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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

先輩せんぱいって、どんな 人の ことなの?

先輩は、年上の人のことなのでしょうか ── 「輩」の字と、英語になった senpai

「先輩」は年上の人を指すのか ── 入った順という基準、辞典の語釈、「輩」の字、借用語 senpai

分野:歴史・文化

60さいの 人が、25さいの 人の 後輩こうはいに なることが、あります。 先輩せんぱいは、年が 上の 人の ことでは なく、先に 入った 人の ことだからです。

では、どうして 先に 入っただけで、先輩せんぱいと よぶのでしょう。 先輩せんぱいの 「輩はい」と いう 字には、むかしの 車の 列を 表すと いう 古い 説明せつめいが あります。 この 記事を 読むと、先輩せんぱいの きまり方と、字の ひみつと、英語えいごに なった 先輩せんぱいが 分かります。

ある会社に60歳の人が入り、3年前から働いている25歳の人に仕事を教わる。そんな場面では、年下の人が先輩で、年上の人が後輩になります。先輩・後輩を決めるのは、年齢より、その場所に入った順だからです[4]。

では、なぜ「先に入った人」を先輩と呼ぶのでしょうか。「輩」の字には、古い中国の車の列を表すという古い字書の説明があります。この記事を読むと、先輩・後輩の決まり方、辞典が挙げる意味の幅、「輩」の字の古い説明、そして英語になった senpai の使われ方が分かります。

先輩・後輩の関係は、年齢よりも、学校・会社・部などに入った順で決まるという。年上でも、後から入れば後輩になる[4]。ところが国語辞典は、先輩を「年齢や経験が上の人」とも説明する[1]。

では、先輩は年上の人なのか、先に入った人なのか。この記事を読むと、辞典の語釈の並び方、「輩」の字の古い説明、先輩を使った言い回しの気持ち、英語に入った senpai の使われ方が分かる。

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1. 年上なのに、後輩こうはいに なる ことが あるの?

1. 年上でも後輩になる ── 先輩を決めるのは「入った順」

1. 年齢より入った順 ── 年上の後輩は、なぜ成り立つのか

たとえば、ある 会社に、60さいの 人が 入ったと します。 同じ 部屋には、3年まえから 働はたらいている 25さいの 人が います。 この 場合、25さいの 人が 先輩せんぱい、60さいの 人が 後輩こうはいに なります。

英語えいごで 日本の ことばを 説明せつめいする サイト、トーフグは、先輩せんぱいと 後輩こうはいは、年れいより、学校や 会社、クラブなどに 入った 順じゅんで 決まる、と 説明せつめいして います[4]。 同じ 日に 会社に 入った 人は、年が ちがっても 「どうき」です。

学校では、同じ 学年の 人は、同じ ころに 入ったので、だいたい 同じ 年です。 だから 「先輩せんぱいは 年上」と 思いやすいのかも しれません。

「先に 入った 人」と いうのは、国語の 辞典じてんにも、のって いるのでしょうか。

たとえば、ある会社に60歳の人が入ったとします。同じ部署には、3年前から働いている25歳の人がいます。この場合、25歳の人が先輩で、60歳の人が後輩になります。

英語で日本語を解説するサイト Tofugu は、先輩・後輩の立場は、主に学校・会社・部活動などに入った時期で決まり、年齢はそれほど重要ではないと説明しています。年上でも後から入れば後輩になり、同じ時期に入った会社の同期は、年齢に関係なく同期です[4]。

学校では、同じ学年の人は同じころに入学し、年齢もほぼそろっています。そのため、年齢と入った順が重なって見え、「先輩は年上の人」という印象ができやすいのかもしれません。

ここまでが、先輩の決まり方の答えです。では、国語辞典は、この「先に入った人」という意味を、どう載せているのでしょうか。

仮に、ある会社に60歳の人が途中から入り、同じ部署に3年前から勤める25歳の人がいるとする。このとき先輩は25歳の人で、60歳の人は後輩として扱われる。英語で日本語を解説するサイト Tofugu は、先輩・後輩の立場を決めるのは主に学校・会社・部などに入った時期で、年齢の比重は小さいと述べ、年上でも後から入れば後輩になる、同時に入った会社の同期は年齢にかかわらず同期だ、と説明する[4]。

それでも「先輩は年上」という印象が強いのは、学校という場がそうだからだと考えられる。同じ学年の生徒は同じ年に入学し、年齢もほぼそろうため、入った順と年齢がほとんど重なって見えるのだ。ただし、これは資料が述べる理由ではなく、書き手の推測にとどまる。

基準が「入った順」だとすれば、国語辞典はその意味を載せているはずだ。では、辞典は先輩の意味をどう並べているのか。

2. 辞典じてんには、先輩せんぱいは どう 書いて あるの?

