1. うどんと ラーメンは、なにが ちがうの?
1. 同じ小麦粉でも、「水」が違う
1. 中華麺の定義的な特徴 ── かん水の添加
ラーメンの めんは、こむぎこに 「かんすい」という みずを くわえて つくります[1]。うどんなどの めんは、ふつう かんすいを つかいません。
かんすいを いれると、いろも、あじも、かみごたえも かわります[1]。だから ラーメンの めんは、うどんと ちがう たべものに なるのです。
2. きいろは、どこから きたの?
2. 黄色は、小麦粉の色素がアルカリで色づいたもの
2. 発色の機構 ── フラボノイド系色素とアルカリ
こむぎこの なかには、もともと、うすい いろの「しきそ」が はいって います[3]。ふだんは めだたない いろです。
ここに かんすいの アルカリが あたると、その しきそが、うすい きいろに かわると せつめいされて います[3]。ふつうの ラーメンの めんの きいろは、おもに この しきその いろです。たまごや いろを つける くすりを つかう めんも あります。
つまり、ふつうの きいろは、こなに もともと あった いろが、かんすいで めに みえる いろに なった ものです。
3. かんすいって、なにで できて いるの?
3. かん水の正体と、中国の塩湖の話
3. かん水の組成と起源とされる伝承
かんすいの ちゅうしんは、「たんさんナトリウム」と「たんさんカリウム」という、ふたつの しおの なかまです[2]。ときどき、「リンさんえん」という ものも くわわります。
むかし、ちゅうごくの うちモンゴルという ところに、しおを ふくむ みずうみが ありました。その みずで めんを つくったら、ふつうの みずと ちがう たべごこちに なった、と つたえられて います[5]。
いつの ことかは、わかって いません。むかしは、くさや きを もやした はいから とった あくも つかわれた そうです[5]。
基本は二種類の炭酸塩
かん水の基本は、炭酸ナトリウムと炭酸カリウムの混ぜ合わせで、リン酸塩が加わることもあります[2][5]。決まりの上では、炭酸カリウム・炭酸ナトリウム・リン酸塩などを1種類以上含むものと説明されています[2]。配合の割合は用途でちがうので、「この比率」と決まった数字はありません。
塩湖の水で麺をつくると
起源としては、中国の内モンゴル自治区で、塩湖のアルカリ性の塩水を使って麺を作ったところ、ふつうの水とは違う食感と風味になった、という話が伝えられています。この技法は麺類の広がりとともに日本にも広がったと伝えられています[5]。昔は、湖や沼のアルカリ水や、草木を燃やした灰の灰汁も使われたそうです[5]。
年代がはっきりしない、伝承のような説明なので、「そう伝えられている」という強さで受け取るのがよさそうです。
4. かんすいは、あじや かたさも かえるの?
