このサイトは、ほんの入り口です

ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ドクハキコブラは、うごく 人の 顔に、どうやって どくを あてるの?

ドクハキコブラは、約0.2秒の反応の遅れがあるのに、なぜ動く顔に毒を当てられるのか

ドクハキコブラは、約0.2秒の反応の遅れがあるのに、なぜ動く顔に毒を当てられるのか

分野:生きもの

ドクハキコブラという ヘビは、人が 頭を ぱっと 動かしてから、へいきんで 0.2びょうほどで どくを はき始めました。まばたきより すこし 長い くらいの 時間です。

見てから 動くのでは、あいても もう 動いて います。それでも どくは 顔の ほうへ とどきます。この 記事では、ヘビが 先を 読む ことと、頭を ふって どくを まく ことが、あてる ための くふうらしいと 分かります。

ドクハキコブラの実験で、人が頭を急に動かしてから、ヘビが毒を吐き始めるまでの時間は、平均で約0.2秒でした。ところが、吐かれた毒は多くの場合、顔のあたりに届いたと報告されています。見てから狙っていたのでは、相手はもう動いているはずです。

この記事では、頭の向きが38回中35回、標的と同じ向きに動いていたという解析から、ヘビが相手の次の動きを先読みしているらしいことが分かります。あわせて、頭を振りながら毒をまいていることと、「目を狙う」という昔からの説が見直されていることも紹介します。

ドクハキコブラの実験では、標的の人が頭を急に動かしてから、ヘビが毒を吐き始めるまでが平均208ミリ秒、約0.2秒だった。研究者はこれを、ヘビが目で見て反応するのにかかる時間と解釈している。見てから向きを合わせるのでは、動く標的には間に合わないはずだ。それでも毒は顔の近くに届く。

この記事では、その遅れを先読みで埋めていること、頭を振って毒を広げていること、そして「目を狙う」という通説が顔の中心を狙う説に置きかえられつつあることが、複数の研究から分かる。

読み方を切り替えられます。画面の上にある「よみかた」のボタンで、小学校低学年むけ・小学校高学年むけ・中学生むけの3つの書き方に切り替わります。むずかしいと思ったら、いつでもやさしい方に戻ってください。選んだ読み方はブラウザが覚えているので、次に別の記事を開いたときも同じ読み方で始まります。

1. どうして 動く 顔に だけ、どくを はくの?

1. 手を動かしても吐かず、動く顔にだけ吐いた

1. 動く顔にだけ吐く:ボン大学の2005年の実験

ドクハキコブラは、あぶないと 感じると、あいての ほうへ どくを ふきかける ヘビです。でも、なんにでも はく わけでは ありません。

2005ねんの ボン大学の 研究では、人の 動く 顔には はき、動く 手や、止まった 顔には はきませんでした。実物大の 顔写真には、10ぴきの うち 2ひきだけが はんのうした、と 発表されて います。

10ぴきで 調べた ところ、ブラックネックドという しゅるいは、8わりほどで、少なくとも かたほうの 目に あてました。レッドモザンビークという しゅるいは、ぜんぶ あてた、と いわれて います。ただし すこしの ヘビでの けっかです。いつも あたる という ことでは ありません。

先に 答えを 言うと、ヘビは 先を 読んで、頭を ふりながら どくを まいて いるようです。じゅんに 見て いきましょう。

ドクハキコブラは、危険を感じると、相手の顔の方向へ毒を飛ばすヘビです。ただし、動くものなら何にでも吐くわけではありません。2005年にボン大学の研究チームが調べたところ、ヘビは動く人の顔には毒を吐き、動く手や止まった顔には吐きませんでした。実物大の顔写真には、10匹中2匹だけが反応したと報告されています[3]。

では、どのくらい当たるのでしょうか。ヘビ10匹(ブラックネックドが6匹、レッドモザンビークが4匹)を使ったこの実験について、ブラックネックドは約8割の吐きで少なくとも片方の目に当て、レッドモザンビークはすべて当てたと報道されました[3]。2010年の論文は、この研究の1回の吐きの命中を約90%と引用しています[1]。少ないヘビでの結果なので、「必ず当たる」と読むのは行きすぎです。

それでも、動く顔にだいたい当たるのは確かなようです。ここで次の問題が出てきます。人が頭を動かしてから吐き始めるまでが約0.2秒なら、見てから狙うのでは間に合いません。

