1. 夏の 冷蔵庫は、なぜ 電気を たくさん 使うの?
1. 夏の冷蔵庫は、なぜ冬より電気を使うのか
1. 夏の電力使用量が冬の約1.7倍になる理由:75世帯の分析と室温の影響
冷蔵庫は、中を ひやす きかいだと 思われがちです。でも、見かたを 少し かえて みましょう。まわりの ねつが 少しずつ 中へ 入って くる。その ねつを、外へ はこび出し つづける きかい。そう 考えると わかりやすく なります。
ただし これは、イメージを つかむ ための たとえです。
夏は 部屋が 暑いので、中へ 入る ねつが ふえます。あたたかい 空気も 入りやすく なります。そのぶん、冷蔵庫は はたらく 時間が ふえて、電気を 多く 使うのです。
75の 世帯を 調べた 2014年の 分せきでは、1日に 使う 電気の りょうが、夏は 冬の やく 1.7ばいでした[1]。
これは 75の おうちの 一れいです。ほかの 土地や 年でも 同じに なるとは、言いきれません。
では、お店で 見る カタログの 数字は、夏と 冬を どう 考えて 作られて いるのでしょうか。
冷蔵庫を「冷やす機械」と考えるより、「入ってくる熱を、外へ運び出し続ける機械」と考えると、季節の差が分かりやすくなります。これは理解のための見方で、冷蔵庫の仕組みのすべてではありません。
夏は部屋が暑く、庫内に暖かい空気も入りやすくなります。その分、冷やすために多くの電力が使われます[3]。75世帯の2014年の分析では、冷蔵庫の1日の電力使用量は夏が冬の約1.7倍でした[1]。
ただし、これは75世帯の調査結果で、全国にそのまま当てはまるわけではありません。夏と冬で使用量が大きく動く家があった、という手がかりとして読みます。
では、売り場で見かける「年間の消費電力量」は、この季節の差をどう扱っているのでしょうか。
75世帯を対象にした2014年の分析では、冷蔵庫の1日の電力使用量は夏が冬の約1.7倍だった[1]。
差が出る方向は、庫内に入る熱で説明できる。夏は外気温が高く、暖かい空気が庫内へ入りやすい。そのため、冷やすのに多くの電力が要る、とメーカーは説明している[3]。冷蔵庫を「冷やす機械」でなく「入ってくる熱を外へ運び出し続ける機械」と捉えると、周囲が暖かいほど仕事が増える、という筋道が見える。ただし、これは理解のための見方である。
限界もある。調査は75世帯・2014年の結果で、全国にそのまま当てはまる値ではない。75世帯で夏が冬の約1.7倍だった、という適用範囲を守って読む必要がある。
では、メーカーが示すカタログの年間値は、季節の違いをどう組み込んでいるのか。
2. カタログの 1年ぶんの 数字は、どう 作るの?
2. カタログの「年間の消費電力量」は、季節をどう扱っているのか
2. 年間消費電力量は2つの周囲温度で作られる:32℃を205日、16℃を160日
カタログには「1年間に 使う 電気の りょう」が のって います。これは、1年じゅう はかり つづけた 数字では ありません。
32度と 16度の 2つの じょうけんで はかります。まず、部屋の 温度を 32度に して、1日に 使う 電気を はかります。つぎに、16度に して、また はかります。
そして、32度の 1日ぶんを 205日、16度の 1日ぶんを 160日ぶん あつめます[2]。205たす160で、ちょうど 365日です。
夏の ような 部屋と、冬の ような 部屋を、日数で 合わせて 1年に している、ということです。
ただし、この 数字は きまりの じょうけんで はかった あたいです。ドアを あける 回数や、入れる 食べ物の りょうで、本当の おうちでは かわります[2]。
カタログの 数字は 目やすです。じゃあ、冬なら いつも 電気が 少ないのでしょうか。
カタログの年間消費電力量は、一年中測り続けた値ではありません。JIS C 9801-3:2015の方法では、周囲温度32℃と16℃の2条件で測り、32℃での1日の消費電力量を205日分、16℃での1日の消費電力量を160日分として合計します[2]。205日と160日を足すと365日になります。
つまり「暑い部屋の日」と「涼しい部屋の日」を日数で配分して、一年の数字を組み立てているわけです。夏と冬で電気の使い方が変わることを、カタログ値は最初から前提にしています。
