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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

地下鉄は まっくらな トンネルで、どうして まよわないの?

信号機の見えないトンネルで、地下鉄はどうやって走る道を知るのか

地下鉄の位置検知と信号保安 ── 軌道回路・ATC・ATO、そして無線式(CBTC)へ

分野:技術

地下鉄の まどの そとは、まっくらです。ずっと さきに、あかや みどりの あかりが 見えるわけでも ありません。

それでも 電車は、ぶつからずに 走ります。うんてんしさんは、なにを たよりに して いるのでしょう。いっしょに しらべて みましょう。

地下鉄の窓の外は、ほとんど壁とトンネルの暗がりです。地上を走る電車のように、遠くの信号機の色を見て走るわけでもなさそうです。

それなのに、前の電車との間があきすぎることも、ぶつかることもなく走っています。レールに流れる電流、運転台の表示、自動運転、そして最近の無線まで、順に見ていきます。

地下鉄はカーブが多く、トンネルは見通しが利かないため、地上の路線より安全性の高い保安設備が求められるとされ、ATC(自動列車制御装置)が広く使われている[8]。

このメモでは、レールの電流で列車位置を知る軌道回路[1]、閉そくの考え方[2]、ATC[3]とATO[4]の役割、運転士の仕事[6]、2024年に始まった丸ノ内線の無線式制御[7]を、鉄道会社・業界団体などの資料をつき合わせてたどる。

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1. 外の しんごうき、いらないの?

1. 窓の外に信号機がない路線がある

1. 車内信号閉そく ── 線路脇に信号機を置かない方式

ふつうの 電車の 線路には、いろいろな いろの しんごうきが 立って います。うんてんしさんは、それを 見て、進んで いいか どうか きめます。

でも 地下鉄の なかには、線路の わきに しんごうきが ない ところが あるそうです[8]。かわりに、うんてんだいに 「この はやさで 走って いいよ」と いう 数字が 出ます。

トンネルは まがって いて、先が 見えにくいので、外の あかりだけでは あぶない からだ、と いわれて います[8]。ただし、ぜんぶの 地下鉄に しんごうきが ない わけでは ありません。

見通しが利かない場所だから

地下鉄はカーブが多く、トンネルの中では先が見通せません。そのため、地上の路線よりも安全性の高い保安設備が求められてきた、と説明されています[8]。

信号は運転台に出る

ATCのうち、走ってよい速度を運転台に表示する方式の路線では、線路の脇に信号機を置きません[8]。この方式を、車内信号閉そく方式といいます。

ただし、車庫での入換など、別の信号を使う場面もあるので、地下鉄の信号機がすべてなくなったわけではありません。

車内信号閉そく方式をとる路線では、線路上に信号機を置かず、運転台に速度信号を表示する[8]。地下鉄は、カーブが多く、トンネルのため見通しが利かないという特性から、地上の信号機が見えにくい区間でATCが使われるとされる[8]。

なお、この点の出典はWikipediaの記述で二次資料にあたる。また、入換や臨時の信号など、地上に信号機が残る場面もあり、「地下鉄の信号機はゼロ」とまでは言えない。以下、運転台の表示がどんな情報から作られるのかを、一次資料で追う。

2. れーるで 電車の いばしょを しる

2. レールに電流を流し、車輪がショートさせる

2. 軌道回路 ── 車軸の短絡で列車の在線を検知する

電車が どこに いるのかは、れーるが おしえて くれます。れーるの かたほうから 電気を 流して、はんたいがわに 電気を 受ける きかいを おきます。

電車が いないときは、電気が きかいに とどきます。電車が はいると、しゃりんが 左と 右の れーるを つなぎます。すると 電気は しゃりんの ほうへ にげて、きかいに とどかなく なります[1]。

水が 流れる みぞに、ふたを した ような ものです。みずが 先に 行かなく なれば、ふたが あると わかります。ただし 本当は、水では なく 電気の はなしです。

仕組みは意外に単純

軌道回路は、レールの一端から電流を流し、反対の端にリレーという装置を置いた回路です。列車がいなければ、電流はリレーに届きます。

列車が入ってくると、車輪と車軸が左右のレールをつなぎ、電流はそちらへ流れます。リレーに届く電流が途切れるので、そこに列車がいると分かります[1]。この「つながってしまうこと」を短絡、ショートといいます。

区切って、1つずつ入れる

線路は、一定の区間に区切られています。1つの区間には、1本の列車までしか入れないようにします。これを閉そくといい、列車どうしがぶつかるのを防ぐ考え方です[2]。

軌道回路は、レールの一端から電流を流し、反対側にリレーを置く構成である。列車がいない区間では電流がリレーに届く。列車が進入すると、車輪(車軸)が左右のレールを短絡し、リレーまでの電流が遮断されて、その区間に列車がいると判定される[1]。

鉄道・運輸機構の資料によれば、閉そくとは、レール絶縁などで線路を一定区間に区切り、1区間に1列車以上の進入を許さない仕組みで、列車どうしの衝突を防ぐ役割を持つ[2]。軌道回路の区間は、この閉そくの単位と結びつけて考えられる。電流の周波数や電圧などの数値は、ここでは扱わない。

