1. 画面の 前でも、世界一に なれるの?
1. オンライン開催で、参加者が過去最高になった
1. 画面ごしの競技 ── 2021年大会の参加者と最年少チャンピオン
けん玉の 世界大会は、ふつうは 会場に あつまって あそびます。ところが 2021年の 回は、ネットで ひらかれました。
参加したのは 13の 国と 地いきの 702人です。これまでで いちばん 多い 人数でした[2]。みんなが 会場まで 行かなくても いいので、出やすかったのかも しれません。
おきなわから 出た ある 選手は、「しょしんしゃも 上級者も かたを ならべて きょうぎが できる」と 話して います。その 人は、702人の 中で 85ばんめでした[3]。
この 大会の 世界一は、千葉県船橋市の 小学6年生でした。しじょう いちばん わかい 世界チャンピオンです[2]。
けん玉ワールドカップは、2014年から毎年、広島県廿日市市で開かれています[1]。ふだんは選手が会場に集まる大会ですが、2021年の第8回はオンラインでした。
この回には、13の国と地域から過去最高の702人(国内639人、海外63人)が参加しました[2]。会場まで行かずに出られることが、人数の多さにつながったのかもしれません。沖縄から出場した選手は、リモート開催だと初心者も上級者も肩を並べて競技できると話し、自分は702人中85位だったと紹介されています[3]。
この大会で世界チャンピオンになったのは、千葉県船橋市の小学6年生、千葉靖仁さんです。史上最年少の世界一で、当時の史上最高得点だった2131点を出したと船橋市が紹介しています[2]。
では、そんな大会がなぜ廿日市で開かれているのでしょうか。
けん玉ワールドカップは2014年から毎年、広島県廿日市市で開かれている[1]。ふだんは選手が会場に集まる大会だが、2021年の第8回(8月21〜22日)はオンラインで行われた。会場までの移動がいらないため、参加の入口が広がったとみられる。実際、この回の参加者は13の国と地域から過去最高の702人(国内639人、海外63人)にのぼった[2]。
沖縄から出場した選手は、リモート開催では初心者も上級者も肩を並べて競技できると話し、自分は702人中85位だったと紹介されている[3]。実力の差があっても、同じ場に立って順位がつく、という話である。
この回の世界チャンピオンは、船橋市の小学6年生、千葉靖仁(ちば やすひと)さんで、史上最年少の世界一だった。史上最高得点の2131点を出したと船橋市は紹介している。ただし「史上最高」は2021年時点の記述で、現在の記録とは限らない。練習は普段1日1〜2時間、大会前は4〜6時間だったと本人が語っている[2]。
これほどの大会が、なぜ広島県の廿日市に置かれているのか。理由は、100年あまり前のけん玉づくりにさかのぼる。
2. どうして はつかいちで ひらかれるの?
2. 木工の町・廿日市が「けん玉発祥の地」と呼ばれる理由
2. 日月ボールから年40万本へ ── 廿日市とけん玉の結びつき
広島県の はつかいちは、けん玉が うまれた 町と いわれて います[1]。むかしから、木で ものを つくる 人たちが いる 町でした。
いまの 形に ちかい けん玉は、1921年(大正10年)に、はつかいちの 木工メーカーが、さらの ついた「日月ボール」を つくりはじめました[1]。
この 町の 職人さんは、おまいりに 来る 人や かんこうきゃくに 木の おもちゃを つくって いました。1970年代には、1年に 40万本の けん玉を つくり、日本の 7わりを しめたと、観光庁の せつめいで しょうかいされて います[4]。
今のけん玉の形のもとになったのは、広島県呉市の江草濱次が考案した「日月ボール」だといわれます。実用新案が登録されたのは1919年(大正8年)5月14日で、この日にちなんで5月14日は「けん玉の日」になりました[6]。
その2年後の1921年(大正10年)、家具の小物を作っていた廿日市の木工メーカーが、これまでのけん玉に受け皿を取り入れ、「日月ボール」として作り始めました。けん玉そのものは、日本には江戸時代の中ごろに登場したといわれます[1]。
廿日市の木工職人は、参拝客や観光客向けに木のおもちゃを作り始めました。人気が最も高かった1970年代には、年に40万本を作り、日本の生産量の7割を占めていたと、国土交通省観光庁の解説文データベースは紹介しています[4]。
今も、木工ろくろの技術で精度の高いけん玉を作る会社があります。JETROは、そうした会社の一つが10分の1ミリメートルの精度でけん玉を作り、2014年から毎年ワールドカップを開いていると紹介しています[5]。
町のものづくりと大会が結びついていたのです。では、その大会では何を競うのでしょうか。
今のけん玉の形のもとは、広島県呉市の江草濱次(えぐさ はまじ)が考案した「日月ボール(にちげつボール)」だとされる。実用新案の登録は1919年(大正8年)5月14日で、この日にちなんで5月14日は「けん玉の日」になった(登録は2017年、GLOKEN)[6]。ここでは、江草が考案した日月ボールが、今のけん玉の形のもとになったと説明する。
では、なぜ量産が廿日市で始まったのか。1921年(大正10年)、家具の小物を作っていた同市の木工メーカーが、従来のけん玉に受け皿を取り入れ、「日月ボール」として製造を始めたのである。けん玉自体が日本に登場したのは江戸時代中期といわれる[1]。家具の小物を作る技術があったことが、量産の足がかりになったと考えられる。
その後、廿日市の木工職人は、参拝客や観光客向けに木のおもちゃを作るようになった。1970年代の最盛期には、廿日市で年40万本のけん玉を作り、国内生産量の7割を占めたと、観光庁の解説文データベースは紹介している[4]。現在も木工ろくろを使い、10分の1ミリメートルの精度でけん玉を作る企業があり、JETROの事例紹介によれば、その企業は2014年からワールドカップを開き、海外からの参加者を年々増やしているという。ただし主催者名は資料により、GLOKEN・企業・実行委員会と異なるため、ここでは「中心になって開催」とだけ書いておく[5]。
町の産業と大会がつながっている。次の問いは、その大会で何を競い、どう勝敗が決まるのかである。
3. 決勝では、なにを きそうの?
