このサイトは、ほんの入り口です

ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ひこうきは「90びょうで ぜんいん おりられる」って、どうやって たしかめるの?

旅客機の「90秒脱出」は、どんな条件の試験で確かめるのか

旅客機の「90秒脱出」基準は、どんな条件の試験で確かめられるのか

分野:技術

アメリカの きまりでは、大きな ひこうきは、お客さんが 全員 のった まま、90びょう いないに ぜんぶ おりられる ことを しめす ひつようが あります。ところが、その たしかめ方は、出口の はんぶんしか つかえず、どの出口かは 当日まで ひみつ。しかも 暗い 中なのです。

だれが、どうやって 90びょうを はかるのか。この 記事で 分かります。

米国の規則では、旅客席が44を超える飛行機は、乗員を含む最大座席数の人が90秒以内に脱出できることを示す必要があります。ところが、その試験は、出口の半分ほどしか使えず、どの出口かは当日まで秘密で、夜の暗さを想定した中で行われます。

なぜそんなに意地悪な条件なのか、2006年に873人が降りたA380の試験は何秒だったのか、そして今の座席でも90秒は守れるのか。米国の規則や関連資料から、これらの答えが分かります。

旅客席が44を超える飛行機は、乗員を含む最大座席数の人が模擬の緊急状態で90秒以内に脱出できることを、型式の審査で示さなければならない[1]。しかも試験では、出口の半分ほどしか使えず、どれを使うかは事前に知らされず、機外の明るさは夜を想定した水準に抑えられる[2]。

なぜここまで厳しい条件なのか、2006年のA380は何秒だったのか、90秒は120秒からどう変わったのか、そして座席が狭くなった現代でも成り立つのか。規則の条文と周辺資料から、その答えが分かる。

読み方を切り替えられます。画面の上にある「よみかた」のボタンで、小学校低学年むけ・小学校高学年むけ・中学生むけの3つの書き方に切り替わります。むずかしいと思ったら、いつでもやさしい方に戻ってください。選んだ読み方はブラウザが覚えているので、次に別の記事を開いたときも同じ読み方で始まります。

1. 90びょうは、だれが どうやって はかるの?

1. 「90秒」は、どんな試験で測るのか

1. 25.803条と付録J ── 90秒を「実際に測る」規定

答えは、本ものの ひこうきで やって みる、です。人が たくさん のった ひこうきで、まるで ひじょうの ときの ように、出口から 外へ おりて もらいます。

のる 人の 数は、乗員も ふくめた いちばん 多い ざせきの 数です[1]。ふつうの 日に 入る 人数では なく、いちばん 多く のった 場合を ためします。

時間は、いちばん あとの 人が 外に出て、地面に 着いた ときに 終わります。ここで 止まる のです[2]。ただし、本ものを つかわず、はかり方を 役所が みとめた ときは、計算と 小さな テストを 組み合わせる こともあります[1]。

答えは、実際の飛行機に人を乗せて降りてみる、です。米国の規則(14 CFR 25.803)は、旅客席が44を超える飛行機について、乗員を含めた最大座席数の人が、模擬した緊急状態で90秒以内に地上へ降りられることを示すよう求めています[1]。ふだん乗る人数ではなく、一番多く乗る場合を試すところがポイントです。

時間は、最後の1人が機外に出て地面に着いたときに止まります。出口の準備にかかる時間、たとえば脱出用スライドが開くまでの時間も、数えられます[2]。

実証の方法は、付録Jという細かい決まりに書かれています。ただし、実証と同じだけのデータが得られると当局が認めれば、解析と試験を組み合わせる方法も許されます[1]。

米国の14 CFR 25.803(c)は、旅客席が44を超える飛行機に対し、乗員を含む最大座席数の人員が、模擬した緊急状態で90秒以内に地上へ脱出できることを示すよう求める。示し方の原則は、付録Jの基準による実際の脱出実証だ。ただし、実証と同等のデータが得られると当局が認めれば、解析と試験の組み合わせで代えてもよい[1]。FAAの助言文書AC 25.803-1A(2012年3月12日)は、この両方の適合方法の一例を示すが、法規を変えるものではない[8]。

