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しちごさんの きものは、3さいと 7さいで なにが ちがうの?

3歳の七五三は帯が見えないのはなぜ? 被布の下の帯揚げと7歳の帯

3歳の七五三は帯を結ばず、7歳は結ぶのか ── 髪置と帯解から着物の違いを読む

分野:歴史・文化

3さいの おんなの子の しちごさんの しゃしんを 見ると、おびが 見えません。ところが 7さいの おんなの子は、おびを しっかり しめて います。

どうして こんなに ちがうのでしょう。かみの かざりや、きものの 大きさは どうでしょう。この 記事で、ちがいと その わけが わかります。

3歳の女の子の七五三の写真を見ると、晴れ着に帯が見えません。ところが7歳の女の子は、帯をしっかり結んでいます。同じ七五三なのに、着物の形がこんなに変わるのはなぜでしょうか。

実は帯が消えたのではなく、被布の下に帯揚げが隠れています。手がかりは、七五三のもとになった昔の儀式にあります。神社や自治体の資料をもとに、3歳と7歳の着物の違いと、その意味が分かります。

3歳の女児は晴れ着に帯を結ばず、袖のない朱色の被布を羽織るのが一般的だ[1]。一方、7歳の女児は丸帯をしっかり結ぶ[1]。同じ七五三で、なぜ帯の扱いがここまで変わるのか。

鍵は、七五三の由来とされる3歳の髪置、7歳の帯解という二つの儀式にある[2]。神社と自治体の資料から、着物・髪・小物の違いと、その背景が分かる。

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1. 3さいの しゃしんに、おびが 見えないのは どうして?

1. 3歳の晴れ着に、帯が見えないのはなぜか

1. 3歳の女児は帯を結ばない ── 被布の下で帯のかわりをするもの

3さいの おんなの子は、ふつう きものに おびを むすびません[1]。かわりに、そでの ない あかい 「ひふ」と いう うわぎを はおります[1]。

ひふは、みじかい コートのような ものです[3]。その 下には、おびの かわりに 「おびあげ」と いう ぬのを おなかに まいて、うしろで はなの かたちに むすびます[3]。ですから、おびが ないのでは なく、おびの かわりが ついて いるのです。

では、7さいに なると、きものは どう かわるのでしょう。

明治神宮の案内によると、3歳の女の子は、晴れ着に帯を結ばず、袖のない襟付きの朱色の「被布」を羽織るのが一般的です[1]。被布は、半コートのような形の外出着です[3]。

新潟の白山神社の説明では、被布の下で、帯のかわりに「帯揚げ」を胴にまわし、後ろで花の形に結びます[3]。写真で帯が見えないのは、帯がないというより、帯の代わりを被布の下に着けているからです。

東松山市の資料も、いまの3歳の女の子は三ッ身の着物を着て、被布を着ると書いています[5]。そうすると、気になるのは7歳です。帯を結ぶようになるとき、何が変わるのでしょうか。

明治神宮の案内では、3歳の女児は晴れ着に帯を結ばず、袖なし襟付きの朱色の被布を羽織るのが一般的とされる[1]。被布は半コートのような羽織の一種で、外出着として位置づけられている[3]。

では、帯を結ばない代わりに何を使うのか。白山神社(新潟)の説明では、被布の下で帯揚げを胴にまわし、後ろで花結びにして帯の代わりとする[3]。写真に帯が見えないのは、帯が存在しないのではなく、被布の下の帯揚げが帯の位置を受け持つためだ。

着物そのものについては、東松山市の資料が、現在の3歳の祝いでは三ッ身の着物に被布を着ると記している[5]。ただし、西宮神社会館の案内には3歳の持ち物として兵児帯も挙がっており[4]、実際には神社や貸衣装の仕立てで構成が変わりうる。ここまでは3歳の姿だ。では、7歳で帯を締めることには、どんな意味があるのか。

2. 7さいの おびには、どんな いみが あるの?

