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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

えんぴつの しんは、どうやって きの まんなかに いれるの?

鉛筆の芯は、板1枚の9本の溝にはさんで作る ── 木に「入れて」はいない

鉛筆の芯は木の中心にどう収まるか ── 溝つきスラット2枚の貼り合わせと、芯の材料・折れやすさ

分野:技術

鉛筆えんぴつの 芯しんは、ほそい あなに とおして いるのでは ありません。じつは、溝みぞを ほった いた 2まいで、はさんで いるのです。

では、そんな つくりかたで、どうして まんなかに おさまるのでしょう。この きじでは、いたの つかいかたと、しんの ざいりょう、おれにくく する こつが わかります。

鉛筆の芯しんを、木の細い穴に通していると思っていませんか。三菱鉛筆の工場の説明では、溝を掘った板に芯を乗せ、もう1枚の板を重ねて貼り合わせます。板1枚に掘る溝は9本です。

では、なぜそれで芯が真ん中に収まり、削ると木と芯が一緒に細くなるのでしょうか。この記事で、作り方の流れと、芯の材料、折れにくくするコツが分かります。

鉛筆の芯は、完成した木の軸に通されるのではない。三菱鉛筆の工場見学の説明によれば、長さ185mm・幅70mm・厚さ5mmの板(スラット)に9本の溝を掘り、接着剤を塗った溝に芯を置き、別のスラットを重ねて貼り合わせる[1]。

では、なぜこの方法で芯が中心に収まり、削ると軸と芯が一緒に細くなるのか。この記事で、製法の流れ、芯の材料、折れやすさの原因が分かる。

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1. しんを あなに いれるのは、むずかしくない?

1. 細い芯を、木の穴に通せるのか

1. 穴に通すのか、はさむのか ── スラットの溝と貼り合わせ

えんぴつの しんは、とても ほそくて ながい ものです。ながい きの ぼうに、ほそい あなを あけて、しんを とおすのは、たいへんそうです。

ところが、こうじょうの せつめいでは、ちがう やりかたを して います。まず、うすい きの いたに、溝みぞを 9ほん ほります。つぎに、のりを ぬった みぞに、しんを のせます。さいごに、もう 1まいの いたを かさねて、はりあわせます[1]。

しんを「いれる」のでは なくて、「はさむ」のです。では、はさんだ あとは、どうなるのでしょう。

鉛筆の芯は細くて長いものです。長い木の棒に細い穴をあけて、そこへ芯を通すのは、大変そうに思えます。

三菱鉛筆の説明によると、工場では別の手順をとります。長さ185mm、幅70mm、厚さ5mmの板(スラット)に、9本の溝を掘ります。接着剤を塗った溝に芯を乗せ、もう1枚のスラットを重ねて貼り合わせます[1]。

つまり、芯は「入れる」のではなく「はさむ」ものです。では、はさんだ板は、そのあとどうなるのでしょうか。

細長い芯を、完成した木の軸の穴に通すのは難しそうだが、実際の手順はちがう。三菱鉛筆によると、長さ185mm・幅70mm・厚さ5mmのスラットに9本の溝を掘り、接着剤を塗った溝に芯を置き、もう1枚のスラットを重ねて貼り合わせる[1]。芯は穴に通すものではなく、2枚の板のあいだにはさまれて位置が決まる。

では、はさんだだけの板を、どのようにして1本ずつの鉛筆にするのか。

2. いた 1まいから、なんぼん できるの?

