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しょくぶつの めは、どこから でて くるの? ジャガイモの 「め」も ふくめて

芽は、植物のどこから出てくるのか ── 種の中、葉の付け根、ジャガイモの目

芽はどこで作られるのか ── 胚の茎頂分裂組織、葉腋の腋芽、前年に準備される冬芽、塊茎の「目」

分野:生きもの

ちいさな たねの 中には、さいしょの めが、もう 入って います。ひらいた はっぱの ねもとにも、つぎの めが ひそんで います。

では、めは どこで つくられて、いつ 出て くるの でしょう。この 記事で、たねの 中、はっぱの つけね、ふゆの えだ、ジャガイモの 「め」の ことが わかります。

豆粒より小さな種の中には、植物の最初の芽がすでに入っています。春に木の枝から出てくる芽も、春になってから作られるのではなく、前の年の夏から秋に準備されたものです。台所のジャガイモの「目」も、じつは茎の節にある芽の仲間です。

芽は、植物のどこから、いつ出てくるのでしょうか。この記事で、種の中、葉の付け根、冬の枝、そしてジャガイモの「目」で、芽のもとがどこにあるのかが分かります。

種子植物で最初にできる芽は、種子の胚の中にすでにある。しかも、春に開く木の冬芽は、前年の夏から秋に形成を終えている。芽は、いつ、どこで作られるのか。

この記事で、胚の茎頂分裂組織、葉腋の腋芽、冬芽、ジャガイモの「目」を一本の筋でつなぎ、芽のもとがどこにあるのか、そして何が確かで何が研究中かが分かる。

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1. たねの 中には、もう めが 入って いるの?

1. 最初の芽は、種の中でもう用意されている

1. 最初の芽は胚の中にある ── 幼芽と茎頂分裂組織

まめの たねを 見た ことが ありますか。かたい かわの 中に、ちいさな 木の ような ものが ねむって います。

この ねむって いる ものの 中に、いちばん さいしょの めが 入って います。「ようが」と よばれる めで、大きく なると、くきと はっぱに なります[1]。

まめのように 子葉が 二まい ある 植物では、この めは、たねが できる ときに、子葉の あいだに つくられます[2]。つまり、めは 土に まかれて から 生まれるのでは なくて、たねの 中で まって いたのです。

ただし、たねから 先に 出て くるのは、ふつう 根の ほうです[3]。めが 先に とび出す わけでは ありません。

さいしょの めの あと、つぎの めは どこに できるの でしょう。

種子植物の最初の芽は、種の中の胚にあります。「幼芽」とよばれ、育つとその植物で最初の茎と葉になります[1]。

芽の中心には、茎の先で細胞をふやし続ける「茎頂分裂組織」があります。まわりを、これから葉になる小さなふくらみや、まだ開いていない葉が取り巻いています[1]。マメのように子葉が2枚ある双子葉植物では、この茎頂分裂組織が、胚のできはじめの時期に、子葉のあいだにつくられます[2]。

種は、胚が子葉・茎の先・胚軸・根のもとなどのミニチュアの器官をつくってから、眠りについた状態のものです[1]。ですから、種をまく前から、芽のもとはもう用意されています。

よく「芽が出る」と言いますが、種から最初に動き出すのは普通は根の側です[3]。発芽の順序の細かい話は、この記事では深追いしません。

成長した植物では、葉の付け根などに新しい芽ができ、枝がいくつも出ます。その芽は、どこからできるのでしょう。

種子植物で最初にできる芽は、種子の胚にある幼芽で、成長するとその個体で最初の苗条(茎と葉)になる。以後、成長に伴って様々な位置に芽の原基ができる[1]。では、芽とは何で、その「もと」はどこにあるのか。

芽は、茎頂分裂組織(茎の成長点)と、それを取り巻く葉の原基や未展開の葉からなる[1]。被子植物の茎頂分裂組織は胚発生の初期にでき、子葉が2枚の双子葉植物では、胚性のものが2枚の子葉の間に形成される[2][4]。単子葉植物では幼芽の位置が子葉の側方になる点が異なる。種子は、胚が子葉・茎頂・胚軸・主根などの幼植物の器官をつくった段階で休眠に入ったものなので[1]、播種の時点で、最初の芽はすでに内部にそろっている。

「芽が出る」という言い方とは逆に、胚の成長は普通、幼根から始まる。例外として、イネを水中で発芽させると子葉鞘が先に伸びることがある[3]。発芽の過程そのものは別の記事で扱っているので、ここでは触れる程度にとどめる。

胚の茎頂分裂組織は、種の中で1つ用意される芽のもとだった。ところが、成長した植物では、葉の付け根などに新しい芽ができ、枝がいくつも出る。その芽は、どこからできるのか。

2. あたらしい めは、はっぱの どこに できるの?

