1. ちいさな 子は、どんな キックボードに のるの?
1. 3歳ごろの幼児が乗るのは、三輪のスクーター
1. 幼児向けの三輪タイプ ── 3〜5歳の用途とバランス遊び
こうえんの すみで、三つの タイヤが ついた キックボードに のる 小さな 子を 見かけます。まだ じてんしゃに のれない 3〜5さいの 子の ための ものです[2]。
3さいごろ、かたあしで たてるように なったら、バランスを とる あそびに むくと しょうかいされて います。タイヤが 三つの ものは、二つの ものより ぐらぐらしにくい そうです[4]。
すなの ところでも うまりにくい、大きな タイヤの ものも あります。ただし、バランスが よくなるかどうかは、はかった けっかでは ありません。
では、この のりものは、道に でても いいのでしょうか。
公園の隅で、タイヤが3つ付いたスクーターに乗る小さな子を見かけます。まだ自転車に乗れない、3〜5歳ほどの幼児向けに作られた、三輪車に似たタイプです[2]。
育児メディアでは、片足で立てるようになる3歳ごろから、楽しみながらバランス感覚を養えるおもちゃとして紹介されています。3輪のものは2輪より安定するそうです[4]。公園の砂地でも埋まりにくい、大きなタイヤの製品もあります[4]。ただし、これは育児メディアの紹介で、効果を実際に測った研究ではありません。
キックスケーターは、地面を蹴って進むハンドル付きの乗り物の総称です。ハンドルがあり、自転車に似た感覚で乗れる点が特徴です[2]。
ところで、この乗り物は道路に出てもよいのでしょうか。
公園の隅で、タイヤが3つ付いたスクーターで遊ぶ幼児を見かける。まだ自転車に乗れない3〜5歳程度を対象にした、主として三輪車風の型である[2]。
育児メディアは、片足立ちができるようになる3歳ごろから、楽しみながらバランス感覚を養える遊び道具として紹介している。3輪は2輪より安定し、大きなタイヤの製品は公園の砂地でも埋まりにくいという[4]。この資料は育児メディアの紹介記事であり、バランス感覚への効果を測定した研究ではないため、「養えるとされる」程度に受け取るのが妥当である。
キックスケーター自体は、地面を蹴って進むハンドル付きの乗り物の総称で、自転車に似た感覚で乗れ、ローラースケートやスケートボードより扱いやすいと説明される[2]。扱いやすいぶん年齢の幅が広がったと考えられるが、これは複数の説明をつないだ見方である。
では、これほど手軽な乗り物を、道路で使うことは許されているのか。法律上の位置づけを見る。
2. どうして 道では のらずに、こうえんで のるの?
2. 道路ではなく、使ってよい場所で乗る「遊び道具」
2. 「遊び道具」という位置づけ ── 道路で使えない理由と、歩行者とされる解釈
さいたまけんの けいさつは、子どもたちに こう よびかけて います。キックボードや ローラースケートは、のりものではなく「あそびどうぐ」です。つかって いい ばしょで、あんぜんに のりましょう、と[1]。
けいさつは、道や ちゅうしゃじょうでは つかわないように よびかけて います。だから こうえんのような、のって いい ばしょが だいじに なります。
「のって いい ばしょ」は、こうえんごとに ちがう ことが あります。けいじばんを よく 見ましょう。
ところで この のりものは、はじめから あそびどうぐ だったのでしょうか。
埼玉県警察は、子ども向けの「外で遊ぶときのお約束」で、ローラースケート、キックスケーター、スケートボードなどは、乗り物ではなく「遊び道具」だと説明しています。使ってもよい場所で、安全に乗るよう呼びかけ、道路や駐車場では使わないよう求めています[1]。そのため、公園のような場所が遊びの舞台になります。
電動でない(動力のない)キックスケーターについては、2021年に国家公安委員会が、道路交通法上の「車」には当たらず、使う人は歩行者になると解される、と回答したとWikipediaで紹介されています[2]。ただし「歩行者だから、どこでも乗ってよい」という意味ではありません。
公園で乗れるかどうかは、公園の管理者が決めたルールで変わることがあります。入口の掲示を見ておくのが確かです。
遊び道具とされるこの乗り物は、どこから来たのでしょうか。
埼玉県警察の子ども向け資料「外で遊ぶときのお約束」は、ローラースケート、キックスケーター、スケートボードなどを乗り物ではなく「遊び道具」と位置づけ、使ってよい場所で安全に乗るよう求めている。道路や駐車場では使わないよう呼びかけられており[1]、それ以外の遊び場所の候補として公園などがある。ただし公園ごとにルールは異なる。
動力のないキックスケーターについては、2021年6月に国家公安委員会が、経済産業省へのグレーゾーン解消制度の回答で「道路交通法上の車に当たらず、使用者は歩行者になると解される」とした、とWikipediaは記している[2]。ただしこれは二次資料の記述である。また、歩行者扱いは「どこでも乗ってよい」ことを意味しない。交通のひんぱんな道路での遊戯は別に規制されるため、前段の県警の呼びかけと矛盾するわけではない。
公園の利用可否は、管理者ごとの規則による場合がある。動力なしのキックスケーターについて公園ごとの可否を示した公的な一覧は、今回の調査では見つかっていない。実際に乗る前には、その公園の案内を読むのが確実である。
では、これは最初から子どもの遊具として作られたのか。生まれた経緯を見る。
3. キックボードは、はじめ だれの ために つくられたの?
