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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ゆれると じぶんで 電気を とめる はこ ── かんしんブレーカーって なに?

地震で揺れを感じると、電気を自動で止める ── 感震ブレーカーの3つのしくみ

感震ブレーカーの仕組みと種類 ── 通電火災を防ぐ3タイプと「3分の待機」

分野:技術

おおきな 地震じしんの あと、るすの いえに でんきが もどったら、どうなるでしょう。

その ときの ために、ゆれを かんじると、じぶんで でんきを とめる しかけが あります。かんしんブレーカーと いいます。どんな しくみで うごくのかが わかります。

大きな地震のあと、停電が直って電気が戻る。そのとき、避難で留守にしていた家の中では、電気を使う器具が倒れた家具や物に触れているかもしれません。

そんな場面に備えて、揺れを感じると自分で電気を止める装置が、感震ブレーカーです。3つの種類と、なぜ「すぐ切らずに3分待つ」タイプがあるのかが、国の資料から分かります。

大規模地震では、揺れそのものより、停電から復旧したときに起きる火災が問題になることがある。これを通電火災という。揺れを感知して自動で通電を遮断する感震ブレーカーは、その対策のひとつだ[1]。

なぜ復旧のときが危ないのか、感震ブレーカーはどんな仕組みでどんな揺れで動くのか、そして効かない場合は何か。内閣府・消防庁の資料から答えが分かる。

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1. ゆれた あと、いえの でんきは どうなる?

1. 電気が戻った家で、何が起こりうるのか

1. 通電火災 ── 地震火災の出火原因の変遷

おおきな 地震じしんで、たなの ものが おちたり、かぐが たおれたり することが あります。ていでんに なる ことも あります。

ひとが いえを はなれて ひなんして いる あいだに、でんきが もどる ことが あります。その とき、ストーブなどの あつく なる きぐに、たおれた ものが ふれて いたら、ひが でるかも しれません。だれも いないと、すぐに けせません。

これを つうでんかさいと いいます。この しくみを ふせぐ ための くふうが、かんしんブレーカーです。

大きな地震で、棚の物が落ちたり家具が倒れたりすることがあります。停電になり、家族が避難して留守にしている間に電気が戻る。そのとき、電熱器具に倒れた物が触れていたり、傷んだ配線から火が出たりすると、家に人がいないので、火が小さいうちに消せません。こうして起きる火事を、通電火災と呼びます[3]。

阪神・淡路大震災では、電気火災の多くが、避難中の留守宅などで送電が回復したときに、初期消火されないまま起きたものだという指摘があります[2]。

地震のあとの火事の原因は、時代で変わってきました。関東大震災(1923年)ではかまどや七輪、新潟地震(1964年)以後はガス・石油の機器、近年は電気が目立つとされています[3]。暮らしに使う道具が変わると、備えも変わります。

通電火災は、停電後に電気が復旧したとき、電熱器具が可燃物に接した状態などで起きる火災で、不在のため初期消火ができず被害が大きくなる。性能評価ガイドラインは、外出中に大きな揺れがあり、観賞魚用水槽の転倒による過熱や、家具の転倒による通電・可燃物の接触、配線の損傷による短絡などで出火しても、不在で初期消火できない場合を想定ケースとして挙げている[3]。

阪神・淡路大震災については、電気火災の多くが避難中の留守宅などで送電回復に伴って発生し、初期消火されなかったものとの指摘がある。ただし、これは「指摘がある」という記述であり、通電火災が電気火災すべての原因だと断定する資料ではない[2]。

出火原因の重心は時代とともに動いてきた。関東大震災(1923年)ではかまど・七輪、新潟地震(1964年)以後はガス・石油機器の出火が多く、近年は電気に関する出火が目立つ[3]。

2. でんきの ひは、どれくらい あったの?

