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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

地震じしんの マグニチュードは、発表はっぴょうの あとで どうして かわるの?

発表されたマグニチュードが、あとから変わるのはどうしてか

地震のマグニチュードの発表値は、なぜ段階的に更新されるのか:2011年3月の例から

分野:自然

2011ねん3がつ11にち、地震じしんの すぐ あとに 発表はっぴょうされた マグニチュードは 7.9 でした。ところが 2にち あとには、おなじ 地震じしんが 9.0 に なおされました。

この ちがいを ちからの 大きさに なおすと、およそ45ばいに なります。ただし、ものさしの しゅるいが ちがうので、45ばいは 目安です。どうして そんなに かわったのでしょう。この ページを 読むと、さいしょの 数字は いそいで 出した みつもりで、あとから よりただしく なっていく ことが わかります。

2011年3月11日、地震の直後に津波警報の第1報で使われたマグニチュードは7.9でした。2日後、気象庁は同じ地震を9.0に見直しました[3]。エネルギーに直すと、およそ45倍の開きです。ただし7.9と9.0はものさしの種類が違うため、実際のエネルギー比ではなく、式に当てはめた計算上の目安です。

発表された数字が、こんなに変わってよいのでしょうか。何が起きていたのでしょうか。この記事を読むと、最初の数字が急ぎの見積もりであること、地震計の記録が振り切れたこと、遠い国の地震波が決め手になったことが分かります。

2011年3月11日の津波警報第1報は、気象庁マグニチュード7.9に基づいた[2]。2日後、気象庁は同じ地震の規模を9.0に改めた[3]。マグニチュードが1違うとエネルギーは約32倍違うので[9]、1.1の差は約45倍に当たる(ただしMjとMwは別の尺度であり、これは式に当てはめた計算上の目安で、実際のエネルギー比ではない)。

では、なぜこれほど大きな見直しが必要になったのか。この記事を読むと、第1報が速さを優先した推定であること、国内の地震計の記録が振り切れていたこと、遠方の観測データが修正の決め手になったこと、その後の制度改善が分かる。

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1. 3ぷんで 出した 7.9 は、まちがいだったの?

1. 3分後の7.9は、まちがいだったのか

1. 7.9から9.0へ:誤りではなく、段階的な推定値だった

まず 答えから 言います。さいしょの 7.9 は、まちがいを 書いたのでは ありません。津波つなみの 警報けいほうを いそいで 出す ために、その ときに ある データで 見つもった 数字です。

津波つなみは、地震じしんの あと 海を 通って 来ます。だから 気象庁きしょうちょうは、地震じしんの あと 3ぷんほどで 警報けいほうを 出す ことに なって います。ゆっくり 計算して いる ひまは ありません。

この日は、同じ日の うちに 数字が 8.4、8.8 と 大きく なって いきました。そして 2日後に 9.0 に なりました。数字が かわる たびに、わかった ことが ふえて いった のです。

マグニチュードは、1 ふえると エネルギーが やく32ばいに なります。7.9 から 9.0 までは 1.1 の ちがいで、けいさんでは およそ45ばいです。ものさしの しゅるいが ちがうので、45ばいは 目安です。では、なぜ さいしょの 数字は 小さかったのでしょう。

先に答えを言うと、最初の7.9は誤りというより、時間との競争の中で出した見積もりでした。気象庁は、津波警報・注意報を地震の発生から2〜3分で出す必要があります[1]。津波は地震のあとに海を伝わってくるので、遅れた正確さより、早い警報のほうが命を守れるからです。

2011年の同じ日のうちに、数字は8.4、さらに8.8へと更新されました[2]。そして3月13日、気象庁は詳しい解析の結果として、規模を8.8から9.0に見直しました[3]。

マグニチュードは1違うとエネルギーが約32倍違います[9]。32の1.1乗は約45です。7.9と9.0では、それくらいの差になります。ただし、7.9は気象庁マグニチュード、9.0はモーメントマグニチュードで、ものさしの種類が違うので、45倍は目安として受け取ってください。

では、なぜ急ぐと小さめに出てしまったのでしょうか。

気象庁の津波警報・注意報は、地震発生後2〜3分で発表する必要がある。そのため第1報は、短時間で計算できる気象庁マグニチュード(Mj)の式による推定規模に基づく[1]。2011年3月11日の第1報は、この方法で求めた7.9だった[2]。

その後、同じ日のうちに発表値は8.4、さらに8.8へと更新され、3月13日には、詳細な解析の結果として8.8から9.0へ改められた[2][3]。最後の9.0は、モーメントマグニチュード(Mw)である[3]。

差を実感するために計算すると、1違いで約32倍[9]なので、7.9から9.0までの1.1の差は32の1.1乗、約45倍になる。ただしMjとMwは算出方法の異なる別の尺度であるから、この45倍は厳密な値ではなく目安にすぎない。

では、なぜ速さを優先すると、巨大地震ほど数字が小さめになるのか。

2. いそぐと、どうして ちいさめに 出るの?