3. 決勝は「10個の技を決める順に申請する」勝負
3. 決勝のしくみ ── 技のレベルと得点、再現大会の要項から読む
これは、にた ルールの 大会の やり方です。決勝に すすむ 人は、さきに「どの 技を、どの じゅんばんで やるか」を とどけます。そして その じゅんばんで、10この 技に ちょうせんします[8]。
技には レベルが あります。せいこうした 技の レベルが、そのまま 点に なります。たとえば レベル3の 技が きまれば 3点です。かかる 時間は 3分です。
いまの 大会の ルールとは ちがう ことが あります。
決勝に進んだ人は、事前に挑戦する技と順番を申請します。当日は、その順に10個の技へ一人ずつ挑戦し、審判団が判定します。制限時間は3分です。これは、ワールドカップと似たルールで開かれた愛知県半田市の大会(2023年)の要項に書かれている進め方です[8]。
技にはレベルがあり、成功した技のレベルがそのまま点数になります(レベル数=点数)。レベル1の技が決まれば1点、レベル3なら3点です[8]。得意な技を並べるのか、むずかしい技を先に置くのか。順番を自分で決めるところに、選手の作戦が出ます。
ただしこれは、ワールドカップを再現した大会の要項です。本大会の最新ルールは、公式の案内で確かめる必要があります。この要項と2021年大会の採点方式が同じかどうかは、ここで参照した資料からは分からないので、30点などの数字と2131点は比べないでください。
決勝はどう進むのか。ワールドカップ2023のトリック(Lv1〜Lv3)と類似のルールを使った愛知県半田市の大会の要項から、大まかな形が分かる。決勝に進んだ選手は、挑戦するトリックと順番を事前に申請する。本番では、その順に10個へ1人ずつ挑み、審判団が判定する。制限時間は3分である[8]。
トリックにはレベルがあり、成功したトリックのレベルが点数になる(レベル数=点数)[8]。したがって、10個すべてをLv3で組んで全部成功すれば、理屈の上では30点相当である。簡単な技を確実に決めるか、高いレベルの技に賭けるか。申請の段階で、すでに勝負は始まっている。
ここで注意が要る。この要項は主催者の文書ではなく、ワールドカップ2023に「類似のルール」で行われた再現大会のものである。本大会の最新ルールは公式で確かめる必要がある。また、この要項と2021年大会の採点方式が同じかどうかは、ここで参照した資料からは分からない。そのため、30点相当の計算と2131点を同じ物差しで比べてはいけない。
4. 世界の 人が あつまる と、なにが おこるの?