2. 辞典は先輩を「年上」と「先に入った人」の両方で説明する

2. 辞典の語釈の並び ── 「経験が上」から「先に入った」まで、そして用例の古さ

国語の 辞典じてんの 「デジタル大辞泉だいじせん」には、先輩せんぱいの 意味が 二つ のって います。 一つは、年れい、地位ちい、けいけん、学問、わざなどで、自分より 上の 人。 もう 一つは、同じ 学校や 職場しょくばに 先に 入った 人です。 反対の ことばは、後輩こうはいです[1]。

つまり、「年上の 人」も、まちがいでは ありません。 でも、「先に 入った 人」も、れっきとした 意味です。

「日本国語大辞典じてん」には、先に 学校を 出た 人や、先に 同じ 職場しょくばで はたらいた 人の 使い方の 例れいとして、1892年に 出た 物語が あげられて います[1]。 中国の むかしの 詩にも 「先輩せんぱい」と いう 言葉が 出て きます[1]。 ただし、その ころの 先輩せんぱいが、今の 学校の 先輩せんぱいと 同じ 意味だったかは、わかりません。

では、先輩せんぱいの 「輩はい」と いう 字は、もともと、どんな 字なのでしょう。

デジタル大辞泉は、先輩を二つの意味で載せています。一つは、年齢・地位・経験・学問・技芸などで自分より上の人。もう一つは、同じ学校や職場に先に入った人です。対義語は後輩です[1]。

「年上」も「先に入った人」も、どちらも辞典に載る正式な意味です。前の章の会社の例は、後者の意味で先輩を使っていることになります。

精選版日本国語大辞典は、先輩の意味を三つ並べています。学問・技芸・経験・年齢・地位が上の人、前任者、同じ学校を先に卒業した人や同じ職場に先に勤めた人、の順です。三つ目の例として挙げるのは、巌谷小波の小説『暑中休暇』(1892年)で、先輩の世話焼きの場面が書かれています[1]。

古い用例もあります。同じ辞典が挙げる「先輩」の用例のうち最も古いのは、平安時代末の1162〜64年ごろの漢詩集『本朝無題詩』です[1]。辞典の引用例が最古とは限らないので、「この辞典が挙げる最も古い例」と受け取るのが安全です。また、1892年は例であって、語の誕生年ではありません。

では、先輩の「輩」の字は、もともと何を表していたのでしょうか。

デジタル大辞泉は先輩を、年齢・地位・経験・学問・技芸などで自分より上の人、および同じ学校や職場に先に入った人の二義で載せ、対義語を後輩とする[1]。前章で見た「入った順」は、辞典にとっても独立した意味の一つである。

精選版日本国語大辞典は、さらに細かい。学問・技芸・経験・年齢・地位が上の人、前任者、同じ学校を先に卒業した人・同じ職場に先に勤めた人の三義を、この順に並べる。三義目の用例は、巌谷小波『暑中休暇』(1892年)の「入江は先輩(センパイ)丈に何くれと世話を焼き」である[1]。ここから、「入った順」の意味は、辞典の中では3番目の位置にあることが分かる。

古い用例も挙がっている。同辞典が先輩の用例として最初に引くのは『本朝無題詩』(1162〜64年ごろ)で、1186年の『宮寺縁事抄』には前任者の意味の例が、1678年の『色道大鏡』には読みを「センハイ」とする例が見える[1]。1892年の用例は、その約730年後にあたる。ただし、これらはいずれも辞典が選んだ引用であり、最古の使用例だと断定はできない。また、1892年は辞典が挙げる例であって、この意味が生まれた年ではない。

この語は、中国の古典にもある。普及版字通は、唐の詩人劉禹錫の詩に「先輩を軽んず」という例があるとし、意味を「年齢・地位の上位の人」とする[1]。先輩は中国の古典にも用例がある漢語と考えられるが、唐の時代の先輩が学校で先に入った人を指したとまでは言えない。では、語の後半の「輩」は、そもそも何を表す字なのか。

3. 「輩はい」の 字に、車の 列が かくれて いるって、ほんとう?

