まきえで 魚を あつめて る ほうほう

撒き餌という釣り方 ── 簡単そうで、そうでもない

撒き餌釣りの仕組みと歴史 ── サビキ・ウキフカセ・船のコマセ釣り

分野:海・釣り

りの とき、はりを 入れる 前に、魚の ために えさを まく ことが あります。この えさを「まきえ」と いいます。

このメモでは、まきえで 魚を あつめる ほうほうを、しらべた ことから 見て いきます。

魚を釣るために、まず魚にエサをまく。これが撒き餌(まきえ)を使う釣り方です。堤防のサビキ釣りも、磯のフカセ釣りも、船のコマセ釣りも、この仲間です。

このメモでは、その仕組みと歴史、簡単そうで簡単ではない理由、使う餌と道具、決まりと安全を、公式の資料で確かめます。

撒き餌釣りは、魚を集めるための餌をまき、その中に針を入れて釣る方法です。サビキ釣り、ウキフカセ釣り、船のコマセ釣りが代表的で、餌をまくだけで釣れそうに見えます。

このメモでは、その仕組みと歴史、潮・棚・釣り座で難しくなる理由、餌と道具、ルールと安全を、公式の発表や釣具メーカーの解説で確かめます。確かめられなかったことは、そう書きます。

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1. まきえって、なに?

1. 撒き餌とは、魚を集めるためのエサ

1. 「撒き餌」「寄せ餌」「コマセ」という言葉と、その由来

まきえは、魚を あつめる ための えさです。「コマセ」とも いいます。

まきえを 水に まくと、魚が あつまって きます。そこに、はりの ついた えさを 入れて、ります。

パンやさんの 前を 通ると、いい においが して、つい 入りたく なります。まきえは、その においの ような ものです。ただし、ほんとうは、魚が「いい においだな」と 思って いるか どうかは、わかりません。魚は、水に とけた 味の もとを、鼻と したで かんじとる ことが わかって います。

呼び方はいくつもある

辞書では、「コマセ」は釣りで魚を集めるための撒き餌、と説明されています。「撒き餌」「寄せ餌」とも呼ばれます[1][2]。釣りの解説ページでは「マキエ」「寄せエサ」とも書かれますが、どれも同じものを指しています[3][4]

「コマセ」の名前の由来

広辞苑の説明を紹介した記事によると、「コマセ」はもともと「こませあみ」の略で、体長8ミリほどのアミの一種のことでした。これをつかまえて釣りの撒き餌にしたので、その名が撒き餌全体を指すようになった、といいます[5]

辞書は、「コマセ」を、釣りで魚を集めるための撒き餌と説明しています(デジタル大辞泉)。「撒き餌」は、魚や鳥を寄せ集めるために餌をまくこと、またはその餌のことです[1][2]。同じものを、釣りの解説では「マキエ」「寄せエサ」とも書きます[3][4]

「コマセ」の由来は、広辞苑の語釈を紹介した記事によると、「こませあみ」の略です。「こませあみ」は、体長約8ミリのアミの一種で、日本の太平洋岸に分布し、つかまえて「こませ」と呼び、釣りの撒き餌にしました。本来は、アミをそのまままくものだけを指し、いまは寄せ餌全般を指す、とあります。広辞苑の本体は確認できず、この説明は1つの記事による紹介です[5]

2. どんな り方が あるの?

2. 代表的な3つの釣り方 ── サビキ、フカセ、船のコマセ釣り

2. 3つの釣り方の仕組み ── サビキ釣り・ウキフカセ釣り・船のコマセ釣り

まきえを つかう り方は、おもに 3つ あります。

ひとつ目は「サビキり」です。堤防ていぼうで、アジや イワシを ねらいます。はりが たくさん ついた しかけと、まきえを 入れた カゴを つかいます。

ふたつ目は「フカセり」です。いそや 堤防ていぼうで、メジナや クロダイを ねらいます。まきえを まいて、はりの えさを そっと ながします。

みっつ目は、船の「コマセり」です。船に のって、マダイや イサキを ねらいます。

サビキ釣り ── 堤防で、アジやイワシ

エサに似せた疑似餌のハリがいくつも付いた仕掛けと、撒き餌のアミエビを入れたカゴを連結して使います。カゴから出る撒き餌が、回遊してきた魚を足止めして、疑似餌に食いつかせます。堤防では活きエサが要らず、投げずに目の前に落とすだけなので、初心者向けと説明されます。小アジ、小サバ、イワシなどが対象です[6][7]

