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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

トースターは、パンの ほかに、どんな ときに つかうの?

トースターは、パンのほかに、どんなときに使う道具なのか

トースターはパン以外に何を焼く道具か:ポップアップ式とオーブン型、二つの形の分かれ道

分野:技術

トースターという 名前なのに、パンを やかない 日が あります。もちを やく 人も いれば、ピザを あたためる 人も います。

ところが 世界では、もちや ピザも やける 「オーブンがた」は、10台の うち 2台ほどだと いわれます[1]。では、トースターは どうして 2つの かたちに なったのでしょう。この ページを よむと、こげた トーストから うまれた くふうと、日本で つかわれる わけが わかります。

トースターという名前なのに、パンを焼かない日があります。もちを焼く人も、ピザを温める人もいます。

ところが辞典によると、こうしたオーブン型は世界では約2割ほどで、日本を含むアジアで使われているといわれます[1]。では、なぜ同じトースターが二つの形に分かれたのでしょうか。この記事を読むと、ポップアップ式が生まれたきっかけと、熱を出す線の材料、日本で「小さなオーブン」が使われる様子が分かります。

こげたトーストへの不満から、タイマーでヒーターを切りばねでパンを押し上げるポップアップ式が考えられたと伝えられる。一方、もちやピザも焼ける家庭用のオーブン型は、辞典の記述では世界で約2割にとどまり、日本を含むアジアで用いられる形だといわれる[1]。

同じ名前の道具が、なぜ二つの形に分かれたのか。このメモを読むと、ポップアップ式の発想の出どころ、発熱線の材料とタイマーの役割、日本でオーブン型が使われる場面が分かる。「約2割」は辞典が示す概数である。

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1. トースターで やく ものは パンだけ?

1. トースターで焼くものは、パンだけではない

1. トースターはパンのほかに、もちやピザも焼く

トースターは、食パンを やいて トーストに する 電気の 道具です[1]。でも 日本の 家では、ほかの ものも いれます。

じしょには、クロワッサンや バターロールを あたためる、ピザや もちを やく、と 書いて あります[1]。パンだけの 道具では ないのです。

トースターには 2つの かたちが あります。パンが やけると 上に でてくる 「ポップアップがた」と、はこの 中に ものを いれる 「オーブンがた」です。日本では、オーブンがたを よく 見ます。

ところで、上に でてくる トースターは、だれが、なんの ために かんがえたのでしょう。その まえに、いちばん 古い トースターを 見に いきましょう。

トースターは、食パンを焼いてトーストにする電気器具です。形は大きく二つに分かれ、焼けるとパンが上にせり上がるポップアップ型と、箱の中に入れて焼くオーブン型があります[1]。

オーブン型の使い道

辞典には、オーブン型はクロワッサンやバターロールを温めたり、ピザや餅を焼いたりと、複数の使い方に対応できると書かれています。世界では約2割で、日本を含むアジアで使われているそうです[1]。つまりオーブン型は、パンを焼くだけでなく、温め直しにも使える小さなオーブンのような道具です。

「約2割」は辞典が引く概数です。それでも、日本の台所で当たり前の形が、世界ではむしろ少数派だという点は、意外に感じられます。

では、パンが上にせり上がる形は、誰が何のために考えたのでしょうか。その前に、いちばん古い電気トースターを見に行きます。

トースターは「食パンを焼いてトーストにする電気器具」で、ポップアップ型とオーブン型に分類される。前者は焼き上がるとタイマーでパンがせり上がる形式である[1]。

辞典は、オーブン型について、クロワッサンやバターロールの温め、ピザや餅を焼くことなど、複数のニーズに対応できると述べる。世界的には約2割で、日本を含むアジアで用いられるという。この割合は辞典の引用で、目安として読むのが妥当である[1]。パンの専用機というより、温め直しや調理にも使える小型オーブンとして位置づけられている。

では、パンだけを焼くポップアップ型は、どのような経緯で現れたのか。まず、電気で焼く道具の最初期を見ておく。

2. いちばん 古い トースターは どんな もの?