3. 折りたたみスクーターは、大人の近距離の足として生まれたとされる
3. 折りたたみ式の誕生 ── 大人の「近距離移動」という目的と、その根拠の強さ
いま 見かける おりたためる キックボードは、スイスの ウィム・ウーボターという 人が、1990ねんごろに つくったと、えいごの Wikipediaに あります。アルミで できて いて、タイヤは インラインスケートの ものでした[3]。
この 人は、大人が 家から おみせまでの ような ちかい ところへ いく ために つくったと されて います[3]。
1990ねん代の おわりごろには、おもさ 3キロほどの かるい ものが ふつうに なりました[2]。日本には 1999ねんに はいり、わかい 人たちが、いどうの あしとして つかいました[3]。
大人の のりものが、どうして こうえんの あそびどうぐに なったのでしょう。
今よく見る折りたためるスクーターは、スイスのウィム・ウーボターが1990年ごろに作ったと、英語版Wikipediaは説明しています。アルミ製で、車輪はインラインスケート用でした[3]。
動機については、チューリッヒで大人が家から店までのような近い距離を移動する手段として作った、という紹介が複数の記事にあります。ただし、これは二次的な記事が中心で、確かな出典で裏づけたわけではありません。「子どものおもちゃとして生まれた」とは限らない、くらいにとどめておくのが安全です。
折りたたみ式の、約3キロと軽いアルミ製スクーターは、1990年代後半に現れて主流になりました[2]。日本に入ってきたのは1999年で、若者が移動の足として使ったと紹介されています[3]。
軽くて持ち歩ける道具は、道を移動する手段にも、遊び道具にもなりえます。では、遊びの場がさらに広がると、どう変わったのでしょうか。
折りたたみ式キックスケーターは、1990年ごろにスイスのウィム・ウーボターがアルミ製の本体とインラインスケートの車輪で作ったとされる[3]。この記述は、日本には1999年に入り、若者が持ち運べる移動手段として使ったという流れと続いている[3]。
動機については、チューリッヒで大人が家から店までのような近距離を移動するために考案した、という説明が複数の二次記事に見られる。ただし、要約記事が中心で、本文での裏づけは取れていない。のちにRazorとして知られるスクーターとの関係も、製造した会社や派生の経緯が絡み、ウーボターの発明と単純に結びつけることはできない。そのため、用途の出発点が「大人の近距離移動」だったという点は、断定せず「とされる」と読むのが適切である。
日本語の資料でも、約3キロの軽いアルミ製の折りたたみ式が1990年代後半に登場して主流になったと説明される[2]。軽く、折りたためることは、移動の足にも遊び道具にもなれる条件である。
さらに、この軽くて丈夫な構造は、遊ぶ場所そのものを広げる方向にも働いた。スケートパークでの使い方を見てみよう。
4. スケートパークでは、どんな のりかたを するの?
