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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

木に かくれた 山の 形を、赤い 地図で 見つけられるの?

密林の下の火口らしき地形を見つけた地図 ── 赤色立体地図は傾斜と尾根・谷をどう描くのか

赤色立体地図 ── 傾斜と尾根・谷を色で重ねて、八幡平の密林で小火口群を見つけた手法

分野:技術

木が ぎっしり はえた 山の 中で、地図を 見た 人が 「ここに 火口が あるかも しれない」と 気づきました。木の 下の 地面の 形が、地図に うつって いたのです[2]。

どうして 木に かくれた 地面が 地図に なるのでしょう。赤い 地図の 作り方と、見つかった 火口の ようすが わかります。

木が深くしげった山の中で、地図の上に小さな火口のような地形が見つかりました。2003年に、八幡平で起きたことです[2]。

木に隠れた地面の形を、どうやって地図にしたのでしょうか。赤色立体地図の作り方と、現地での確かめ方、全国に公開されるまでが分かります。

2003年11月に八幡平で取得した、樹木の影響を取り除いた1mメッシュの標高データから、赤色立体地図を作ったところ、密林の中の2地点に小火口群らしき地形が現れた[2]。木に覆われた地面を、なぜ地図にできたのか。

赤色立体地図は、傾斜を赤の彩度に、尾根谷度を明度にして合成する手法である[1]。この記事では、その作り方と、従来の地図の弱点、現地での検証、国土地理院による全国公開までが分かる。

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1. 木の 中の 山で、なにが 見つかったの?

1. 八幡平の密林で、地図から火口のような地形が見つかった

1. 八幡平の密林 ── 赤色立体地図に現れた小火口群らしき地形

2003年11月、はちまんたいと いう 山の 上の ほうで、空から 地面の 高さを はかる しごとが ありました。木の えだや 葉の ある ところでは、木の 下の 地面の 高さを とり出して、赤い 地図に しました[2]。

すると、木が こい 2つの 場所に、小さな すりばちの ような くぼみが、ならんで うつって いました。

行って 調べて みると、4か所で 合わせて 13この くぼみが ありました。ございしょの ちかくにも 16こ。みんな 火口の 形を して いました[2]。

地図には 木は 1本も うつりません。では、木の 下の 地面は、どうやって はかったのでしょう。

2003年11月、八幡平の山頂周辺で、航空機からレーザーを使った測量が行われました。木の影響を取り除いた1m間隔の標高データから赤色立体地図を作ると、密林の中の2か所に、小さな火口が集まったような地形が現れました[2]。

調査に行った人たちは、地図で見つけた場所を歩いて調べました。4か所で合わせて13個、御在所付近でも16個の、すり鉢の形をしたくぼみが確認されました。地すべりではなく火口である可能性が高い、とされています[2]。

木が生い茂る山では、空から写真を撮っても地面は見えません。地図の上には木が1本も写っていないのに、木の下の凹凸だけが見える。どうやって、地面の高さを測ったのでしょうか。

2003年11月、八幡平で航空レーザー計測を行い、樹木の影響を取り除いた1mメッシュのDEM(数値標高モデル)を得た。これを赤色立体地図にしたところ、山頂周辺の密林にある2地点で、それぞれ小火口群らしき地形が確認された[2]。

地図で見つけた場所は、現地で検証されている。4か所で合計13個の窪地を確認し、御在所付近のすり鉢状の窪地は16個に及んだ。報告は、地すべりではなく火口である可能性が高いと述べる。ただし、噴出物は未確認で、「火口の可能性が最も高い」という強さの記述にとどまる[2]。

木に覆われた地面の凹凸が、なぜ1枚の地図に現れたのか。まず、木の下の地面の高さを得る方法から見ていく。

2. 木の 下の 地面は、どう やって はかるの?

