1. 1日を 小さく わると、1びょうに なるの?
1. 1日を二度60で割った長さが「秒」と呼ばれるわけ
1. 1/86400という割り算 ── 「秒」の名前と、1960年まで続いた定義
1日は 24時間です。1時間は 60分、1分は 60秒です。かけ算を すると、24×60×60で 86400に なります。1日は 86400秒、という ことです。
1960年より 前は、1秒を 「1日の 86400分の1」と 決めて いました[1]。
「秒」の 名前にも、わり算の あとが のこって います。昔の ヨーロッパの ことば(ラテン語)で、「1番目の 小さな 部分」が 「分」、「2番目の 小さな 部分」が 「秒」の もとに なった ことばです[4]。1時間を 60に わって 分、その 分を もう 1回 60に わって 秒、という わけです。
60ずつに わる やり方は、ずっと 昔の メソポタミアで 使われた、60で ひとまとまりに する 数え方と つながりが ある、と いう 説が あります[10]。なぜ 60なのかは、はっきり しません。2でも 3でも 4でも 5でも 6でも わりきれて、わりやすいからだ、という 説明が よく 知られて います。
でも、1日を 86400に わっても、それを 数える 時計が なければ 1秒は 使えません。いつから 数えられるように なったのでしょう。
1日は24時間、1時間は60分、1分は60秒です。24×60×60を計算すると86400になり、1日は86400秒です。1960年より前の「1秒」は、まさにこの割り算で、「平均太陽日(1年を通してならした1日)の1/86400」と定められていました[1]。
名前にも、割り算の跡が残っています。ラテン語で「第一の小さな部分」を意味する語が「分」、「第二の小さな部分」を意味する語が「秒」のもとで、英語のminuteとsecondの語源です[4]。1時間をまず60に割り、できた小さな部分をもう一度60に割る、という意味がそのまま名前になっています。
60ずつ割る習慣は、古代メソポタミアの60進法との関係が指摘されています[10]。なぜ60なのかは、約数が多くて割りやすいからという説明が一般的ですが、確かなことは分かっていません。
では、1日を割って作った「秒」は、いつから実際に数えられるようになったのでしょうか。
1日は24時間、1時間は60分、1分は60秒。24×60×60は86400であり、1日は86400秒になる。1960年より前の秒は、まさにこの割り算で、平均太陽日(1年を通してならした1日)の1/86400と定義されていた。平均太陽日をどう扱うかは天文学者に任されていた[1]。
名前にも割り算の跡がある。ラテン語のpars minuta prima(第一の小さな部分)が「分」、pars minuta secunda(第二の小さな部分)が「秒」のもとになり、英語のminuteとsecondの語源になった[4]。つまり「秒」とは、時間を60に割ったものをもう一度60に割った、二段目の小さな部分の名である。
60進法で時間を割る習慣は、古代メソポタミアの60進法との関係が指摘される。60が選ばれたのは、約数が多く割りやすいためという説明が一般的だが、確実なことは分かっていない[10]。バビロニアの人々が秒まで使っていたと読んではならない。細分は後の時代の仕事である。
ここで一つ問いが残る。割り算で名前と長さが決まっても、その長さを実際に数える時計がなければ、1秒は紙の上の数にとどまる。秒を数える時計は、いつ現れたのか。
2. 1秒を かぞえられる ように なったのは、どうして?