3. 「輩」の字には、軍の車の列を表すという古い説明がある

3. 「輩」の字の古い説明 ── 車の列から「ともがら」へ

「輩はい」の 字の 中を、よく 見て ください。 「車」が 入って います。

字通と いう 辞典じてんは、むかしの 中国の 古い 本を 引いて います。 そこには、軍ぐんが 車を 出すとき、百台の 車の 列を 「輩はい」と する、と 書かれて います[2]。 車が ずらりと ならんだ すがたです。

この 「列」が、だんだん、同じ なかまの 人たちを 指すように なったと、字通は 説明せつめいして います。 そのため 「輩はい」には、ともがら、なかま、と いう 意味が あります。 デジタル大辞泉だいじせんにも、「同じ 列の なかま」と 書かれて います[2]。

でも、「先輩せんぱいは、車の 列の いちばん 前の 人」と いう 説明せつめいは、資料しりょうに ありません。 字の なりたちと、先輩せんぱいと いう ことばの 意味は、わけて 考えます。

さて、先輩せんぱいの まわりには、おもしろい 言い方が たくさん あります。

「輩」の字の中には、「車」が入っています。普及版字通は、中国の古い字書『説文解字』が「軍が車を出すとき、百両を輩とする」と説明している、と載せています[2]。百台の戦車や荷車が、列を作って進むようすです。

字通によれば、この「車の列」から、同じ集団に属する者、つまり、ともがら、なかま、同世代の親族へと意味が広がりました。デジタル大辞泉は「輩」を「同列の仲間」としています[2]。

ここで注意したいのは、「先輩=車列の先頭にいる人」という直接の語源説明は、資料にないことです。「輩」の字の古い説明と、「先輩」という言葉の意味は、別に考えます。ただ、「先に属した仲間」「同じ列にいる、先の人」と読むと、「入った順」という意味とよく合います。

では、その先輩という言葉には、使われるとき、どんな気持ちが乗っているのでしょうか。

「輩」の字には車が含まれる。普及版字通は、『説文解字』が「軍が車を出すとき、百両を輩とする」と述べることを引き、車の列から、同じ集団に属する者(ともがら)、なかま、やから、同世代の親族へと意味が広がったとする。デジタル大辞泉も、「同列の仲間」と説明している[2]。

では、「先輩」は「車列の先にいる人」が語源なのか。そうとは言えない。資料に、そうした直接の説明はない。「輩」の字の古い説明(字の面の話)と、先輩という熟語の意味(語の面の話)は、別の層にある。ただ、「輩」が同じ集団の仲間を指す以上、先輩を「先に集団に属した仲間」と読むのは、字の意味と矛盾しない。この読み方は筆者の整理であり、辞典が語源として述べているものではない。

儒教や軍隊、旧制高校の寮と結びつけて、先輩後輩の起源を語る説もあるが、今回は信頼できる資料に当たれていないため、扱わない。ここまでで、先輩の意味と字の古い説明は分かった。次は、この語が実際の会話でどう使われ、どんな気持ちを運ぶのかに目を向ける。

4. 先輩せんぱいの 言い方には、どんな 気もちが 入って いるの?

4. 「憧れの先輩」から「先輩風」まで ── 言い回しにある気持ち

4. 先輩を使う言い回しの温度差 ── 呼びかけの形と、教える側・学ぶ側

先輩せんぱいは、名前に つけて、「田中先輩せんぱい」と 呼よべます。 後輩こうはいの ほうは、「田中後輩こうはい」とは、ふつう 言いません[4]。

「あこがれの 先輩せんぱい」は、かっこいいなと 思う 先輩せんぱいの こと。 「大先輩だいせんぱい」は、ずっと 前から 続つづけている、すごい 先輩せんぱいの こと。 「先輩せんぱい風を 吹ふかす」は、先輩せんぱいが、えらそうに する ことです[4]。

先輩せんぱいだからと いって、えらそうに して よい わけでは ありません。 先に 入った 人が、あとから 来た 人に 教えたり、手本を 見せたり する 場面は、学校の クラブや 班はんの 活動でも 思いうかべられます。