3. しれいじょは ぜんぶ 見て いる

3. 各区間の状態は指令所に集まる

3. 運行表示盤 ── 区間ごとの在線情報の集約

れーるの ちいさな くぎりごとの ようすは、ひとつに あつめられます。あつめた ばしょは、しれいじょと いう へやです。

そこの 大きな ひょうじばんには、電車の いる ばしょが、その ときどきで 出るそうです[1]。トンネルの 中は 見えなくても、しれいじょでは、ぜんぶの 電車の いばしょが わかる ように なって います。

全線が一枚の表示盤に

各区間の軌道リレーの状態は、信号装置で集められ、運行指令所へ送られます。指令所の運行表示盤には、列車の位置がほぼリアルタイムで表示される、と説明されています[1]。

トンネルの中は、外から見えません。それでも、レールの上の小さな区切りひとつずつが、「今ここに列車がいる」という信号になって、全線の様子をつくっています。

各区間の軌道リレーの状態は、信号装置で集約され、運行指令所に送信される。運行表示盤には、列車位置がほぼリアルタイムで示される[1]。トンネルのように目視で全体を把握できない環境でも、列車の在線情報を区間単位で得られることが、指令所の運行管理の土台になっている。

ここまでは、列車の位置を「知る」話である。次は、その情報を運転台の速度表示へ「伝える」仕組みを見る。

4. れーるが 「この はやさで」と おしえる

4. 電流に情報をのせる ── ATCと運転台の速度表示

4. 車内信号とATC ── 軌道回路による情報伝達と自動ブレーキ

れーるを 流れる 電気は、電車が どこに いるかを しる だけでは ありません。電気に、「この はやさまで」と いう おしらせを のせて、電車に とどけて います[2]。

電車は それを 受けとって、うんてんだいに はやさを 出します。もし 走る はやさが おおきすぎたら、じどうで ブレーキが かかります[3]。この しくみを ATC(エーティーシー)と いいます。

位置だけでなく、情報も運ぶ

軌道回路は、列車の位置を知るだけでなく、情報の伝達にも使われます。レールに流す電流に情報をもたせ、列車がそれを読み取って、運転台に車内信号として示します[2]。

速度が超えたら自動でブレーキ

ATC(自動列車制御装置)は、信号の内容に応じた信号電流をレールに流し、車の側の装置がそれをとぎれなく受け取る仕組みです。走っている速度が制限を超えると、自動的にブレーキをかけて、制限速度以下に抑えます。運転台には、走れる速度が常に表示されます[3]。

軌道回路は、列車位置の検知だけでなく情報伝達にも使われる。送り出す電流に電気信号として情報をもたせ、列車側がそれを読み取って運転台に車内信号を現示する[2]。

ATC(自動列車制御装置)は、現示に対応した信号電流をレールに流し、車上装置が連続的に受信する。列車の速度が制限を超えると、自動的にブレーキを作動させて制限速度以下に抑え、運転台には走行可能な速度が常に表示される[3]。つまり、運転台の速度表示は、レールの電流を起点にした一連の仕組みの出口にあたる。

5. うんてんしさんは、なにを して いるの?

5. 自動運転でも、運転士は監視をつづける

5. ATOと運転士の役割 ── 自動運転と手動運転の維持

ATOという しくみも あります。うんてんしさんが 出はつの ボタンを おすと、電車が じぶんで 走りだし、ブレーキを かけて、きめられた ばしょに とまります[4]。

それでも、うんてんしさんは いなく なりません。ようすを 見まもって います。東京メトロでは、この 電車の うんてんしさんは、月に 二回いじょう、じぶんの 手で うんてんする きまりだと、ニュースに 書かれて います[6]。

ボタンを押すと、あとは装置が

ATO(自動列車運転装置)では、運転士が出発ボタンを押すと、加速、惰行、ブレーキ、決まった位置での停止まで、装置が自動で行います[4]。乗り降りの確認がとれないと、出発できない設計です。

日本では、ATCとATOを組み合わせた自動運転が、1976年に札幌市営地下鉄東西線で本格的に導入されたと紹介されています[5]。その後、仙台市地下鉄南北線、東京メトロ南北線、都営大江戸線などにも広がりました。

運転士は何をしているのか

自動運転の路線でも、運転士は列車の状況を見守ります。東京メトロについての記事では、ATOの路線の運転士は、月に2回以上は手動で運転するよう社内の規程で決められていて、技術を保つ工夫になっている、と紹介されています[6]。この頻度は、変わることがあります。

ATO(自動列車運転装置)は、運転士が出発ボタンを押すと、加速・惰行・ブレーキ・定位置停止までを自動で行う。乗降の確認がとれない場合は出発できないよう設計されている[4]。「運転士が不要になる」という意味ではなく、乗務員の有無や役割は路線によって異なる。

日本では、ATOとATCを組み合わせた自動運転が、1976年に札幌市営地下鉄東西線で本格導入された。その後、仙台南北線、東京メトロ南北線、都営大江戸線などで実用化されたとされる[5]。

運転士の役割について、乗りものニュースは、東京メトロのATO導入路線の運転士が月2回以上の手動運転を社内規程で定められていると伝えている[6]。現在の規程や、路線ごとの運転士の分担は、鉄道会社の公表資料で確認できる。

6. これから、れーるが いらなく なる?