2. 秒を数える針が意味をもったのは、振り子時計のおかげ
2. 1日に15分から15秒へ ── 振り子時計が「秒」を数えられる時間にした
1656年に、ホイヘンスと いう 人が 振り子の 時計を はつめいしました[2]。それまでの 時計は、1日で 15分ぐらい ずれました。振り子の 時計は、それを 15秒ぐらいまで 小さく しました。
1日で 15秒しか ずれないなら、1秒の 目もりを つける 意味が 出て きます。
ここで、びっくりする 話が あります。1回 ふれるのに ちょうど 1秒 かかる 振り子の 長さは、およそ 99cm、ほぼ 1mです[3]。行って もどって くると 2秒です。糸の 先に おもりを つけた だけの 道具が、ものさしの 1mと 同じくらいなのです。
じつは、この 長さを 長さの 基準に しようと した 人たちが います。
ホイヘンスは1656年に振り子時計を発明し、翌1657年に特許を得ました。それまでの時計は1日に15分ほどずれましたが、振り子時計は約15秒まで縮めたとされます[2]。15分は900秒ですから、ずれは約60分の1になった計算です。1日で15秒しかずれないなら、「秒」を数える針が意味をもちます。分針が一般に付くようになったのは1690年ごろからで[2]、秒の針はそのあとの話です。
振り子には、時間と長さが直結するという面白い性質があります。1回の振れにちょうど1秒かかる「秒振り子」の長さは約0.994m、つまり約1mです。往復では2秒かかります[3]。糸とおもりだけの道具が、1mとほとんど同じ長さになるのです。
秒を1日の割り算で決め、その秒を振り子で数えると、約1mの長さが現れる。この偶然に目をつけた人たちがいました。
1656年にホイヘンスが振り子時計を発明し、翌1657年に特許を得た。それまでの機械式時計は1日に約15分(900秒)ずれたが、振り子時計では約15秒まで縮み、精度はおよそ60倍に上がった[2]。分針が一般に付くようになったのは1690年ごろからで、「秒」を数えることに意味が出てくるのは、この時代からである。秒針の初登場の年は資料で割れるため、ここでは書かない。
では、振り子と秒はどうつながるのか。1回の振れにちょうど1秒かかる「秒振り子」の長さは約0.994mで、往復では2秒かかる[3]。振り子の周期は2π√(L/g)で表せるので、L=0.994m、重力加速度g=約9.8m/s²を入れると約2.0秒になり、資料の数字と合う。
つまり、1日の割り算で決めた秒を振り子で数えると、約1mの長さが現れる。ここから、時間の単位を長さの単位に変えられるのではないか、という発想が出てくる。
3. 1秒の 振り子の 長さを 1mに しなかったのは、どうして?
3. 秒振り子が1mの基準にならなかった理由
3. 場所で3mmちがう ── 秒振り子が長さの基準になれなかった条件
1660年に、王立協会と いう 学者の 集まりが、1秒の 振り子の 長さを 長さの 基準に しては、と 考えました。1790年には、タレーランと いう 人が、緯度45度の 場所の 1秒の 振り子を 1mの 候補に しました[3]。
けれど、使われませんでした。振り子の 長さは 場所に よって すこし ちがうからです。カイエンヌと パリでは、0.3%ほど ちがう ことが わかりました[3]。1mなら 3mmくらいの ちがいです。
ものさしは、世界じゅう どこでも 同じで なければ 役に 立ちません。メートルは、べつの 方法で 決められました。
では、秒の もとに なって いる 「地球が 1回 まわる 長さ」は、いつでも 同じなのでしょうか。
1660年に王立協会が秒振り子の長さを長さの基準にする案を出し、1790年にはタレーランが、緯度45度での秒振り子を1mの候補としました[3]。
しかし採用されませんでした。振り子の長さは場所によって少しずつ変わるからです。カイエンヌとパリでは約0.3%の差が測られました[3]。1mに直すと約3mmの差です。メートルは、別の方法で決められました。
この失敗は、「もの差し」に何が必要かを教えます。どこで測っても同じになることです。秒の場合、もとにしている「1日」は、場所や時代によらず同じ長さなのでしょうか。
1660年に王立協会が秒振り子を長さの基準とする案を出し、1790年にはタレーランが緯度45度での秒振り子を1mの候補とした[3]。時間の単位さえ決まれば、長さの単位も決められるという、きれいな発想だった。
ところが、この案は採用されなかった。振り子の周期は重力の強さにも左右され、場所によって秒振り子の長さが変わる。カイエンヌとパリでは約0.3%の差が測られた[3]。1mに直せば約3mmで、日常には小さいが、基準としては許されない差である。メートルは別の方法で決められた。
この例は、基準の条件を示している。場所が変わっても同じ値が出ること。秒の側から見れば、秒のもとになっている「1日」は、その条件を満たしているのかが次の問いになる。
4. 地球の 回り方は、いつも 同じなの?
