1. お米を こなに して、また かためる
1. 米をいったん粉にして、また固める
1. 粉にして、練って、蒸して、搗く:せんべいの生地ができるまで
せんべいの もとは、うるち米という お米です。ごはんに して たべる、ふつうの お米の なかまです[1]。
まず、いしうすで お米を 粉に します。つぎに、あつい お湯を かけて、手で ねります。ねった かたまりを ぼうの かたちに して、せいろで 蒸して、また つきます[1]。
ここまでで、やわらかくて のびる きじが できあがります。それを うすく のばして、かたで ぬきます。
お米を つぶすのではなく、粉から つくり なおす。これが、せんべいの きじを つくる はじめの じゅんばんです。
2. あられと おかきは、つぶの まま つく
2. あられとの別れ道は、粉か粒か
2. あられ・おかきとの分岐:粉から練るか、粒のまま搗くか
あられと おかきは、もち米で つくります。おおきい ものが おかき、ちいさい ものが あられと よばれます[1]。
つくりかたも ちがいます。あられは、お米を あらって みずに つけて、蒸して、つぶの まま つきます。そのあと、はこや ぼうの かたちに して ひやして かためます[1]。
せんべいは、つきおわったら すぐ のばします。あられは、ひやして かためて から きります。ここが わかれ道です。
たべた ときも ちがいます。あられと おかきは、ソフトで、口の中で とけやすい のが とくちょうです。せんべいは、かたい ものから やわらかい ものまで はばが ひろい です[2]。
もち米は、粒のまま搗く
あられ・おかきの原料はもち米です。洗って水につけたもち米を蒸し、粒のまま搗いて餅にします[1]。粉にはしません。
搗いた餅は、容器に入れるか棒状にして冷まし、固めます。固まったものを切って乾燥させ、焼いて味をつけます[1]。
せんべいは、搗いてすぐ成型する
せんべいは、搗いたあとすぐ伸ばして型で抜きます。あられは、一度冷まして固めてから切ります[1]。粉から始めるか粒から始めるか、搗いたあとすぐ形にするか固めてから切るかが、二つの道の別れ目です。
この組合の説明では、もち米製品のうち小さいものがあられ、大きいものがおかきと呼び分けられています[1]。
食感の幅もちがう
あられ・おかきは、ソフトで口どけがよいのが特徴とされます。せんべいは、かたいものからやわらかいものまで、食感の幅が広いとされています[2]。
では、形を整えた生地は、すぐに焼くのでしょうか。
もち米を原料とするあられ・おかきの工程は、洗米・浸水したもち米を蒸し、粒のまま搗くところから始まる。搗いた餅は容器に入れるか棒状にして冷まし、固めてから切断し、乾燥して焼き、味をつける[1]。粉にする段階がない。
つまり、せんべいとあられは、「粉にして練るか、粒のまま蒸して搗くか」「搗いてすぐ成型するか、冷まし固めてから切るか」の2点で分かれる[1]。なお組合の説明では、もち米製品のうち小型のものがあられ、大型のものがおかきと区別される[1]。
食感にも差がある。あられ・おかきはソフトで口どけがよい点が特徴とされ、せんべいはかたいものからやわらかいものまで幅が広いとされる[2]。
原料の米にも、成分の差がある。農林水産省の資料では、うるち米のでんぷんはアミロースとアミロペクチンが2対8ほどで、もち米のでんぷんはほぼ100%がアミロペクチンとされる[3]。品種で割合が変わるため、2対8は目安である。成分の差と食感の差を直接つなぐ説明は、使った資料には書かれていない。
3. やく まえに、なん時間も かわかす
3. 焼く前に、4〜5時間も乾かす
3. 焼く前の乾燥:熱風で4〜5時間
のばして かたで ぬいた きじは、まだ やきません。かんそう室に いれて、あつい かぜで 4時間から 5時間ほど かわかします[1]。
これは、くみあいが しめして いる ひとつの れいです。ぜんぶの せんべいが 同じだとは かぎりません。
じつは、あられも きって から かわかして、それから やきます[1]。せんべいも あられも、かわかして から やく。ここは 二つで 同じです。
やく 前に 4〜5時間 かけて かわかす。つぎは、やき場の ようすです。
4. 3びょうごとに ひっくりかえす 手
4. 約3秒ごとに裏返す、押し瓦の手仕事
4. 焼きの工程:こまめな裏返しと押し瓦
かわいた きじは、いよいよ 焼きます。手で やく おみせでは、3びょうくらいごとに ひっくりかえします[4]。
3びょうごとなら、1分で 20かい ほどです。60びょうを 3で わると、20に なります。
やいて いる うちに、きじが そったり、ぷくっと ふくらんだり することが あります。そこで、「おしがわら」という かわらで、うえから そっと おさえて たいらに します[4]。
うらがえす ことと、おさえる こと。職人さんの 手は、ずっと いそがしそうです。
5. そうかせんべいと、しょうゆの まち
5. 草加せんべいと、近くの醤油づくり
5. 草加せんべいと、醤油醸造の盛んな土地
そうか せんべいは、かんとうの まわりの けんで とれた うるち米を つかうと しょうかいされて います[4]。
江戸の 中ごろ、ちかくの のだ などで、醤油づくりが さかんに なりました。そこで、醤油を ぬった せんべいが、にんきに なったと つたえられます[4]。
たいしょうの ころには、てんのうに さしあげられて、日本じゅうに しられた とも いわれます[4]。
関東の米と、近所の醤油
草加せんべいは、関東近県で収穫したうるち米が原料と紹介されています[4]。