2. いちばん古い電気トースターは、パンを片面ずつ焼いた

2. 初期の電気トースター:むき出しの線と、ニクロムの登場

1893ねんに、クロンプトンしゃの 「エクリプス」と いう トースターが うまれました。さいしょの ひとつと される もののひとつです。むきだしの 電気の 線で、パンを かたほうずつ やきました[4]。

かたほうずつ だと、うらがえす てまが かかります。やけすぎないように、見て いなければ なりません。

1905ねんには、アルバート・マーシュさんという ぎじゅつを もつ 人が、ニッケルと クロムを まぜた ニクロムを つくりました。ニクロムは、電気で パンを やく 道具の あつく なる 線に つかわれた ざいりょうです[2]。

これで 電気で やく 道具は、かたちに なりました。でも、やきすぎは だれが とめるのでしょう。

1893年に、クロンプトン社の「エクリプス」という電気トースターが作られました。最初期の単独の電気トースターとされるものの一つです。むき出しの電熱線で、パンを片面ずつ焼きました[4]。ただし「世界初」かどうかは資料によって違うので、ここでは最初期の一つと呼んでおきます。

発熱線に使われた合金、ニクロム

片面ずつなので、パンを裏返す手間があったと考えられます。1905年、技術者のアルバート・マーシュが、ニッケルとクロムの合金(ニクロム)を考案しました。この合金は、電気トースターの発熱線に使われました[2]。

1909年には、ゼネラル・エレクトリック社のD-12が、商業的に成功した最初期のモデルとされています[4]。

電気で焼けるようにはなりましたが、焼きすぎを止めるのは、まだ人の目でした。この問題から、次の発明が生まれます。

最初期の単独の電気トースターとされるのは、1893年のクロンプトン社「エクリプス」で、むき出しの電熱線でパンを片面ずつ焼いたという。ただし「世界初」と断定する資料ばかりではないため、ここでは最初期の一つとして扱う[4]。

片面ずつ焼く構造では、裏返しが要ったと推測できる。さらに発熱線は、加熱と冷却をくり返す部品である。その材料として、1905年にアルバート・マーシュが考案したニッケルとクロムの合金(ニクロム)が、電気トースターの発熱線に使われた[2]。1909年のゼネラル・エレクトリックD-12は、商業的に成功した最初期のモデルとされる[4]。

こうして「電気で焼く」ことは成り立った。だが焼き加減を決めるのは、依然として人の目と手だった。この残った課題に答えたのが、ポップアップ式である。

3. パンが 上に でてくる しくみは だれが かんがえた?

3. こげたトーストにうんざりした人が、ポップアップ式を考えた

3. ポップアップ式の発想:タイマーでヒーターを切り、ばねで押し上げる

パンが 上に でてくる トースターは、アメリカの チャールズ・ストライトさんが かんがえたと いわれます。しょくどうで、こげた トーストが でるのに ふまんが あったから、と つたえられます[3]。

しくみは こうです。タイマーで 電気の 線を きります。そして ばねで パンを 上に おし上げます[3]。「じかんが きたら、じぶんで とまって、パンを だす」という くふうです。

いつ できたかは、しりょうで ちがいます。とっきょを だした 年、みとめられた 年、家で かえるように なった 年が、1919ねんから 1920年代なかばまで ばらばらです。ここでは、1つの 年に きめません。

家で つかう トースターが、本当に ひろがるのは、そのあとです。

ポップアップ式を作ったのは、ミネソタ州の機械工チャールズ・ストライトだと伝えられています。職場の食堂でこげたトーストが出ることに不満があって、考えついたという話です[3]。

タイマーとばねの組み合わせ

仕組みはこうです。タイマーが時間を計り、時間になるとヒーターを切ります。同時にばねがパンを押し上げます[3]。焼きすぎの判断を、人の目から機械に預けた、と言い換えられます。

ただ、年は資料によって割れていて、1919年の特許出願、1921年の特許取得、1925〜26年の家庭用の発売と、幅があります。ここでは1つの年に決めません。「こげたトーストが動機」という話も、資料によって語られ方が違うので、「伝えられている」と読むのが安全です。

では、食堂のための工夫は、どうやって家庭の台所に入ってきたのでしょうか。

ポップアップ式は、ミネソタ州の機械工チャールズ・ストライトが、職場の食堂でこげたトーストが出ることに不満を持ち、考えたと伝えられる[3]。発想の中心は、焼く時間をタイマーに預ける点にある。タイマーでヒーターを切り、ばねでパンを押し上げる構造で、焼きすぎを人が見張る必要が減った[3]。

年については、資料の記述が一致しない。特許の出願は1919年、取得は1921年、家庭用の発売は1925〜26年とする説明があり、どれか一つには絞れない。動機の話も資料によって語り方に差があり、伝承に近い扱いで読むのがよい。

この構造は、のちに温度でも制御されるようになる。1940年代の自動式では、パンの温度に反応するバイメタルのセンサーが、パンが約154℃になるとヒーターを切った[2]。水が沸騰する100℃より約54℃高い値で、食パンの表面が焦げる手前を狙った温度と考えられる(この解釈は筆者の推測である)。

職場の食堂のための工夫が、どのようにして家庭の台所へ入ったのか。

4. 家に とどくまで、どう なった?