2. 急いで計算すると、巨大地震の規模が見えにくいのはなぜか

2. 第1報と最終値の差:速さと正確さの両立が難しい理由

気象庁きしょうちょうの せつめいでは、マグニチュード8を こえる ような 大きな 地震じしんは、すぐには ただしい 大きさを 見つもれません。いそいで 出す 計算で、大きな 地震じしんを 正しく はかるのは むずかしいのです。

さいしょの 警報けいほうは、いそぐ ための 計算の しかたで 出します。あとで 出す 9.0 は、ゆっくり ゆれる ながい 波も つかって 計算します。ながい 波は とどくまでに 時間が かかります。

たとえば、大きな たいこを たたくと、すぐに 「ドン」と いう 音は 聞こえますが、ひびきの ぜんぶは しばらく あとまで つづきます。さいしょに 聞いた 音だけでは、たいこの 大きさは はっきり わかりません。ただし これは たとえで、地震じしんの しくみとは ちがう ところも あります。

気象庁は、マグニチュード8を超えるような巨大地震では、すぐに正確な規模を推定することができないと説明しています[1]。

理由の一つは、最初の警報が、2〜3分で出すために、気象庁マグニチュードの計算式で推定した規模に基づくことです。一方、のちに使われるモーメントマグニチュードは、長い周期の地震波を用いて計算します[1]。長い周期の波などを使うモーメントマグニチュードの解析には、最初の報告より時間がかかります。

大きな太鼓をたたくと、最初の「ドン」はすぐ聞こえますが、響きの全体はあとまで続きます。最初の音だけで太鼓の大きさを決めるのは難しい、というイメージです。ただし、これは例えで、実際の地震の仕組みとは違う点もあります。

ところが2011年には、時間の問題だけでなく、もう一つ別の問題がありました。それは、地震計そのものの限界です。

気象庁は、マグニチュード8を超える巨大地震では、すぐに正確な規模を推定できないと説明している[1]。最初の津波警報は2〜3分で発表せねばならず、Mjの計算式で推定した規模に基づく。これに対し、Mwは長い周期の地震波を用いて計算される[1]。長周期の波などを使うMwの解析には、初報より時間がかかる。

ここで注意したいのは、「Mjが巨大地震で小さく出る性質(頭打ち)」を、本記事では断定しない点である。今回確認できた資料が述べているのは、巨大地震では速やかに正確な規模を推定できないことと、MjとMwで使う波と計算の方法が違うことまでである。

2011年3月11日の場合、速さの制約に加えて、観測機器の側にも別の制約が重なっていた。

3. 地震計じしんけいが 「ふりきれた」って、どういう こと?

3. 地震計の記録が振り切れると、何が分からなくなるのか

3. 国内の波形の振り切れと、近い値が採用されなかった理由

地震計じしんけいには、はかれる 大きさの かぎりが あります。あまりに 大きく ゆれると、はりが はしまで いって、それいじょうは 記ろくできません。これを 「ふりきれる」と いいます。

2011ねんの 日に、国内の 地震計じしんけいの 記ろくが ふりきれて いました。気象庁きしょうちょうの 研究を する ところでは、国内の データも つかって 計算を して、9.0 や 9.1 と いう 数字を 出して いました。

けれども、ふりきれた 記ろくで 出した 数字なので、ただしい ものでは ないと 考えられました。だから この 数字は、気象庁きしょうちょうの 本ちょうには つたえられませんでした[5]。

あとから 見ると、9.0 と 近い 数字でした。でも、「その ときに 9.0 が わかって いた」わけでは ありません。ふりきれた 記ろくは、もとの 大きさを 教えて くれないのです。

地震計には、記録できる揺れの大きさに限りがあります。それを超える揺れが来ると、針が端まで振れて、グラフが途中で切れてしまいます。これが「振り切れ」です。

気象庁の報道発表によると、2011年3月11日、気象庁精密地震観測室は、国内のデータも使って規模を試算していました。その値は、約10分後でM9.0、約13分後でM9.1でした。しかし、国内の波形が振り切れていたため、妥当な値ではないと判断し、本庁には報告されませんでした[5]。