2. 原因が分かった火事の、約6割が電気だった

2. 数字で見る電気火災 ── 阪神・淡路と東日本

むかしの おおきな じしんの あとの ひの うち、げんいんが わかった ものを 見ると、でんきが げんいんの ものが、6わりほど ありました。

だから、「でんきを じどうで とめられたら」と かんがえる ひとが いました。ゆれを かんじて、ひとの かわりに とめる。それが かんしんブレーカーの ねらいです。

内閣府の検討会の資料では、阪神・淡路大震災(1995年)で出火原因が確認された139件の火災のうち、電気火災は85件で、約6割でした。東日本大震災(2011年)では、110件のうち71件で、約6割強です[1]。

この数字は、出火原因が分かったものだけが対象です。津波による火災は別に扱われています。それでも、電気が大きな割合を占めることが分かります。

地震の直後は、大きな揺れで安全を確かめにくく、停電で家の中が見えにくく、そもそも家にいない場合もあります。そこで、人が動けなくても、一定の揺れを感じたら自動で電気を止めればよい、という考え方が出てきました[1]。

内閣府の検討会報告書の概要によると、阪神・淡路大震災(1995年)で出火原因が確認された139件の火災のうち、電気火災は85件(85÷139で約61%)、東日本大震災(2011年)では110件のうち71件(71÷110で約65%)だった。母数は「原因が確認されたもの」で、津波火災は別扱いである[1]。

同資料は、①大きな揺れの直後で十分な安全確認ができない、②停電で安全確認ができない、③不在時に地震が起きる、といった場合に、一定の揺れを感知して自動で通電を遮断する感震ブレーカー等で出火を抑制する考え方を示している[1]。

3. かんしんブレーカーは、どんな しゅるいが あるの?

3. 3つの種類 ── 分電盤・コンセント・簡易

3. 感震ブレーカー等の3類型と特徴

かんしんブレーカーには、おもに 3つの しゅるいが あります。

1つめは、いえの でんきが あつまる「ぶんでんばん」に つける もの。2つめは、コンセントに つける もの。3つめは、おもりや ばねで ブレーカーを おとす かんたんな もの。かんたんな ものは、ふつう こうじが いりません。

どの しゅるいも、つかう ばしょや めあてが ちがいます。つぎから、1つずつ 見ます。

内閣府の資料は、感震ブレーカー等を大きく3つに分けています[1]。

分電盤タイプ

家の電気が集まる分電盤に付けるものです。内蔵型と後付型があります。後付型のひとつは、既存の分電盤に感震リレーを外付けし、揺れを感じると疑似的な漏電の信号を出して、漏電ブレーカーを作動させます。設置には電気工事が必要です[4]。

コンセントタイプ

コンセントに付けるもので、そのコンセントの電気だけを止めます。医療機器や避難用の照明の電気は残しつつ、電熱器具だけを選んで止められます。ただし、家の中の配線そのものは守れません[4]。

簡易タイプ

おもりの落下や振り子の動きで、重力やバネの力を使ってブレーカーを落とす補助器具です。電気工事は不要で、資料の作成時の価格の目安は約3〜4千円でした。今の価格は、この資料からは言えません[4]。

内閣府の検討会報告書の概要は、感震ブレーカー等を3類型に整理している。分電盤タイプ(センサーが揺れを感知し、一定時間後にブレーカーが作動)、コンセントタイプ(センサーが揺れを感知し、コンセントの電気を即遮断)、簡易タイプ(重りの落下やバネの作動でブレーカーを操作し、即遮断)である[1]。

分電盤タイプの増設型は、既設の分電盤に感震リレーを外付けし、揺れの感知時に疑似漏電を発生させて既設の漏電ブレーカーを作動させる。電気工事が必要である[4]。

コンセントタイプは、地震時にも電気が必要な医療機器や避難用照明の供給を継続しつつ、電熱器具等を選択的に遮断できる。ただし屋内配線の保護はできない。簡易タイプは、重りの落下や振り子の作動で、重力とバネの力によりブレーカーを落とす補助器具で、電気工事は不要である。資料作成時の価格の目安は約3〜4千円だが、現在の価格の根拠にはならない。設置の適否で遮断性能が左右されるため、確実な動作の確認が要る[4]。

4. どうして ゆれてから 3ぷん まつの?