4. 世界へ広がる大会 ── 観客、ギネス記録、ストリートスポーツ
4. 世界へ広がる大会 ── 規模の推移、ギネス記録、ストリートスポーツとしての広がり
この 大会には、アメリカや ヨーロッパ、アジアの 選手も あつまります。海がいの 選手の 技が、日本の 選手を うわまわる ことも あります[7]。
2023年には、中学3年生の 大川大和さんが、1分間に「ひこうき」という 技を 57回 せいこうさせて、ギネス世界記録に みとめられました[9]。
けん玉は 日本の むかしからの あそびですが、いまは 世界で、ストリートスポーツとしても 人気です。ことばが ちがっても、いっしょに あそべます[10]。
第4回大会には、国内外あわせて約400人の選手と約5万人の観客が集まったと紹介されています。アメリカ、ヨーロッパ、アジアから選手が集まり、海外選手の技が日本の選手を上回ることもあるそうです[7]。5万人は観客の数で、選手の数ではありません。
2023年の大会では、ギネス世界記録の挑戦企画もありました。中学3年生の大川大和さんが、1分間に「ひこうき」を成功させた回数で57回を記録し、ギネス世界記録に認定されています[9]。
こうして広がる背景に、けん玉が世界でストリートスポーツとして注目されていることがあります。自分で考えた技を自由に組み合わせるフリースタイルのけん玉が広がり、言葉の壁を越えた交流にもなっているそうです[10]。
大会を開く側にも、世界をつなぐ思いがあります。主催のGLOKENの代表理事の窪田保さんは、2003年にもしかめ連続時間の世界記録(8時間)をつくり、2012年に法人を設立して、けん玉で世界をつなぐ活動を続けています[11]。
大会の規模は、年によって違う。第4回は国内外あわせて約400人の選手と約5万人の観客があったとされ、アメリカ・ヨーロッパ・アジアから選手が集まって、海外選手の技が日本の選手を上回ることもあるという[7]。5万人は観客の数で、選手の数ではない。2021年のオンライン回の702人と単純に並べても意味がないのはそのためである。
記録への挑戦も行われている。2023年の廿日市大会では、ギネス挑戦企画で、中学3年生の大川大和さんが「1分間に飛行機を成功させた最高回数」で57回を記録し、ギネス世界記録に認定された[9]。
では、なぜ日本の伝統の遊びが、世界の人を引きつけるのか。北海道新聞は、けん玉が今、世界でストリートスポーツとして注目されていると伝える。自分で考えた技を自由に組み合わせるフリースタイルが広がり、言葉の壁を越えた交流にもなっているという[10]。
大会を開く側の思いも、この流れにある。GLOKEN代表理事の窪田保(くぼた たもつ)さんは、2003年にもしかめ連続時間の世界記録(8時間)を作り、2012年に一般社団法人を設立して、「けん玉で世界をつなぐ」活動を続けている[11]。木工の町の技術から始まった大会は、世界とつながる場へと広がってきた。
5. けん玉で、あそんで みよう
5. 大会のやり方をまねて、自分で試してみる
5. 大会の形を自分で試す ── 再現と、資料へのたどり着き方
けん玉が あれば、決勝の まねを してみましょう。できる 技を 10こ えらんで、じゅんばんを きめます。3分の 中で、いくつ せいこうするか、数えます。
まわりに ものが ない ひろい ところで、人に あたらない ように して あそびましょう。
大会の ようすは、ページの 下の「しらべた もとの じょうほう」から、広島県の ページを ひらくと 見られます。
けん玉があれば、決勝のまねができます。できる技を10個選び、順番を決めて、3分以内に何個成功するかを数えます。簡単な技を先に置くか、難しい技を狙うかで、結果がどう変わるかも試せます。まわりに人や物がない広い場所で、玉が当たらないように気をつけて遊んでください。
大会の情報は、広島県のひろしまラボや、観光庁の解説文データベースにまとまっています。2021年のオンライン回は、船橋市の紹介ページでも読めます。最新の回の参加者や結果は、この記事では取り上げていません。公式の発表で確かめてください。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
アクセス日はいずれも2026年10月3日。2021年の参加者数や記録は「その年」の数字で、現在の記録とは限りません。
- ひろしまラボ(広島県)けん玉ワールドカップの紹介 https://www.pref.hiroshima.lg.jp/lab/topics/20210817/01/ (大会の合言葉、廿日市での量産の始まり)
- 船橋市 広報トピックス https://www.city.funabashi.lg.jp/funabashistyle/jp/topics/p097514.html (2021年オンライン回の参加者数と最年少チャンピオン)
- 琉球新報「ちゅらさんの気になる」 https://ryukyushimpo.jp/play/entry-1386255.html (リモート開催の参加の様子)
- 国土交通省 観光庁 多言語解説文データベース(R2-00333) https://www.mlit.go.jp/tagengo-db/R2-00333.html (1970年代の生産量)
- JETRO 事例紹介 岩田木工 https://www.jetro.go.jp/case_study/2018/iwata-mokko.html (木工ろくろの精度、2014年からの大会)
- 現代ビジネス「5月14日 けん玉の日」 https://gendai.media/articles/-/72526 (日月ボールと実用新案、けん玉の日)
- KENDAMA WORLD CUP Hatsukaichi(Japan Program Catalog) https://japan-programcatalog.com/en/program/kendamaworldcup (第4回の規模、海外選手)
- NANKICHI CUP in 半田2023 要項 https://www.nankichi.gr.jp/Seitan/pdf/simin/kenkoma.pdf (ワールドカップに類似のルールの決勝の進め方)
- 沼津市 報道取材情報(令和5年10月30日) https://www.city.numazu.shizuoka.jp/shisei/pr/press/pdf/2023/20231030_3.pdf (ギネス世界記録の認定)
- 北海道新聞 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/913049/ (ストリートスポーツとしての広がり)
- 広島大学 KENDAMA in 田町 チラシ(2018) https://www.hiroshima-u.ac.jp/system/files/108496/KENDAMA%20in%20%E7%94%B0%E7%94%BA.pdf (主催団体の代表理事の経歴)
なおした ところ
更新履歴
更新履歴(改版の記録)
- 初版を公開。
このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。