2. レーザーは、木の葉のすき間を通って地面に届く

2. 航空レーザー測量 ── 地面に届いた反射だけを残して地盤面を作る

ひこうきから、レーザーと いう 光を 地面に むけて だします。光は 地面に あたって かえって きます。いきと かえりに かかった 時間から、地面までの きょりが わかります[7]。

木が ある ところでも、光の 一部は 葉の すきまを ぬけて 地面に とどきます。木の 上で はねかえった 光は のぞいて、地面から かえった 光だけを のこすと、木の 下の 地面の 形が 見えて きます[8]。

日本では、国土地理院が 2002年から、この はかり方を はじめました。5メートルごとの 地面の 高さを、10センチ くらいまで 書いた データを 出して います[3]。

航空機に積んだレーザースキャナーから、地上に向けてレーザーのパルスを出します。地上で反射して戻ってくるまでの時間の差から距離を求め、GPSなどで分かる機体の位置と組み合わせて、地面の三次元の位置を決めます[7]。

木の生えた場所では、パルスの一部が葉と葉の間をすり抜けて、地面で反射するといわれます。木の頂点などで反射した信号を取り除き、地面に届いたデータだけを残す作業で、樹木のない地盤面ができます[8]。

国土地理院は2002年(平成14年)から航空レーザー測量を始め、5mごとの標高を10cmほどの単位で記録したデータを刊行しています。地上の高さを直接測るので、高い精度と密度が得られるとされています[3]。

これで、木の下の地面の高さが数字になりました。しかし、数字の一覧のままでは、山の形は見えません。どんな地図にすればよいのでしょうか。

航空機に搭載したレーザースキャナーからパルスを地上へ照射し、反射が戻るまでの時間差から距離を求める。GPSとIMU(慣性計測装置)で得た機体の位置・姿勢と合成して、三次元の座標にする、というのが基本の考え方である[7]。

森林では、樹冠で反射する成分と、葉の間をすり抜けて地表で反射する成分がある。地表に届いたデータだけを残して樹木を取り除くフィルタリングを行うと、地盤面のDEMができる[8]。レーザーがすべての葉をかわすわけではないため、密度の高い計測と、その後の選別が欠かせない。

国土地理院は2002年から航空レーザー測量を実施し、5mメッシュで標高を10cm程度の単位で記録するDEMを刊行した。地上の高さを直接計測することが、高精度・高密度の理由とされる[3]。八幡平の1mメッシュは、これよりさらに細かい。10mメッシュの1つの区画には、1mメッシュの区画が10×10で100個入る計算である。

地面の高さが、細かい格子の数字として手に入った。次の課題は、それをどう描けば凹凸が見えるかである。

3. ふつうの 地図では、どうして 火口が 見えにくいの?

3. 光を当てる向きで、見える地形が変わってしまう

3. 従来の地形表現の限界 ── 等高線・陰影図・斜度図・高度段彩図

山の でこぼこを あらわす 地図は、いくつか ありました。たとえば かげを つけた 地図は、ある 向きから 光を あてた ように つくります。すると、光の 向きに よって、見える 形が かわって しまいます[1]。

かげの 地図の ほかにも、よわい ところが あります。等高線の 地図は、ゆるい 坂や きゅうな 坂を あらわすのが むずかしい。かたむきだけを 色に した 地図は、山の もりあがった ところ(おね)と 谷が 見分けられません[1]。

光の 向きに 左右されない 地図は、作れないのでしょうか。

赤色立体地図が作られる前にも、地形を表す地図はいくつもありました。等高線、斜度図、高度段彩図、陰影図のそれぞれに弱点があったことが、考案した研究者らによって整理されています[1]。

等高線は、緩やかな斜面と急な斜面の表現が難しいとされます。傾斜の大きさを色で表す斜度図は、尾根と谷の区別がつきません。標高を色分けする高度段彩図は、小さな地形を表せません。

陰影図は、一方向から平行な光を当てた様子をまねたものです。立体感は出ますが、光の向きによって表現できる地形が限られてしまいます。

では、光の向きを決めずに、尾根や谷が分かる地図は描けるのでしょうか。

赤色立体地図が登場する以前の手法(等高線・斜度図・高度段彩図・陰影図)には、それぞれ固有の弱点があった。報告によると、等高線は緩斜面と急斜面の表現が難しい。斜度図は傾斜の大きさを示せるが、尾根と谷の区別がつかない。高度段彩図は微地形を表現できない[1]。

最も広く使われる陰影図は、単一方向からの平行光線をシミュレートするため、光源の方向によって表現できる地形が制限される、いわゆる方向依存性の問題を抱える[1]。

斜度は傾きの大きさだけを、標高は高さだけを見る。凹凸を一目で読むには、「ここは周りより出っ張っているか、へこんでいるか」を測る別の量が要る。その量が、次章の開度である。

4. 赤い 地図は、どう やって 作るの?