4. 地球の回り方のむらで、秒は1日から1年に乗りかえた
4. 自転のむらと1960年の乗りかえ ── 1日から1年へ
じつは、地球が 1回 まわる 長さには、むらが あります。1960年より 前の 「1日の 86400分の1」という 決め方は、地球の まわり方に むらが あって、決まりとしては 足りない、と わかって きました[1]。
長い 目で 見ると、地球の まわり方は 少しずつ おそく なって いる、と いわれます。100年で 1日が 1000分の2秒くらい 長く なる、という 数字が あります[7]。ごく わずかでも、1日を 秒の ものさしに すると、1日の 長さが かわるたびに 秒の 長さも かわって しまいます。
そこで 1960年、「1日」から 「1年」に 乗りかえました。地球が 太陽の まわりを まわる 公転の 長さ(1900年の 1年)を 31,556,925.9747こに わった 長さが、1秒と なりました[1]。
この 数を 86400で わると、およそ 365.24。1年が 365日と 少し、という 話と つながって います。
これで 秒は、自転では なく 公転で 決まる ものに なりました。それでも、もっと ただしい ものさしが 待って いました。
地球の自転にはむらがあり、1/86400という定義は不十分だと分かってきました[1]。自転は潮汐摩擦などで長い目で見ると遅くなっているとされ、1日の長さは100年で0.002秒ほど長くなるという説明があります。短い期間のゆらぎには、海流や大気の動きも関わるといわれます[7]。わずかな数字ですが、秒のもとにするには、動くもの差しは困ります。
そこで1960年、国際度量衡総会(CGPM)は、国際天文学連合の案にもとづき、秒を「1900年の回帰年の1/31,556,925.9747」と定めました[1]。回帰年とは、季節がひと巡りする1年のことで、地球が太陽を回る公転にもとづく長さです。どの年かを「1900年」に固定して、年そのものの変化を避けています。
この数を86400で割ると約365.2422になります。1年は365日と少し、という身近な数字と、きちんとつながっています。こうして秒は、自転から公転へ乗りかえました。
しかし、公転で決めた秒にも、次の限界が見えてきます。
地球の自転は一様ではなく、1/86400という定義は定義として不十分だと分かった[1]。自転は潮汐摩擦などで長期的に遅くなり、1日の長さは100年で約0.002秒ずつ長くなるとされる。短期のゆらぎには海流や大気の動きも関わる[7]。1年あたりではなく100年あたりの数字なので、日常では気づけないが、1秒を「1日の割り算」で決める以上、1日が動けば秒も動く。
そこで1960年、第11回国際度量衡総会(CGPM)は、国際天文学連合の案を採り、秒を1900年の回帰年の1/31,556,925.9747と定めた。公転にもとづく「暦表秒」である[1]。回帰年は季節が一巡する1年で、「1900年の」と年を固定したのは、年そのものの変化まで基準に持ち込まないためと読める。86400で割ると約365.2422日で、身近な1年の長さと整合する。
公転にもとづく秒は、自転のむらを避けた改良だった。しかし、1年の長さを天体の観測で決めるには、長い観測が要る。それは次の乗りかえへの伏線になる。
5. 半ぱな 数 9,192,631,770は、どうやって 決めたの?
5. 半端な数は、昔の秒に合わせて測った結果だった
5. 月の観測と原子の周波数 ── 秒の長さを保ったまま乗りかえる方法
1955年、イギリスの 研究所で、セシウム原子を 使った 時計が 作られました。およそ 300年で 1秒 ずれる ほど ただしいと される 時計です[5]。
でも、秒の 長さを かって に かえては こまります。きのうまでの 記録と くらべられなく なるからです。そこで 1958年、月が どこに 見えるかを くり返し 観測して 決まる 秒と、セシウムの ふるえを、およそ 4年分 くらべました。その 結果、セシウムは 1秒に およそ 9,192,631,770回 ふるえる ことが わかりました[6]。
1967年、秒は 「セシウム原子の 光の ふるえを 9,192,631,770回 かぞえる 長さ」と 決まりました[1]。新しい 秒は、前の 秒と 同じ 長さに なるように、決められて います。半ぱな 数は、前の 秒に 合わせた あとの 数、というわけです。
2019年に 書き方が 新しく なりましたが、1秒の 長さは かわって いません[1]。
では、これで おしまいなのでしょうか。
1955年、英国国立物理学研究所(NPL)のエッセンとパリーが、世界初の実用的なセシウム原子時計を作りました。約300年に1秒ずれる正確さとされます[5]。ここで問題になるのは、時計の正確さよりも、秒の長さを変えずに乗りかえることです。
そこで1958年、米国海軍天文台のマルコウィッツらと、NPLのエッセン、パリーが、月の位置の観測から決まる暦表秒と、セシウム原子の周波数を、約4年分見比べました。結果は約9,192,631,770Hz(誤差は±20Hz程度)でした[6]。当時の限界は、原子の側ではなく天文観測の側にあったといわれます。