2. 新しい芽は、ふつう葉の付け根に現れる

2. 腋芽は葉腋に限られる ── 原則と例外

おおきく なった 草や 木の えだを、よく 見て ください。はっぱが 出て いる ところの、すぐ 上の ほうに、ちいさな ふくらみが ついて いることが あります。

これが、わきめです。ふつう、わきめは はっぱの つけねの 上がわに できます[1]。この ばしょを 「ようえき」と いいます。

はっぱの ねもとは、つぎの えだが 出る じゅんびを する 場所です。そこに 新しい めの もとが でき、のびると えだに なります[2]。

なにか で えだが きずついた ときなどは、ふつうと ちがう ところから めが 出る ことも あります[2]。でも、ふだんは はっぱの つけねに できる、と ぼえて おきましょう。

では、春に ひらく 木の めは、いつ つくられる の でしょう。

茎の先にある芽(頂芽)のほかに、横に出てくる芽を側芽といいます。種子植物の側芽は、ふつう葉の付け根の上側、葉腋にできる「腋芽」です。頂芽と腋芽をまとめて「定芽」、それ以外の場所にできる芽を「不定芽」とよびます[1]。

基礎生物学研究所の解説によると、被子植物では、傷などを受けなければ、葉腋以外の場所に新しい茎頂分裂組織ができることは原則としてありません。腋芽のもとは、茎頂分裂組織と葉のやり取りによってできます[2]。枝分かれはでたらめには起こらず、葉のある場所が出番の場所になっているのです。

ただし「必ず」ではありません。傷を受けたあとに不定芽が出ることがあり、マルバマンネングサのように、葉のない所から枝が出る例も報告されています[2]。

腋芽がどうやってできるかは、研究が続けられているテーマです。胚の時期に子葉のあいだにできる茎頂分裂組織とは、別の発生の過程でつくられることも知られています[4]。

こうして葉の付け根に準備される芽のなかには、すぐには伸びないものがあります。春に開く木の芽は、いつ用意されるのでしょうか。

側芽(苗条の側面に新しく茎頂が現れてできる芽)は、種子植物では葉腋にできる腋芽が普通である。頂芽と腋芽を定芽、それ以外の位置にできる芽を不定芽とよぶ[1]。

では、芽はどこにでもできるのか。被子植物では、傷害などを受けない限り、葉腋以外に新しい茎頂分裂組織が形成されることは原則としてない。腋芽の原基は、既存の茎頂分裂組織と葉の相互作用によって形成される[2]。そのため、枝の位置は葉の位置、つまり節の位置にしばられる。

ここで「原則」と書いた点が大切だ。傷害後の不定芽があり、マルバマンネングサのように葉のない位置から枝が出る例も紹介されている[2]。芽の位置のルールには、例外を含めた幅がある。

形成のしくみにも、解明されていない面がある。日本植物生理学会の2005年年会の要旨は、胚発生で子葉間につくられる胚性の茎頂分裂組織と、葉腋にできる腋生分裂組織を別の過程として区別し、後者のしくみの解析を進めていると述べている[4]。20年以上前の要旨なので、現在の研究状況は新しい論文で確かめる必要がある。

葉腋に芽が準備されることが分かると、次の疑問が出る。春に開く芽は、春になって作られるのか。それとも、もっと前なのか。

3. 春に ひらく めは、いつ つくられるの?

3. 春の芽は、前の年の夏から秋に準備されている

3. 冬芽は晩夏から秋に形成される ── 休眠と越冬

さむい 冬の 木の えだには、ちいさな つぼみの ような ものが ついて います。これが 「ふゆめ」です[5]。

春に ひらく ふゆめは、春に なって つくられるのでは ありません。まえの 年の 夏の おわりから 秋に かけて、もう つくられて います[5]。

ふゆめは、ねむった まま 冬を こします。かたい うろこのような かわ(がりん)で つつまれて、さむさから まもられる ものも あります[5]。

春に なると、のびて、はっぱや 花に なります。ふゆめは、1年 前から じゅんびして いた 「春の 出番」だったのです。

ふゆめが できる ばしょは、えだの 先や、はっぱの つけねです[5]。さっきの 「はっぱの つけね」が、ここでも 出て きました。

では、食べものの ジャガイモの 「め」は、どこに ある めなのでしょう。

冬の木の枝を見ると、小さなふくらみがついています。冬芽です。冬芽は、夏の終わりごろから秋にかけて、枝の先や葉腋に作られます。そして休眠したまま冬を越し、春に伸びて葉や花になります[5]。つまり、春に出てくる芽は、春に生まれるのではなく、半年ほど前に準備を終えているのです。

