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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

でんちゅうの 線は、どうして あんなに たくさん あるの?

電柱の線は、どんな順番で何を運んでいるのか ── 6600Vを変圧器で100Vに下げて、家へ送る

電柱の上の配電線と通信線 ── 高圧6600Vを柱上変圧器で100/200Vに下げて家へ送る仕組みと、線の並び

分野:技術

おうちの コンセントの 電気は、100ボルトです。でも、おなじ でんちゅうの 上の ほうには、その 66ばいの 電気を はこぶ 線が あります。

どうして、ちがう 電気の 線が、ひとつの はしらに いっしょに あるのでしょう。線の ならび方と、でんちゅうに ある ふしぎな 道具を、のぞいて みます。そうすると、おうちへ 電気が とどく みちが 分かります。

家のコンセントの電圧は100Vですが、同じ電柱の上のほうには、その約66倍の6600Vの電気を運ぶ線が通っています(6600÷100の計算)。電柱は、電圧のちがう線を何本も、1本の柱に同居させているのです。

なぜ、そんな危なそうな並び方をしているのでしょうか。線の高さの順番と、柱の途中にある変圧器、線が切れても落ちないようにする工夫、番号札の読み方から、電柱の線が分かります。

家庭のコンセントは100Vだが、同じ電柱の上部には、その66倍にあたる6600Vの高圧配電線が通る(6600÷100)。電圧のちがう線が1本の柱を共有し、しかも決まった高さの順に並ぶのはなぜか。

電力会社の資料と、電気設備の技術基準を扱った解説から、線の並びの理由、柱上変圧器の役割、落線防止などの工夫、番号札による持ち主の見分け方まで、一本の線として分かる。

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1. 上の 線と 下の 線は、なにが ちがうの?

1. 見上げると、線は高さで役目が分かれている

1. 電柱では、高圧線・低圧線・通信線が高さで分かれている

でんちゅうを 見上げて みましょう。上の ほうに 線が 3本、その すこし 下に また 3本 あります[1]。

上の 3本は、6600ボルトの 電気を はこびます。下の 3本は、おうちで つかう 100ボルトや 200ボルトの 電気を はこびます[1]。いちばん 下には、でんわや インターネットの 線が ある ことが 多いと いわれます[8]。

つまり、線は 高さで なかま分け されています。ただし、ぜんぶの でんちゅうが おなじ ならびでは ありません。

電柱を見上げると、高い位置に主に横並びで3本、それより低い位置に主に縦並びで3本の線が見えます。関西電力送配電の説明では、上の3本は6600Vの電気を運ぶ高圧配電線で、下の3本は100Vと200Vの電気を運ぶ低圧配電線です[1]。

電柱のてっぺんから順に、架空地線(あれば)、特別高圧線、高圧線、低圧線、通信線と並ぶことが多いともいわれます[8]。通信線は、地上から5〜6mほどにあるとされます。

ただし、これは「主に」「多い」並びです。特別高圧の22,000Vの線は、ない電柱もあります[3]。高さや本数は、地域や事業者によってもちがいます。

関西電力送配電の資料によれば、電柱の高い位置には主に横並びで3本の高圧配電線(6600V)、それより低い位置には主に縦並びで3本の低圧配電線(100Vと200V)が通る[1]。6600÷100=66で、同じ電柱の上下で電圧は約66倍ちがう。

さらに上下の順は、二次資料の整理では、架空地線、特別高圧線、高圧線(6,600V)、低圧線(100/200V)、通信線の順に架線されることが多い[8]。通信線など弱電線は地上5〜6m程度とされるが、実際の高さは地域・事業者で異なり、関西の共架基準にも5.5〜6.7mなど複数の値がある。

これは「主に」の話で、すべての電柱が同じではない。特別高圧線(22,000V)は、電柱によっては存在しない[3]。では、この順番は、だれが決めているのか。

2. 高さの ならびは、きまりが あるの?