ウキフカセ釣り ── 磯や堤防で、メジナやクロダイ

撒き餌をまきながら、仕掛けを撒き餌と一緒に潮の流れに乗せます。ハリには、オキアミなどのエサを付けます。狙う魚は、クロダイ(チヌ)やメジナ(グレ)が中心です[3][4]

船のコマセ釣り ── マダイやイサキ

「コマセカゴ(ビシ)」にコマセを詰め、船長が指示する深さで振り出して魚を寄せます。竿を手で持つ方法と、置き竿の2通りがあります。マダイ、イサキ、ブリなどのほか、メジナ、カンパチなども一緒に釣れます[8][9]

サビキ釣り

サビキ釣りは、疑似餌針がいくつも付いた仕掛けと、まき餌を入れたカゴを連結して行います。カゴから出るまき餌が回遊してきた魚を足止めし、疑似針に食いつかせる、と説明されます。堤防では活きエサが不要で、投げずに目の前に落とすだけなので、初心者向けの釣法とされます。対象は、小アジ、小サバ、イワシ、サッパ、コノシロなどの回遊魚(群れで広い範囲を泳ぎ回る魚)です[6][7][10]

ウキフカセ釣り

撒き餌をまくと同時に、仕掛けをその撒き餌と一緒に潮の流れに乗せ、ハリのエサ(オキアミなど)を、魚に違和感を与えずに食べさせる釣り方です。撒き餌と一緒にエサを自然に漂わせて警戒心を与えないことを、いちばんのコツとする説明があります。主な対象魚は、クロダイ(チヌ)とメジナ(グレ)です[3][11][4]

船のコマセ釣り

コマセビシにコマセを詰め、船長の指示する棚(魚のいる深さ)で振り出して魚を寄せます。竿を手で持つ方法と、置き竿の2通りがあります。マダイ、イサキ、ブリが主な対象で、同時にメジナ、クロダイ、シマアジ、カンパチ、ヒラマサ、カツオなども釣れるとされます[8][9]

3. どうして 魚は あつまるの?

3. 魚は、水に溶けたアミノ酸を敏感に感じる

3. なぜ魚が集まるのか ── 嗅覚・味覚の研究と、確かめられなかったこと

魚は、水に とけた 味の もとを、とても よく かんじとります。なかでも、うまみの もとに なる ものを、よく かんじると わかって います。

まきえから、その 味の もとが 水に とけ出します。すると、まわりの 魚が きづくのだと、かんがえられて います。

ただし、「まきえを まくと 魚が あつまる」ことを、そのまま はかった 日本の 調べは、見つけられませんでした。

東海大学の庄司隆行さんの解説(2009年)は、魚類の嗅覚は、水に溶けた味物質、なかでもアミノ酸を、とても高い感度で感じ取れると書いています[12]。農林水産省の説明でも、魚には味を感じる「味蕾(みらい)」があり、ある種の魚では、うまみのもとであるアミノ酸への感度が、人間の1万倍以上といわれています[13]

つまり、撒き餌から水に溶け出す成分を、魚が感じ取って寄ってくる、というのが基本の考え方です。ただし、釣りの撒き餌そのものを対象に、魚が集まるかどうかを実験や調査で測った日本の公的な資料は、確認できませんでした。

J-STAGEに載っている東海大学の庄司隆行さんの解説(2009年)は、魚類の嗅覚系が、水中に溶けた味物質、なかでもアミノ酸を高感度で受容できる、と書いています[12]。農林水産省の説明では、魚にも味蕾があり、ある種の魚では、アミノ酸(うまみ)の感度が人間の1万倍以上「といわれています」とあります。「といわれている」という書き方なので、この数字は、種類や条件を限った目安として読みます[13]

この2つから、撒き餌から溶け出す成分(アミノ酸など)を魚が感じ取って寄ってくる、という説明が成り立ちます。ただし、これは魚の感覚についての研究からの推論です。釣りの撒き餌を対象に、魚が集まることを直接測った日本の公的な調査・論文は、日本語と英語で探しましたが、見つかりませんでした。

4. いつごろから あるの?