教える 人にとっても、教わる 人にとっても、「先に 来た 人」は、手本に なるのです。

こんな 先輩せんぱいの ことばは、海を こえて、英語えいごの 中にも 入って いきました。

先輩は、名前に付けて「田中先輩」と呼べます。ところが、後輩のほうは、「田中後輩」のようには、ふつう呼びかけに使いません[4]。後輩は、あくまで、先輩から見た言い方なのでしょう。

先輩を使った言い回しも、いくつかあります。「憧れの先輩」は、手本にしたい先輩のこと。「大先輩」は、ずっと前からその世界にいる人への敬意をこめた言い方。「先輩風を吹かす」は、先輩ぶって偉そうにふるまうことで、あまり良い意味では使われません[4]。同じ「先輩」でも、気持ちは憧れから、少しからかうようなものまで幅があります。

では、先輩は何をする人なのでしょうか。先輩だからといって、偉そうにしてよいわけではありません。学校のクラブや班の活動を思い浮かべると、「先に来た人が教え、後から来た人が手本として見る」という関係はつくれそうです。ただ、その関係が実際にどう働くかは、人や場所によってちがいます。

そんな先輩という言葉は、日本を出て、英語の中にも入っていきました。

先輩は、名前に付けて「田中先輩」と呼びかけられるが、後輩を「田中後輩」と呼びかけることは、ふつうない[4]。後輩の側から相手を呼ぶための語が先輩であり、後輩は、先輩から見た相手の立場を指す語になっている。この非対称は、資料が理由まで述べているわけではなく、使い方の観察としてとどめたい。

先輩を含む言い回しには、気持ちの幅がある。「憧れの先輩」は手本にしたい相手、「大先輩」は長くその分野にいる人への敬意を示す。一方、「先輩風を吹かす」は、先輩ぶって偉そうにふるまうことで、否定的な響きを持つ[4]。同じ語が、敬意にも皮肉にも使われるのは、先に来たという事実だけでは、人の態度の良し悪しが決まらないからだろう。

では、先輩の役目は何か。学校のクラブや班の活動を思い浮かべれば、先に来た人が教え、後から来た人が見て学ぶ、という関係は作れそうだ。ただし、それが実際にどう働くかは、人や場によって変わる。先輩・後輩という語は、関係の型を示すだけで、中身まで決めてはいない。

この先輩という語は、日本の外へも出ていった。

5. 英語えいごでも 「センパイ」って 言うの?

5. 英語になった senpai ── 辞書にのる「導いてくれる上級生」

5. 借用語 senpai ── 英語圏の辞書は何を「先輩」と呼んでいるか

英語えいごの 辞典じてんにも、センパイ(senpai)が のって います。 アメリカの じしょサイト、ディクショナリー・ドット・コムは、センパイを、後輩こうはいを 教え、みちびく 上級生の ことと して 説明せつめいして います[5]。

英語えいごでは、おもに アニメや まんがの 話題で 使われる、とも 書かれて います。 「ノーティス・ミー、センパイ」(notice me senpai)と いう 言い回しも 紹介しょうかいされて います[5]。

日本の ことばの 「先輩せんぱい」が、そのまま 英語えいごに なった。 その 意味の はばは、日本語の 先輩せんぱいより、せまいかも しれません。

では、先輩せんぱいと いう ことばを 知った 今、まわりを 見て みると、何が 見えるでしょうか。

英語の辞書サイト Dictionary.com には、senpai の項目があります。後輩(kohai)を導く上級生、と説明されています[5]。

同じ項目には、英語では主にアニメやマンガの話題で使われる、とも書かれています。「notice me senpai」という言い回しも、例として紹介されています[5]。

日本語の先輩は、年齢が上の人、先に入った人、前任者まで、幅のある言葉でした。英語の senpai は、この辞書サイトの項目では「導く上級生」に絞られ、使われる場面も限られています。同じ言葉でも、外へ出ると、意味の一部だけが届くことが分かります。

先輩の意味、字の古い説明、言い回し、英語。ここまでの話を、自分の身の回りに置き直してみましょう。

英語の辞書サイト Dictionary.com は senpai を、後輩(kohai)を導く上級生と説明する。英語では主にアニメ・マンガの文脈で使われ、「notice me senpai」という言い回しも例に挙がっている[5]。

