は、左右の腎臓から尿管を通って膀胱へ向かいます。「管だから、流れるだけ」と思いがちですが、国立がん研究センター東病院の解説は、尿管は「ただのチューブではない」と述べています[5]。
尿管の壁には平滑筋があり、その蠕動運動(波打つような動き)によって、低い圧力のまま尿を膀胱へ送ります。腎臓の中の腎盂には、この動きのペースメーカーがあるといわれています[5]。
水道のホースのまわりを、手で順にぎゅっと握っていくと、中の水が先へ進みます。尿管では、手のかわりに管の壁の筋肉が、その役をしています。
こうして運ばれた尿は、膀胱に着きます。そこから先、人はどうやって「行きたい」と気づくのでしょうか。
尿は腎臓から尿管を通って膀胱へ流れこむが[3]、その送り方は、管の中を液が流れるだけではない。国立がん研究センター東病院の解説によると、尿管はただのチューブではなく、尿管平滑筋の蠕動運動によって、低い圧力で尿を膀胱へ送る[5]。
この蠕動を起こすきっかけは腎盂にあり、そこにペースメーカーがあるといわれる[5]。心臓の拍動の「ペースメーカー」という言葉を借りた表現で、一定のリズムで筋肉の波を起こす場所がある、という意味に読める。ただし、1分間に何回動くかといった具体的な数字は、本稿で用いた資料には書かれていない。
ここで押さえておきたいのは、「低圧で」という言葉である。尿管は細い管なので、強い力で押し出す仕組みではなく、弱い力を順に送る仕組みで尿を運ぶ。腎臓のろ過で絶えず作られる尿が、この動きで絶えず膀胱へ送られる、という前の章の流れとつながる。
こうして膀胱に届いた尿は、ためられる。膀胱の側では、何が起きるのか。
4. ぼうこうが いっぱいに なると、のうに 知らせが とどく
4. 膀胱がふくらむと、その知らせが脊髄を通って脳へ届く
4. 膀胱の壁が伸びた情報が神経を通り、脊髄から脳へ伝わって尿意になる
ぼうこうは、のびちぢみする きんにくで できた ふくろです[4]。たまった おしっこの りょうに あわせて、少しずつ ふくらんで いきます[4]。
ふうせんを 思いうかべて ください。空気が ふえると ふくらみます。ただし 本当は、ぼうこうは ふうせんでは なく、きんにくで できて います。
ぼうこうが いっぱいに なると、その 知らせが しんけいを 通って、せきずいへ 行き、さらに のうへ とどきます。のうが それを 受けとると、「おしっこが したい」と 自分で わかります[3]。
どれくらい たまると 「行きたい」に なるかは、人に よって ちがいます。あるサイトの せつめいでは、150〜250ミリリットルほど たまると 感じる、と されて います[6]。
「行きたい」と 感じた あと、すぐ 行くか どうかは、だれが 決めるのでしょう。
膀胱は、伸び縮みする筋肉でできた袋状の臓器です。たまった尿の量に応じて、少しずつふくらみます[4]。
膀胱が満杯になると、その情報が神経を通って脊髄に伝わり、さらに脳へ届きます。脳がそれを受け取ることで、人は尿意を自覚します[3]。つまり「行きたい」という感覚は、膀胱がいっぱいになったという知らせを、脳が感覚として受け取ったものです。
どのくらいたまると尿意になるかは、資料により幅があります。ある泌尿器の解説記事では、150〜250ミリリットルほどたまると膀胱の壁が押し広げられ、その刺激が脳に伝わって尿意をもよおすとされています[6]。個人差が大きく、固定の数字ではありません。
先ほどの毎分約1ミリリットルという平均の速さのままなら、150〜250ミリリットルは約2時間半〜4時間ぶんです。これは平均を割った計算で、実際の速さは一定ではありません。
では、「行きたい」と感じたあとは、すぐトイレに向かうしかないのでしょうか。
膀胱は伸縮性のある筋肉でできた袋状の臓器で、たまった尿の量に応じて徐々に膨張する[4]。満杯に近づくと、その情報が膀胱から神経を通って脊髄に伝わり、さらに脳へ伝達されて、人は尿意を自覚する[3]。尿意は、膀胱の状態そのものではなく、「膀胱がいっぱいだ」という情報を脳が受け取って生じる感覚である。