のちの発表で気象庁は、これらは振り切れたデータを用いており、正しい値ではないと説明しています[5]。結果として9.0に近かったとしても、「あのとき9.0が分かっていた」ことにはなりません。切れた記録からは、本当の揺れの大きさが読み取れないからです。

では、正しい規模はどこのデータで求められたのでしょうか。

国内の強い揺れの記録は、巨大地震になると地震計の測定範囲を超える。波形が途中で切れてしまうこの状態が振り切れで、切れた部分の本来の大きさは分からない。

気象庁の報道発表(平成23年9月10日)によると、2011年3月11日、気象庁精密地震観測室は国内のデータも用いて規模を試算し、約10分後にM9.0、約13分後にM9.1を得た。しかし、国内の波形が振り切れていたため妥当な値ではないと判断し、本庁には報告しなかった。発表は、これらが振り切れたデータを用いており正しい値ではないと明記している[5]。

この点で、「近い値が早く出ていたのに生かされなかった」と読むのは誤りである。振り切れた記録から出した数値は、結果として近くても、根拠として成り立たない。だからこそ、正しい値を得るには、振り切れていない別の記録が必要だった。

それはどこにあったのか。

4. 正しい 数字の カギは、どこに あったの?

4. 8.8を9.0に変えたのは、遠い国で観測された波だった

4. 振り切れのない海外データと、3つの連続した破壊

カギに なったのは、国の 外の 地震計じしんけいでした。外国の ふりきれない 地震計じしんけいの データを つかって、同じ 日に 8.8 が 出ました[2]。

そして 3がつ 13にちに、気象庁きしょうちょうは 8.8 を 9.0 に なおしました。外国の データを しらべると、とても 大きな こわれかたが、ふつうより ふくざつな かたちで 3かい つづけて おきて いた ことが わかったからです[3]。

きっかけの ひとつは、オーストラリアで はかられた 波でした。8.8 の 計算に つかった さいしょの 波の あとに、べつの 波が ついて いた のです[4]。

とおく はなれた 国で はかった 波が、日本の 地震じしんの ほんとうの 大きさを 教えて くれました。

決め手は、振り切れのない海外の観測データでした。同じ日に出た8.8は、国内の波形ではなく、振り切れのない海外の広帯域地震計のデータで算出されたものです[2]。

そして3月13日12時55分付の発表で、気象庁は規模を8.8から9.0に修正しました。外国の観測データを使って詳しく調べると、通常より複雑な形で、3つの巨大な破壊が連続して起きていたことが分かったからです[3]。この9.0は、モーメントマグニチュードです。

見直しのきっかけとして、報道では、オーストラリアで観測された地震波が紹介されました。8.8の算出に使った最初の波のあとに、別の波が続いていることが分かったのです[4]。破壊は三陸沖から福島県沖、茨城県沖へと続いたと説明されました[4]。

一度で終わらず、3回続けて壊れる。その全体を足し合わせると、最初の見積もりよりずっと大きな地震になります。遠く離れた観測点の記録が、日本の地下で起きた一連の出来事を教えてくれたのです。

こうした見直しは、この地震に特別なことなのでしょうか。

決め手になったのは、振り切れのない海外の広帯域地震計のデータである。3月11日のうちに出たMw8.8は、このデータで算出された[2]。

3月13日12時55分付の発表で、気象庁は規模を8.8から9.0とした。外国の観測データを詳細に解析したところ、通常より複雑なかたちで3つの巨大な破壊が連続して発生していたことが分かったためで、9.0はCMT解析によるモーメントマグニチュードである[3]。

見直しのきっかけは、報道によればオーストラリアで観測された地震波で、8.8の算出に用いた最初の波に続いて別の波が見つかったことだという。破壊は三陸沖から福島県沖、茨城県沖へと続いたと説明された[4]。一つの破壊で8.8だったものが、続く破壊を含めると9.0になる、という構図である。

ここから、「最初の数値は計算の途中結果であり、観測データが増えるほど全体像に近づく」という性質が読み取れる。この性質は、日本だけの事情なのか。

5. ほかの 地震じしんでも、発表はっぴょうの 数字は かわるの?