では、時間はどこで止めるのか。付録Jによれば、最後の乗員が機外に出て地面に着いた時点で終了する。スライドの展開など、出口の準備にかかる時間も計測に入る[2]。つまり「歩く速さ」だけでなく、装置が働くまでの待ち時間も含めて90秒で収める設計が求められる。

乗員は通常の離陸時の席に座り、合図があるまで動かない。操縦室の乗員は客室で手助けをしない[2]。90秒は、乗客と客室乗員が通常の配置から動き出す場面を丸ごと含んだ数字だ。

2. 出口は はんぶん。どれかは 当日まで ひみつ

2. 出口は半分ほどしか使えず、しかも秘密

2. 出口の選び方 ── 各対から1つ・床面高さの出口を含む・事前に知らせない

もし 出口が ぜんぶ つかえたら、人は ばらけて、早く おりられます。そこで テストでは、出口を へらします。

ひこうきの 出口は、きまりで 決められた 2つで 1くみに なって います。その くみから、1つずつだけ つかいます[2]。つまり 出口の 数が、ほぼ はんぶんに なります。

そして、どの 出口を つかうかは、お客さん 役にも、乗員にも、前もって 教えません[2]。

火事や こわれた 場所で、使えない 出口が あるかもしれません。そんな ときでも 90びょうを まもれるか、ためして いる のです。

実際の事故では、火災や機体の破損で、使えない出口が出ることがあります。そこで試験では、出口をわざと減らします。

付録Jでは、使う出口は「各出口の対から1つ」とされ、飛行機の出口全体を代表する組み合わせで選びます。床面と同じ高さの出口を、少なくとも1つ含める決まりもあります。しかもどの出口を使うかは、乗員にも乗客役にも、事前に知らされません[2]。条文に「50%」という言葉はありませんが、出口の対から1つずつ使うため、使える出口は結果として半分ほどになります。

知らされていないので、乗員はその場で使える出口を見分け、人を導かなければなりません。だから、決まった出口だけが得意な飛行機にはできません。

出口が全部使えれば、脱出は楽になる。ところが実際の事故では、火災や機体の破損で一部の出口が使えなくなる。そこで付録Jは、使う出口を「各出口の対から1つ」とし、飛行機の出口全体を代表させ、床面と同じ高さの出口を少なくとも1つ含めるよう定める[2]。

さらに、どの出口を使うかは、乗員にも乗客役にも事前に示されない[2]。条文に「50%」という語はなく、使える出口は結果として半分ほどになる。この方法は、1965年以来の「出口を半数しか使わない」考え方につながる(第5章)[3]。

この決まりは、出口の位置や個数をかたよらせずに設計させる効果がある。ただし、資料はこの効果を目的として明言しているわけではなく、ここは付録Jの条件から読みとれる範囲の推測にとどめる。

3. 暗い 中で、れんしゅうなしの 人たちが おりる

3. 乗客役は練習なし。暗さと障害物つきの本番

3. 乗客役の構成と環境条件 ── 年齢・性別比、0.3フート・キャンドル以下、練習なし

お客さん 役は、会社の 人では ありません。ふつうの 人が あつまります。女の人は 40%いじょう、50さいを こえた 人は 35%いじょう、と きまって います[2]。赤ちゃんの 役は、人形が 3つです。

外の 明るさは、夜を 思わせる くらさです。ひこうきの 中の あかりが つく まえは、とても 暗い ままで、外から 光は 足されません[2]。

通路や 出口の 近くには、荷物や もうふ、まくらを おいて、じゃまを つくります。さらに、お客さん 役は 前もって れんしゅうも せつ明も うけません。しばらく 前に 同じ テストに 出た 人も 入れません[2]。

乗客役には、年齢と性別の決まりがあります。乗客の40%以上が女性、35%以上が50歳を超える人、15%以上が50歳を超える女性です。乳児役には、等身大の人形3体を使います(乗客数には入れません)。乗員、整備員、訓練担当は乗客役になれません[2]。

環境も、わざと厳しくします。機外の明るさは、非常灯が点く前で0.3フート・キャンドル以下、つまり夜を想定した暗さです。機外の光は増やさず、明かりは機内の非常照明だけです。通路や出口への通り道には、手荷物や毛布、まくらを置き、軽い障害物にします[2]。