4. スケートパークで技を見せる、技専用スクーターが生まれた
4. フリースタイルスクータリングの広がり ── 技専用機の登場(2008〜2009年)
スケートパークは、スケートボードなどで、ジャンプや すべりを たのしむ ばしょです。そこで キックボードの わざを 見せる あそびも、ヨーロッパや アメリカ、オーストラリアなどを ちゅうしんに ひろがりました[2]。
2008ねんと 2009ねんには、おりたたむ しかけを なくした、わざの ための キックボードが うられました[2]。
おりたためる ことより、ジャンプしても こわれない ことが だいじに なった ようです。ふだん つかう もの と、わざを する もの では、もとめられる ことが ちがうのですね。
これは とうとう、きょうぎにまで なりました。
スケートパークなどで技(スタント)を見せるフリースタイルスクータリングは、欧米やオセアニアを中心に広まりました。2008年と2009年には、折りたたみ機構をなくした、技専用のスクーターが発売されています[2]。
折りたたみ式の目的は「持ち運べること」でした。技専用機は、折りたたむ部分を取りはらい、ジャンプや着地に耐える丈夫さを優先した形だと考えられます。これは2つの出典の説明を並べた読み方で、各社の設計の意図を説明した資料があるわけではありません。
同じ乗り物が、持ち運ぶための形と、技を磨くための形に分かれていったのです。こうして技を見せ合う場ができ、やがて競技会も開かれるようになりました。
スケートパークなどでスタントを行うフリースタイルスクータリングは、欧米やオセアニアを中心に広まった。2008〜2009年には、折りたたみ機構を廃した本格的なスタント専用スクーターが発売された[2]。
折りたたみ機構は、移動の足としては利点だが、ジャンプや着地を繰り返すスタントでは構造上の弱点にもなりうる。専用機が折りたたみ機構を捨てたのは、そのためと推測できるが、これは資料の記述を組み合わせた解釈であり、製造者が設計意図を述べた資料に基づくものではない。
同じ乗り物が「持ち運ぶ形」と「技を磨く形」に分かれたこと自体が、用途の分化を示す。この分化が競技の成立につながる。次に、競技としての姿を見る。
5. こどもも きょうぎに でられるの?
5. 競技では、9歳以下のクラスまで用意されている
5. 競技化 ── World Skate の種目構成と、日本の年齢区分
キックボードで わざを きそう きょうぎが あります。せかいの スポーツの そしき World Skate が まとめて いて、パークと ストリートの 2つが あります[5]。
2025ねん11がつには、いばらきけんの さかいまちで せかいせんしゅけんが ひらかれました。34か国から、およそ 270人の せんしゅが あつまりました。おおさかの さかいでは ありません[5]。
日本の たいかいでは、9さい いかの キッズ、10さいから 17さいの ジュニア、14さい いじょうの オープンに わかれて います[6]。
こうえんで のって いた 子と、おなじ のりものです。でも、どんなふうに よばれて いるのでしょう。
フリースタイルスクーターは、世界の統括団体World Skateが扱う競技で、パーク部門とストリート部門があります[5]。2025年の世界選手権は、11月21〜27日に茨城県境町のスケートパーク(Sakai Urban Sports Park)で開かれ、スクーターとローラーフリースタイルを合わせて、約34か国・約270人が出場しました[5]。この「Sakai」は茨城県の境町のことで、大阪の堺ではありません。
日本国内の大会では、2024年の日本代表選考会の要項で、年齢区分がキッズ(9歳以下)、ジュニア(10〜17歳)、オープン(14歳以上)と決められていました。会場はスケートパークでした[6]。ジュニアとオープンは14〜17歳で重なっています。
3歳ごろの幼児の遊び道具と、9歳以下の選手が競う競技の乗り物は、同じ仲間です。最後に、呼び名の問題を見ておきます。
フリースタイルスクーターは World Skate が統括する競技で、パーク部門とストリート部門がある。2025年の世界選手権は、11月21〜27日に茨城県境町のスケートパーク(Sakai Urban Sports Park)で行われ、スクーターとローラーフリースタイルを合わせて約34か国・約270人が出場した[5]。事前の案内では参加者数に約270〜290の幅があった。
国内大会の年齢区分は、2024年の日本代表選考会の要項によると、キッズが9歳以下、ジュニアが10〜17歳、オープンが14歳以上である。会場はスケートパークだった[6]。ジュニアとオープンは14〜17歳で重なる。要項には、重なる理由は書かれていない。
幼児用の三輪から競技用までを並べると、公園での使われ方は「遊び」「移動」「競技」の3つに整理できる。ただし、公園での用途を直接調べた研究はなく、この整理は、複数の資料を突き合わせたものである。残る問題は名称で、これも用途の広さと関係する。
6. 「キックボード」って、ほんとうの 名前なの?