4. 江戸時代の終わりの記録から、1970年代の広まりまで

4. 歴史 ── 生き餌をまく漁から、サビキとオキアミの普及まで

江戸えどじだいの おわりごろ、土佐とさ(いまの 高知県)では、カツオの むれを 見つけると、生きた イワシを まいて いました。あつまって きた カツオを、一本づりで ったのです。

サビキの はじまりは、はっきりしません。いまの ように、堤防ていぼうで つかう サビキが ひろまったのは、1960年代の おわりから 1970年代ごろだと 書かれて います。

そのころ、オキアミと いう えびに にた 生きものを、まきえや りの えさに つかう ことも、ひろまりました。

江戸時代の終わりの、生き餌をまく漁

日本の釣りは、縄文時代の遺跡から釣り針が出ることから、そのころに狩猟として始まったと考えられ、趣味の釣りが盛んになったのは江戸時代とされます[14]。ただ、そうした釣りに撒き餌を使った記録があるかどうかは、確認できませんでした。

確認できた古い記録は、釣りではなく漁のものです。国立国会図書館が紹介する『大日本六十余州名勝図会』(1856年)に、その様子があります。土佐のカツオ漁では、カツオの群れを見つけると生きたイワシの餌をまき、集まったカツオを一本釣りで短時間に釣り上げた、と説明されています[15]

サビキと、オキアミの広まり

サビキの起源は、紀州のマダイ釣りの「鯛カブラ」が高知に伝わり、「土佐カブラ」を経て今の形になったとみられています。名前の由来は「斜引(しゃびき)」という説と、竿をしゃくって引くことを「さびく」と言うことからという説があり、はっきりしません[16]。市販のサビキが本格的に売られたのは昭和40年代の中ごろ(1970年前後)とされ、1974年には釣り針メーカーのハヤブサから「スキンサビキ」が発売されました[17][16]

南極オキアミは、1970年代に日本の水産会社が南氷洋で試験的に捕り、釣り餌にするとよく釣れることがわかって広まったと紹介されています[18]

撒き餌に近い、古い記録

日本の釣りは、縄文遺跡から釣り針が出土することから、このころ狩猟として始まったと考えられ、趣味としての釣りは江戸時代から盛んになった、と説明されます[14]。現存する最古の釣りの本『何羨録』は、津軽采女が著し、ミツカン水の文化センターは「享保年間初期」の成立としています[19]。この本や、江戸時代の趣味の釣りに、撒き餌を使った記録があるかどうかは、確認できませんでした。

確認できた古い記録は、商業漁業のものです。国立国会図書館は、一立斎広重が描いた『大日本六十余州名勝図会』(安政3年=1856年)の「土佐 海上松魚釣」を紹介し、土佐のカツオ漁では、群れを見つけると鰯の生き餌をまき、集まった鰹を一本釣りで短時間に釣り上げた、と説明しています。この絵には、餌のイワシを海に投げ入れる漁師の様子が描かれています[15]

サビキの由来と、市販の始まり

サビキのルーツは、江戸時代に紀州でマダイ釣りに使われた「鯛カブラ」で、これが高知に伝わってアジ・サバ用の「土佐カブラ」になり、現在のサビキになったと「みられて」います。最古の記述は、1887年(明治20年)の『土佐鰹魚之説』の「シャビキ」とされます。名前は「斜引」が語源とされますが、江戸時代からある動詞「さびく」の名詞形である可能性もあります。語源は諸説あります[16]

市販の始まりは、「昭和40年前後に商品化、昭和40年代中盤に本格的な市販」とされ、戦後まもない昭和23年(1948年)に市販品を買ったという証言も紹介されています。一方、ハヤブサの公式サイトには「1974年:スキンサビキ発売」とあり、エビ類をイメージしてスキンを巻いたサビキだと説明されています。こちらは特定の製品の発売年なので、食いちがいとは限りません。このメモは、市販品は戦後から見られ、商品化は1960年代半ば、本格的な販売は1970年前後、という書き方にとどめます[17][16]

オキアミが釣り餌になった時期

南極オキアミは、1970年代に日本の大手水産会社が南氷洋で試験捕獲し、日本に持ち帰ると非常によく釣れるエサだったので、一気に広まったと紹介されています。東京新聞は、オキアミ漁は旧ソ連が1973年に本格的に始め、その後に日本企業が参入し、広松久水産が1975年から釣り餌として販売した、と伝えています。日本は採算が合わず、2012年にオキアミ漁から撤退しました[18][20]

船のコマセ釣り(ビシ釣り)の成り立ちや、ウキフカセ釣りが生まれた時期を説明した資料は、見つかりませんでした。

5. どうして かんたんじゃ ないの?