ドクハキコブラは、動くものなら何にでも毒を吐くわけではない。2005年にボン大学のチームが報告した実験では、ヘビは動く人の顔には毒を吐き、動く手や止まった顔には吐かなかった。実物大の顔写真に反応したのは、10匹中2匹だけだった[3]。毒が目に入ると痛みを起こすため、この選び方は、相手を遠ざける防御として理にかなっている。

命中の割合はどうか。使われたヘビは10匹で、ブラックネックド(black-necked)が6匹、レッドモザンビーク(red Mozambique)が4匹である。報道によれば、ブラックネックドは約8割の吐きで少なくとも片方の目に当て、レッドモザンビークはすべて当てた[3]。2010年の論文はこの研究を、1回の吐きの命中が約90%と引用している[1]。ただし個体数は少なく、種によって差もある。「必ず当たる」と読むことはできない。

それでも高い割合で顔に当たるなら、疑問が残る。標的が頭を急に動かしてから、ヘビが吐き始めるまでの平均は208ミリ秒しかない。この遅れの中で、ヘビはどうやって向きを合わせているのか。

2. 見てから 動くのでは おそい。ヘビは 先を 読むの?

2. 見てから動くと間に合わない:ヘビは相手の次の動きを先読みする

2. 反応の遅れを先読みで埋める:頭は標的と同じ向きに動いた

この 研究では、人が 頭を 急に 動かしてから、ヘビが はき始めるまで、へいきんで 0.2びょうほどでした。ヘビの 目から 人までは、へいきんで 53センチ。ものさし 2本ぶん ちかくです。

研究した 人たちは、この 0.2びょうを、ヘビが 目で 見て はんのうする 時間だと 考えて います。

でも ヘビは、見た ところへ そのまま どくを むけるのでは ありません。ヘビの 頭は、人と おなじ 向きに 動きました。しらべた 38かいの うち 35かいです。ヘビは 人の 動きを 目で おい、つぎに どこへ 行くかを 読んで、どくを むけて いると 考えられて います。

たとえば、ボールを とる ときに、いま ある 場所ではなく、これから 来る 場所へ 手を のばす ことに にて います。ただし ヘビが 何を 考えて いるかまでは、分かりません。

実験は、11匹のヘビ(3種)を使い、牙から標的まで平均53cmの距離で行われました。人が標的になって頭を急に動かし、その動きを高速度カメラで記録しています。標的が動いてから吐き始めるまでの平均は208ミリ秒で、研究者はこれを、ヘビが目で見て反応するのにかかる時間と解釈しています[1]。

この時間は、頭をめがけて飛ばす毒にとっては長い遅れです。見た位置に向ければ、毒が着くころには標的は別の場所にいます。ところが、解析では、ヘビの頭は標的と同じ向きに動いたことが多く(38回中35回)、ヘビは標的を追いかけたうえで、次の動きを先読みして毒を向けていると考えられました[1]。

研究者の一人は、報道の中で「頭の動きが速くなるだけでなく、私がこれからいる場所まで予測している」という趣旨の説明をしています[2]。なお、論文自体は「何ミリ秒先を読む」とは書いておらず、「200ミリ秒先」といった言い方は報道の言いかえです。

たとえるなら、走っているボールを取るとき、いまボールがある場所ではなく、これから通る場所に手を出すのと似ています。ただしヘビがそう「考えて」いるかは分かりません。

反応の遅れは、狙いにとって致命的に見える。ヘビの牙から標的までの距離は平均53cm、標的が頭を急に動かしてから吐き始めるまでの平均は208ミリ秒だった。調べたのは3種11匹で、著者はこの時間を視覚による反応時間と解釈している[1]。毒が着くまでの時間も考えれば、見た位置にそのまま向けたのでは、標的はもう別の場所にいる。

では、なぜ外れないのか。解析の結果、ヘビの頭の角加速度は、200ミリ秒ほどの視覚の遅れを事実上打ち消す働きをしていた。主要な解析では、ヘビの頭は標的と同じ向きに動いた(38回中35回、約92%)[1]。つまりヘビは、まず標的を追跡し、その動きから次の位置を予測して向けている。研究者も報道で、頭の動きが速くなるだけでなく、標的がいく先を予測していると説明した[2]。

ここで言い切れないことがある。論文自体は「何ミリ秒先を読むか」を明記しておらず、「200ミリ秒先」という言い方は報道の言いかえである[1]。また、撮影は毎秒500コマで、100回を超える吐きを約6週間で記録したと報じられている[2]。毎秒500コマなら、0.208秒の間に約100コマが撮れる計算で、この遅れと頭の動きを細かく追うには十分な速さだったと考えられる。

3. どくを まく ために、頭を ふって いるの?