参加者には事前の練習も説明もありません。直近6か月に同じような試験へ出た人も、除かれます[2]。慣れた人だけが手際よく動く試験にならないようにする工夫です。

ただし、子どもや障害のある人の割合は、付録Jには決められていません。

乗客役の構成は、付録Jが細かく定める。乗客の40%以上が女性、35%以上が50歳超、15%以上が50歳超の女性で、乳児役は等身大の人形3体(乗客数に含めない)。乗員・整備員・訓練担当は乗客役にできない[2]。一方、子どもや障害のある人の割合は規定されておらず、この点は第6章の批判につながる。

環境条件では、機外の明るさが非常灯の点灯前で0.3フート・キャンドル以下(夜を想定)で、機外の光は増やさず、明かりは非常照明だけになる。通路や出口への通り道に、手荷物や毛布、まくらなどを置いて軽い障害物とする[2]。

参加者は事前の練習や説明を受けず、直近6か月に同種の試験へ出た人は除かれる[2]。これらを合わせると、条件は「その場で初めて迷う、ふつうの人たち」に寄せて設計されている。ただし、この目的は資料に明記されておらず、条件から推す説明にとどまる。

4. 873人が のる A380の 本番

4. A380の試験は、基準より12秒短かった

4. A380の2006年試験 ── 873人・16出口の半分・78秒

2006年3月、ドイツで、とても 大きな ひこうき A380の テストが ありました。のったのは お客さん 役 853人と、乗員 20人。あわせて 873人です。

出口は 16か所の うち はんぶんだけ。まっ暗な 中で、全員が おりるまで、78びょうでした。これは 作った 会社 エアバスの はっぴょうです[4]。

きまりの 90びょうより 12びょう みじかい 時間です。1びょうに 11人ちかくが おりた 計算に なります。

ひこうきの 会社の 人だけで 決めたのでは ありません。ヨーロッパと アメリカの 役所が 立ち会って、853人が いちばん 多い お客さんの 数として みとめられました[4]。

2006年3月26日、ドイツのハンブルクで、エアバスA380の脱出試験が行われました。エアバスの発表では、乗客853人と乗員20人、合わせて873人が、暗やみの中で、16か所の出口のうち半分だけを使って、78秒で降りました[4]。報道には「約80秒」とするものもあるため、ここでは発表の数字を、エアバスによるとして紹介します。

基準の90秒より12秒短いことになります。873人を78秒で割ると、1秒に約11人です。

この試験には、欧州航空安全機関(EASA)と米国のFAAが立ち会い、853人が最大旅客数として認められました[4]。

本当に人が降りる試験なので、リスクもあります。足を骨折した人が1人、軽いけがが32人いたと報じられています[5]。

理屈の上で90秒を守れても、満席の巨大機で本当に守れるのか。この問いに答えたのが、2006年3月26日にハンブルクで行われたAirbus A380の脱出試験だ。Airbusの発表では、乗客853人と乗員20人(計873人)が、暗やみで16か所の出口のうち半分だけを使い、78秒で降りた[4]。報道には約80秒とするものもあり、78秒はAirbus発表の数字だ。

873÷78≒11.2なので、1秒に約11人。基準の90秒からは12秒、割合では約13%短い。

EASAとFAAが立ち会い、853人が最大旅客数として認められた[4]。一方、この規模の実証は参加者の安全上のリスクを伴う。足を骨折した人が1人、軽いけがが32人と報じられた[5]。この規模の実証には、参加者の安全を守る難しさもある。

5. むかしは 120びょう。なぜ 90びょうに なったの?

5. 昔は120秒だった ── 90秒に縮んだ理由

5. 120秒から90秒へ ── 1965年と1967年の改正

じつは、むかしの きまりは 120びょうでした。アメリカでは、1965年に はじめて、ひこうき会社に おりる テストが もとめられ ました。出口の はんぶんを つかい、のこりは 火事や こわれた 場所を 考えて 使えない ことにして、時間は 120びょうまででした[3]。

それが 1967年に 90びょうに なります。おもな りゆうは、ふくらませる すべり台(スライド)など、おりる ための どうぐが 大きく よく なった ことだと されて います[3]。