4. 傾斜は赤の濃さ、尾根と谷は明るさで描く

4. 作り方 ── 地上開度・地下開度から尾根谷度を求め、斜度と合成する

地図は 2つの 絵を かさねて 作ります[1]。

1つめは、かたむきの 絵です。坂が きゅうな ところほど、赤が こく なります。

2つめは、明るさの 絵です。まわりより もりあがった おねは 明るく、へこんだ 谷は 暗く します。平らな ところは まんなかの 明るさです。

2つを かさねると、1まいの 赤い 地図に なります。どちらの 絵にも、光を あてる 向きは いりません。だから 光の 向きに よって 見え方が かわりません。へやの 電気の ような、まわり じゅうからの 光に にて いる、と いわれます[1]。

作り方では、2枚の画像を重ねます。1枚目は、傾斜の大きさを赤の濃さに置きかえた画像。2枚目は、尾根と谷の度合いを明るさに置きかえた画像です。これをカラーで合成すると、赤色立体地図になります[1]。

2枚目に使う「尾根谷度」は、開度という考え方から作ります。ある地点から8つの方向を見たとき、地平線が天頂から何度の角度にあるかを平均したものが地上開度です。尾根や独立した山頂ではよく出ますが、谷では分かりにくくなります。地形を上下に裏返して同じ計算をしたものが地下開度で、谷や窪地がよく出て、尾根は不明瞭になります[1]。

地上開度から地下開度を引いて2で割ると、尾根谷度になります。尾根ではプラス、谷ではマイナス、平らな場所ではほぼ0です。これを明るさにした画像は、コンピューターグラフィックスの環境光に似ていて、光の向きに左右されません[1]。

2つの弱点を、2つの量が補い合う仕組みです。傾斜は、尾根と谷の区別がつかず、尾根谷度は、傾きの大きさを表せません。重ねると、お互いの足りない部分が埋まります。

では、この地図は誰が、どんなきっかけで考えたのでしょうか。その前に、地図で見つけた火口が本当に火口だったのかを見ておきます。

手順は次のとおりである。DEMから地上開度、地下開度、斜度を計算する。斜度は赤の彩度に比例させた画像に、尾根谷度は明度に比例させた画像にして、カラー合成する[1][6]。報道記事も、数値標高データから傾斜量を赤の彩度、尾根谷度を明度にして調整した立体表現手法、と同じように説明している[6]。

地上開度は、8方向の地平線の角度を天頂から測り、平均した値である。尾根や独立峰は強く現れるが、谷は不明瞭になる。地形を裏返して同様に計算した地下開度は、谷や窪地をよく抽出するが尾根は不明瞭になる。地上開度と地下開度は、互いの苦手を補う関係にある[1]。

尾根谷度は(地上開度-地下開度)÷2で求める。尾根でプラス、谷でマイナス、平坦部で0をとる。これを明度に割りあてた画像は、CGの環境光に似た表現で、光源の方向に左右されない[1]。開度そのものは1999年に横山らが示した手法で、組み合わせたところに考案の特長がある[1]。

ここで、斜度図の弱点だった「尾根と谷の区別がつかない」点を、尾根谷度が受け持つことに注意したい。逆に尾根谷度の画像だけでは傾斜の強さが分からない。そのため、赤の彩度で傾斜を足す。なぜ赤が選ばれたのかについては、今回見た資料からは理由が分からない。

では、この方法で見つけた地形は、現地で本当に火口だったのか。

5. 地図で 見つけた 場所に、行って みたら?

5. 地図は「見つけた」だけ。現地で確かめた

5. 現地検証 ── 地温異常・硫化水素を含む湧水・褐鉄鉱

地図は、見つける ための 手がかりです。ほんとうに 火口かは、行って 調べる ひつようが あります。

はちまんたいの くぼみの いくつかでは、地面が あたたかく なって いたり、においの する 水が わいて いたり しました。くぼみの そこに、鉄が さびた ような 石が できて いる ところも ありました[2]。

こうして 調べた 人たちは、じすべりでは なく、火口の かのうせいが 高い、と 考えて います。ただし、火口から ふき出た 物までは、まだ たしかめられて いません[2]。

地図の上で見つけた地形は、まだ「らしきもの」にすぎません。報告では、御在所付近のいくつかのすり鉢状のくぼみで、地温の異常、硫化水素を含む湧水、くぼみの底での褐鉄鉱という鉱物の生成が確認されています[2]。