4. すぐに切らない理由 ── 3分の待ち時間

4. 分電盤タイプの「待機時間」と簡易タイプの即時遮断

ぶんでんばんに つける タイプは、ゆれを かんじても、すぐには きりません。ふつう 3ぷんまって から、ブレーカーが おちます。この あいだに、いえに いる ひとが にげられる ように するためです。

その あいだに、ひとは そとへ にげたり、ストーブなどの スイッチを きったり できます。ゆれの すぐ あとに まっくらに なると、あぶない ことも あるからです。

ゆれと どうじに おちる、かんたんな タイプも あります。そのため、ふだんから ライトを ようい しておく ことが すすめられて います。

たとえば、つくえの はしの えんぴつが ころがって、ドミノを たおす しかけを おもいうかべて ください。えんぴつが ころがって ドミノに あたる ように、ゆれると おもりが うごいて ブレーカーを おす、かんたんな タイプに にて います。ただし ほんとうの 品は、ゆれの つよさなどで うごく ように つくられて います。

分電盤タイプは、揺れを感じてから通常3分後にブレーカーが落ちます。建物の中にいる人は、この間に外へ避難したり、電気製品の電源を切ったりできます[3]。揺れた直後にすぐ真っ暗になるより、少し時間をおいたほうが動きやすい場面があるからでしょう。

簡易タイプやコンセントタイプは、揺れと同時に電気を止めます。そのため、避難に必要な照明は別に用意しておく必要があります[4]。停電に備えて、足元灯や寝室の懐中電灯など、最低限の明かりを備えておくことが望ましいとされています[3]。

たとえば、机の端に置いた鉛筆が転がってドミノを倒す装置を想像してください。簡易タイプは、これに近い動きで、おもりや振り子が揺れで動いて、ブレーカーのスイッチを押し下げます。ただし本物は、揺れの強さなどで動くように作られています。

性能評価ガイドラインによれば、分電盤タイプ(基本型)は、揺れを感知した後、通常の場合3分後にブレーカーが落ちて電力供給が遮断される。建物内の人は、この待機時間に、避難や電気製品の電源を切るなどの安全確保ができる[3]。

簡易タイプとコンセントタイプは、揺れと同時に電気を止める。このため、避難等に必要な照明は別に確保しておく必要がある。ガイドラインは、足元灯や寝室の懐中電灯など、最低限の照明の用意が望ましいとする[4]。

復電は、ユーザー自身が屋内の安全を確認したうえで行う。これによって、電気火災を防ぎつつ、容易に復電できるとされる[3]。

5. どれくらい ゆれると うごくの?

5. 動く揺れの目安と、限りがあること

5. 作動震度の試験条件と、効果の限界

かんしんブレーカーが ちゃんと うごくか たしかめる テストでは、震度しんど5きょうの ゆれを つかいます。たなの ものや おさらが おちたり、おさえて いない かぐが たおれたり する ゆれです。

でも、ゆれ方は たてものや おく ばしょで かわります。だから、いつも 5きょうで うごくとは かぎりません。

もう 1つ。にげた あとで でんきを また つかいはじめて、じしんで いたんだ はいせんなどから ひが でる ときには、こうかが ないと いわれて います。

性能評価ガイドラインでは、作動の確認は震度5強相当、不作動(動かないこと)の確認は震度4相当の揺れで試験します。震度5強は、食器や本が落ちるものが多くなり、固定していない家具が倒れることがある揺れです[3]。電熱器具が棚から落ちたり、家具が倒れて燃えるものに触れたりしやすい揺れの大きさ、と説明されています。ただし震度5強は試験の条件で、実際の揺れで必ず動くという意味ではありません。

ただし、実際の作動は、建物や取り付けた場所の揺れ方で変わります。発表された震度が設定より小さくても動くことがあり、大きくても動かないことがあると想定されています[3]。

また、電気を使い始めたあとに起きる出火には、効果が認められないと考えられています[3]。感震ブレーカーは、火事の原因すべてをなくす道具ではなく、備えのひとつです。