2. 7歳の帯は、帯解の節目を表す

2. 7歳の帯 ── 帯解は付紐をやめて大人の帯を締める儀式

7さいの おんなの子は、おおきな おびを しっかり むすびます[1]。おびを とめる ひもには、あかと しろの まるい くみひもなどが つかわれます[1]。

むかしの 「おびとき」と いう ぎしきでは、おんなの子が 小さい 子の ひもを やめて、おとなの おびを しめました[2]。しちごさんの もとに なった ぎしきの ひとつと いわれて います[2]。

つまり 7さいの おびは、「小さい 子から、少し おおきく なったよ」と いう しるしなのです。

7歳の女の子は、丸帯をしっかり結びます。帯の上から締める帯締めには、綿織りの丸ぐけや、紅白の丸組みひもなどを使います[1]。3歳の被布姿とは、はっきり違う装いです。

この違いの背景にあるのが、昔の「帯解」です。神社本庁の説明では、帯解は、女の子が幼児用の付け紐をやめ、大人の帯を締める儀式です[2]。七五三は、3歳の髪置、5歳の袴着、7歳の帯解という古い風習がもとになったといわれます[2]。

つまり7歳の帯は、幼児の付け紐から大人の帯へ、という節目の形です。では、3歳の節目は、着物のどこに表れているのでしょうか。

7歳の女児は、丸帯をしっかり結ぶ。帯締めは、綿織りの丸ぐけか、紅白の丸組みひもを合わせるとされる[1]。3歳の被布姿が帯揚げで帯の位置を示すのとは対照的で、着物の構造が変わる。

この違いは、七五三の由来にさかのぼる。神社本庁は、七五三が3歳の髪置、5歳の袴着、7歳の帯解という古くからの風習に由来するといわれる、と説明している[2]。このうち帯解は、女児がそれまでの幼児用の付け紐をやめ、大人の帯を締める儀式だ[2]。だから現在の7歳の晴れ着で、帯が着物の主役になるのは、帯解の流れをくむ形と読める。

七五三は、髪置・袴着・帯解に由来するといわれる。では、3歳側の由来である髪置は、着物ではなく何に表れるのか。

3. 3さいは、かみを のばしはじめる ひ

3. 3歳は髪を伸ばし始める日、髪型にも違いが出る

3. 髪置は男女ともに行う ── 3歳と7歳の髪飾りとヘアセットの差

3さいの おいわいの もとは、「かみおき」と いう ぎしきです。この 日から、かみを のばしはじめました[2]。おとこの子も おんなの子も おこなう ぎしきでした[2]。

3さいの おんなの子は、リボンや はなかんざしを つけて、かわいらしく します[1]。

ある じんじゃの かいかんの あんないでは、かみを ととのえる ねだんの めやすが、3さいより 7さいの ほうが たかく なって います[4]。かみの すがたも、おおきくなるに つれて かわるのですね。

3歳の祝いのもとになった髪置は、男の子も女の子も行った儀式で、この日を境に髪を伸ばし始めました[2]。髪の毛が伸びる最初の一歩を祝う日だった、と読めます。

3歳の女の子の髪飾りは、リボンや花簪でかわいらしく仕上げるのが特徴です[1]。

髪を整える費用の目安にも違いがあります。西宮神社会館の案内(令和8年6月30日までの掲載分)では、3歳は日本髪が3,300円、洋髪が2,200円〜2,750円、7歳は日本髪が5,500円、洋髪が3,300円〜4,400円です[4]。7歳は、おおよそ1.5〜1.7倍です。これは一つの会館の目安で、全国共通の値段ではありません。

髪も帯も、7歳のほうが「手がかかる」姿になるようです。では着物の大きさは、どう合わせるのでしょうか。

3歳の祝いの由来とされる髪置は、男女の子ともに行われ、この日を境に髪を伸ばし始めた儀式である[2]。つまり髪置は、女の子だけの儀式ではなく、男の子も対象だった。

現在の3歳の女児の髪飾りは、リボンや花簪を付けて愛らしく仕上げるのが特徴とされる[1]。

ヘアセットの費用は、西宮神社会館の案内(令和8年6月30日までの掲載分)の目安で、3歳が日本髪3,300円、洋髪2,200〜2,750円、7歳が日本髪5,500円、洋髪3,300〜4,400円である[4]。実際に割ると、日本髪は5,500÷3,300で約1.67倍、洋髪は下限同士で3,300÷2,200=1.5倍、上限同士で4,400÷2,750=1.6倍となり、7歳はおよそ1.5〜1.7倍だ。ただしこれは一つの会館の料金表で、理由までは書かれていない。他の神社や美容室で同じ比とは限らない。では、着物の寸法は子どもの体にどう合わせるのか。

4. きものの 「あげ」は、なんの ため?