2. 板ごと貼り合わせて、そのあと切り分ける

2. 複合板を1本ずつに切る ── 他社でも共通する工程

はりあわせた いたには、しんが 9ほん ならんで います。これを、1ぽんずつ きりはなします。こうじょうでは、した がわを けずって きりはなして います[1]。そのあとで、きかいで とりょうを なんども ぬります。

この やりかたは、ほかの かいしゃでも ひろく つかわれて います。アメリカの かいしゃは、いたの みぞに しんを 1ぽんずつ おいて、べつの いたを はると せつめいします。かわいた あと、まるや ろっかくけいに ととのえながら きります[2]。スイスの かいしゃも、みぞの ある ボードに しんを いれて、べつの ボードと はると いって います[3]。

みぞの かずは、かいしゃや きかいで ちがうそうです。いたを まるごと つかうので、いちどに たくさん つくれます。

貼り合わせた板には、芯が9本並んでいます。三菱鉛筆の工場では、この板の下の面を削って、1本1本に切り離します[1]。そのあと、機械で塗料を何度も塗る工程に進みます。

この方法は、ほかの会社でも使われています。アメリカのマスグレーブ社は、板の溝に芯を1本ずつ置き、別の溝つきの板を貼ってはさむと説明します。乾いたら、丸や六角形に整えながら切り分けます[2]。スイスのカランダッシュ社も、溝つきのボードに芯を入れ、接着剤で別のボードと貼り合わせると述べています[3]。

溝の数は、会社や機械で違うそうです。板ごとまとめて作るので、1枚から何本もの鉛筆ができます。では、中に入る芯は、何でできているのでしょうか。

貼り合わせた複合板には、芯が9本並んでいる。三菱鉛筆では、下の面を削って1本ずつに切り離し[1]、その後に機械で塗装する。

同じ方式は他社の説明にも出てくる。Musgrave Pencilは、溝を切った板に芯を1本ずつ置き、別の溝つき板を貼ってはさみ、乾燥後に切断機で丸や六角形に整えながら切り分けると述べる[2]。カランダッシュも、溝つきボードに芯を挿入して別のボードと貼り合わせると説明する[3]。ただし、板1枚の溝の数は会社や機械で異なり、他社の数字を三菱の9本にそのまま当てはめることはできない。

板ごとまとめて加工するから、1度の貼り合わせで複数本がとれる。では、芯そのものは何から作られるのか。

3. しんは、なにで できて いるの?

3. 芯は何でできていて、なぜ硬さが違うのか

3. 黒鉛と粘土 ── 芯の材料と硬さの決まり方

しんは、黒鉛こくえんの こなと、粘土ねんどを まぜて、たかい おんどで やきかためた ものです[4]。

みずを くわえて まぜ、つよい ちからで おしだして、きります。かわかして、やいてから、あつい あぶらで さまします。かきやすく する ためだそうです[1]。

「H」や「B」の かたさは、ねんどと こくえんの わりあいで きまります[1]。ねんどが おおいと かたく、こくえんが おおいと やわらかく なる、と おぼえると よさそうです。

鉛筆の芯は、黒鉛の粉末と粘土を混ぜ、高い温度で焼き固めたものです[4]。

三菱鉛筆の説明では、黒鉛と粘土を水と混ぜ、強い圧力で押し出して切り、乾かして焼きます。焼いたあと熱い油で冷ますと、書き味がよくなるそうです[1]。焼く温度は、千度前後かそれ以上と説明されています。

H や B などの硬さは、粘土と黒鉛の割合で決まります[1]。硬さの段階は、全部で17に分かれるという辞典の説明もあります[4]。

こうして焼き固めた芯は、木の板にはさまれ、一体になります。けれど、この組み合わせは、いつ思いついたのでしょうか。

芯は、黒鉛の粉末と粘土を混ぜて高温で焼き固めたものである[4]。三菱鉛筆によれば、黒鉛と粘土を水と混ぜて強い圧力で押し出し、切って乾燥させたのち、約1000℃以上で焼き、熱い油で冷まして書き味を整える[1]。硬さは粘土と黒鉛の配合比で決まり、段階は17に分かれるとされる[4]。

ここで、黒鉛と粘土を混ぜて焼くという発想自体が、いつ生まれたのかが気になる。

4. くろい こなと ねんどを まぜる アイデアは、だれが おもいついたの?