冬芽には、うろこのような「芽鱗」で包まれるなど、寒さから守る工夫を持つものがあります[5]。

前の章の「葉腋に芽ができる」と合わせて読むと、1年の流れが見えてきます。春から夏、葉を広げた枝の付け根に芽が準備され、秋には冬を越す形に整います。冬は眠って待ち、春、準備しておいた芽が一気に伸びて新しい枝になります。春の芽吹きは、前の年の夏から秋の仕事の続きなのです。

同じ種でも、芽の中身はちがいます。冬芽には、葉になる芽、花になる芽、両方が入った芽があるといわれますが、中身の細かい分かれ方は、この記事では扱いません。

ジャガイモの「目」も、木の枝の葉腋にある芽と同じ仲間です。どこにあるのか、見てみましょう。

冬芽は、晩夏から秋に形成され、休眠・越冬して春に伸び、葉や花になる芽である。形成される場所は、茎頂または葉腋で、芽鱗(鱗片)で覆われるなど寒さから守られる構造を持つものがある[5]。

前章の「芽は葉腋にできる」と合わせると、時間の流れが見える。ある年の成長期に、枝の葉腋で芽が準備される。それが秋に冬芽として形を整え、休眠によって冬を越す。春に伸びる枝や花は、前年の成長期の産物を、冬のあいだ保存しておいたものである。春の芽吹きは、前の年の仕事の続きと見ることができる。

冬芽の中身に、葉芽・花芽・混芽の区別があることは、小学校向けの教材で紹介されている。冬芽の中身に葉芽・花芽・混芽の区別があることは、小学校向けの教材で紹介されているが、この記事では立ち入らない。

芽が「葉腋で準備され、前もって形をつくる」なら、木に限らず、茎を持つ植物全般に同じ見方ができるはずだ。その例として、台所で見かけるジャガイモの「目」を取り上げる。

4. ジャガイモの 「め」も、めの なかま なの?

4. ジャガイモの「目」も、茎の節にある芽

4. 塊茎の「目」は節にある芽 ── 匍匐枝先端の肥大と休眠

ジャガイモは、つちの 中に できます。でも、ねっこでは なくて、地下の くきの 先が ふくらんだ ものです[6][7]。

ジャガイモの ひょうめんに ある ちいさな くぼみを 「め」と いいます。ここは、くきの ふしに あたり、はっぱや えだが 出る ところです[6]。

じてんには、ひとつの 「め」の くぼみの 中に、めの もとが いくつか 入って いる、と 書いて あります。その うち、まん中の 一つだけが のびる ことが 多い とされます[6]。

ジャガイモは、とれてから しばらくは、ねむって いて、すぐには めを 出しません[6]。ねむりから さめて、あたたかさなどが ちょうど よく そろうと、めが のびて きます。

木の ふゆめも、ジャガイモの 「め」も、「ねむって まつ」ところが にて いますね。

ジャガイモのいもは、地下の茎から伸びる「ストロン」(匍匐枝)という枝の先が、太くふくらんだものです[6][7]。根ではなく茎なので、いもの表面には、葉のつく位置である節があります。

いもの表面の「目」とよばれるくぼみが、その節にあたります。辞典には、目は節の葉と枝が出る部分で、それぞれの目に数個の潜芽(眠っている芽)があり、茎の側芽に相当すると書かれています[6]。木の枝の葉腋の腋芽と、同じ役割なのです。

1つの目の中央にある主芽だけが伸びることが多いとされます[6]。残りの芽がどうなるかは、辞典の記述からは分かりません。

収穫されたジャガイモは、一定の休眠期間を過ぎてから、適した条件で芽を出します[6]。これも、冬芽が休眠して春を待つのと、よく似た姿です。

芽の出どころは、種の中、葉の付け根、冬の枝、そしてジャガイモの目。バラバラに見える場所に、一本の筋が通っています。

ジャガイモのいも(塊茎)は、地下茎から出る匍匐枝(ストロン)の先端にある12〜20個ほどの節が詰まって肥大したものである[6]。農林水産省の子ども向けの解説も、地下の茎からストロンというわき芽がのび、その先が太ったものと説明している[7]。つまり、いもは根ではなく、変形した茎である。

この見方に立つと、「目」の意味が分かる。目とよばれるくぼみは節の葉と枝が出る部分で、それぞれの目には数個の潜芽群があり、茎の側芽に相当する[6]。木の枝の葉腋にある腋芽と、位置の考え方が同じである。中央の主芽だけが発芽することが多いが、「必ず」ではない[6]。