4. 肩上げ・腰上げは、体に合わせる工夫

4. 肩上げ・腰上げ ── 3歳と7歳で、準備の指定が違う

7さいの おんなの子の きものは、からだに あわせて 「かたあげ」や 「こしあげ」を します[1]。きものを つまんで、ぬい 上げる ことです。

こうして おくと、おおきさを ちょうどよく できます。

3さいの ばあいは、ある じんじゃでは 「かたあげ」と 「こしあげ」を おねがいしています[4]。7さいでは、「かたあげ」だけが のって います[4]。

7歳の女の子は、友禅模様の絵付けや総柄の着物を、体に合わせて肩上げや腰上げをして着ます[1]。肩上げ・腰上げは、着物の肩や腰の布を縫い上げて、子どもの体の大きさに合わせる調整のことです。

西宮神社会館の案内では、衣裳を持ち込む場合、3歳の女の子には肩上げと腰上げ、初着なら袖縫いを頼むとあります。7歳では肩上げのみが挙がっています[4]。

3歳のほうが調整の項目が多いのは、一つの神社会館の例であり、理由までは書かれていません。それでも、3歳と7歳で着物の「仕立て」にも違いがあるのが分かります。

7歳の女児は、体に合わせて肩上げと腰上げをした、友禅模様の絵付けや総柄の着物を用意する[1]。肩上げ・腰上げは、肩や腰の布を縫い上げて寸法を調整する仕立てだ。肩上げや腰上げで、着物の寸法を体に合わせる。

西宮神社会館は、衣裳を持ち込む場合の準備として、3歳の女児には肩上げと腰上げ、初着の場合は袖縫いを求め、7歳の女児には肩上げのみを挙げている[4]。3歳のほうが指定が多い理由は、この資料には書かれていない。

こうして見ると、3歳と7歳の違いは、帯や髪飾りといった見える部分だけでなく、仕立ての準備にも及ぶ。では、男の子の3歳は、女の子と同じなのか。

5. 3さいの おとこの子は、おびを しめるの?

5. 3歳の男の子は、帯を締めるのか

5. 3歳の男児 ── 帯は締めるが、袖なし羽織を重ねる

3さいの おとこの子は、「へこおび」と いう おびを しめます[1]。その うえに、そでの ない はおりを きます[1]。

おんなの子は おびの かわりに おびあげ、おとこの子は へこおびと、ちがう ところが あります。

でも、どちらも 3さいで 「かみおき」の おいわいを する ところは おなじです[2]。

3歳の男の子は、羽二重熨斗目模様の紋付二枚襲に、兵児帯を締め、袖のない羽織を着ます[1]。女の子の被布と同じように、袖のない上着を重ねるところが共通しています。

違うのは帯です。女の子は被布の下で帯揚げを結びましたが、男の子は兵児帯を締めます。ただし、3歳の女の子の持ち物リストに兵児帯が入っている神社もあります[4]。

髪置は男女ともに行う儀式でした[2]。着物の形は違っても、髪置が男女ともに行われた点は同じです。

3歳の男児は、羽二重熨斗目模様の紋付二枚襲に兵児帯を締め、袖なし羽織を重ねる[1]。袖のない上着を重ねる点は、女児の被布と共通する。違いは帯で、女児が被布の下の帯揚げで帯の位置を示すのに対し、男児は兵児帯を締める。

一方、西宮神社会館の3歳女児の持ち物には兵児帯が含まれており[4]、男女の違いが絶対的とはいえない。着付けの方法は神社や貸衣装によって差がありうる。

3歳の祝いの由来である髪置は、男女ともに行う儀式だった[2]。着物の違いはあっても、共通する根は一つだ。では、7歳には、帯のほかにどんな小物が加わるのか。

6. 7さいに ふえる こものには、どんな いみが あるの?