4. 黒鉛と粘土を混ぜる発想は、どこから来たのか

4. ボローデールの黒鉛とコンテの工夫 ── 年代は資料で幅がある

むかし、イギリスの ボローデールという ところで、よい こくえんが みつかりました。かたまりの まま、ぼうの かたちに きって つかえたそうです。ひもや ひつじの かわで くるんで つかったのが、えんぴつの はじまりと いわれます[6]。ねんだいは、しりょうに よって ずれが あります。

1795ねんには、フランスの コンテという ひとが、こくえんと ねんどを まぜて やく つくりかたを かんがえたと つたえられて います。あの ころ、フランスは ほかの くにと ものの やりとりが できなく なり、イギリスからの こくえんが はいって こなく なって いたからだそうです[9]。

コンテは、まぜて やいた しんを、きの はんぶんの つつ 2つの あいだに はさんだ、と いう せつめいも あります[9][5]。

昔、イギリスのボローデールで良質な黒鉛が見つかりました。かたまりのまま棒状に切って使え、ひもや羊の皮でくるんで持ったのが鉛筆の始まりといわれます[6]。年代は資料によって幅がありますが、16世紀の半ばごろです。

1795年には、フランスのコンテが、黒鉛と粘土を混ぜて焼く製法を考えたと伝えられています。背景には、フランスが経済封鎖を受け、英国からの黒鉛の輸入が難しくなった事情があったそうです[9]。混ぜて焼いた芯を、木の半円筒2つのあいだにはさんだという説明もあります[9][5]。

ただ、はさむ方法をコンテが最初に考えたのか、以前からあったのかは、資料からは分かりません。

木の軸に収める前の段階として、イギリスのボローデールで産した質のよい黒鉛は、かたまりのまま棒状に切って使え、ひもや羊皮でくるんで用いたことが鉛筆の起源とされる[6]。開始年は資料によって幅があり、16世紀半ばごろとまとめるのが慎重である。

1795年、フランスのニコラ・ジャック・コンテが、黒鉛と粘土を混ぜて焼く製法を考えたとされる。背景には、フランスが経済封鎖下に置かれ、英国からの黒鉛輸入が難しくなった状況がある[9]。混ぜて焼いた芯を木の半円筒2つではさんだとする説明もあるが[9][5]、コンテが「はさむ方式」の創案者だと言い切ることはできない。

ここまでで、芯の作り方と、はさむ方式の大枠が見えた。では、削るときや、できあがった鉛筆で起きる「折れる」「片寄る」は、何が原因なのか。

5. けずると しんが おれるのは、どうして?

5. 芯が折れたり片寄って見えたりする原因として、メーカーが挙げること

5. 折れやすさと芯の片寄り ── メーカーが挙げる原因

けずって いると、しんが ぽきっと おれる ことが あります。えんぴつの メーカーの せつめいでは、おもな げんいんは、けずりかたです[7]。

つよく おしつけたり、えんぴつと シャープナーの りょうほうを まわしたり すると、しんに ちからが かかります。えんぴつを かるく まっすぐ いれて、えんぴつだけを ゆっくり まわすと いいそうです[7]。

また、しんが かたよって みえる ことも あります。きが しぜんの ものなので、おいた ばしょに よって、すこし そる ことが あるからです。ななめに いれて けずっても、かたよります[8]。

けずると、きと しんが いっしょに ほそく なる わけは、まだ はっきり して いません。

削っていて、芯がポキッと折れることがあります。三菱鉛筆は、主な原因を削り方だと説明しています。ポケットシャープナーは刃が1枚で安定しにくく、強く押したり、シャープナーと鉛筆を両方回したりすると、芯に負荷がかかるそうです。鉛筆を軽く真っすぐ入れ、鉛筆だけをゆっくり回すよう勧めています[7]。