3. 吐きながら頭を振ると、毒が広がって当たりやすくなる

3. 牙が動かせないから、頭ごと振って毒をまく

ドクハキコブラの きばは、とめて あって、きばだけを 動かして むきを かえる ことは できません。どくの むきを かえるには、頭ぜんたいを 速く 動かす ひつようが あります。

高速で さつえいした えいぞうで、ヘビは 頭を とめずに、ふりながら はくと 分かりました。ホースで 水を まく ときの ように、どくが 広がって、目に あたる かくりつが 上がる と 考えられて います。

ねらいを つけるのは、一点を ねらう ことでは なく、広く まきながら あてる ことでも あるのです。

ドクハキコブラの牙は固定されていて、毒の向きを変えるには、頭全体を素早く動かさなければなりません[1]。人間なら指で水鉄砲の向きを変えられますが、ヘビにはそれができず、首から先を丸ごと動かして狙いをつけます。

ボン大学の高速度撮影では、ヘビは頭を止めたまま吐くのではなく、頭を振りながら吐いていました。ホースで水をまくように毒が広がり、目に当たる確率が上がると説明されています[3]。

つまり、ヘビの命中は「一点に合わせた精密射撃」というより、「先を読んで向きを合わせ、振りながら広げてまく」という二段構えのようです。一回ごとに完璧な位置を当てなくても、顔のあたりに広く届けば、結果として目に入りやすくなります。ただし、これは少ない個体を撮影した研究にもとづく説明です。

この動きの背景には、構造上の制約がある。ドクハキコブラの牙は固定されており、毒の流れる向きを変えるには頭全体を素早く動かす必要がある[1]。人が水鉄砲の向きを手首で変えるような微調整は、牙そのものではできない。したがって「狙う」とは、頭の動きを制御することを意味する。

高速度撮影の結果は、さらに興味深い。ヘビは頭を固定せず、振りながら毒を吐いていた。ホースで水をまくように毒が広がり、目に当たる確率が上がると、ボン大学の研究は説明している[3]。命中は、一点への精密な射撃というより、先読みで向きを合わせたうえで、振って面的に広げることで支えられている可能性が高い。

ただし、この解釈には条件がある。実験に使われたのは少数のヘビで、標的は人の頭だった。野生の動物が相手のときに同じ動きをするかどうかは、この結果だけでは分からない。

4. 本当に 目を ねらって いるの?

4. 「目を狙っている」という説は見直されている

4. 目か、顔の中心か:2013年の324回の試験

ドクハキコブラは 目を ねらう、と 言われて きました。2005ねんの 研究でも、目と 目の あいだや、かたほうの 目を ねらうと 発表されて います。

ところが 2013ねんに、おなじ ボン大学の チームが、実物大の 顔の 板で 324かい 調べると、おどろく けっかが 出ました。目の ガラスだまが あっても なくても、ヘビが はく 回数は かわりませんでした。

おなじ 大きさなら、丸や だえんの 板には はき、三角の 板には ほとんど はきませんでした。

研究者は、ヘビは 近くの 体の ぶぶんの 中心を ねらい、顔なら、ついでに かたほうの 目にも あたりやすい、と 考えました。「目を ねらう」と 言い切る せつは、見直されて きて います。

ドクハキコブラは目を狙う、とよく言われてきました。2005年の研究も、目と目の間、または片方の目を狙うと報告していました[3]。

ところが2013年、同じボン大学のチーム(ベルテ、ヴェストホフ、ブレックマン)は、実物大の顔の板を使って324回の試験を行いました。ガラス玉の目をつけても、つけなくても、配置を変えても、ヘビが吐く確率は変わりませんでした。同じ面積の板でも、丸や楕円には吐き、三角形にはほとんど吐きませんでした[4]。

著者らは、ヘビは近くにある体の部分の中心を狙っていて、顔なら、結果として片方の目に当たりやすいのだろう、と解釈しました[4]。この解釈は、研究者の間でも一致しているわけではありません。「目を狙うと考えられてきたが、近年は顔の中心を狙うという見方もある」というのが、いまの落ち着きどころです。

考えてみると、頭を振って毒を広げるしかけなら、一点の目を狙うより、顔の中心に向けるほうが無理がありません。

「ドクハキコブラは目を狙う」という通説は、2005年の実験の記述が支えてきた。ところが同じボン大学のベルテ、ヴェストホフ、ブレックマンらは、2013年に実物大の顔の板で324回の吐きを調べた。目をガラス玉で付けるかどうか、配置を変えるかどうかで、ヘビの吐く確率は変わらなかった。同じ面積でも、丸や楕円の標的には吐き、三角形にはほとんど吐かなかった[4]。