4. 「入れたら忘れていい」という宣伝が、家庭に広めた

4. 家庭への普及:製造費を下げ、「Set It and Forget It!」で売る

1926ねんに、マックス・マクグロウさんが、トースターの かいしゃを かいました。そして つくる お金を へらして、家で つかう トースターを たくさん つくりました[3]。

うりことばは 「Set It and Forget It!」で、「セットしたら、わすれて いい」と いう 意味です。

パンを いれて タイマーを まわしたら、ほかの ことが できます。これが 家の 人に うけて、トースターは あっというまに ひろがりました[3]。

じゃあ、日本の トースターは、どんな ふうに はじまったのでしょう。

1926年、マックス・マクグロウが会社を買い、製造費を下げて、家庭用の自動ポップアップトースター(Model 1-A-1)を大量に作りました[3]。

セットしたら忘れていい

宣伝の言葉は「Set It and Forget It!」でした。意味は「セットしたら、忘れてしまっていい」です。この宣伝とともに、急速に家庭に広まりました[3]。

見張らなくていいというのは、パンを入れたあとに、別のことができるという意味です。朝の台所で、お湯をわかしながら、パンの焼け具合を気にしなくていい。この「手が離せる」ことが売りになったと読めます。ここから先は、読み手の想像も混じるので、売れた理由は断定しないでおきます。

1893年の「エクリプス」から1926年の大量生産まで、およそ33年です。電気で焼く道具が、台所で当たり前になるまでには、材料とタイマーとコストの三つがそろう必要があったようです。

では、日本の台所には、トースターはいつ入ってきたのでしょうか。

家庭用への転換点は、1926年にマックス・マクグロウが会社を買ったことだったとされる。製造費を下げ、家庭用の自動ポップアップトースター(Model 1-A-1)を大量生産した。宣伝の言葉は「Set It and Forget It!」で、急速に家庭に広がった[3]。

この宣伝は、機能そのものより「任せられること」を売っている。ポップアップ式の価値は、パンを焼くことより、焼いている間に人が別の作業をできる点にあった、と読める(ここは文脈からの解釈である)。

数字を並べると、エクリプスの1893年から1926年まで約33年(1926−1893)かかっている。材料(ニクロム)、制御(タイマーとばね)、価格(製造費の削減)がそろって初めて、台所に定着した、と整理できる。ただし33年は、資料上の最初期の電気トースターと、大量生産の年を引き算しただけの目安である。

では、この流れは日本でどう現れ、なぜオーブン型が中心になったのか。

5. 日本の トースターは なにが ちがうの?

5. 日本ではポップアップ式から入り、オーブン型が広まった

5. 日本で売られたトースターと、現在のオーブン型

日本では 1952ねんに、「ターンオーバーしき」の トースターが うられました。うらがえして やく しくみです。やく 時間が ながく、やきむらが できる ことが ありました[1]。

1956ねんには、手で おし下げる ポップアップしきが はつばい されました[1]。日本で うられた はじめの もの、とは かぎりません。

それでも 今、日本の 家では、オーブンがたを よく 見ます。ヒーターにも、くだの 中に ニクロム線を いれた ものなど、いくつか しゅるいが あるそうです[1]。

パンの ほかに、もちも ピザも いれられる、という つかいやすさは、じしょに 書いて あります。

日本では1952年に、ターンオーバー式のトースターが売られました。焼き時間が長く、焼きムラが出やすいという欠点がありました。1956年には、手動式のポップアップトースターが発売されたと、辞典は伝えています[1]。これらは「日本で売られた」例であり、国産の最初とは限りません。

それでも今はオーブン型

辞典によると、世界ではオーブン型は約2割で、日本を含むアジア地域で使われています[1]。ヒーターにも種類があり、管の中にニクロム線を通した石英管ヒーターや、カーボンヒーター、遠赤外線ヒーターなどがあるとされます[1]。1905年のニクロムは、形を変えながら、今も熱の源の候補として残っています。