5. 簡単そうで簡単ではない ── 同調・潮・棚・釣り座

5. 難しさの正体 ── 撒き餌と針を「同調」させる

まきえを まけば、かならず れる わけでは ありません。

まきえの 中に、はりの えさが ないと、魚は はりの えさを たべにくく なります。まきえと はりの えさを、おなじ ところに ながす ことを「同調」と いいます。

しおの ながれが はやいと、まきえと しかけが、おなじ はやさで ながれません。魚が いる ふかさも、むずかしい ところです。この ふかさの ことを「たな」と いいます。

そもそも、魚の むれが 来て いないと、まきえを まいても あつまりません。

難しさの中心は、撒き餌の煙幕の中に、ハリのエサを入れ続けることです。潮、棚、釣り座は、その難しさを決める条件になります。

同調 ── 撒き餌とハリのエサを、同じ場所に

魚は、撒き餌のにごりとにおいに向かってきます。ハリのエサがその中になければ、食べてもらいにくくなります。釣りの解説では、寄せエサと付けエサ(針につけるエサ)をいかに同調させるかが、釣果の決め手になる、という説明が多く見られます[4][10]。船のコマセ釣りでは、コマセの濃いところにエサ取り(エサだけ取っていく魚)が集まり、マダイはその外側でエサを拾うように食べるとされます[9]。撒き餌の中にハリのエサを入れればよい、という単純な話でもないようです。

潮 ── 流れが速すぎても、遅すぎても

潮の流れが速すぎると、撒き餌と仕掛けが同じ速さで流れず、同調が難しくなります。撒いた餌は潮に乗って潮下(潮が流れていく先)へ流れ、遠くの魚を呼ぶ、と説明されます[4][21]

流れの速さのほかに、「潮が動くと釣れる」という説明も釣具店や釣りの解説に多いのですが、調査で確かめた資料は見つからなかったので、釣り人の経験則として読むのが安全です。潮の満ち引きの仕組みは、気象庁のページで確かめられます[22]

棚 ── 魚のいる深さ

「棚(タナ)」は、魚のいる深さのことです。船では船長が棚を指示します。釣れる棚は、時間帯や潮によって変わります。アジは底の近く、サバやイワシは表層から中層を好む、と説明されます[8][9][10]

釣り座 ── どこに立つか

釣り座(どこに立つか)も、難しさに関わる条件のひとつですが、有利・不利の細かい話は、公式の資料では確かめられませんでした。サビキ釣りでは、潮通しの良い堤防の先端が理想とされますが、港内のいたるところで釣りはできます[7]

群れがいないと、始まらない

サビキで釣れない理由のひとつは、アジやイワシの群れが釣り場にいないことです[10]。撒き餌は魚を寄せる助けにはなりますが、近くに魚がいなければ、寄せる相手がいません。

難しさの中心は、撒き餌の煙幕の中に、針のエサを入れ続けることです。潮、棚、釣り座は、その難しさを決める条件になります。

同調

フカセ釣りでは寄せエサと付けエサをいかに同調させるかが釣果の決め手で、サビキでも、コマセの煙幕と仕掛けが同調しているかどうかが大事だ、という説明が多く見られます。魚は撒き餌のにごりとにおいに向かってくるので、ハリがその外にあると食べてもらいにくい、ということです。船のコマセ釣りでも、コマセと刺しエサ(針に刺すエサ)を同調させることが、よく釣るための大きなコツになる、という説明もあります[4][10][9]

潮の流れが速すぎても、寄せエサとの同調が難しくなる、と説明されます。撒き餌は潮に乗って潮下へ流れて遠くの魚を呼び、回遊魚は潮下から潮上へ向かって泳ぐ、ともされます[4][21]

流れの速さのほかに、「潮が動く時間は釣れやすく、潮止まりは釣れにくい」という説明も、釣具店や釣りメディアに多く見られます。ただし、日本の遊漁で潮位や潮流と釣果の関係を調べた公的な調査は、見つかりませんでした。学術論文や公的調査の引用のない、釣り人の経験則として読みます。なお、潮の満ち引きの原因は、気象庁によると、月が地球に及ぼす引力などによる「起潮力」です[22]

棚は、魚がいる水深です。船のコマセ釣りでは、手持ちの場合「底からハリス分(6〜9mが一般的)」を基準にする、とされます。ハリスは、針につなぐ糸のことです。船長の指示する棚を正確に守ることが、船全体の釣果に関わる、という説明もあります。釣れる棚は時間帯や潮の状況によって常に変わり、サビキで狙う魚では、アジは底付近、サバやイワシは表層から中層を好む、と説明されます[8][9][10]

釣り座

釣り座(どこに立つか)も、難しさに関わる条件のひとつです。サビキ釣りは、潮通しが良い堤防の先端が理想とされますが、港内のいたるところで釣りは可能です[7]。「常夜灯の下」や「潮上・潮下のどちらに立つか」の有利・不利は釣り人の間でよく話題になりますが、公式の資料では確かめられませんでした。最後の章で、調べ方の例を挙げます。

群れ・エサ取り・放出量

サビキで釣れない理由のひとつは、アジやイワシといった回遊魚の群れが釣り場にいないことです[10]。船のコマセ釣りでは、コマセの濃いところにはエサ取りが集まり、マダイはその外側でエサを拾うように捕食する、とされます。コマセカゴの下のすき間は、マダイ釣りではオキアミが1匹通る程度(目安1.5mm)で、潮流や状況に合わせて調整します[9][23][8]

6. どんな えさと どうぐを つかうの?