もう一つ大事なのは、これが決められた条件で測った値だということです。ドアを開ける回数、新しく入れる食品の量や温度、使い方によって、実際の消費電力量は変わる場合があるとメーカーも注記しています[2]。
測り方の枠組みを家庭が変えることはできません。でも、枠の中で動かせるものはあります。その前に、「夏は必ず高い」と言い切ってよいのかを考えてみます。
カタログの年間消費電力量は、JIS C 9801-3:2015の方法により、周囲温度32℃での1日の消費電力量を205日分、16℃での1日分を160日分として合計して求められる[2]。205+160=365で、1年がちょうど埋まる。夏に近い条件と冬に近い条件を日数で配分することで、季節差が最初から数値に織りこまれている。
この方法には、測定条件の違いによって数字が動くという性質がある。メーカーは、実使用ではドアの開閉頻度、新しく入れる食品の量や温度、使い方によって消費電力量が変動する場合があると注記している[2]。カタログ値は規定条件の値であり、家庭の実際とは差が出る。そのため、複数の機種を比べる物差しとしては有用だが、自分の家の請求額を直接予測する数字としては読めない。
ここまでの出典は、メーカー(シャープ)の商品選びのページである。JIS本文そのものは今回参照していないので、条件は「メーカーが説明する測り方」として読む。
では、夏と冬の差を決めているのは、暦の上の季節なのか、それとも別のものなのか。
3. 冬なら、いつも 電気は 少ないの?
3. 冬なら、冷蔵庫の電気代はいつも安いのか
3. 季節より、冷蔵庫を置いた部屋の温度が使用量に影響する:冬の暖房と「夏は必ず高い」と言えない理由
ここまで、夏と 冬と 言って きました。でも、冷蔵庫が かんじて いるのは、カレンダーでは なく、まわりの 部屋の 温度です。
メーカーの ページには、「夏は かならず 電気代が 高くなる」とは 言いきれない、と 書いて あります[3]。冬でも だんぼうで 部屋が あたたかければ、夏に 近い じょうけんに なる ことが あるからです。
ある ページには、まわりの 温度が 25度の ときに くらべて、30度では 冷蔵庫の モーターが 動く 時間が ふえた、という そくていが のって います[5]。これは、ある きしゅに ついての 一れいです。
つまり、見るのは きせつより 部屋の 温度。では、おうちで かえられるのは なんでしょう。
ここまで「夏」「冬」と書いてきましたが、冷蔵庫が受けるのは季節そのものではなく、置かれた部屋の温度です。メーカーの説明にも「夏は必ず電気代が高くなるとは言い切れない」とあります。冬でも暖房で暖かい部屋に置かれていれば、夏に近い条件になりうるためです[3]。
一例として、環境関連の情報サイトには、外気温が25℃のときにモーター(コンプレッサー)の稼働率が約50%だった機種が、30℃では約75%に上がったという測定が紹介されています[5]。ただし機種や条件の詳しい出どころは分からない一例なので、傾向を考える手がかりにとどめます。
見るべきは暦ではなく、部屋の温度。そう考えると、同じ冬でも家によって差があって当然です。
では、部屋の温度を変えられないとき、家庭にできることは何でしょうか。
ここまで夏と冬で語ってきたが、冷蔵庫には暦そのものより、置かれた部屋の温度や使い方が影響する。メーカーは「夏は必ず電気代が高くなるとは言い切れない」と説明し、冬でも暖房で暖かい部屋に置かれれば夏に似た条件になりうる、という趣旨を述べている[3]。暦の季節は、部屋の温度などを通して影響する、ということだ。
この方向を数字で示す例として、外気温25℃でコンプレッサーの稼働率が約50%だったものが、30℃では約75%になったという測定が紹介されている[5]。ただし、機種・条件・出どころが不明な一例であり、一般則として使える数字ではない。比べるなら、同じ機種を同じ測り方で、複数の温度で測った資料が必要になる。
結局、家庭にとって動かせるのは、部屋の温度そのものよりも、冷蔵庫の周りの条件と使い方である。
では、その中で具体的に何が数字に効くのか。
4. おうちで できる くふうは、どれくらい きくの?