6. 「キックボード」は総称ではなく、会社の商標とされる
6. 名称の問題 ── 「キックボード」は登録商標、総称は「キックスケーター」
「キックボード」は、K2と いう 会社の 作った 商品の 名前で、とうろくしょうひょうと されて います[2]。
「キックスクーター」も、べつの 会社の おなじ名前の 商品と まちがえやすい そうです。そこで みんなの よびなは 「キックスケーター」が つかわれて います[2]。
この きじでは、わかりやすい ように 題に 「キックボード」を つかい、すがたを 言う ときは 「キックスケーター」と かきました。
日常では「キックボード」と呼ばれることが多いのですが、これはK2社の製品名で、登録商標だとWikipediaは説明しています。「キックスクーター」も、JD社の同名の製品と紛らわしくなります。そこで、総称としては「キックスケーター」が使われています[2]。
この記事では、題名で分かりやすい「キックボード」を使い、本文では総称の「キックスケーター」を使っています。
乗り物には、商品名と総称が混ざる問題もあります。公園の中の一台には、幼児の遊びから競技まで、いろいろな顔があるのです。
日本語では「キックボード」という呼称が定着しているが、これはK2社の製品を指す登録商標であるため注意が必要とされる。「キックスクーター」もJD社の同名製品と混同されうる。このため総称として「キックスケーター」が使われる[2]。
本記事は、検索や会話で通じやすい「キックボード」を題名に使い、本文では総称の「キックスケーター」を用いた。呼称の違いは、同じ乗り物が遊具、移動手段、競技の道具のどれとしても通用するため、特定の商品名が一般名のように広まった結果と考えられる。ただしこの因果は資料に明記されておらず、解釈にとどまる。
見に いって みよう
公園とスケートパークで、使われ方を見比べるには
用途の分化を、自分の目と資料で確かめるには
こうえんで
こうえんに いったら、キックボードに のって いる 子を 見て みましょう。のって いる 子の としや、のって いる ばしょ、かぶって いる ものを 見ます。きまりの かんばんが ある ところも あります。
おうちで
くつの うらを 見て、じめんを けると どこが すりへるか かんがえて みましょう。
公園でできること
公園で、キックスケーターに乗っている人の年齢と、乗っている場所を見てみましょう。三輪の小さなスクーター、折りたたみ式、技専用のものなど、形のちがいに気づくかもしれません。入口の掲示に、乗り物のルールが書かれている公園もあります。
近くのスケートパークで
スケートパークがある町なら、スクーターに乗る人が何を使っているかを、柵の外から見学できます。ジャンプの高さと、スクーターの形を見比べてみてください。
資料で
埼玉県警察の「外で遊ぶときのお約束」は、日本語の短い資料です。公園の掲示と同じルールが書かれているか、比べてみましょう。
公園での観察
公園で見かけるキックスケーターを、三輪の幼児用、折りたたみ式、技専用の3つに分け、乗る人の年齢と場所を記録する。その場所の掲示に、乗り物の規則が書かれているかも見る。
スケートパークでの観察
見学できる場合は、技専用機の形(折りたたみ機構の有無)と、乗る人の年齢層を観察する。2008〜2009年に技専用機が発売された流れと、現在の形が合っているかを自分で考えられる。
資料を読むなら
埼玉県警察の資料と、World Skate Japanの要項は日本語で読める。World Skateの英語の案内は、大会の部門構成が分かる。折りたたみ式の起源は二次資料が中心なので、原典にあたるときは「いつ、誰が、何のために」の3点が書かれた一次の記録を探す。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
遊び道具としての位置づけは埼玉県警察、使われ方と歴史はWikipedia、競技はWorld SkateとWorld Skate Japanの資料による。Wikipedia等の二次資料は、一次資料の代わりではなく、用途の整理の手がかりとして使った。
- 埼玉県警察「外で遊ぶときのお約束」 https://www.police.pref.saitama.lg.jp/documents/788/sotoasobiru-ru.pdf (遊び道具の位置づけ)
- Wikipedia「キックスケーター」 https://ja.wikipedia.org/ (種類・歴史・名称・日本での法的な扱い)
- Wikipedia "Kick scooter" https://en.wikipedia.org/wiki/Kick_scooter (折りたたみ式の起源・日本への導入)
- HugKum(小学館)幼児向けキックボードの紹介 https://hugkum.sho.jp/120001 (幼児の遊びとバランス)
- World Skate "What to expect 2025 World Skate Scootering & Roller Freestyle World Championships, Japan" https://www.worldskate.org/roller-freestyle/news-roller-freestyle/3825-what-to-expect-2025-world-skate-scootering-roller-freestyle-world-championships,-japan.html (競技の部門と世界選手権)
- World Skate Japan 2024 日本代表選考会 要項(フリースタイルスクーター) https://worldskatejapan.or.jp/ (日本の大会の年齢区分)
なおした ところ
更新履歴
更新履歴(改版の記録)
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