こうした様子を調べた結果、地すべりではなく火口である可能性が高いとされました。ただし、噴き出した物そのものは未確認で、「火口の可能性が最も高い」という書き方にとどまっています[2]。

地図が答えを出すのではなく、地図が「ここを調べて」と教えてくれる。木の下の地形を見つける目として使われた例です。では、この地図を考えたのは誰で、どんな仕事の中から生まれたのでしょうか。

御在所付近のいくつかのすり鉢状窪地では、地温異常、硫化水素を含む湧水、窪地底での褐鉄鉱の生成が現地で確認された[2]。地図上の地形が、地表付近の熱や水の変化とも対応していた、という記述である。

報告の結論は慎重で、地すべりではなく火口である可能性が高いとする一方、噴出物は未確認のため、「火口の可能性が最も高い」と述べる[2]。地図が新しい地形を見つけ、現地調査がその意味を絞りこむ、という分担がここにある。

赤色立体地図は、見つけるための道具であり、確定は現地の観察に委ねられる。では、この手法はどこから来たのか。

6. この 地図は、だれが 考えて、いつ ひろまったの?

6. 富士山の防災地図づくりから生まれ、全国の地図になった

6. 考案から全国公開まで ── アジア航測の千葉達朗と、国土地理院の10mメッシュ版

赤色立体地図を 考えたのは、アジアこうそくと いう 会社の 千葉さんです。2004年に 作り方を まとめた ろんぶんが あり、2005年に とっきょを とりました[1]。

富士山ふじさんの ぼうさいの 地図を 作る 中で 生まれた、と いわれます。あおきがはらの 森で レーザーを 使うと、空から 見た 地図とは ちがう 地面が 出て きた、と つたえられて います[5]。

2018年6月6日には、国土地理院が 日本全国の 赤色立体地図を 公開しました。インターネットで だれでも 見られます[4]。

考案者は、アジア航測の千葉達朗さんです。千葉さんと鈴木さんが2004年に作成手法を示し、2005年に特許を取得した、と同じ著者らが2007年の報告で書いています[1]。

きっかけは、富士山の災害予測地図、防災地図を作る過程だったといわれます。青木ヶ原樹海でレーザー計測を行ったところ、航空写真から作った地形図とは別の地表が現れた、という報道があります[5]。

2018年6月6日には、国土地理院が日本全国の赤色立体地図を「地理院地図」で公開しました。アジア航測の特許を使い、基盤地図情報の10mメッシュのDEMから作ったものです[4]。

八幡平の1mメッシュと、全国版の10mメッシュでは、細かさがちがいます。10m四方の中に1m四方は100個入るので、同じ範囲なら、1mメッシュの区画数は10mメッシュの100倍です。小さな窪地を見つけるには、細かいほうが有利になります。

手法を考案したのは、アジア航測の千葉達朗である。千葉・鈴木(2004)が作成手法を考案し、方向依存性がなく、大地形から微地形までを同時に表せる点を特長とした。特許は2005年に取得したと、同じ著者らが2007年の報告に記す[1]。発明の年や特許の年は報道によって食い違うので、ここでは論文の記述に従った。

誕生のきっかけは、富士山の災害予測地図・防災地図の作成過程だったといわれる。青木ヶ原樹海でレーザー計測を行うと、航空写真による地形図とは別の地表が出てきた、と報じられている。ただし経緯の細部は報道の記述であり、断定は避けたい[5]。

2018年6月6日、国土地理院は、アジア航測の特許(第3670274号等)を使い、基盤地図情報の10mメッシュDEMから作った日本全国の赤色立体地図を、地理院地図で公開した[4]。1mメッシュでなく10mメッシュである点が重要で、10m四方に1m四方の区画が100個入ることから、同じ範囲なら、1mメッシュの区画数は10mメッシュの100倍になる。八幡平のような数十個の小さな窪地を見つけるのは、1mメッシュの仕事である。

地図は広く使える形になったが、読む側が地形を見る目を持つことで、価値が増える。最後に、その目を自分で試す方法を紹介する。

7. ライトを うごかすと、紙の 山は どう 見える?