6. 使う餌と道具 ── アミエビ、オキアミ、配合餌、カゴ

6. アミエビ・オキアミ・配合餌の役割と、まくための道具

まきえの もとに なる ものには、アミエビと オキアミが あります。こおった ブロックで 売られて いて、とかして つかいます。

オキアミは、エビに にて いますが、エビでは なく、南極なんきょくの 海に すむ 小さな 生きものの なかまです。

まきえを 入れる カゴと、まきえを まく ひしゃくも あります。ひしゃくは、水を すくう どうぐの ような ものです。

餌の種類

アミエビは、サビキの撒き餌です。冷凍ブロックを溶かして使います[6][7]。アミエビの正体は、資料によって説明がちがいます。「ツノナシオキアミ」とする釣り情報サイトがある一方、Wikipediaはアミとオキアミを、分類上ちがうグループとして説明しています。このメモでは、アミエビの正体を1つに決めません[24][25]

オキアミは、南極海にすむ動物性プランクトンです。3kgほどの四角い冷凍ブロックで売られ、付け餌にも撒き餌にも使います[18][26]。エサ用のオキアミは自己分解しやすいので、船の上で素早く加工して冷凍するとされます[27]

配合餌は、粉状のエサで、においや濁りで魚を寄せる集魚性や、比重や粘りを加えて遠くへ飛ばす遠投性などを持たせたものです。製品ごとに特性がちがうので、狙う魚に合わせて選びます。フカセ釣りでは、生のオキアミに配合餌をまぶすと、撒き餌と付け餌が同調して食いが良くなる、と説明されます[11][3]

道具

フカセ釣りでは、撒き餌をバッカン(撒き餌用の容器)に入れ、ヒシャクで狙うポイントへ飛ばします[3]。サビキのカゴには、上カゴ式と下カゴ式があります[7]。船のコマセ釣りでは、コマセをカゴの8分目まで詰めます。詰めすぎると出にくくなります[8][23]

アミエビとオキアミ

アミエビは、サビキで使う撒き餌で、冷凍ブロックを解凍して使います[6][7]。アミエビの正体は、資料によって食いちがいます。釣り情報サイトのTSURI HACKには、アミエビの多くは「ツノナシオキアミ」で、北太平洋で漁獲され、日本では三陸沖などで捕られる、とあります。Hondaの釣り情報も「アミの標準和名はツノナシオキアミ」としています。一方、Wikipediaは、アミ(アミ目)とオキアミ類は、分類上ちがうグループだと説明しています。この食いちがいは、このメモでは解決できないので、アミエビの正体は断定しません[24][18][25]

オキアミ(標準和名はナンキョクオキアミ)は、遠く南氷洋に生息する動物性プランクトンで、釣具店では、3kgほどの四角い冷凍ブロックで多く売られ、付け餌にも使われます[18][26]。自己分解する力が強く、船に上げるとすぐ変質が始まるので、素早く加工して冷凍する、と説明されます[27]。アミは基本的にコマセ用で、オキアミよりも沈む速さが少し速い、とされます[26]

配合餌

配合餌は、においや濁りの成分で魚を寄せる「集魚性」や、比重や粘りを加えて遠くへ飛ばす「遠投性」など、複数の性能を持たせた撒き餌です。集魚力・比重・遠投性は製品ごとに異なり、狙う魚に合わせて選びます。フカセ釣りでは、生オキアミに配合餌をまぶすと、撒き餌と付け餌が同調して食いが良くなる、と説明されます[11][3]

カゴ・バッカン・ヒシャク

フカセ釣りでは、バッカン(撒き餌用のビニール製容器)とヒシャクで、撒き餌をポイントに飛ばします。サビキのコマセ袋には上カゴ式と下カゴ式があり、誘い方がちがいます。船のコマセ釣りでは、コマセカゴ(ビシ)にコマセを8分目まで詰めます。パンパンに詰めるとコマセが出にくくなる、と説明されます[3][7][8][23]

7. きまりと あんぜんは?