どうぐが すすむと、きまりも きびしく なる。安全の きまりは、そうやって 少しずつ かわって きました。

最初から90秒だったわけではありません。米国では、1965年3月3日に発効した改正(121-2)で、航空会社に初めて緊急脱出の実証が求められました。出口の50%を使い、残りは火災や機体の破損を想定して使えなくし、制限は120秒でした[3]。

1967年10月24日には、機体の基準(25.803)に90秒の条件が加わり、同じ日の別の改正(121-30)で、航空会社側の制限も120秒から90秒に短縮されました。理由は主に、膨らませるスライドなど脱出装置の大きな改良とされています[3]。

出口を半分にする考え方が1965年からあったことも分かります。第2章の決まりは、実は60年近い歴史の上に立っています。

90秒は最初からの数字ではない。1965年3月3日発効の改正121-2で、米国の航空会社に初めて緊急脱出の実証が求められた。出口の50%を使い、残りは火災や機体破損を想定して使えなくし、制限は120秒だった[3]。

では、なぜ短縮されたのか。1967年10月24日発効の改正25-15で、旅客席44以上の飛行機に90秒の条件(25.803)が加わり、同日の改正121-30で運航側の制限も120秒から90秒になった。理由は主に、膨らませるスライドなど脱出装置の効果が大きく高まったことだとされる[3]。

なお、当時の条件は「44以上」と記録され、現行の条文は「44を超える」と書くため、細部の表現は時代でずれる。大切なのは、基準の数字が「そのときの装置で実現できる水準」に引き寄せられて動いたという点だ。この見方は、資料が述べる理由を要約したものである。

6. 今の ざせきでも、90びょうは まもれる?

6. 席がせまくなった今、90秒は守れるのか

6. 現代の座席配置と試験への批判 ── FAAの2019〜2020年の試験

ざせきの 間かくは、むかしより せまく なって きました。そこで アメリカの 役所 FAAは、2019年から 2020年に、今の ざせきで 90びょうが まもれるか しらべる テストを しました[6]。

ところが、この テストには 声が ありました。お客さん 役が、60さいより わかい げんきな 大人だけ。子どもも、高れいの 人も、体の ふじゆうな 人も、荷物の じゃまも ありませんでした。上院ぎいんなどからは「ほんとうの 場面と ちがう」と 言われました[6]。

90びょうは、一度 決めたら おしまいの 数字では なく、今も 見なおしの 声が ある 数字です。

座席の間隔が狭くなった現代の機内で、90秒は守れるのか。FAAは2019年から2020年にかけて、これを調べる試験をしました。参加者は60歳未満の健常な大人で、子どもや高齢者、障害のある人は入らず、手荷物の障害物もありませんでした[6]。

この条件に対して、上院議員などから「現実的でない」という批判が出たと伝えられています[6]。第3章で見たとおり、付録Jにも、子どもや障害のある人の割合は決められていません。

90秒は、ずっと同じ形で決まっていたのではなく、スライドの改良で120秒から縮み、今は新しい座席や乗る人の変化に合わせて見直しを求められている数字です。どの条件で試すのが正しいのかは、まだ議論が続いています。

基準が決まった時代から半世紀以上たち、座席の間隔は狭くなった。では、90秒は今の機内でも成り立つのか。FAAは2019〜2020年に、この問いを調べる試験をした。参加者は60歳未満の健常な大人で、子ども・高齢者・障害のある人・手荷物の障害物はなく、上院議員などから現実的でないと批判された[6]。

第3章で見たように、付録Jの乗客構成にも、子どもや障害のある人の割合は規定がない[2]。批判は、試験の設計の穴というより、基準そのものが想定する乗客像に向けられている。ただし、この試験の人数や結果は、報道で食いちがい(60人とも720人とも)があるため、ここでは書かない。

確かなのは、90秒が「一度決まれば動かない数字」ではないことだ。1967年には装置の改良で縮み、現在は座席や乗客像の変化に照らして見直しの議論を受けている。どの条件で何を保証するのが適切かは、結論が出ていない。

7. 90びょうを まもるために、乗る人が できること

7. 90秒脱出を助ける、乗る人の手荷物の扱い

7. 乗客の側の条件 ── 手荷物と、資料の読みどころ

90びょうは、ひこうきと 乗員だけで まもる 数字では ありません。乗る 人も 一員です。

ひこうきの 会社の あつまり(IATA)は、「Save a Life, Not a Bag」と いう よびかけを はじめました。いざという ときは、荷物を もたずに にげて、ということです[7]。荷物は 通路を ふさいだり、スライドを いためたり するからです。