では、どれだけたまれば尿意になるのか。一般向けの泌尿器の解説では、通常150〜250mLほどで壁が押し広げられ、その刺激が脳に伝わって尿意をもよおすとされる[6]。ただしこれは一般向けの解説にある目安で、資料により幅があり、個人差も大きい。ここでは固定の値ではなく、目安として扱う。
同じ解説は、1回の尿量が200〜600mL、1日に3〜8回で、合計1〜2Lという数字も挙げている[6]。ここで検算してみる。範囲の両端を掛け合わせると、200mL×3回は600mL、600mL×8回は4800mLで、合計の1〜2Lからはみ出す。つまり、1回量・回数・合計はそれぞれ別の目安の幅であり、両端どうしを掛けた数字を1日の実際の姿と読むのは、自然ではない。
前の章で出した毎分約1mLという平均を使うと、150〜250mLたまるまでには約2.5〜4時間かかる計算になる。水を多く飲んだ日や汗をかいた日には速さが変わるはずで、あくまで平均から割った目安である。
尿意を自覚したあと、人は何をどう選べるのか。
5. 「いま 行く」か 「もう 少し 待つ」かは、自分で 決められる
5. 尿意のあと、すぐ行くか待つかを決められる
5. 尿意の自覚と排尿のあいだには、人が選べる余地がある
おしっこが したく なっても、その 場で 出て しまう わけでは ありません。コントロールが できる 人は、「いま 行く」か 「もう 少し 待つ」かを、自分で 決められます[3]。
赤ちゃんや 小さな 子は、まだ 自分で 決めるのが むずかしい ことも あります[3]。
トイレで 出す とき、ぼうこうの 出口に ある きんにくが 開いて、おしっこが 流れ出ます[4]。この きんにくは、「かつやくきん」と いう 名前です。
じんぞうで 作られ、にょうかんで 運ばれ、ぼうこうに たまり、のうが 知らせを 受けとる。これが おしっこの 道すじです。では、自分の 体では、この 道すじが 1日に 何回 まわって いるのでしょう。
「行きたい」と感じたあとの選択も、体の仕組みの一部です。排尿をコントロールできる人は、すぐに出すか、もう少し待つかを自分で決められます[3]。赤ちゃんや小さな子は、まだ自分で決めるのがむずかしいこともあります[3]。
トイレで排尿するとき、膀胱の出口にある尿道括約筋が開き、尿が膀胱から流れ出ます[4]。腎臓で作られた尿が尿管で運ばれ、膀胱でためられ、いっぱいになったという知らせを脳が受け取り、最後に括約筋が開く。これが、尿の通り道の全体です。
では、自分の体では、この道すじが1日に何回まわっているのでしょうか。
尿意の自覚と実際の排尿は、別の段階である。MSDマニュアルは、排尿をコントロールできる人は、尿意を自覚したあとで、すぐに出すかもう少し我慢するかを自分で決められると説明している[3]。一方で、乳児や幼児はまだ自分で決められない場合があり、これは「みんなができる」とは書けない部分である。
実際の排尿の段階では、膀胱の出口にある尿道括約筋が開き、尿が膀胱から流れ出る[4]。この筋肉が括約筋(かつやくきん)である。
全体の流れは、腎臓のネフロンでのろ過と再吸収、尿管平滑筋の蠕動による輸送、膀胱壁の伸展と情報の伝達、尿意の自覚、括約筋の開放、の順になる。尿は作られるあいだじゅう絶えず動いており、人が選べるのは、尿意を自覚してから排尿するまでの段階である。
6. 1日の 「行きたい」を、紙に かぞえて みよう
6. トイレに行った回数と時刻を、1日だけ紙に書いてみる
6. 回数と時刻を1日記録し、平均の計算と見比べる
きょう 1日、トイレに 行った 回数を、紙に 「正」の 字で かぞえて みましょう。行った 時間も 書くと、どれくらい あいだを あけて いるか わかります。
おしっこの りょうを はかる ひつようは ありません。回数を ふやしたり へらしたり しないで、いつも どおりに すごして 書きます。
あるサイトの せつめいでは、1日に 3〜8回と されて います[6]。人に よって ちがうので、あくまで 目安です。
水を たくさん のんだ 日と、そうでない 日で くらべても おもしろいです。気に なる ことが あれば、おうちの 人に 聞いて みましょう。
1日のトイレの回数と時刻は、紙と時計だけで記録できます。尿の量を計る必要はありません。回数を増やしたり減らしたりせず、いつもどおりに過ごして、行った時刻を書きとめます。