この測定を土台に、1967年の第13回CGPMで、秒は「セシウム133原子の基底状態の2つの超微細準位間の遷移に対応する放射の9,192,631,770周期の継続時間」と定義されました。新しい秒は暦表秒と量的に等しくなるように決められ、前の秒との連続性が保たれました[1]。9,192,631,770という半端な数は、昔の秒に合わせて測った結果です。
2018年の第26回CGPMは、書き方を「周波数を9,192,631,770Hzに固定する」形に改めました(2019年5月20日施行)。意味は同じままで、秒の長さが変わったわけではありません[1]。
世界初の実用的なセシウム原子時計は、1955年に英国国立物理学研究所(NPL)のエッセンとパリーが作った。約300年に1秒ずれる正確さとされる[5]。しかし、原子の周波数をそのまま「新しい秒」にすると、それまでの暦表秒との長さの関係が分からない。誤って短い(長い)秒を決めれば、過去の記録とずれてしまう。
そこで1958年、米国海軍天文台のマルコウィッツらとNPLのエッセン、パリーは、月の位置の観測(月カメラ)から決まる暦表秒と、セシウム原子の周波数を約4年分見比べた。その結果、セシウムの周波数は約9,192,631,770Hz(誤差は±20Hz程度)と測られ、これが1967年の定義の数値の土台になった[6]。誤差の±20Hzは、割合にすれば約5億分の1である。一方、原子時計の安定性は約300年に1秒、およそ100億分の1の水準とされる。この見比べでは、制約が原子の装置ではなく天文観測の側にあったとされる。
1967年の第13回CGPM(決議1)は、秒を「セシウム133原子の基底状態の2つの超微細準位間の遷移に対応する放射の9,192,631,770周期の継続時間」と定義した。新しい秒は暦表秒と量的に等しくなるように決められ、連続性が保たれた[1]。9,192,631,770という数の半端さは、秒を新しくしながら長さを変えないための跡である。
さらに2018年の第26回CGPM決議1は、定義を「セシウム133の周波数ΔνCsを9,192,631,770Hzに固定する」という書き方に改め、2019年5月20日に施行した。意味は同じで、表現が精密になっただけで、秒の長さは変わっていない[1]。
6. これから、秒の ものさしは また かわるの?
6. 次の乗りかえは光時計か ── 2030年の見通しと、空の時計のその後
6. 光時計への改定議論と、自転とのずれを埋める「うるう秒」
いま、光を 使った 時計で 秒を 決め直す 話し合いが すすんで います。早ければ 2030年の 話し合いの 会で、新しい 決め方と いつから 使うかが 出される 見通しだと、2026年9月に ニュースに なりました[9]。どの 原子に するかは、まだ 決まって いません。
光の 時計は、およそ 300億年で 1秒 ずれる くらいと されます[9]。
もう 1つ。地球の まわり方と 原子の 時計の ずれを 小さく して おく ために、時計に 1秒を 足す 「うるう秒」が 使われて きました[7]。原子の 時計の 秒を 使いながら、うるう秒で 時計の 時間を 地球の まわり方にも 合わせて います。
秒を光時計(光格子時計など)にもとづく定義へ改める議論が進んでいます。早ければ2030年の総会で新しい定義と実施時期が提案される見通し、と2026年9月に報じられました[9]。提案される見通しであって、決まったわけではありません。どの原子にするかも決まっていません。光格子時計は、約300億年に1秒ほどの誤差とされます[9]。
空の動きを追う時計も、今もなくなってはいません。自転にもとづく時刻と原子時計の時刻のずれが大きくなりすぎないように、協定世界時には「うるう秒」が1秒足されてきました[7]。2017年1月1日の挿入が27回目でした[8]。
自転、1年、原子、そして光へ。「何を基準にすれば、みんなが同じ1秒を持てるのか」という問いに、いまも新しい答えが出されています。
秒を光時計(光格子時計など)にもとづく定義へ改める議論が進んでいる。早ければ2030年の総会で新定義と実施時期が提案される見通しだと、2026年9月に報じられた[9]。提案される見通しの段階で、決定ではない。どの原子を基準にするかも決まっていない。光格子時計は約300億年に1秒ほどの誤差とされ[9]、現在のセシウム時計の約300年に1秒より桁違いに安定だと報じられている。
では、定義から自転が消えた今、空の1日はどう扱われるのか。自転にもとづく世界時(UT1)と原子時のずれが大きくなりすぎないように、協定世界時(UTC)には1秒を足す「うるう秒」が使われてきた[7]。2017年1月1日の挿入が、1972年から数えて27回目だった[8]。回数は「2017年まで」の条件つきの数字である。秒の定義は原子に移ったが、人の暮らしの「1日」は、今も地球の自転とつながっている。
1日、1年、原子、光と、基準が変わるたびに共通する工夫がある。新しい基準を、前の秒と同じ長さになるよう測って合わせたことである。「何を基準にすれば、離れた場所の誰もが同じ1秒を持てるか」という問いは、まだ更新されている。
7. 1びょうの ふりこを、じぶんで 作って みよう
7. 糸とおもりで、約1mの秒振り子を作ってみる
7. 秒振り子を作り、秒の定義を計算で確かめる
やってみよう。ひもの 先に おもりを つけて、ふりこを 作ります。おもりは、ナットや 5円玉を 3まいぐらい 重ねた ものが いいです。