7. 場所ごとの決まりと、安全のこと

7. ルールと安全 ── 撒き餌の規制は都道府県ごとにちがう

まきえを つかって いいか どうかは、県や 場所に よって ちがいます。行く 前に、おうちの 人と いっしょに、しらべましょう。

つぎは、あんぜんの はなしです。船に のる ときは、ライフジャケットを きる きまりに なって います。海に おちた 人の うち、ライフジャケットを きて いた 人は、たすからなかった 人の わりあいが、半分より 少なかった ことが わかって います。

撒き餌ができる場所は、県ごとにちがう

水産庁は、2002年12月12日の通知で、遊漁の撒き餌釣りは、沿海都道府県の約半数で規制されておらず、一般的な漁法として定着しているので、全面的な禁止は行わない、と述べました。必要なら、重要な漁場を禁止区域にして資源を守る、という考え方です[28]

そのため、決まりは県ごとに変わります。東京都は、2024年11月15日に、漁業調整規則(都道府県が定める漁業のルール)から撒き餌釣りの禁止規定を削除しました。いまは、船から使うカゴの大きさや、1日にまく量の上限が決まっています[29]。神奈川県は、船釣りの撒き餌カゴの大きさと個数を決めていて、違反には罰則があります。県は、一度にたくさん使うと、餌が漁場環境を悪化させる原因になる、と説明しています[30]

水産庁の遊漁のルールの案内でも、使える漁具・漁法の一覧ページに、特にまき餌釣りや灯火の使用については注意が必要、と書かれています[31]。行く前に、その県や地域のページで、いまの決まりを確かめる必要があります。

船ではライフジャケットが必要

撒き餌の決まりとは別に、船で釣るときは、船の安全の決まりもあります。2018年2月から、小型船舶の船室の外にいる人は、全員が、国の基準に合ったライフジャケットを着る義務があります(船長の義務)[32]。海上保安庁の令和6年(2024年)の集計では、釣り中に海へ落ちた人のうち、亡くなったか行方不明になった人の割合は、ライフジャケットを着けていなかった人で約46%(126人中58人)、着けていた人で約19%(54人中10人)でした[33]

消費者庁は、海や川では、子どもだけでなく大人も、水辺では常に着るよう呼びかけています[33]

国の方針と、都道府県の規制

水産庁は、2002年(平成14年)12月12日に、遊漁と漁業の調整についての通知を出しました。その中で、遊漁の撒き餌釣りは、都道府県の約半数で規制されておらず、海釣り公園などでも使われる一般的な釣り方として定着している、と説明しています。そのため、国として全面的に禁止することはせず、必要に応じて、重要な漁場を禁止区域にするなどして資源を守る、という方針です[28]

実際の規制は、都道府県が「漁業調整規則」(漁業のルールを定めた決まり)で定めます。東京都は、2024年(令和6年)11月15日に、この規則から、まき餌釣りの禁止規定を削除しました。いまは、船から使うかごの大きさと、1日にまく量の上限が決まっています。船を使わない場合も、必要最小限の量にする必要があります[29]

神奈川県は、船釣りのまき餌かごの大きさと個数を決めていて、違反すると罰則の対象になることがある、と書いています。理由は、一度にたくさん使うと餌が漁場環境を悪化させる原因となるためだ、という県の説明です。細かい数字は、県のページで確かめられます[30]

水産庁の「遊漁・海面利用の基本的ルール」は、遊漁でも、漁具漁法、禁止区域、禁止期間、体長制限、夜間の灯火の制限などが決まっていると説明し、使える漁具漁法の一覧ページに「特にまき餌釣や灯火の使用等については注意が必要」と書いています[31]

安全 ── ライフジャケット

撒き餌の決まりとは別に、船で釣るときには、船の安全の決まりもあります。国土交通省によると、2018年(平成30年)2月から、小型船舶(20トン未満)の船室外にいる乗船者全員に、国の基準に適合したライフジャケットを着用させることが、船長の義務になりました。違反すると違反点数2点で、累積すると最大6か月の免許停止になります[32]

消費者庁の2025年6月の配信は、海上保安庁の令和6年(2024年)の集計として、釣り中に海へ転落した人の死者・行方不明の割合が、ライフジャケットの非着用者で約46%(126人中58人)、着用者で約19%(54人中10人)だった、と伝えています。消費者庁は、こどもだけでなく大人も着用し、水辺では常に着けるよう呼びかけています[33]

じぶんでも やって みる

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

まずは、おうちの 人と、近くの 海が いつ みちて、いつ ひくかを、しらべて みましょう。

あんぜんな ばしょで できる こと

  • きしょうちょうの ページで、近くの 海の みちひきを 見る。おうちの 人と、いっしょに 見ましょう。
メモの すすめ

きょう 知った ことを ひとつ だけ ノートに 書いて おきましょう。「まきえは、魚を あつめる えさ」だけでも いいです。

潮の満ち引きは、気象庁のページで、自分の住む地域の潮位のグラフを見て確かめられます。

今日できること

  • 気象庁の潮位の解説を読む。満潮と干潮の時刻が、毎日約50分ずつ遅れる理由が書いてあります[22]
  • 釣りに行く前に、その県の撒き餌のルールを調べる。東京都や神奈川県のように、県のページに決まりが載っています[29][30]
メモのすすめ