パンのほかに餅やピザも入れられるという使いやすさは、辞典に書かれています。

では、自分の家のトースターは、どちらの形で、何ができると書いてあるのでしょうか。

日本では1952年にターンオーバー式のトースターが販売された。裏返して焼く方式で、焼き時間が長く焼きムラが出る欠点があったという。1956年には手動式のポップアップトースターが日本で発売された。いずれも辞典の記述で、国産の最初とは限らない[1]。

ところが現在、日本ではオーブン型が使われる場面が多い。辞典は、世界のオーブン型を約2割とし、日本を含むアジアで用いられると述べる[1]。そしてオーブン型は、食パン以外にクロワッサンの温め、ピザ、餅など複数の用途に対応する[1]。発熱部にも種類があり、管の中にニクロム線を入れた石英管式、被覆式、ランプ式などが存在する[1]。1905年のニクロム線の発想は、形を変えて今も使われているといえる。

日本でオーブン型が多く使われる理由や、オーブントースターの登場時期は、ここでは年を挙げない。家の説明書やメーカーの沿革で調べる余地が残る。

では、手元のトースターで、いま何ができるだろうか。

6. うちの トースターに、なにが できるか 書いて ある?

6. 家のトースターの説明書を開き、数も計算してみる

6. 説明書で用途を数え、温度の差を検算する

おうちの 人と いっしょに、トースターの せつめいしょを ひらいて みましょう。「ごはんや もち」「ピザ」「あたため」など、できると 書いて ある ことを かぞえます。

つかうときは、そばを はなれない こと。さわる まえに、電気を ぬいて、ちゃんと さめるのを まちます。中の パンくずは、さめてから おとなと いっしょに とりましょう。

もうひとつ。ニクロムの ざいりょうは 1905ねん、ストライトさんの ポップアップしきは 1920年ごろ。どちらが 先か、年を ならべて 見て みてね。

家のトースターで、観察と計算を一つずつ試せます。

説明書の「できること」を数える

大人と一緒に、トースターの取扱説明書を開きます。食パン、餅、ピザ、温め直しなど、できると書いてあることを数え、本記事の辞典の使い道と比べます。何ができないと書いてあるかも、見てみると面白いです。

使うときは、そばを離れないこと、庫内が冷めてからパンくずを取ることなど、説明書の注意を守ります。電気を扱うので、無理をしないようにします。

数字の検算

パンの温度の目安は約154℃、水が沸騰するのは100℃で、差は54℃です。1926−1893は33年、つまりエクリプスから大量生産までの目安の年数です。電卓で確かめ、どちらも資料の最初期の年を引き算しただけの目安だと、自分の言葉で説明してみてください。

説明書に書いてある温め方を一つ選び、書いてあるとおりの時間と置き方で、大人と一緒に試してみるのもよいでしょう。

観察と検算が、一つずつできる。

観察:大人と一緒に、トースターの取扱説明書で、用途の記載を数える。食パン、餅、ピザ、温め直しが書かれているかを調べ、本稿で見た辞典の記述(オーブン型の複数用途)と比較できる。同時に、使用中は離れない、庫内が冷めてからパンくずを取るといった説明書の注意も読む。電気器具なので、無理はしない。

検算:パンの温度154℃と水の沸点100℃の差は54℃。エクリプス(1893年)から大量生産の1926年までは33年。どちらも資料の数字から機械的に出した目安で、動機や効果の証拠ではない点を区別する。ポップアップ式の年は1919・1921・1925〜26年と資料で幅があるので、並べて書き出し、どの出来事に当たるか整理してみる。

説明書に温め方の例が載っていれば、一つ選び、書いてあるとおりの時間と置き方で試し、焼き上がりを記録するのもよい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文は、ここにある資料の内容を自分の言葉で言いかえたものです。年号や「約2割」は資料によって幅や不確かさがあり、本文中で断っています。

  1. ウェブリオ「トースター」(辞典) https://www.weblio.jp/content/Toaster (二つの形・日本の発売・使い道)
  2. Encyclopedia.com "Toaster" https://www.encyclopedia.com/manufacturing/news-wires-white-papers-and-books/toaster (ニクロム・温度センサー)
  3. American Heritage "Electric Toaster" https://americanheritage.com/electric-toaster (ポップアップ式の発想・家庭への普及)
  4. Wikipedia "Toaster" https://en.wikipedia.org/wiki/Toaster (最初期の電気トースター)

なおした ところ

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