記録したら、行った時刻の間隔を計算します。この記事で出した毎分約1ミリリットルという平均から、150〜250ミリリットルがたまるまでの目安は約2時間半〜4時間でした。自分の間隔は、それに近いでしょうか。飲んだ量や、体を動かした日かどうかで比べると、間隔の変わり方も見えます。
回数の目安は、ある解説では1日3〜8回とされています[6]。人によってちがう目安なので、ちがっても気にしすぎる必要はありません。体の調子が気になるときは、家の人や医師に相談してください。
家で確かめるなら、1日のトイレの回数と時刻を紙に書き、尿量は計らない。回数を意識して増減させず、いつもどおりに過ごす。そのうえで、行った時刻の間隔を計算し、1章の平均(毎分約1mL)と4章の目安(150〜250mLで約2.5〜4時間)に照らす。飲んだ量や活動量で間隔がどう変わるかを見ると、この計算の「一定ではない」部分が見えてくる。
数字を原典で確かめるなら、1章と2章はNIDDK(英語)とMSDマニュアル家庭版の「腎臓」、尿量の範囲はOpenStax(英語)、3章は国立がん研究センター東病院の解説、4〜5章はMSDマニュアル家庭版の「排尿のコントロール」と「膀胱」を見比べる。1回量・回数・合計の食いちがい(4章の検算)は、同じ解説に載る数字なので、自分でも掛け算をして確かめやすい。
1日3〜8回という数字は、一般向けの解説のもので、一次資料に当たったものではない。だからこそ、自分の記録を、複数の資料と並べて読む価値がある。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
数字は、複数の資料で突き合わせて使っています。ろ過される液の量は資料により約150L〜約180Lと分かれるため、幅で示しました。毎分約1mLは、1日1.5Lを1440分で割った計算です。
- NIDDK “Your Kidneys & How They Work” https://www.niddk.nih.gov/health-information/kidney-disease/kidneys-how-they-work (ネフロン、糸球体のろ過、再吸収)
- MSDマニュアル家庭版「腎臓」 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/05-腎臓と尿路の病気/腎臓と尿路の生物学/腎臓 (ネフロンの数、ろ過される量)
- MSDマニュアル家庭版「排尿のコントロール」 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/05-腎臓と尿路の病気/排尿の障害/排尿のコントロール (尿の通り道、尿意と排尿のコントロール)
- MSDマニュアル家庭版「膀胱」 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/05-腎臓と尿路の病気/腎臓と尿路の生物学/膀胱 (膀胱の性質、括約筋)
- 国立がん研究センター東病院 泌尿器・後腹膜腫瘍科 https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/clinic/urology/070/010/030/20210517153038.html (尿管の蠕動運動)
- 美的.com 泌尿器の解説記事 https://www.biteki.com/416603/ (尿意をもよおす量と回数の目安。一般向けの解説)
- HugKum「腎臓は体の清掃員」 https://hugkum.sho.jp/523568 (ろ過される量と尿量)
- OpenStax Anatomy & Physiology 2e, 25.1 Physical Characteristics of Urine https://openstax.org/books/anatomy-and-physiology-2e/pages/25-1-physical-characteristics-of-urine (1日の尿量の範囲)
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