2. 高さの順番には、決まりがある

2. 同じ電柱では、低圧線を高圧線の下に、電線を通信線の上に取り付ける

じつは、きまりが あります。おなじ はしらに 高い 電圧でんあつの 線と ひくい 電圧でんあつの 線を つける ときは、ひくい ほうを 下に します[6]。

電気の 線と、でんわの 線を つける ときも、電気の 線を 上に します[7]。線を のせる うでの ような 金ぐも、べつべつの ものを 使います。

なぜ ひくい ほうを 下に するのかは、ここで しょうかいした しりょうからは 分かりません。

電気設備技術基準の解釈には、低圧の架空電線と高圧の架空電線を同じ支持物に取り付けるときの定めがあります。低圧を高圧の下にし、別々の腕金(線をのせる金具)に取り付け、離す距離は0.5m以上(高圧にケーブルを使うなら0.3m以上)とされています[6]。

電線と通信用の弱電流電線を同じ柱に取り付けるときも、電線を上にし、別々の腕金に取り付けます。離す距離は条件で大きく変わり、たとえば高圧のケーブルで0.3m〜1.5mなどと表で決まっています[7]。

なぜ低圧を下にするのかは、ここで紹介した資料からは分かりません。

電気設備技術基準の解釈には、低圧架空電線と高圧架空電線を同じ支持物に施設するときの規定がある。低圧を高圧の下にし、別個の腕金類に施設し、離隔は0.5m以上(高圧にケーブルを使う場合は0.3m以上)とする[6]。かど柱・分岐柱などで混触のおそれがないよう施設する場合は、この限りでないとされる。

通信用の弱電流電線との共架にも、電線を弱電流電線の上にし、別個の腕金類に施設するという規定があり、離隔は条件によって表の値以上となる[7]。このため、柱の上から「高圧、低圧、通信」の順に並ぶのは、偶然ではなく規定の結果と読める。

条文は試験解説サイトの引用で読んだもので、原文は経済産業省の「電気設備の技術基準の解釈」にある。では、6600Vの電気は、どこで家庭用の100Vになるのか。

3. 6600ボルトは、どこで 100ボルトに なるの?

3. 電柱の途中で、6600Vを100Vに下げている

3. 柱上変圧器 ── 2つのコイルで電圧を下げる

でんちゅうの 中ほどに、「へんあつき」と いう そうちが ついて います[1]。ここで、6600ボルトの 電気を、100ボルトや 200ボルトに 下げます。

中には、てつの わっかと、コイルが 2つ 入っています。コイルの まき数が ちがう ことで、電圧でんあつが かわります[2]。

ただし、電気の 力は かわらないと 考えると、電圧でんあつを 下げた ぶん、電線を 流れる 電気は 大きく なります。これは、むだを 考えない、りそうの 計算の はなしです。

柱の途中に取り付けられているのが柱上変圧器で、6600Vの高圧の電気を100Vまたは200Vに変えます[1]。中部電力の説明では、中に鉄心と2つのコイルがあり、巻き数の多い高圧コイルと巻き数の少ない低圧コイルの電磁誘導で電圧を変えます[2]。

電力が変わらないとすれば、電圧を下げると電流は大きくなります。6600Vから100Vへ66分の1にすれば、理想では電流が66倍です。ただし、これは損失を無視した理想化した計算で、実際の値は損失などで異なります。

変圧器は、高圧の幹線から分かれた線を引き、適当な間隔で設置されます。そこから、家などへ電気が届けられます[4]。

6600Vを100Vまたは200Vにするのが柱上変圧器だ[1]。中部電力の資料によれば、変圧器内部の鉄心に、巻き数の多い高圧コイルと少ない低圧コイルがあり、電磁誘導で電圧が変わる[2]。

電力=電圧×電流が変わらない理想化した場合、電圧を下げると電流は大きくなる。6600V→100Vなら電圧は66分の1で、電流は損失を無視した理想計算では66倍だ。実際の値は損失などで異なる[2]。

配電の流れは、高圧の幹線から枝分かれした線が延び、ところどころに置かれた変圧器を経て、引込線で各需要家へ届くというものだ[4]。つまり6600Vの線は幹線の役目を持ち、低圧に下げるのは家に近い電柱の上で行う。では、下げた電気は、どのように家へ入るのか。

4. 家に 入る 線は、何本?

4. 家に入る線は3本で、100Vと200Vが取り出せる

4. 引込線と単相3線式

へんあつきで 下げた 電気は、線で おうちへ はこばれます。おうちに 入る 線は、ふつう 3本です[5]。

この 3本で、100ボルトと 200ボルトの 両方が 取り出せます。コンセントは 100ボルト、エアコンなどは 200ボルトの ものも あります。

ただし、電柱に ある 下の 3本の 線の すべてが、この 形だと いうわけでは ありません。

一般の住宅では、電力会社が100Vと200Vに変圧した形で受電する「低圧引込み」が通常です[5]。単相3線式という方式では、電線3本で100Vと200Vの両方が取り出せます。ほとんどの住宅・店舗・ビルで、電灯とコンセントの回路の電源に使われています。