気になった言葉を1つだけ書いておくと、あとで調べる入口になります。「同調」や「棚」だけでも十分です。

このメモには「確認できなかった」と書いたことが、いくつかあります。自分で調べる入口にしてください。

手を動かして確かめる

  • 「撒き餌で魚が集まること」を直接測った研究を探す。魚の嗅覚の研究[12]から先を、J-STAGEなどで探してみましょう。
  • 釣り座の有利・不利について、釣り人の経験談と公式の資料の違いを調べる。「常夜灯の下」や「潮上・潮下」の説明が、何を根拠にしているか、読み比べてみましょう。
  • 潮の高さと釣果の関係を、自分で記録する。気象庁の潮位[22]と、釣った数や時刻をノートに書けば、経験則が本当かどうかの入口になります。

一次情報にあたる

水産庁の遊漁のルール[31]と、行く県のページが出発点です。歴史は、国立国会図書館の解説[15]から入れます。

メモのすすめ

気になった言葉を1つだけノートに記録しておきましょう。「同調」「棚」「起潮力」のどれか1つでもかまいません。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

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出典について:水産庁・国土交通省・気象庁・農林水産省・都県などの公的機関、国立国会図書館、釣具メーカー・釣具店の解説を使っています。釣具メーカーや釣具店の解説は、釣り方の説明として使い、実験や調査で確かめられたこととは分けて読んでください。「〜とされます」「〜と説明されます」と書いたところは、主にこれらの解説にもとづきます。Wikipediaは、アミの分類の説明にだけ使いました。このメモは、個人のまとめです。