5. 熊本地震でも、世界の地震でも、発表値は更新される

5. 小さな地震と世界の機関:更新は例外ではなく通常の運用

かわります。2016ねんの 熊本くまもとの 地震じしんでは、4がつ16にちの 大きな ゆれの あと、はじめは 7.1 と いう 速報そくほうの 数字でした。その あとの 発表はっぴょうでは、7.3 に 更新こうしんされました。「ざんていち」と いう ことばが ついて いました[7]。

アメリカの 地しつの しらべを する ところ(USGS)も、さいしょの 数字は はやさを だいじに して 出す と いって います。とおくの 観測かんそくする ところには、1時間いじょう かかって とどく 波も あります。だから 数時間から 数日の あいだに、数字を なおす ことが あると せつめい して います[8]。

数字が かわるのは、まちがいが 多いからでは なく、あとから とどく データを ちゃんと いれて いる しるしです。

2016年4月16日1時25分に起きた熊本地震の本震は、3時30分付の気象庁の発表で、マグニチュード7.3(暫定値)とされました。この数字は、それ以前の速報値7.1から更新されたものでした[7]。2011年ほどの大きな差ではありませんが、小さめの地震でも、発表値は更新されます。

世界の機関も同じです。アメリカ地質調査所(USGS)は、最初の推定は速さを優先するため、遠くの観測点まで届くのに1時間以上かかる波や、あとから届くデータが加わり、数時間から数日のあいだに規模を更新することがあると説明しています[8]。

つまり、発表値は、あとから届くデータや詳しい解析によって更新されることがあります。

では、2011年の経験は、そのあとの発表のしかたをどう変えたのでしょうか。

2016年4月16日1時25分に発生した熊本地震の本震では、3時30分付の発表で、規模がM7.3(暫定値、速報値7.1から更新)とされた[7]。2011年の例ほど差は大きくないが、巨大地震に限らず、速報値が暫定値に更新される運用が通常であることが分かる。

国外でも同様である。USGSは、最初の推定は速さを優先するため、観測点が遠いと1時間以上かかって届く波や、遅れて届くデータが後から加わるとして、規模を数時間から、場合によっては数日にわたって更新することがあると説明している[8]。

発表値は、あとから届くデータや詳しい解析によって更新されることがある。更新の大きさは地震ごとに違い、熊本の0.2に対して、2011年は第1報から最終値まで1.1の幅があった。

それでは、2011年の経験は、制度にどう生かされたのか。

6. 次の 大きな 地震じしんの ときは、どう かわったの?

6. 2011年の経験は、発表のしかたをどう変えたか

6. 振り切れない地震計と「巨大」表現:2013年以降の運用

2011ねんの あと、地震じしんを はかる ほうほうが かわりました。ふりきれにくい 地震計じしんけいを ふやして、地震じしんの 15ふんほど あとには、よりただしい 大きさを 出せる ように しました[6]。

それから、小さすぎる 数字を 出して しまう おそれが あるときは、その 海いきで おこりうる いちばん 大きな 数字を つかって、さいしょの 警報けいほうを 出します。このとき、はっきりした 数字では なく、「きょだい」のような ことばで つたえます。2013ねん3がつ7にちから はじまりました[1]。

つまり、「あとで 大きく かわるかも しれない」ことを さいしょから かんがえて、警報けいほうを 出す しくみに なりました。

2011年の経験をもとに、改善が進みました。地震調査研究推進本部のコラムによると、振り切れない広帯域地震計を整備し、地震発生後15分ほどで、モーメントマグニチュードを速く安定して求められるようにしました。また、発表直後の規模が過小評価ではないかを、すばやく見分ける判定の方法も導入されました[6]。

もう一つは、発表のしかたの工夫です。気象庁は、規模が小さく推定されるおそれがあるときは、その海域で想定される最大のマグニチュードなどを使って第1報を出し、的確な規模がわかるまでは、数字ではなく「巨大」などの定性的な表現を使います。この運用は、2013年3月7日から始まりました[1]。

数字を細かく言い切るよりも、「大きな津波のおそれがある」ことを先に確実に伝える。更新される数字の性質を前提に、発表のほうを変えたといえます。

気象庁と地震調査研究推進本部の資料によると、2011年の課題を受けた改善は主に2つある。1つ目は観測の改善で、振り切れない広帯域地震計を整備し、地震発生後15分程度でMwを迅速かつ安定的に求めることを目指す。あわせて、数分以内に出した規模が過小評価のおそれがあることを、速やかに認識できる判定手法も導入された[6]。

