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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

千円さつは なんまいでも、ふるくても つかえるの?

千円札は何枚でも使える? 古い札の有効期限と、役目を終えた札の行き先

千円札の通用力と寿命 ── 法貨としての無制限通用、旧券の有効性、裁断・再生、触って見分ける識別マーク

分野:技術

1円玉を 21まい ならべて、はらおうと する とします。ほうりつの 上では、みせの 人が ことわっても よい のです。ところが 千円さつ なら、円で はらう おかいもので 100まい だしても、ほうりつの 上では ことわられません。

ふるい 千円さつは、いつまで つかえる のでしょう。つかわれなくなった さつは、どこへ いくのでしょう。この 記事で、その こたえが わかります。

1円玉を21枚そろえて払おうとすると、法律の上では、店の人が受け取りを断ってもよいことになっています。ところが千円札なら、円で払う取引では、何枚重ねても、法律の上で受け取りを断られません。

財布の千円札は、いつまで、何枚まで使えるのでしょうか。その札は使われたあと、どこへ行くのでしょうか。日本銀行の資料から、この2つの答えと、指で見分けるくふうが分かります。

硬貨は同じ種類を20枚までしか強制通用しないが、日本銀行券には、円の支払いが必要な取引での枚数の上限がない。しかも一度発行された札は、特別な措置がない限り通用力を失わない[1][2]。

では、そんな約束に守られた千円札は、実際にどれくらい働き、どこへ行くのか。日本銀行の公開資料をもとに、法貨の定義、旧券の扱い、寿命と再生、損傷券の引き換え基準、2024年の識別マークの順にたどって、その答えが分かるようにする。

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1. なんまいで はらっても いいの?

1. 1円玉は20枚まで、千円札は何枚でも

1. 法貨の無制限通用 ── 硬貨は額面の20倍まで、日本銀行券は上限なし

おみせで 300円の ものを かう とき、1円玉を 300こ だしたら、どう なるのでしょう。こうかには 「20まいまで」と いう きまりが あります[1]。20まいを こえると、みせの 人は ことわって よい のです。

では、千円さつは どうでしょう。日本ぎんこうが だす おさつには、まいすうの きまりが ありません[1]。円で はらう とりひきでは、100まいでも、500まいでも、ほうりつの 上では ことわられません。

ただし、20まいを こえたら つかえない わけでは ありません。ことわられる ことが ある、と いう いみです。ふつうの おかいもので おおぜいの 千円さつを だす ことは、あまり ありませんが、「なんまいでも いい」と きまって いる ことが、おさつの つよさです。

日本銀行は、硬貨と日本銀行券(お札)の使い方を、次のように説明しています。硬貨は「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」により、額面の20倍までを限って法貨として通用します。1円玉なら20枚、500円玉なら20枚までが、1回の支払いで受け取りを断れない上限です[1]。

これに対して日本銀行券は、日本銀行法に基づき、法貨として無制限に通用します[1]。円の支払いが必要な取引では、千円札を何枚出しても、法律の上では受け取りを断られません。

ここで注意したいのは、20枚を超えたら払えなくなる、という意味ではないことです。20枚までは相手が断れず、それを超えた分は、相手が受け取りを断ってもよい、という決まりです[1]。お札のほうは、この線引きがありません。

では、お札はどんな古さまで、この約束の中にいるのでしょうか。

日本銀行の説明では、硬貨の強制通用力は「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」第7条により額面価格の20倍までに限られる。同じ種類の硬貨で20枚を超えると、受け取る側は法貨として受け取る義務を負わない[1]。誤解しやすいのは、20枚を超えると支払えないという意味ではない点で、拒否してもよい権利が相手に生じる、というのが正確である[1]。

対して日本銀行券は日本銀行法第46条第2項により、法貨として無制限に通用する[1]。これは、円の支払いが必要な取引で、千円札を何枚でも1回の支払いに使えるという約束を、法律が支えているということだ。

ただし、これは法律上の強制通用力の話で、実際の店が現金以外の方法しか受けつけない場合など、運用の都合までは資料に書かれていない。このため、この記事では「法律の上では」と限定して読む。では、約束は枚数だけでなく、時間に対してはどう働くのか。次の章で見る。

2. ふるい おさつは、いつか つかえなくなるの?