芯が片寄って見えることもあります。軸が天然の木なので、保管の環境で多少の反りが出ることがあるためです。斜めに差し込んで削った場合も、同じように見えます[8]。

なお、「削ると木と芯が一緒に細くなるのはなぜか」を直接説明する資料は、見つかりませんでした。

削るときに芯が折れる主因について、三菱鉛筆は削り方を挙げる。ポケットシャープナーは刃が1枚で安定しにくく、強く押す、あるいはシャープナーと鉛筆の両方を回すと負荷がかかる。対策は、鉛筆を軽く真っすぐ入れ、鉛筆だけをゆっくり回すことである[7]。

芯が片寄る原因は2つある。1つは、軸が天然の木のため、保管環境で多少の反りが出ること。もう1つは、斜めに差し込むなどの削り方である[8]。

削ると軸と芯が一緒に細くなる理由を直接説明する資料は見つからなかった。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

今日できること

おうちの えんぴつを、けずる まえに よく みて みましょう。しんは、まんなかに ありますか。すこし かたよって いませんか。けずる ときは、えんぴつだけを ゆっくり まわして、しんが おれにくいか ためします。こうして えんぴつを けずる ときは、ナイフは つかわず、えんぴつけずりを つかいます。

出かけてできること

ぶんぼうぐの みせで、いろいろな えんぴつの けずりあとを みて、かたちの ちがいを くらべて みましょう。

こうしきの 情報じょうほう

えんぴつの かいしゃの ホームページに、つくりかたの せつめいが のって います。

今日できること

手元の鉛筆で、芯が真ん中にあるか、片寄っていないかを見てみてください。同じ鉛筆削りで、鉛筆だけを回す方法と、両方を回す方法を比べると、折れやすさの違いが分かるかもしれません。刃物は使わず、大人に見てもらいながら行ってください。

出かけてできること

文房具店で、いろいろなメーカーの鉛筆の軸の形や色を見比べてみてください。

公式情報

鉛筆メーカーのウェブサイトに、作り方の説明や、削り方のよくある質問が載っています。

今日できること

手元の鉛筆で、削る前に芯の位置を観察し、同じ鉛筆削りで、鉛筆だけを回す方法と両方を回す方法を比べ、折れやすさを観察する。刃物は使わず、保護者の見守りのもとで行う。

出かけてできること

文房具店で、メーカーごとの軸の形や色を見比べてみる。

公式情報

三菱鉛筆の「えんぴつができるまで」と、削り方・芯の片寄りについてのよくある質問で、製造の流れと原因の説明を読める。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

今回は、製法と折れやすさは鉛筆メーカーの説明、芯の材料と歴史は辞典とウェブ解説を突き合わせた。一部は要約を通した確認である。

  1. 三菱鉛筆「えんぴつができるまで」 https://www.mpuni.co.jp/special/tour/pencil.html (スラットの溝・貼り合わせ・切り離し・芯の作り方)
  2. Musgrave Pencil Co., How a Pencil is Made https://musgravepencil.com/blogs/news/howapencilismade (米国メーカーの同じ方式)
  3. カランダッシュ「鉛筆の作り方の秘密」 https://www.carandache.com/jp/ja/secrets-of-making-pencils (スイスメーカーの同じ方式)
  4. コトバンク「鉛筆」 https://kotobank.jp/word/鉛筆-173337 (芯の材料・硬さの段階)
  5. Inventing the Modern Pencil (Infostory) https://infostory.com/2013/07/07/inventing-the-modern-pencil/ (コンテの工夫。二次資料)
  6. Borrowdale graphite (Wikipedia) https://en.wikipedia.org/wiki/Borrowdale_graphite (黒鉛の発見と使われ方)
  7. 三菱鉛筆 FAQ「鉛筆を削ると芯が折れる」 https://www.mpuni.co.jp/customer/ans_38.html (折れる原因と削り方)
  8. 三菱鉛筆 FAQ「芯が片寄る」 https://www.mpuni.co.jp/customer/ans_39.html (芯が片寄る原因)
  9. INPI「Conté ou l'art du crayon (1795)」 https://www.inpi.fr/conte-ou-l-art-du-crayon-1795 (コンテの特許・経済封鎖の背景。フランス語)

なおした ところ

更新履歴

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