4. コシと香り ── かん水が麺の中で働くこと
4. グルテンへの作用・風味・弱アルカリ性
かんすいは、いろだけでなく、めんの「コシ」にも かかわると いわれて います。こむぎこの なかの たんぱくしつ(グルテン)に はたらいて、ひっぱると のびて、かむと はねかえす ちからが ふえます[3]。
もう ひとつ、ラーメンの めんには とくべつな においが あります。かんすいを つかった ときに でる かおりだと いわれて います[2]。すきな 人も、にがてな 人も います。
ゆでた おゆが すこし アルカリせいに なる ため、ゆでても めんが とけにくい、という せつめいも ありますが、これは ひとつの しりょうだけの はなしです[4]。
グルテンが引き締まる
かん水を小麦粉に加えると、たんぱく質のグルテンに作用して、弾力と伸びのよさが増し、食べたときのコシとなめらかさが出ると説明されています[3]。アルカリの量が多いほど、引き締める力は強くなるそうです[2]。
独特の香りは、種類でも変わる
中華麺らしい香りも、かん水によるものです。炭酸ナトリウムは香りの成分が多く出て風味が強く、炭酸カリウムはおだやかとされています[2]。この風味は、好みが分かれるものだとも書かれています。
ゆで汁は弱アルカリ性
かん水を使うと、麺とゆで汁は弱アルカリ性(pH9〜10)になり、この範囲では麺がゆで汁に溶け出す量が比較的少ないと、大和製作所の解説にあります[4]。ただし数値は一つの資料のもので、いつも必ずこの範囲になる、とまでは言えません。
かん水を小麦粉に加えるとタンパク質(グルテン)に作用し、弾力も展延性も増して食味としてはコシ・なめらかさが増すと西山製麺は説明する[3]。オリエンタル酵母工業の解説によれば、アルカリ量が高いほど引き締める力は強い[2]。
風味については、炭酸ナトリウムは香気成分が多く風味が強く、炭酸カリウムは穏やかとされる[2]。中華麺特有の風味は、好みの分かれる要素でもある。
大和製作所の解説では、かん水使用時に麺・ゆで汁は弱アルカリ性(pH9〜10)となり、この範囲で茹で溶けは比較的少ないとされる[4]。pH値・茹で溶けの記述はこの単一の事業者資料に依るため、確定した数値とはせず、この資料の説明として引用するにとどめる。かん水の作用を扱った学術論文(日本家政学会誌 57巻7号、2006年)の存在は把握しているが、本文は確認していない。
5. ちぢれた めんは、どうやって つくるの?
5. まっすぐな麺と、ちぢれた麺
5. ストレート麺と縮れ麺 ── 成形の違い
ラーメンの めんには、まっすぐな ものと、ちぢれた ものが あります。ちぢれた めんは、てで もんで つくる ほうほうと、きかいで ちからを かけて つくる ほうほうが あると いわれて います[8]。
ゆるやかな なみの かたちの はで きると、ちぢれた めんに なる やりかたも あります[6]。
おなじ こなと かんすいの めんでも、まがって いると、かんじる かたさが ちがう、と せつめいする しりょうも あります[6]。かたちも、たべごこちに かかわる ようです。
6. ちぢれた めんは、ほんとうに スープが からむの?
6. 「ちぢれ麺はスープが絡む」は本当か
6. 定説と反対の見方 ── 表面張力と味の感じ方
「ちぢれた めんは、スープが よく からむ」と よく いわれます[6]。ところが、ある せいめんじょの ひとは、まっすぐな めんの ほうが スープを おおく もちあげる、と かいて います[7]。
その ひとは、ちぢれた めんは かるく かんじて、めんの あじが わかりにくい ぶん、スープの あじが はっきり わかる、とも せつめいして います[7]。
どちらが ただしい、と いう はなしでは なく、スープとの くみあわせ しだいだと かんがえられて います。すきな ラーメンを ふたつ くらべる ときの ヒントに なります。
よく言われる説明
ちぢれ麺は表面の凹凸でスープが絡みやすい、と説明されることが多いです[6]。ラーメン店でもよく聞く話です。
製麺所の別の見方
ところが、なかざわ製麺は、実際にはストレート麺のほうがスープを多く持ち上げると書いています。理由は表面張力です。ちぢれ麺は口の中で軽く感じられ、麺の味を感じにくいので、同じスープでもスープの味がはっきり伝わる、という説明もあります[7]。
このように、製麺の側でも意見が分かれています。麺の形は、スープの量だけでなく、口に入れたときの軽さや、スープの味の出方も考えて選ばれているようです。
ちぢれ麺は表面の凹凸でスープが絡みやすい、という説明は一般に広く見られる[6]。これに対し、なかざわ製麺のnote記事は、実際にはストレート麺のほうがスープを多く持ち上げる(表面張力による)と主張し、ちぢれ麺は軽く感じられ麺自体の味を感じにくいため、同じスープでもスープの味がはっきり感じられると説明している[7]。