7. くしゃくしゃの紙とライトで、「光の向き」を試す

7. 光の向きを変えて試す ── 陰影図の弱点を、紙1枚で再現する

紙を ぎゅっと くしゃくしゃに して、ひろげます。つくえの 上に おいて、よこから ライトを あてて みましょう。やまと たにが できて います。

ライトの 向きを ぎゃくに すると、同じ 紙なのに、見え方が かわります。へやの 電気だけで 見ると、どう ちがうかも くらべて みましょう。ライトは まぶしいので、人の 顔には むけません。

光の 向きで 見え方が かわる のが、むかしの かげの 地図の よわい ところ でした。赤い 地図は、光の 向きを つかわない くふうです[1]。

おうちの 人と いっしょに、国土地理院の「地理院地図」で、赤色立体地図を 見る ことも できます[4]。

紙を手でくしゃくしゃにして広げ、机に置きます。ライトを横から当てて、くぼみと出っ張りの見え方を観察します。次に、ライトを反対側に動かします。同じ紙なのに、影の位置が変わり、凹凸の読み取りやすさも変わります。ライトを消して、部屋の電気だけで見たときとも見比べてみてください。

これは、陰影図が抱える「光源の向きで表現できる地形が変わる」という弱点の、小さな再現です[1]。紙とライトで、光の向きによって凹凸の見え方が変わることを確かめられます。ライトの光は人の目に向けないでください。

全国版の赤色立体地図は、国土地理院の「地理院地図」で公開されています[4]。自分の住む町の近くや、好きな山を表示して、尾根や谷が赤と明るさでどう描かれているか、観察してみましょう。

手法そのものの説明は、千葉さんらのJpGU 2007年の報告[1]に短くまとまっています。八幡平の火口の話は、和知さんらの報告[2]で読めます。

陰影図の弱点は、手元で再現できる。紙をくしゃくしゃにして広げ、机の上でライトを横から当て、次に反対側から当てる。影の出方が変わり、同じ紙でも読み取れる凹凸が変わる。次に、部屋の電気だけで見て、ライトの向きを変えたときとの違いを比べる[1]。光の向きによって凹凸の見え方が変わることを、紙とライトで確かめられる。

地理院地図の赤色立体地図で、自分の知っている山や谷を見て、尾根と谷がどう描かれているかを調べてもよい。ただし全国版は10mメッシュで、八幡平のような1mメッシュの地図とは細かさが異なる[4]。

資料を読むなら、赤色立体地図の作り方は千葉ほかのJpGU 2007の要旨[1]、八幡平の火口群は和知ほかのJpGU 2005の要旨[2]、国土地理院のレーザー測量の成果は大塚・門脇のJpGU 2007の要旨[3]が原典である。誕生のきっかけは報道[5]にとどまり、一次資料での裏づけが次の課題として残る。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:学会の報告要旨、国土地理院の発表、報道、測量の技術資料を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. 千葉達朗ほか「地形表現手法の諸問題と赤色立体地図」日本地球惑星科学連合2007年大会ポスター要旨。https://www2.jpgu.org/meeting/2007/program/pdf/J171/J171-P003.pdf (作り方、開度、従来手法の弱点、特許の年について)
  2. 和知ほか「航空レーザー計測の解析で認識された火口群の現地検証」日本地球惑星科学連合2005年大会。https://www2.jpgu.org/meeting/2005/pdf/v055/v055p-009.pdf (八幡平の火口群の発見と現地調査について)
  3. 大塚・門脇「航空レーザ測量データを活用した空間表現事例」日本地球惑星科学連合2007年大会ポスター要旨。https://www2.jpgu.org/meeting/2007/program/pdf/J171/J171-P002.pdf (国土地理院の航空レーザ測量とDEMについて)
  4. 国土地理院「地形が直感的にわかる地図を公開します」(2018年)。https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/release_thematic_maps_20180606.html (全国の赤色立体地図の公開について)
  5. ニュースイッチ(日刊工業新聞)。https://newswitch.jp/p/12006 (富士山の防災地図づくりから生まれたという経緯について。報道)
  6. Impress Watch「赤色立体地図で見る日本百名山」関連記事。https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/2038137.html (赤色立体地図の定義について。報道)
  7. 国土地理院「航空レーザ測量によるDEM作成マニュアル(案)」。https://www.gsi.go.jp/common/000258818.pdf (航空レーザ測量の原理について)
  8. 国土交通省 河川・航空レーザ関連資料。https://www.mlit.go.jp/common/001217335.pdf (葉の間を抜けた反射と樹木を除く処理について)

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