この結果から、著者らは次のように解釈した。ヘビは近くの体の部位の中心を狙っており、標的が顔なら、片目には当たりやすい。第3章で見た「頭を振って面的にまく」やり方と合わせると、目という小さな一点より、顔の中心に向けるほうが自然だ。

注意したいのは、ここが解釈の分かれる点だということである。「目を狙っていない」と言い切るのは過剰で、実際には「目を狙うという説は見直された」程度にとどめるのが妥当だ。この章の2013年の研究は紹介記事にもとづくため、324回という回数や標的の形、著者の解釈の細部は、原論文で確かめるべきである。

5. どくを まっすぐ とばす くふうは、きばの 中にも あるの?

5. 毒を前に飛ばす牙の形と、別々に進化した毒吐き

5. 牙の内部の形と毒の性質:命中を支えるしくみはどこにあるのか

きばの 中の 形も 調べられて います。ドクハキコブラの どくの 通り道は、出口の ちかくで するどく 曲がり、内がわに 0.05ミリほどの すじが あります。

56ばいの 大きな もけいと コンピューターの 計算では、すじが 流れを ととのえ、出口の 丸い 形と いっしょに、どくを 下では なく 前に とばす 手助けを すると 分かりました。1つの きばの 形での けっかです。

どくが とぶ きょりは、1.5メートルより 遠い 相手に はく ことも あり、2メートルほど とどくという 研究も あります。

べつの 研究では、どくを はく コブラと はかない コブラで、どくの ねばりなどに 大きな ちがいは ない と 分かりました。どくだけでなく、きばの 形も、どくを とばす ことに かかわって いるようです。

さらに、2021ねんの 科学ざっし Science の しょうかい記事に よると、アフリカと アジアの 3つの グループが、べつべつに、目に どくを はく 力を 進化させた と いわれます。

狙いの正確さは、頭の動きだけで決まるわけではありません。牙そのものにも工夫があります。ドクハキコブラの仲間(N. pallida)の毒の通り道は、出口の近くで鋭く曲がり、内側に最大50マイクロメートル(約0.05mm)ほどの対のすじが出っぱっています。56倍に拡大した模型と流体の計算によると、このすじが流れを整えて圧力の損失を約30%減らし、出口の円い形とともに、毒を下ではなく前に飛ばすのに役立つと示されました[5]。1つの牙の形を再現した結果なので、「すじのおかげで当たる」とは言えません。

飛ぶ距離は、2010年の論文では1.5mより遠い標的にも吐くことがあるとされ、別の研究は最大で約2mに届くとしています[1][5]。

では毒そのものが特別なのでしょうか。2021年の別の研究(13種のコブラなど)では、毒を吐くコブラと吐かないコブラの間で、毒の粘りなどの性質に大きな差はないと報告されました[6]。毒の性質だけでなく、牙の形も噴射に関わるようです。

さらに、2021年のScience論文を紹介した日本語の記事によると、アフリカとアジアの3つの系統が、それぞれ別々に、相手の目に毒を吐く性質を進化させたといいます[7]。何度も似た工夫が生まれたのなら、それだけ役に立つ形だったのかもしれません。ただし、その理由を決める証拠は、この紹介記事だけでは示されていません。

命中を支えるしくみは頭の動きだけではない。ドクハキコブラ(N. pallida)の毒腺の管は、出口の近くで鋭く曲がり、内側に最大50マイクロメートルほど出っぱった一対のすじ(隆起)を持つ。56倍に拡大した模型と流体計算の結果では、このすじが流れを整えて圧力の損失を約30%減らし、出口の円い形とともに、毒を下ではなく前へ飛ばすのに役立つと示された[5]。ただしこれは1つの牙の形を再現した模型と計算の研究であり、「すじのおかげで当たる」と断定する根拠にはならない。

毒そのものの性質はどうか。2021年のJ Exp Biol(Avellaら)は、13種のコブラとリンカルスで、吐く種と吐かない種の毒の粘りなどに大きな差がないと報告した[6]。毒の性質だけでなく、牙の形も噴射に関わるようだ。飛距離についても、2010年論文は1.5mより遠い標的への吐きを述べ、Triepらは最大2mとする[1][5]。2.5mとする紹介記事もあるが、この記事では幅のある数字として扱う。