2つ目は、発表の方法である。過小評価のおそれがあるときは、その海域で想定される最大のマグニチュード等を用いて第1報を出す。的確な規模が求まるまでは、数値ではなく「巨大」などの定性的な表現を使う。この運用は2013年3月7日から行われている[1]。

この2つの改善は役割が違う。1つ目は、地震の規模をより早く安定して推定すること。2つ目は、規模が分かるまで、津波の危険を言葉で先に伝えることだ。つまり、「数値は更新されうる」という前提を、制度の側が受け入れた形になっている。

では、読者自身は、ニュースの数字をどう読めばよいのか。

7. 発表はっぴょうの ことばを、じぶんで さがして みよう

7. 「暫定値」と「更新」を、自分の目で探してみる

7. 速報値と暫定値の区別:資料の読み方

でんたくで けいさん

マグニチュードが 1 ふえると、エネルギーは やく32ばいです。2 ふえると、どうなるでしょう。でんたくで 32 かける 32 を して みて ください。1024 に なります。やく1000ばいと いわれる わけが わかります。

ことばを さがす

つぎに 地震じしんの ニュースが あったら、「速報そくほう」や 「ざんていち」と いう ことばが ついて いるかを さがして みましょう。ついて いたら、「あとで かわるかも しれない 数字だな」と 思って 見て みて ください。

電卓で試す

マグニチュードが1違うとエネルギーは約32倍、2違うと約1000倍です[9]。電卓で32×32を計算すると1024になり、「約1000倍」の意味が確かめられます。0.2の差なら、32の0.2乗がちょうど2になるので、8.8と9.0の差は約2倍です(私の計算です)。

発表の言葉を見る

次に大きな地震があったら、気象庁の発表や報道で、「速報値」「暫定値」「更新」といった言葉が付いているかを探してみてください。熊本地震の発表のように、更新前の値が書かれていることもあります[7]。

資料を読むなら

気象庁の「津波警報・注意報の改善」[1]は、第1報の考え方と、2013年からの運用が分かります。2011年の報道発表[3][5]は、当時の判断が読めます。

数字を自分で計算する

マグニチュードの差dに対し、エネルギーは32のd乗倍になる(1違いで約32倍[9])。電卓で、8.8から9.0なら32の0.2乗=約2倍、7.9から9.0なら32の1.1乗=約45倍と確かめられる。ただし、MjとMwは別の尺度であり、後者の計算は目安である。

発表文の言葉を比べる

気象庁の報道発表では、「速報値」「暫定値」「更新」が使い分けられている[7]。地震後の報道発表を2つ並べ、規模・深さ・時刻の欄がどう変わったかを見ると、更新の仕方が分かる。2011年の資料[3][5]は、変更の理由まで書かれた例である。

残る問い

第1報は、速さを優先して出すため、あとから数字が更新されることがある。規模がまだ分からないとき、危険をどう伝えるか。その問いに対する、2013年からの工夫である。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。

  1. 気象庁「津波警報・注意報の改善」. https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jishin/tsunami/newmethod.html (第1報の発表時間、MjとMw、2013年の運用)
  2. 気象庁「東北地方太平洋沖地震に関する資料」. https://www.jma.go.jp/jma/kishou/minkan/koushu120518/shiryou4.pdf (2011年3月11日の発表値の流れ)
  3. 気象庁 報道発表 平成23年3月13日. https://www.jma.go.jp/jma/press/1103/13b/201103131255.html (8.8から9.0への見直しと3つの破壊)
  4. JST サイエンスポータル(2011年3月13日の報道). https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20110313_02/ (オーストラリアで観測された波)
  5. 気象庁 報道発表 平成23年9月10日. https://www.jma.go.jp/jma/press/1109/10a/201109101100.html (振り切れたデータによる試算)
  6. 地震調査研究推進本部 コラム. https://www.jishin.go.jp/resource/column/oct_kikan/ (2011年後の観測の改善)
  7. 気象庁 報道発表 平成28年4月16日. https://www.jma.go.jp/jma/press/1604/16a/201604160330.html (熊本地震の速報値から暫定値への更新)
  8. USGS "Why/when does USGS update the magnitude of an earthquake?". https://www.usgs.gov/faqs/whywhen-does-usgs-update-magnitude-earthquake (世界の機関でも規模が更新される理由)
  9. 気象庁 名古屋地方気象台「マグニチュード」. https://www.data.jma.go.jp/nagoya/shosai/info/mini-jishin/magunitude.html (マグニチュード1違いで約32倍)

なおした ところ

更新履歴

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