日本語の先輩が、年齢・経験が上の人、先に入った人、前任者という幅を持つのに対し、この辞書が示す senpai は「導く上級生」に絞られ、使われる場面も限られている。借用語は、元の語のすべての意味ではなく、外から見えやすい一部を運ぶことがある。ただし、この項目は辞書サイト1件の記述で、英語圏全体の使われ方を代表するものではない。

ここまでを整理すると、先輩は、年齢や経験が上の人を指すことがあり、学校や会社では入った順で決まることもある。字の「輩」は、古い字書によれば車の列から仲間を指すようになり、この語は外国語にも借用された。では、この言葉を、自分でたしかめるにはどうすればよいか。

6. 自分の 「先に 来た ところ」を、さがして みよう

6. 自分が「先に来た」場所を、探してみる

6. 辞典を引きくらべ、自分の「先に来た」場所を考える

おうちに ある 国語の 辞典じてんで、「先輩せんぱい」と 「後輩こうはい」を 引いて みましょう。 意味は いくつ のって いますか。 年上の 人の ことしか のって いない 辞典じてんも あるかも しれません。

つぎに、自分が 通って いる ところを 思いうかべます。 学校、習いごと、クラブ。 そこに、自分より 後から 入って きた 人は、いますか。 いたら、その 人に はじめに 教えて あげたい ことを、一つ 考えて みましょう。

だれかに 教えて あげられる ことが あるなら、それは、あなたが 先に 来たからこそ、持って いる ものです。

家や学校にある国語辞典で、「先輩」と「後輩」を引いてみましょう。意味がいくつ載っているか、「年上」と「先に入った人」のどちらが先に書かれているかは、辞典によってちがうかもしれません。ちがいを見つけたら、並び順の理由を想像してみるのも面白いはずです。

次に、自分が通っている場所を思い浮かべてみます。学校、習い事、クラブ。そこに、自分より後から入ってきた人はいるでしょうか。いたら、その人に最初に教えたいことを一つ、考えてみましょう。「先輩風」ではなく、「手本」になる教え方は、どんなものでしょうか。

調べるなら、辞典のサイト「コトバンク」の「先輩」「輩」の項目が、複数の辞典を並べて読める入り口になります[1][2]。

国語辞典を2冊以上引きくらべてみるとよい。先輩の語釈で、「年上」「経験が上」と「先に入った」のどちらが先に書かれているか。後輩の語釈は、先輩と鏡のように対応しているか。デジタル大辞泉は、先輩・後輩ともに、年齢・経験などの意味と、先に・後から入った意味の両方を載せる[1][3]。一方、日本国語大辞典は後輩の第一の意味を「あとから生まれた人」とし[3]、先輩の語釈とは書き方の力点が少し違う。こうした差を、自分の目で見ると、辞典は一つの答えではなく、語の使われ方の記録であることが分かる。

もう一つは、自分の身の回りで考えることだ。学校、習い事、クラブなどで、自分より後に入った人がいたら、その人に最初に教えたいことを一つ挙げ、それが「手本」と「先輩風」のどちらに近いかを考える。残る問いもある。「先に入った人」の意味は、いつ、どんな場で広がったのか。この問いに答える資料は今回扱えていないので、日本国語大辞典などの原典から確かめる余地が残っている。コトバンクの「先輩」「輩」の項目が、その入り口になる[1][2]。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文の[数字]は下の資料の番号です。辞典の語釈は、コトバンクに載る辞典の記述を使いました。語の歴史の部分は、辞典が挙げる用例にもとづくもので、最古の使用例や語の誕生年を決めるものではありません。

  1. コトバンク「先輩」(デジタル大辞泉・精選版日本国語大辞典・普及版字通) https://kotobank.jp/word/%E5%85%88%E8%BC%A9 (先輩の語釈、用例の年代、中国の古典の用例)
  2. コトバンク「輩」(普及版字通・デジタル大辞泉・日本国語大辞典) https://kotobank.jp/word/%E8%BC%A9 (「輩」の字の成り立ち)
  3. コトバンク「後輩」 https://kotobank.jp/word/%E5%BE%8C%E8%BC%A9 (後輩の語釈)
  4. Tofugu "Senpai" https://www.tofugu.com/japanese/senpai/ (入った順で決まること、呼びかけと言い回し。英語の資料)
  5. Dictionary.com "senpai" https://www.dictionary.com/e/translations/senpai/ (英語での senpai の説明。英語の資料)

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