4. 設定・詰め込み・置き場所で、電気はどれくらい変わるのか
4. 家庭で動かせる3つの要素:設定温度・詰め込み・放熱スペースと、数字の読み方
まず、温度の せっていです。ふつうは「中」に して おきます。夏の とても 暑い日に「弱」に すると、外から 入る ねつが、冷蔵庫の ひやす 力を うわまわって、中が ひえにくく なる ことが あります[3]。
つぎに、食べ物の りょうです。ぎゅうぎゅうに つめた じょうたいから 半分に すると、1年で やく 1,360円 ぶんの 電気が へる、という 数字が あります[4]。「強」を「中」に すると やく 1,910円ぶんです。
どちらも 「電気は 1キロワットあたり 31円」と して 計算した れいです。ねだんが かわれば、金がくも かわります。
また、冷蔵庫の まわりの すきまが たりないと、ねつが にげにくく なって、きしゅに よっては 電気が ふえる ことが あると いう みつもりも しょうかいされて います[5]。ひつような すきまは、せつめい書で たしかめましょう。
大きな 金がくでは ありませんが、毎日 動く きかいなので、小さな くふうも たまって いきます。
設定温度は基本的に「中」が目安とされています。夏の猛暑時に「弱」にすると、外からの熱の侵入が冷蔵庫の冷やす力を上回り、庫内が十分に冷えず、食品に影響が出る可能性があります。冷えすぎるとき、長く留守にするときに調整するのがよい、と説明されています[3]。
資源エネルギー庁の数値を引用した記事では、設定を「強」から「中」にすると(周囲温度22℃の条件で)年間61.72kWh、約1,910円の節約になると紹介されています。冷蔵庫に食品を詰め込んだ状態から量を半分にすると、年間43.84kWh、約1,360円の節約です。いずれも1kWhあたり31円(2022年7月の目安単価)で計算されています[4]。61.72×31は約1,913円で、記事の数字と合います。
これらは周囲温度や電気料金の単価という条件つきの数字で、固定の金額ではありません。なお、詰め込みの数字が冷蔵室と冷凍室のどちらの話かは、引用元からは分かりません。
さらに、放熱の余裕も効くと紹介されています。環境関連のサイトには、背面や側面の余裕が少ないと機種によっては電力が1〜2割ほど増える、上に物を載せるとさらに増える、という試算があります[5]。数字は一例として受け取り、必要な隙間は説明書で確かめましょう。
家庭で動かせる要素を、公開されている数字で見ると次のようになる。まず設定温度は、基本は「中」で、猛暑時に「弱」にすると外からの熱の侵入が冷やす力を上回り、庫内が十分に冷えず食品に影響が出る可能性があるとメーカーは説明する。冷えすぎや長期の留守のときに調整するのがよい、という扱いである[3]。
節約額としては、資源エネルギー庁の数値を引用した記事が、設定を「強」から「中」にした場合(周囲温度22℃)を年間61.72kWh(約1,910円)、食品を詰め込んだ状態から半分にした場合を年間43.84kWh(約1,360円)と紹介している。単価は1kWh=31円(2022年7月の目安単価)で、検算すると61.72×31≒1,913円、43.84×31≒1,359円で整合する[4]。
読むときの条件は3つある。周囲温度22℃は夏の部屋とは限らない。単価は時期や契約で変わる。詰め込みの数字が冷蔵室か冷凍室かは、引用元から断定できない。したがって、この金額は「向きと桁の目安」であり、自分の家の削減額ではない。
放熱については、環境関連のサイトが、背面の余裕が10cm程度で約15%、側面が2cm程度で約20%、上面に物を載せると約10%電力が増えるという試算を紹介している(機種による)[5]。ただし資料の言い回しに揺れがあり、数字は断定せず一例として扱う。方向としては、放熱スペースが不足すると機種によっては消費電力量が増えることがある。必要な隙間は説明書で確認する。
5. うちの 冷蔵庫の ラベルを さがして みよう
5. 自分の家の冷蔵庫で、数字を確かめてみる
5. 自分の家の数字に引き寄せる:ラベル・室温・請求書
おうちの 人と いっしょに、冷蔵庫の よこや 中に はってある ラベルや、せつめい書を 見て みましょう。「年間の 消ひ電力りょう」という 数字が 書いて あることが 多いです。