いもは、収穫後の一定の休眠期間を経てから、適当な条件で発芽する[6]。芽を出す仕組み自体は、冬芽が休眠して春を待つのと並べて考えられる。

この「目=節の側芽」という対応は、辞典の記述に基づく。農水省の資料は、いもが茎の先の肥大であることまでを述べている。節との対応を述べる二次資料は、今回は辞典のみなので、補強として読む。

こうして、胚の茎頂、葉腋、冬芽、いもの目と並べると、芽は「茎の節に、葉とセットで準備される」という共通の線で結ばれる。では、この線を自分の目で確かめるには、何を見ればよいのか。

5. めの 出どころを、じぶんで さがして みよう

5. 冬の枝と台所のジャガイモで、芽の出どころを探す

5. 観察で確かめる ── 枝の節と、いもの目と、原典

さむい 日に、こうえんや がっこうの 木の えだを、おうちの 人と 見て みましょう。はっぱが ついて いた ところの 上に、ふくらみが あるか、さがして みます。

はっぱが まだ ついて いたら、はっぱの つけねを 見ます。春に そなえる ふゆめが、すでに ついて いる 木も あります。えだを おったり、むりに さわったり しない ように しましょう。

ジャガイモが あったら、ひょうめんの 「め」の くぼみが、どこに あるか 見て みます。まるで ばらばらに あるように見えて、ならんで いるでしょうか。

ジャガイモの めが のびて いたら、おうちの 人に 見せて ください。さわったら、手を あらいましょう。

寒い日に、公園や学校の木の枝を観察してみましょう。葉が落ちたあとなら、葉がついていた場所の上に、ふくらみが見つかるでしょうか。葉が残っている木なら、葉の付け根を見ます。枝を折ったり、むりに引っぱったりしてはいけません。

台所にジャガイモがあれば、表面の「目」の位置を見てください。ばらばらにあるのか、ある決まりで並んでいるのか。おうちの人に頼んで、2つの見方(節・葉の位置とのつながり)を話し合ってみるのもよいでしょう。

芽が出ているジャガイモは、おうちの人に見せて、扱い方を相談しましょう。さわったあとは手を洗います。

この記事では、芽の出どころを扱いました。冬芽の中身(葉・花)の分かれ方や、腋芽ができる遺伝子のしくみは、研究が続いている分野です。もっと知りたくなったら、基礎生物学研究所の植物ディクショナリーが入り口になります。

この記事の主張は、次の資料で確かめられる。幼芽と茎頂分裂組織、側芽・腋芽の定義は『日本大百科全書』「芽」、葉腋以外に茎頂分裂組織が形成されない原則(とその例外)は基礎生物学研究所の植物ディクショナリー、冬芽の形成時期は国語辞典の「冬芽」の項、ジャガイモの目と潜芽は『日本大百科全書』『世界大百科事典』「ジャガイモ」が出発点になる。

身近な観察では、冬の枝で、葉がついていた節の上に芽が見つかるかを調べるとよい。ジャガイモでは、目のくぼみの位置と並びを観察し、節の位置との関係を考える。芽の出たジャガイモは、扱い方を家の人に尋ね、さわったら手を洗う。

腋芽形成の分子的な仕組みは、2005年の要旨以後の研究を文献で調べる余地がある。それが、次に読む論文の手がかりになる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

芽の定義、腋芽の位置、冬芽の時期、ジャガイモの目は、以下の資料による。ジャガイモの「目」と節の対応は、辞典の記述に基づく。

  1. 日本大百科全書「芽」(コトバンク) https://kotobank.jp/word/%E8%8A%BD (幼芽・茎頂分裂組織・腋芽・定芽)
  2. 基礎生物学研究所 植物ディクショナリー https://www.nibb.ac.jp/plantdic/blog/?p=1261 (胚の茎頂分裂組織・葉腋の新しい茎頂)
  3. 日本大百科全書「発芽」(コトバンク) https://kotobank.jp/word/%E7%99%BA%E8%8A%BD (胚の成長は普通、幼根から)
  4. 日本植物生理学会年会要旨(2005) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspp/2005/0/2005_0_682/_article/-char/ja (胚性SAMと腋生分裂組織)
  5. デジタル大辞泉・精選版日本国語大辞典「冬芽」(コトバンク) https://kotobank.jp/word/%E5%86%AC%E8%8A%BD (冬芽の形成時期・芽鱗)
  6. 日本大百科全書・世界大百科事典「ジャガイモ」(コトバンク) https://kotobank.jp/word/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%A2 (塊茎・目・潜芽・休眠)
  7. 農林水産省 キッズ ジャガイモ https://www.maff.go.jp/j/kids/agri/zyaga/z02.html (いもはストロンの先が太ったもの)

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