電柱の低圧線が3本あるのも、これと結びつけて考えたくなります。ただし、動力用に別の線を使う場合もあり、電柱の3本がすべて単相3線式とは言い切れません。

電柱の上の「高圧6600V → 変圧器 → 低圧100/200V → 家」という流れが、これでつながりました。

一般の住宅では低圧引込みが通常で、電力会社が100/200Vに変圧した形で受電する[5]。単相3線式は電線3本で100Vと200Vを取り出せ、ほとんどの住宅・店舗・ビルの電灯・コンセント回路の電源に使われる。

電柱の低圧線3本を、この単相3線式と同じものとみなしたくなるが、動力用の線が別に使われる場合もある。資料はそこまで対応づけていないので、「同じ形である」とは言い切れない。

流れとして整理すると、高圧幹線(6600V)→柱上変圧器→低圧線・引込線(100/200V)→家庭内となる。電気の運び方は分かった。では、雷や断線といった異常が起きたとき、柱はどう守っているのか。

5. 電線が 切れても 地面に 落ちない ひみつ

5. 避雷針やひもまである、電柱の「守る工夫」

5. 架空地線・がいし・カットアウト・落線防止機材

電柱の てっぺんには、かみなりから 守る 線が あります。ひらいしんの やくめを します[1]。

線を 柱に とめる ところには、「がいし」が あります。電線の 電気が 柱へ 流れないように する ものです[1]。

そして、3本の 線を、10メートルくらい おきに ひもの ような ものでつなぐ 道具が あります。1本が 切れても、ほかの 2本が ささえて、地面まで 落ちにくく します[1]。

電柱のてっぺんには架空地線があり、避雷針の役割をします。電線から柱へ電気が流れないようにするのが、がいしです。変圧器の近くにある高圧カットアウトは、雷などの異常な電流が流れたとき、変圧器を切り離して守ります[1]。

電線にも工夫があります。3本の電線を約10mおきにひものようなものでつなぐ「落線防止機材」です。1本が切れても、ほかの電線が支えて、切れた線が地面まで落ちないようにするためのものです[1]。

見慣れた電柱の線の途中にある、ひものようなものには、こういう役目があります。

関西電力送配電の資料は、電柱の設備として、てっぺんの架空地線(避雷針の役割)、電線から電柱に電気が流れないようにするがいし(碍子)、雷などの異常電流のとき変圧器を切り離す高圧カットアウトを挙げる[1]。

電線どうしの間隔では、3本の電線を約10mおきにひもで連結する落線防止機材があり、1本が切れても他の電線が支えて、切れた電線が地面まで落ちないようにする[1]。ここまでの装置は、雷や断線という、起きてほしくない場面の被害を小さくする設計である。

この資料の範囲では、各装置が「どの程度の異常まで対応できるのか」の数値は示されていない。電柱の上の設備が、通常は気づかれにくい形で仕事をしていると読める。では、柱に付いている札は、何を伝えているのか。

6. 電柱の 番号の ふだで、持ち主が 分かる?

6. 番号札を見ると、電柱の持ち主が見分けられる

6. 電力柱・電信柱・共用柱 ── 番号札の読み方

でんちゅうには、ばんごうの ふだが ついて います。ふだを 見ると、どんな 線が ある はしらか 分かります[1]。

電気の 線の はしら、でんわの 線の はしら、そして 両方の 線を のせた「きょうよう」の はしら。ふだが 2まい ついて いるのが、両方の はしらです。

かんさいでは、ふだが 上に ある 会社が、その はしらの 持ち主と されて います。ただし、場所に よっては、上下が ぎゃくの ところも あります。

電柱の番号札で、電力柱(電線)、電信柱(通信線)、共用柱(両方)が見分けられます。共用柱は番号札が2枚ついていて、関西では原則として、札が上にある会社が持ち主です[1]。

ただし、これは関西の例です。地域によっては、上下が逆のところもあります。

同じ電柱に複数の企業の設備を付けることを「共架」と呼びます。道路に電柱が何本も立つのを避けるために、共架柱が建てられるとされます[8]。

関西電力送配電の資料によれば、電柱の番号札で電力柱(電線)・電信柱(通信線)・共用柱(両方)が区別でき、共用柱では札が2枚つき、原則として上にある会社が持ち主である[1]。この上下は関西の例で、地域によっては逆の取り扱いをする場合がある。

共架は、同じ電柱に複数の企業の設備を架線すること(読みは「きょうか」「きょうが」の両方がある)で、道路に電柱が林立するのを避けるために共架柱が建てられるとされる[8]。

ここまでをつなぐと、電力線と通信線が同じ柱に収まるのは、規定上の離隔と上下の順番を守ったうえでの共用だと分かる。だが、この共用の柱そのものを減らそうという動きもある。