ひもは 長めに 切って、止める ところから おもりの まん中まで 99cmに なるように むすびます。ひもの 上の はしは、ドアの 上や たなの はしに、テープで しっかり 止めます。たかい ところは、おとなに 手つだって もらいましょう。おもりが 人や ものに 当たらない ところで、かるく はなして みます。
行って もどって くる 時間を、10回 ぶん はかります。うまく いけば 20秒に 近く なります。ぴったりに ならなくても だいじょうぶです。ずれたら、ふりこを 止めて、ひもを むすびなおして 長さを 少し かえ、もういちど はかります。
もっと 知りたい 人は、「秒の 歴史」や 「ものさしの 乗りかえ」を、図書館の 本で さがして みましょう。
やってみよう:糸と、ナットや5円玉を3枚ほど重ねたおもりを用意します。糸は長めに切り、固定する点からおもりの中心までが約99cmになるように結びます。糸の上端は、ドアの上や棚の端など動かない場所にテープでしっかり止めます。高い所での作業はおとなに手伝ってもらい、おもりが人やものに当たらない場所で、小さく振らせます。行って戻る往復10回の時間を、時計の秒針などで測ると、約20秒に近づくはずです。1回の振れが1秒の振り子です。
20秒からずれたら、振り子をいったん止めて結び目を結び直し、糸の長さを少し変えて、もう一度測ります。測定誤差もあるので、ぴったりでなくても大丈夫です。家のなかでは、場所によるずれ(約3mm)は分かりません。それが「基準にならなかった」理由の小ささでもあります。
もっと知りたい人には、国際度量衡局(BIPM)の秒の歴史のページ(出典[1])があります。英語ですが、定義が変わった年が表になっています。
確かめる道すじを2つ挙げる。①糸とおもり(ナットなど)で、支点から重心までを約99cmにした振り子を作り、天井や棚の端など動かない場所にしっかり固定して、往復10回の時間を測る。周期2.0秒で、20秒に近づくか。20秒からずれたら、糸の長さや測り方を少しずつ変えて比べる。振れ幅は小さくする。②1960年の定義の数値を、自分で割り算して確かめる。1900年の回帰年1/31,556,925.9747を86400で割ると約365.2422になり、1年の日数と合う。
資料としては、国際度量衡局(BIPM)の秒の歴史のページ(出典[1])、秒振り子の長さと不採用の経緯(出典[3])、1958年の比較の経緯を伝える記事(出典[6])がある。1958年の測定値(誤差±20Hzなど)は、原論文でなく二次資料で確認した数字なので、数値を使うときは原論文で確かめるとよい。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:国際度量衡局(BIPM)の解説、百科事典・研究所・雑誌の解説、報道を使いました。何に使ったかは、各項目の最後に書いています。
- 国際度量衡局(BIPM)「History of the SI: the second」。https://www.bipm.org/en/history-si/second (1960年・1967年・2019年の秒の定義と変更の経緯)
- Wikipedia「Pendulum clock」。https://en.wikipedia.org/wiki/Pendulum_clock (ホイヘンスの振り子時計と、時計の正確さの向上)
- Wikipedia「Seconds pendulum」。https://en.wikipedia.org/wiki/Seconds_pendulum (秒振り子の長さと、長さの基準にならなかった経緯)
- Wikipedia「Minute」。https://en.wikipedia.org/wiki/Minute (分・秒の語源と、時間を60進法で分けた歴史)
- NPL Training「The second and time and frequency metrology」。https://training.npl.co.uk/?p=392 (世界初の実用的なセシウム原子時計)
- Physics Today「Of time and the atom」。https://physicstoday.aip.org/features/of-time-and-the-atom (1958年の月の観測とセシウムの比較の経緯)
- 情報通信研究機構(NICT)「A07 資料」。https://rri.nict.go.jp/openhouse2024/sts/pdf/A07.pdf (自転の変化とうるう秒の概要)
- 総務省「「うるう秒」挿入のお知らせ」。https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin03_02000177.html (2017年1月1日のうるう秒が27回目であること)
- 熊本日日新聞(共同通信配信)2026年9月24日の報道。https://kumanichi.com/articles/2038903 (光時計にもとづく定義の改定議論と2030年の見通し)
- UNLV 天文学講義ページ「Babylonian 360 degrees」。https://www.physics.unlv.edu/~jeffery/astro/babylon/babylonian_360_degrees.html (60進法の由来についての説明)
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