6. 7歳で加わる小物の意味

6. 7歳で加わる小物 ── しごき・箱迫・末広の由来と役目

7さいの おんなの子は、「しごき」と いう かざりの ぬのを おびの 下で むすんで たらします[3]。

「はこせこ」と いう 小さな いれものも もちます。もとは、わかい 女の人の かみいれだった そうです[3]。

「せんす」は、「すえひろがり」に さかえる ことを あらわす、えんぎのよい ものと されて います[3]。

7歳の装いには、小物がいくつか加わります。しごきは、帯の下で結んで垂らす飾りです[3]。箱迫は、もとは若い女性の紙入れで[3]、いまは七五三の小物として持ちます。

末広とも呼ばれる扇子は、末広がりに栄えることを示す縁起ものとされています[3]。

3歳の被布姿に比べて、7歳は帯まわりに小物が増え、全体が大人の装いに近づきます。では、これらの違いを自分の家の写真で見るには、どこに注目すればよいのでしょうか。

7歳の装いでは、しごきが帯の下で結んで垂らす装飾用として用いられる[3]。箱迫は元は若い女性の紙入れで[3]、七五三では小物として持つ。

扇子(末広)は、末広がりに栄えることを示す縁起ものとされる[3]。しごきや箱迫などの小物が加わることで、7歳の姿は、被布を着た3歳の姿とは全体の見え方が変わる。現在の七五三では、これらの小物が7歳の装いに加わる。では、読者が自分の目で違いを確かめるには、どこを見ればよいのか。

7. しゃしんで、おびと かみかざりを さがして みよう

7. 家の写真で、帯と髪飾りを探してみる

7. 写真で違いを読む ── 帯・上着・髪飾り・肩上げ

おうちに しちごさんの しゃしんが あれば、見て みましょう。3さいか 7さいの ときの ものを えらびます。

おびが 見えるか、そでの ない うわぎを きて いるか、かみに かざりが あるかを、さがして みます。

きものの かたの ところに、ぬい目が あるかも 見て みましょう。きものを 手に とって いいか、おうちの人に きいて からに しましょう。

家に七五三の写真があれば、3歳と7歳の写真を見比べてみてください。帯が見えるか、袖のない上着を着ているか、髪にリボンや花簪があるか。着物の肩に縫い目の線が見えるか、という点も手がかりになります。

ここで学んだ違いが、そのまま家の写真に当てはまるとは限りません。神社や貸衣装によって、着せ方は違いうるからです。違っていたら、それも一つの発見です。

もっと詳しく知りたいときは、明治神宮のよくある質問や、神社本庁の七五三のページに、日本語で説明があります。地元の神社の案内を読み比べるのもおもしろい方法です。

家に七五三の写真があれば、3歳と7歳の分を見比べるとよい。見る点は四つ、①帯が見えるか、②袖のない上着(被布・羽織)を重ねているか、③髪に飾りがあるか、④肩に縫い上げの線があるか、である。

ここで読んだ内容は、主に明治神宮・神社本庁・西宮神社会館・白山神社(新潟)・東松山市の案内に基づく。神社や貸衣装によって仕立てや構成は異なりうるので、写真と一致しない点があれば、そこが調べる出発点になる。

なお、「地域や家庭で3歳の男児が袴を着るかどうか」など、細かい慣習の違いは今回の資料の範囲外だ。さらに調べるなら、地元の神社や自治体の案内を比べるとよい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った神社・自治体の公式ページです。

  1. 明治神宮「七五三詣について教えてください」 https://www.meijijingu.or.jp/faq/?ca=4&id=4 (3歳・7歳の着物、被布、帯、肩上げの説明)
  2. 神社本庁「七五三」 https://www.jinjahoncho.or.jp/omairi/shichigosan/ (髪置・袴着・帯解の由来)
  3. 白山神社(新潟)「お着付けに必要なもの」 https://www.niigatahakusanjinja.or.jp/kaikan/753/faq/goods.html (被布、帯揚げ、しごき、箱迫、末広)
  4. 西宮神社会館「七五三」 https://jinjakaikan.com/shichigosan (持ち物、ヘアセットの目安、持ち込み衣裳の準備)
  5. 東松山市「日本の通過儀礼と着物文化」 https://www.city.higashimatsuyama.lg.jp/uploaded/attachment/4179.pdf (現在の3歳の着物)

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