この性質が複数回生まれたことも指摘されている。日本語の紹介記事によれば、2021年のScience論文は、アフリカとアジアの3つの系統が、それぞれ別に相手の目へ毒を吐く性質を進化させたと報告したという[7]。別々の系統で同じ働きが生まれたことは、この方法が防御に役立つことを示唆する。その理由を人類の影響とする説は仮説にとどまる。系統の分け方など細部は、原論文で確かめたい。

6. 0.2びょうを、ものさしで かんじて みよう

6. 定規で0.2秒を感じてみる

6. 0.2秒を自分で測り、原論文に当たる

きょう できる こと

2人で やって みましょう。1人が ものさしの 上の ほうを もち、もう 1人が 下で、さわらない ように 手を ひらいて まちます。ふいに はなして もらい、おちる ものさしを つかみます。つかんだ ところの 数字が、おちた 長さです。

おちた 長さが 20センチなら、はなしてから つかむまで、およそ 0.2びょうです。10センチなら 0.14びょうほど、30センチなら 0.25びょうほどです。ヘビが 見て 動き始めるまでの 時間と、くらべて みましょう。

ものさしは、人に ぶつけない ように ねらいを 下に して、あそびの 場所を えらんで ください。

しらべる とき

ヘビの 研究は えいごで 書かれて います。まずは、家や 図書館の ずかんで、どくを はく ヘビの きばが どう かかれて いるか、さがして みましょう。

今日できること

反応の速さは、定規で測れます。1人が定規の上のほうを持ち、もう1人は下で、触れないように手を開いて待ちます。合図なしに手を離してもらい、落ちる定規をつかみます。つかんだ位置の数字が、落ちた長さです。

自由落下の式から、20cm落ちれば約0.2秒、10cmなら約0.14秒、30cmなら約0.25秒と計算できます。ヘビの208ミリ秒と並べると、「見てから動く」のにどのくらいかかるのかが、手の中で分かります。定規は人に向けて振らず、下に向けて静かに離してください。

次に読むなら

家や図書館にある日本語の図鑑で、毒を吐くヘビの牙がどう描かれているかを探してみましょう。牙の根もとから先まで毒の通り道があるか、出口はどこにあるか。この記事の説明と見くらべると、図鑑の絵の見え方が変わります。

今日できること

定規を落として、つかむまでの距離から反応時間を測ってみるとよい。自由落下の式 t=√(2d/g) を使えば、20cmなら約0.2秒、10cmなら約0.14秒、30cmなら約0.25秒となる。ヘビの208ミリ秒と並べると、視覚から動作までの遅れがどの程度の長さなのか実感できる。人に向けて振らず、下に向けて離す。

資料を読むなら

一次資料は、Westhoffら(2010)のJ Exp Biol論文[1]と、Triepら(2013)のPLOS ONE論文[5]で、どちらも無料で読める。英語だが、図と図の説明を追うだけでも、頭の動きと毒の流れの要点はつかめる。日本語で試すなら、図鑑や図書館の本で毒を吐くヘビの牙の描かれ方を探し、この記事の「出口で曲がる通り道」と見くらべてみるとよい。ベルテらの2013年の研究[4]と、2021年のScience論文[7]は、原論文にあたって細部を確かめたい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。

  1. Westhoff G. et al. (2010) Target tracking during venom 'spitting' by cobras. Journal of Experimental Biology 213:1797. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2871007/ (反応時間・先読み・距離)
  2. phys.org: Spitting cobras track first, predict later. https://phys.org/news/2010-05-cobras-track.html (撮影の方法と研究者の説明)
  3. ScienceDaily / ボン大学発表(2005年). https://www.sciencedaily.com/releases/2005/02/050212194818.htm (動く顔にだけ吐く実験・命中率・頭を振る動き)
  4. Mental Floss: What Spitting Cobras Are Aiming At. https://mentalfloss.com/article/54842/what-spitting-cobras-are-aiming (2013年の324回の試験の紹介)
  5. Triep M. et al. (2013) PLoS ONE 8(5): e61548. https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0061548 (牙の出口の形と流れ)
  6. Avella I. et al. (2021) Journal of Experimental Biology(バンゴー大学の登録ページ). バンゴー大学の登録ページ (毒の性質に大きな差がないという要旨)
  7. ナゾロジー: ドクハキコブラの進化(Science 2021の紹介). https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/80267 (3つの系統で別々に進化したという紹介)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

  •  初版を公開。

このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。