アンケートでは、ひこうきが 90びょうで おりられる よう つくられて いる ことを 知る 人は、18%に すぎませんでした[7]。

こんど 乗り物に 乗ったら、まず 出口が どこかを 目で さがして みましょう。うちでも、へやから げんかんまで、荷物なしで 歩いて 何びょうか かぞえて みると、おもしろいですよ。走らずに、ころばない ように 気を つけて ください。

基準の90秒は、飛行機を作る側だけで守る数字ではありません。乗る人の行動も、その一部です。国際航空運送協会(IATA)は、緊急脱出のときは手荷物を持たずに避難するよう求める「Save a Life, Not a Bag」を始めました。手荷物の持ち出しは、通路をふさいだり、スライドを傷つけたりするためです[7]。

調査では、旅客機が90秒で脱出できるように設計されていることを知る旅客は、18%にとどまりました[7]。基準の数字は、乗る側にあまり知られていないのです。

次に乗り物に乗るときは、安全のしおりを開く前に、まず出口の位置を目で探してみてください。家では、自分の部屋から玄関まで、荷物を持たずに歩いて何秒かかるか数えてみるのも、おもしろい観察です。走らず、転ばないように気をつけてください。

飛行機に乗る機会があれば、安全のしおりにのっている出口の表示を、機内の実際の出口の位置と見比べてみてください。

90秒は、機体の設計と乗員の訓練だけで守る数字ではない。IATAは、緊急脱出時に手荷物を持たずに避難するよう求める「Save a Life, Not a Bag」を始めた。手荷物の持ち出しは、通路の妨げやスライドの損傷につながる[7]。調査では、旅客機が90秒で脱出できるよう設計されていることを知る旅客は、18%にとどまる[7]。付録Jが乗客役に練習を許さないのは、本番の乗客が事前の説明を受けにくいことと対応しているのかもしれない。ただし、この対応は資料に明記されていない。

読みどころを挙げる。条件の全体は、米国の14 CFR 25.803[1]と付録J[2]に書かれている。120秒から90秒への変更の理由は、1995年のFederal Registerが整理している[3]。A380の数字はAirbus発表の転載であり、報道に約80秒とするものもあるため、元の発表と合わせて読みたい[4]。現代の批判はForbes JAPANの記事が日本語で読める[6]。

日本の基準での扱いは、今回の資料の範囲外だ。日本の基準が米国やEASAとどう対応しているのかは、さらに調べる価値のある問いとして残る。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:米国の連邦規則、連邦官報、航空安全の団体の記事、報道記事、業界団体の発表を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. 14 CFR 25.803 Emergency evacuation (Cornell LII)。https://www.law.cornell.edu/cfr/text/14/25.803 (90秒の条件と、実証または解析の考え方について)
  2. 14 CFR Appendix J to Part 25 (Cornell LII)。https://www.law.cornell.edu/cfr/text/14/appendix-J_to_part_25 (出口の選び方・乗客役・環境条件・時間の測り方について)
  3. Federal Register 60 FR (1995-07-18) 緊急脱出実証手順の改正。https://www.govinfo.gov/content/pkg/FR-1995-07-18/html/95-17392.htm (1965年の120秒と1967年の90秒について)
  4. Flight Safety Foundation, AeroSafety World 2007年1月号。https://flightsafety.org/asw/jan07/asw_jan07_p46-49.pdf (A380の試験の数字について。Airbus発表にもとづく)
  5. HeraldNet(IHT記事の転載)。https://www.heraldnet.com/?p=357134 (A380の試験でのけがについて。報道)
  6. Forbes JAPAN「53083」。https://forbesjapan.com/articles/detail/53083 (FAAの2019〜2020年の試験と批判について。報道)
  7. トラベルボイス(2026年6月12日)。https://www.travelvoice.jp/20260612-159956 (IATAの呼びかけと調査結果について。報道)
  8. FAA Advisory Circular 25.803-1A。https://www.faa.gov/documentLibrary/media/Advisory_Circular/AC_25.803-1A.pdf (適合方法の助言文書があることについて。概要のみ)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

  •  初版を公開。

このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。