6. 無線で列車の位置を伝える ── 丸ノ内線の新しい仕組み

6. CBTC ── 2024年、丸ノ内線が始めた無線式列車制御

2024年の 12月7日、東京メトロの 丸ノ内線が、あたらしい しくみで 走りはじめました。れーるの 電気では なく、むせんで 電車に 「ここまで 走れます」と つたえる やり方です[7]。

日本の 地下鉄では はじめてだと、東京メトロは 発表して います。れーるの 電気の ふぐあいで おきる おくれが へると いいなと 期待されて います[7]。

「ここまで走れる」を無線で

東京メトロ丸ノ内線は、2024年12月7日、全線27.4kmで、無線式列車制御(CBTC)の使用を始めました。地上の装置が、前を走る列車の位置などから、後ろの列車が走れる位置を計算し、無線で後続列車に伝えます[7]。東京メトロは、日本の地下鉄で初の導入だと発表しています。

軌道回路の役割は変わる?

この方式では、軌道回路に起因する輸送障害が減ることも期待されています[7]。ただし、これから実際にどこまで変わるのかは、今後の運行の様子を見る必要があります。

東京メトロ丸ノ内線は、2024年12月7日、全線27.4kmで無線式列車制御(CBTC)の使用を開始した。地上装置が先行列車の位置などから後続列車の走行可能位置を算出し、無線を介して後続列車に伝える。同社は、日本の地下鉄では初の導入としている。また、軌道回路に起因する輸送障害の減少も期待されるとしている[7]。

軌道回路が「列車がレール上にいるか」を見る方式なのに対し、CBTCは列車の位置情報を無線でやり取りする点が異なる。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

地下鉄に のったら、ホームの 黄色い せんから はなれた ところから、うんてんだいが 見える ばしょが あれば、そちらを 見て みましょう。ひょうじが 見えるか、ちがう ところに ひょうしきが あるか、さがして みます。

うんてんしさんの じゃまに ならない ように、ホームでは 黄色い せんの うしろから、見る だけに しましょう。

今日できること:地下鉄の駅で、電車が入ってくるところを観察してみてください。停止位置の目印がどこにあるか、電車がその目印のどのあたりで止まるか、気づいたことを言葉にしてみます。ホームでは、黄色い線の内側から離れて見ます。

公式情報:東京メトロや、鉄道の用語をまとめた日本民営鉄道協会の「鉄道用語事典」は、日本語で読めます。丸ノ内線のCBTCの記事は、東京メトロのニュースリリースにあります。

信号保安の基本は、鉄道・運輸機構の「信号」のページ[2]と、日本信号のFAQ[1]に日本語で書かれている。ATC・ATO・自動運転の用語は、日本民営鉄道協会の鉄道用語事典で調べられる[3][4][5]。

丸ノ内線のCBTCは、東京メトロのニュースリリース[7]が一次資料になる。運転士の分担が路線ごとにどう違うか、標識をどう使うかは、この調査では確かめきれていないので、鉄道会社の公表資料にあたるとよい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:信号機器メーカー・鉄道・運輸機構・日本民営鉄道協会・東京メトロの資料と、報道記事・Wikipediaを使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. 日本信号「どうして列車の居場所が分かるのですか?」(FAQ) https://www.signal.co.jp/products/railway/faq/faq03/ (軌道回路・運行表示盤)
  2. 鉄道・運輸機構「信号」 https://www.jrtt.go.jp/construction/technology/signal.html (閉そく・車内信号)
  3. 日本民営鉄道協会 鉄道用語事典「ATC」 https://www.mintetsu.or.jp/knowledge/term/16477.html (ATCの仕組み)
  4. 日本民営鉄道協会 鉄道用語事典「ATO」 https://www.mintetsu.or.jp/knowledge/term/16467.html (ATOの仕組み)
  5. 日本民営鉄道協会 鉄道用語事典「自動運転」 https://www.mintetsu.or.jp/knowledge/term/16375.html (日本での導入の歴史)
  6. 乗りものニュース「運転士はボタン押しのプロ?」 https://trafficnews.jp/post/57030 (ATO路線の運転士の手動運転)
  7. 東京メトロ ニュースリリース 2024年12月7日 https://www.tokyometro.jp/news/2024/219601.html (丸ノ内線のCBTC)
  8. Wikipedia「自動列車制御装置」 https://ja.wikipedia.org/wiki/自動列車制御装置 (地下鉄でATCが広い理由・信号機がない路線。二次資料)

なおした ところ

更新履歴

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