本メモでは、どちらが正しいかは決められない。持ち上げるスープの量を実際に測定した資料は、確認できた範囲にはなかった。したがって「ちぢれ=必ずスープが絡む」とも「ストレートのほうが必ず多い」とも書かず、麺の形はスープの絡み・口当たり・味の感じ方の組み合わせで選ばれている、という程度の整理にとどめる。
自分でも しらべて みたく なったら
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
きょう できること
おうちの 人と いっしょに、ふくろに はいった ラーメンの めんを 見て みましょう。げんりょうの ひょうじを みて、「かんすい」と かいて あるか さがして みます。
きいろい ラーメンの めんと、しろい うどんを ならべて、いろを くらべて みても おもしろいです。ゆでる ときは、あついので、おとなに して もらって ください。
もっと しりたく なったら
まっすぐな めんと ちぢれた めんを、おなじ スープで たべくらべて、どちらが スープの あじを つよく かんじるか、ひとに きいて みても いいですね。
今日できること
袋入りのラーメンや、スーパーで売っている生麺の原材料の表示を見て、「かん水」や「かんすい」と書いてあるかを探してみましょう。同じ棚のうどんの表示と比べると、材料の違いが分かります。
ゆでるときは火とお湯を使うので、大人と一緒にしてください。ゆでた麺の色を、うどんと並べて見比べてみるのもよいでしょう。
もっと知りたくなったら
ストレート麺とちぢれ麺の袋麺を同じスープで食べて、どちらのほうがスープの味をはっきり感じるかを、家族と感想を出し合ってみるのも手です。「軽く感じた」「麺の味がしっかりした」など、感想を麺の形や口当たりと結びつけて話すと、第6章の二つの説明のどちらに近いかが見えてきます。
身近な麺で確かめる
市販の中華麺・うどんそれぞれの原材料表示を見て、かん水(かんすい)の有無を確かめる。ゆでるときは大人と一緒に火と湯を扱い、ゆで上がった麺の色を並べて比べる。ストレート麺とちぢれ麺を同じスープで食べ比べ、第6章の二つの説明のどちらに近い感じ方かを、自分の口で確かめられる。感じ方には個人差があるため、一回の結果で決めつけない。
資料を読むなら
Wikipediaの「ラーメン」「かん水」の項に加え、オリエンタル酵母工業の「かんすいコラム」が、成分と作用を平易にまとめている。製麺所の実際の見方は、西山製麺(ramen.jp)や、なかざわ製麺のnote記事が参考になる。いずれも事業者や一般向けの解説なので、複数を読み比べたい。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文の参照番号は、下のリストの番号に対応します。多くは製麺所・食品メーカーの解説で、公的機関や論文の原文は確認していません。
- Wikipedia「ラーメン」 https://ja.wikipedia.org/wiki/ラーメン (中華麺の特徴・ちぢれ麺の作り方)
- オリエンタル酵母工業「かんすいコラム」 https://www.oyc.co.jp/food-for-all/column/column_kansui/ (かん水の成分・風味・グルテンへの作用)
- 西山製麺 ramen.jp「麺の秘密」 https://www.ramen.jp/oyakudachi/secret/men/ (黄色の発色・コシ)
- 大和製作所「ラーメンの具-かん水など」 https://www.yamatomfg.com/info/ramen-noodle-ingredients-kansui-etc/ (着色・弱アルカリ性。単一の事業者資料)
- Wikipedia「かん水」 https://ja.wikipedia.org/wiki/かん水 (組成・起源とされる話。伝承的な説明)
- COOKPIT「ちぢれ麺の作り方」 https://cookpit.jp/ramen/ramen/men/men-guide/tijiremen-make/ (ちぢれ麺の作り方・食感)
- なかざわ製麺 note https://note.com/nakazawamen/n/nb50243ebb694 (ストレート麺のほうがスープを持ち上げるという見方)
- Wikipedia「中華麺」 https://ja.wikipedia.org/wiki/中華麺 (かん水を使わない麺・縮れ麺の作り方)
なおした ところ
更新履歴
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