7. でんちゅうを 見に 行って みよう

7. 電柱をなくす無電柱化では、線は地下に、変圧器は地上に置かれる

7. 無電柱化では、線は地下に、変圧の機器は地上に置かれる

こんど、でんちゅうを 見つけたら、番号の ふだを 見て みましょう。ふだが 2まい あれば、でんきと つうしんの 両方が つかう はしらです。

日本中には、でんちゅうが 3600まん本ほど あります。2022年の 国の はっぴょうでは、まいとし 数まん本ずつ ふえて いると されました[9]。

いま、道の 下へ 線を うめて、でんちゅうを なくす とりくみも すすんで います[10]。線を うめると、電圧でんあつを 下げる きかいは 地面の 上に おかれます。

見る ときは、車や 自てん車に 気を つけて、道の はしで 立ち止まって ください。線や 柱に さわっては いけません。

国土交通省の2022年4月の発表では、当時、全国に約3,600万本の電柱があり、毎年数万本単位で増え続けているとされました[9]。一方で、道路の地下に電力線や通信線をまとめて収容する電線共同溝などで、道路から電柱をなくす無電柱化が進められています[10]。

地下に線を移すと、高圧を低圧に変える機器は地上に置かれます。地下の線と地上の機器で、電気を家まで届ける形です[10]。電柱が消える街でも、高圧を低圧に変える仕事は、路上の機器が受け持ちます。

次に電柱を見かけたら、見上げて線の本数と高さを数え、番号札が何枚あるかを確かめてみてください。札が2枚なら、電力と通信の両方が使う共用柱です。道路の端で立ち止まり、車に注意して、線や柱には触れないでください。

国土交通省は2022年4月20日の発表で、当時、全国に約3,600万本の電柱が存在し、毎年数万本単位で増え続けていると述べた[9]。無電柱化は、電線共同溝などで電力線・通信線を道路の地下にまとめて収容し、道路から電柱をなくすことを指す[10]。

地下化すると、高圧を低圧に変える地上変圧器が必要になり、地下の線と地上の機器で電気を届ける形になる[10]。柱の上の「高さによる仲間分け」が、地下では「ケーブルの共同収容と地上機器」という別の形で現れる。

観察では、道路の端で安全を確保し、線の本数・高さ・番号札の枚数を確かめる。札が2枚なら共用柱で、関西では上の札の会社が持ち主とされるが、地域差がある。線や柱に触れてはならない。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:電力会社・通信会社などの公式の説明と、電気設備の技術基準を解説したサイト、電気用語の解説を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. 関西電力送配電 おくりんの電気教室「配電について」。https://www.kansai-td.co.jp/corporate/learning-with-okurin/about-power-distribution.html (高圧・低圧の線、変圧器、落線防止機材、番号札について)
  2. 中部電力「架空配電 配電のしくみ」。https://www.chuden.co.jp/energy/ene_about/electric/kids_denki/home/hom_kaku/ (変圧器のしくみについて)
  3. エネルギア・ネットワーク「配電設備」。https://www.energia.co.jp/nw/safety/facility/haiden.html (配電線の電圧の種類について)
  4. パナソニック テラス電気用語辞典「柱上変圧器」。https://www2.panasonic.biz/jp/terasu/skill/dictionary/pole-mounted.html (変圧器から家への配電の流れについて。二次資料)
  5. パナソニック「配線方式」。https://www2.panasonic.biz/jp/basics/electric/electricity/wiring-systems/ (住宅への引込みと単相3線式について。二次資料)
  6. 電験王「低高圧架空電線等の併架」(電気設備技術基準の解釈を引用した問題)。https://denken-ou.com/houkir4-2-5/ (低圧線と高圧線を同じ柱に付ける決まりについて。二次資料)
  7. 電験3種 法規Wiki「第81条 低高圧架空電線と架空弱電流電線等との共架」。https://kfurufuru.github.io/denken-wiki/articles/kaishaku/81/ (電線と通信線を同じ柱に付ける決まりについて。個人サイトの要約)
  8. 電工マスター「電柱にある電線の種類」。https://denko-master.com/2025/03/13/electric-poles-wires-types/ (線の上下の並びと共架について。二次資料)
  9. 国土交通省 報道発表(令和4年4月20日)。https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_001555.html (電柱の本数について)
  10. 国土交通省 関東地方整備局 無電柱化に関する用語集/電線共同溝の設備。https://www.ktr.mlit.go.jp/road/shihon/road_shihon00000113.html (無電柱化と地上変圧器について)

なおした ところ

更新履歴

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