  1. コトバンク「こませ」(デジタル大辞泉・精選版日本国語大辞典)。 https://kotobank.jp/word/%E3%81%93%E3%81%BE%E3%81%9B-504388 (コマセは、魚を集めるための撒き餌)
  2. コトバンク「撒き餌」(デジタル大辞泉・精選版日本国語大辞典)。 https://kotobank.jp/word/%E6%92%92%E3%81%8D%E9%A4%8C-633486 (魚や鳥を寄せ集めるために餌をまくこと、またはその餌)
  3. ヒロキューの、フカセ釣りの解説ページ。 https://hirokyu.jp/pages/fukasetsuritte (釣りエサメーカーの解説。ウキフカセ釣りの仕組み、バッカンとヒシャク、配合餌)
  4. つり人の、堤防のクロダイ・メジナ釣りの解説ページ。 https://web.tsuribito.co.jp/beginner/teibou-kurodai-mejina-tsuribito1912-01 (寄せエサと付けエサの同調、潮の速さ)
  5. くらしのマーケットの、コマセの由来の記事。 https://kurashi-no.jp/I0008937 (広辞苑の語釈を紹介した記事。「こませあみ」の略とする説明。広辞苑の本体は確認していない)
  6. イシグロの、サビキ釣りの解説ページ。 https://www.ishiguro-gr.com/know/fishing-guide/detail.php?id=8 (釣具店の解説。サビキの仕組みと対象魚)
  7. ダイワの、サビキ釣りの解説ページ。 https://www.daiwa.com/jp/beginner/place/sabiki (釣具メーカーの解説。堤防の先端、カゴの種類)
  8. ダイワの、マダイのコマセ釣りの解説ページ。 https://www.daiwa.com/jp/beginner/place/madai_komase (船のコマセ釣りの仕組み、棚、カゴの詰め方)
  9. イシグロの、船のコマセ釣りの解説ページ。 https://www.ishiguro-gr.com/know/fishing-guide/detail.php?id=97 (指示棚、エサ取り、同調)
  10. つり人の、サビキ釣りの解説ページ。 https://web.tsuribito.co.jp/beginner/sabiki-howto (同調、棚、群れの有無)
  11. イシグロの、ウキフカセ釣りの解説ページ。 https://www.ishiguro-gr.com/know/fishing-guide/detail.php?id=166 (配合餌の集魚性・遠投性、オキアミにまぶす使い方)
  12. 庄司隆行(東海大学)の解説(J-STAGE、2009年)。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/tasteandsmell/16/2/16_KJ00005854092/_article/-char/ja/ (魚の嗅覚は、アミノ酸を高感度で受け取る。要旨を確認)
  13. 農林水産省「こども相談」の、魚の味覚についての回答。 https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0007/03.html (魚の味蕾、アミノ酸の感度)
  14. 笹川平和財団の用語辞典「釣り」の項。 https://www.ssf.or.jp/knowledge/dictionary/fishing.html (縄文遺跡から釣り針、趣味の釣りは江戸時代から)
  15. 国立国会図書館の解説ページ。『六十余州名所図会 土佐 海上松魚釣』を紹介している。 https://www.ndl.go.jp/kaleido/entry/30/1.html (土佐のカツオ漁で、生きたイワシをまく。1856年)
  16. HEAT(ハヤブサの運営サイト)の、サビキの歴史の記事(2017年1月20日)。 https://heat-hayabusa.com/2017/01/20/gijie-3/ (釣り針メーカーの運営サイト。サビキのルーツと語源の諸説、市販の始まり)
  17. ハヤブサ公式サイトの、サビキの歴史のページ。 https://www.hayabusa.co.jp/special/lure/ (1974年にスキンサビキを発売)
  18. Honda釣り倶楽部の、オキアミの解説記事。 https://www.honda.co.jp/fishing/news/news-20201222/ (オキアミは南氷洋の動物性プランクトン。1970年代に釣り餌として広まる)
  19. ミツカン水の文化センター『水の文化』59号。 https://www.mizu.gr.jp/kikanshi/no59/02.html (『何羨録』は現存最古の釣りの本で、享保年間初期の成立)
  20. 東京新聞の、オキアミ漁についての記事。 https://www.tokyo-np.co.jp/article/271971 (旧ソ連が1973年に本格的に開始。広松久水産は1975年から釣り餌として販売。日本は2012年に撤退)
  21. 釣具のポイントの、潮の流れと釣りについての記事。 https://www.point-i.jp/articles/1969565 (釣具店チェーンの情報サイト。撒き餌は潮下へ流れる)
  22. 気象庁の、潮汐(潮の満ち引き)の解説ページ。 https://www.data.jma.go.jp/kaiyou/db/tide/knowledge/tide/choseki.html (起潮力、満潮・干潮の時刻は毎日約50分ずつ遅れる)
  23. イシグロの、コマセカゴの解説ページ。 https://www.ishiguro-gr.com/know/fishing-guide/detail.php?id=150 (カゴの詰め方、下のすき間の目安)
  24. TSURI HACKの、アミエビの解説記事。 https://tsurihack.com/5996 (釣りメディア。アミエビは多くがツノナシオキアミとする説明)
  25. 日本語版Wikipedia「アミ(甲殻類)」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9F_(%E7%94%B2%E6%AE%BB%E9%A1%9E) (アミとオキアミは、分類上ちがうグループ)
  26. 船宿のウェブサイトの、オキアミとアミの説明ページ。 https://kouyuu-ngt.com/okiami_ami.html (船宿の説明。オキアミは3kgほどの冷凍ブロック、アミは基本的にコマセ用)
  27. ヒロキューの、オキアミの加工についてのページ。 https://hirokyu.jp/pages/topmanufacturerofkrill (オキアミは自己分解しやすく、素早く加工して冷凍する)
  28. 水産庁「海面における遊漁と漁業との調整について」(平成14年12月12日、14水管第2968号)。 https://www.maff.go.jp/j/kokuji_tuti/tuti/t0000488.html (まき餌釣りは全面的な禁止を行わない、という方針)
  29. 東京都産業労働局の、まき餌釣りのルールのページ。 https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/nourin/suisan/recreation/makietsuri (令和6年11月15日に禁止規定を削除。かごの大きさ、1日の量)
  30. 神奈川県「船釣りのまき餌かごについて」(2026年2月13日更新)。 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/kb2/docs/yugyo/fune.html (かごの大きさ、1仕掛け1個、罰則、理由の説明)
  31. 水産庁「遊漁・海面利用の基本的ルール」。 https://www.jfa.maff.go.jp/j/yugyo/y_kisei/kisoku/todo_huken/index.html (基本ルールのページからたどる、都道府県別の漁具・漁法のページ。「特にまき餌釣や灯火の使用等については注意が必要」の文言はここにある)
  32. 国土交通省の、小型船舶のライフジャケット着用義務のページ。 https://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_fr6_000018.html (2018年2月から。船室外の乗船者全員)
  33. 消費者庁の、子どもの安全についてのメール配信(2025年6月27日)。 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20250627/ (釣り中の転落者で、ライフジャケット着用・非着用の死者・行方不明の割合。海上保安庁の令和6年の集計)

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