醤油を塗って、人気に
江戸中期になると、近隣の野田などで醤油の醸造が盛んになり、醤油を塗ったせんべいが人気を得たとされます[4]。大正時代には天皇に献上され、全国に知られるようになったとも紹介されています[4]。
醤油が近くで作られていれば、手に入れやすく、塗って焼く味もつけやすかったのかもしれません。ただし、この因果は資料に書かれていないので、一つの見方にとどまります。
ところで、草加せんべいには「おせん」という有名な話もあります。これはどこまで本当なのでしょうか。
草加せんべいは、関東近県で収穫されたうるち米を原料とし、米を製粉して練り、蒸して搗き、伸ばして型抜きし、乾燥させて、熱いうちに醤油を刷毛で薄く塗る、と紹介されている[4]。
この記事によれば、江戸中期に近隣の野田などで醤油醸造が盛んになり、醤油を塗ったせんべいが人気を得た。大正時代には天皇へ献上され、全国に知られたとされる[4]。
ただし、近くに醤油の産地があったことと、塗ったせんべいが人気になったことのつながりは、資料に並べて書かれているだけで、因果の説明まではない。産地の近さが味づくりに有利だった可能性は考えられるが、断定はできない。
草加せんべいには、おせんという女性の話が伝わる。これを史実と見てよいのか。
6. 「おせんさん」の はなしは ほんとう?
6. 「おせん」の話は、史実なのか
6. おせん伝説の扱い:諸説と、創作ともされる点
そうか せんべいの はじまりには、「おせんさん」という 人の 話が あります。そうかしで したしまれて いる おはなしです[5]。
でも、はじまりについては、いろいろな かんがえが あります。「おせんさん」の 話は、昭和に なってから つくられた ものらしい、と する 本も あります[4]。
ほかには、のこった お米を だんごの かたちに して かわかした ほぞんしょくを、やいて うった のが はじまりだと いう かんがえも あります。さいしょは、しおあじの せんべいだった そうです[4]。
どれが ほんとうか、いまの ところ はっきり いいきる ことは できません。
親しまれている「おせん」の話
草加市の概要では、草加せんべいの起源には諸説あるとされ、そのなかで親しまれているのが「おせんさん」のエピソードと紹介されています[5]。
昭和の創作ともされる
ところが、nippon.comの記事は、このおせんの話を、昭和になって創作された物語らしいとも書いています[4]。つまり、史実として断定できる話ではありません。
保存食から、せんべいへ
別の説明では、余った米を団子状にして乾かした保存食を焼いて売ったのが始まりとされ、当初は塩味のせんべいだったといいます[4]。
おせんの話も、保存食の説明も、どちらも一つの記事に書かれた説です。起源がはっきり決まっているのではなく、いくつかの説が並んでいる、と読むのが近いでしょう。
7. せんべいと あられを みくらべて みよう
7. 家のせんべいとあられを見比べる
7. 家にあるものと、原典で確かめる
おうちに、せんべいや あられが あったら、うらの ひょうじを みて みましょう。つかっている お米が、うるち米か もち米か、かいて あるかも しれません。
おかしを おってみて、わった ところや、かたさ、くちの なかで とける ようすを くらべます。せんべいと あられで、どんな ちがいが あるでしょうか。
なお、たべものの アレルギーが ある 人は、おうちの 人と いっしょに ひょうじを みて ください。
パッケージの表示を見る
家にせんべいやあられがあれば、原材料表示を見てみましょう。うるち米かもち米か、書いてあるかもしれません。
割って、かじって、見比べる
割ったときの断面の様子、かたさ、口の中でのほどけ方を、せんべいとあられで見比べます。この記事で読んだ「粉から作るか、粒から作るか」というちがいと、食感の幅の話を思い出しながら、自分の感じたことを書き留めてみてください。
原典にあたるなら
全国米菓工業組合の「あられ・おせんべいができるまで」のページには、写真つきで、せんべいとあられの工程が並べて説明されています[1]。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文は、ここにある資料の内容を、自分の言葉で言いかえたものです。工程の時間や名称は、会社や店によってちがうことがあります。
- 全国米菓工業組合「あられ・おせんべいができるまで」 https://www.arare-osenbei.jp/make/ (せんべいとあられの工程、乾燥の時間、焼き)
- 全国米菓工業組合「種類」 https://www.arare-osenbei.jp/type/ (あられ・おかき・せんべいの食感)
- 農林水産省「お米の概要(健康)」 https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_summary/03/health01.html (うるち米・もち米のでんぷん成分)
- nippon.com「草加せんべい」 https://www.nippon.com/ja/guide-to-japan/gu900216/ (押し瓦、草加せんべいの原料・醤油・起源)
- 埼玉県「草加市概要」 https://www.pref.saitama.lg.jp/b0104/sityougaiyou/soukagaiyou.html (草加せんべいの起源の諸説)
なおした ところ
更新履歴
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