ガイドラインの試験条件は、作動確認が震度5強相当、不作動確認が震度4相当である。震度5強は、発火源となる電熱器具等が台や棚から落下したり、家具の転倒に伴い可燃物が電熱器具等に接触したりする危険性が高い震度として選ばれている[3]。

これは試験条件であり、すべての製品が震度5強ぴったりで動く、という意味ではない。実際の作動は建物や設置場所の揺れ方によって変わり、発表震度が設定作動震度より小さくても作動したり、大きくても作動しなかったりする場合が想定されている[3]。

また、電気の使用開始後に出火するケースには、効果が認められないと考えられている[3]。作動の確実さは、設置の仕方にも左右される(簡易タイプ)[4]。

6. いえの ぶんでんばんを 見て みよう

6. 自分の家の分電盤を、見に行ってみよう

6. 出口 ── 分電盤を見る/原典を読む

おうちの ぶんでんばんが どこに あるか、かぞくと さがして みましょう。げんかんや ろうかの かべに ある、はいいろの はこの ことが おおいです。

見るだけです。ふたを あけたり、スイッチを さわったり しないで ください。かんしんブレーカーが ついて いるか、かぞくに きいて みましょう。

もう 1つ、けいたいライトが どこに あるかも、いっしょに たしかめて みましょう。くらい ときに、すぐ 手に とれると あんしんです。

家の分電盤が、どこにあるかを、家族と探してみてください。玄関や廊下の壁にあることが多い、灰色や白の箱です。見るだけにして、ふたを開けたりスイッチに触ったりするのは、大人にまかせましょう。

分電盤や壁のコンセントまわりに感震ブレーカーが付いていないかは、目で見て確かめます。付けられそうなタイプは、家族に聞いてみてください。取り付けに電気工事がいる種類と、いらない種類があります。あわせて、懐中電灯が寝室のどこにあるかも、確かめてみましょう。

もっと知りたくなったら、内閣府の検討会報告書の概要と性能評価ガイドラインが公開されています[1][3]。図や表つきで、3つのタイプが比べられています。

自宅の分電盤の場所を確認し、感震ブレーカーが設置されているか、どの類型なら設置できるかを、家族と話してみるとよい。分電盤のふたの開閉や操作は、大人が行う。電気工事が必要な類型かどうかも、あわせて調べたい。

原典は、内閣府の検討会報告書の概要[1]、性能評価ガイドライン[3]、種類と特徴をまとめた資料[4]、阪神・淡路大震災の教訓情報資料集[2]。ガイドラインは「はじめに」に出火原因の変遷、1章に想定ケース、4章に試験条件が書かれている。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:内閣府の検討会報告書の概要、阪神・淡路大震災の教訓情報資料集、感震ブレーカー等の性能評価ガイドライン、種類と特徴をまとめた資料を使った。価格は資料作成時の目安で、今の価格ではない。

  1. 内閣府「大規模地震時の電気火災の発生抑制に関する検討会報告書 概要」。 https://www.bousai.go.jp/jishin/syuto/denkikasaitaisaku/pdf/gaiyou_houkoku.pdf (電気火災の件数、3つの種類、自動遮断の考え方について)
  2. 内閣府「阪神・淡路大震災教訓情報資料集【04】火災の発生と延焼拡大」。 https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/hanshin_awaji/data/detail/1-1-4.html (送電回復に伴う火災の指摘について)
  3. 内閣府「感震ブレーカー等の性能評価ガイドライン」。 https://www.bousai.go.jp/jishin/syuto/denkikasaitaisaku/pdf/kanden_guideline.pdf (通電火災の想定、3分の待機時間、試験の震度、効果の限界について)
  4. 内閣府「感震ブレーカー等の種類、特徴等について(資料4)」。 https://www.bousai.go.jp/jishin/syuto/denkikasaitaisaku/1/pdf/4.pdf (各タイプの特徴、価格の目安、照明の備えについて)

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