その 数字を 365で わると、1日あたりの 目やすが 出ます。これは きまった 条件で 出した 目やすです。ほんとうの りょうは、おく 場所や 部屋の 温度、使い方で かわります。
もう ひとつ。冷蔵庫の ある 部屋の 温度を、夏と 冬に 温度計で はかって みましょう。数字が ちがえば、冷蔵庫の はたらき方も ちがう かも しれません。
うごかす ときは、冷蔵庫の うしろに ものを おかない、ドアを あけたら 早く しめる、くらいで 十分です。重い 冷蔵庫を 自分で ずらさないで ください。
家に温度計があれば、冷蔵庫を置いた部屋の温度を、夏と冬の何日かで測ってみましょう。この記事で見てきたように、効いているのは季節の名前ではなく部屋の温度です。冬に暖房を入れた台所と、入れない廊下では、同じ冷蔵庫でも条件が違うかもしれません。
もう一つは、本体のラベルや説明書にある「年間消費電力量」を探し、365で割って1日の目安を出すことです。この数字は32℃と16℃の2条件を日数で合わせた規定条件の目安なので、実際の量は部屋の温度や置き場所、使い方で変わります。
電気の請求書がある家では、夏と冬の月を並べると、家全体の電気の増え方が分かります。ただ、冷蔵庫だけを取り出して比べることはできないので、あくまで家全体の目安として見ます。
重い冷蔵庫を動かすときは、自分でやらず、家の人に任せてください。ドアを手早く閉める、壁との間を空けるといった小さな習慣から始められます。
もっと知りたいときは、冷蔵庫のメーカーが公開している商品選びのページ[2]や、省エネルギーの公式情報を探してみるとよいでしょう。
この記事の数字を自分の家に引き寄せる方法を3つ挙げる。1つめは、冷蔵庫本体のラベルや説明書にある年間消費電力量を探し、365で割って1日の目安を出すこと。これは32℃と16℃の2条件を日数で合わせた規定条件の目安なので、実際の量は部屋の温度や置き場所、使い方で変わる。
2つめは、冷蔵庫を置いた部屋の温度を温度計で、夏と冬に数日ずつ測ること。冷蔵庫に効くのは暦ではなく周囲温度であるという点が、自分の家で確かめられる。
3つめは、電気料金の請求書や契約会社の明細で、夏と冬の月を比べること。ただし、家全体の電気量には冷房や暖房も含まれるので、冷蔵庫だけの変化は取り出せない。1.7倍のような数字は、HEMSのように機器ごとに計れる条件があって初めて出る、という点を覚えておくとよい。
残る問いは、季節や使い方を同じ条件にそろえて、機種や設置条件ごとに比べた公開データがどれだけあるかである。メーカーの商品選びのページ[2]や、資源エネルギー庁など公的機関の公式情報を、原典に当たる入口にできる。重い冷蔵庫の移動は、家の人に任せること。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文は、次の資料に書かれていることを、自分の言葉で書き直しています。75世帯の調査は一例で、全国一律の値ではありません。
- 家電Watch(Impress)「冷蔵庫の電力使用量は夏が冬の1.7倍」2015年12月22日 https://kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/20151222_736628.html (75世帯の分析・夏と冬の比)
- シャープ「冷蔵庫 商品選びのポイント」 https://jp.sharp/support/advice/refrigerator/select_a3.html (年間消費電力量の測り方・実使用との差)
- パナソニック「冷蔵庫の電気代」 https://panasonic.jp/life/food/110178.html (室温の影響・設定温度)
- 価格.comマガジン(資源エネルギー庁の数値を引用)https://kakakumag.com/seikatsu-kaden/?id=20692 (設定・詰め込みの節約額)
- 環境イノベーション情報機構 EICネット https://eic.or.jp/library/ecolife/energydir/energy07.html (稼働率・放熱スペースの試算。一例)
なおした ところ
更新履歴
更新履歴(改版の記録)
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