2. 新しい札が出ると、古い札は使えなくなるのか

2. 旧券は失効するのか ── 通用力を失った31種類と、有効な25種類

あたらしい おさつが でると、ふるい おさつは つかえなく なる ような 気が します。でも、そうでは ありません[2]。

日本ぎんこうが 1885ねんに さつを だしてから、これまでに 56しゅるいを だしました。そのうち 25しゅるいは、いまも つかえます[2]。

はっこうが おわった むかしの 一万円さつも、まだ つかえる ものは、日本ぎんこうで いまの おさつと ひきかえて もらえます[2]。

つかえなく なった ことは、3かい だけ あります。おおきな じしんの あとや、おかねを きりかえた ときなど、とくべつな ほうりつで きめられた ときです[2]。

お札のデザインが新しくなると、前のお札は使えなくなるように思えます。しかし日本銀行の説明では、一度発行された銀行券は、法令に基づく特別な措置がとられない限り、通用力を失いません[2]。

数字で見ると、日本銀行は1885年に銀行券を発行し始めてから、これまでに56種類を発行し、そのうち25種類が現在も有効です[2]。通用力を失ったのは、過去3回の特別措置による計31種類です。1927年の関東大震災後の整理、1946年の新円切り替え、1953年の1円未満の小額通貨の整理がそれにあたります[2]。

発行が終わった古い札も、有効なものは、日本銀行の本店・支店で現在のお札と引き換えられます。例として、聖徳太子の一万円券が挙げられています[2]。

こうして、有効な千円札なら、何枚でも、いつのものでも使えます。では、そんなに頼れる千円札は、実際にどれくらい働いて、役目を終えるのでしょうか。

新札が出れば旧札は使えなくなる、という理解は誤りである。日本銀行は、一度発行された銀行券は法令に基づく特別な措置がない限り通用力を失わないとしている[2]。1885年の発行開始以来、56種類が発行され、25種類が現在も有効だ[2]。

通用力を失った31種類は、過去3回の特別措置による。1927年の関東大震災後の整理、1946年の新円切り替え、1953年の1円未満の小額通貨の整理で、いずれも法令で明示された例外だ[2]。逆にいえば、2024年の新札発行は、これらに当たる措置ではない。旧券は引き続き有効で、発行終了後のものも日本銀行の本支店で現行券と引き換えられる(聖徳太子の一万円券がその例)[2]。

この約束があるからこそ、利用者は「持っている札がいつ無効になるか」を心配せずに使える。その札の一生は、使われ続けるうちにどう終わるのか、次に見る。

3. つかいおわった おさつは、どこへ いくの?

3. 千円札や五千円札は1〜2年ほどで役目を終え、裁断後は再利用される

3. 寿命と再生 ── 千円券・五千円券の1〜2年と、裁断屑の行き先

千円さつは、おつりや おかいもので、いちばん よく うごく おさつです。たくさんの 手を わたって いく ので、きずみやすく なります[3]。

日本ぎんこうに よると、千円さつと 五千円さつを あわせた へいきんの いのちは、1〜2ねんほど です。一万円さつは、4〜5ねんほど と されて います[3]。

千円さつだけの ねんすうは、しめされて いません。

やくめを おえた おさつは、日本ぎんこうの 本てんや してんで、こまかく きられます。その かすは、トイレットペーパーなどに うまれかわります[3]。

もしかしたら、いま つかって いる トイレットペーパーの 中にも、むかしの おさつが まざって いるかも しれません。

千円札は、日々のやり取りで手から手へと渡り、財布やレジ、自動販売機の中でこすれたり折れたりします。日本銀行によれば、使用の頻度が高く傷みやすいため、五千円券と千円券は平均で1〜2年程度の寿命とされます。一万円券は4〜5年程度です[3]。

注意したいのは、この1〜2年は五千円券と千円券を合わせた数字で、千円券だけの年数は示されていない点です[3]。

日本銀行に戻ってきたお札のうち、汚れや傷みで再び流通させられないものは、本店や支店で細かく裁断されます。裁断された紙くずは、トイレットペーパーなどにリサイクルされています[3]。

では、少し破れたくらいの千円札は、すぐに引退なのでしょうか。それとも、日本銀行が受け取ってくれるのでしょうか。

日本銀行は、お札の平均寿命を、一万円券で4〜5年程度、五千円券・千円券で1〜2年程度としている。理由は使用頻度の差で、釣り銭など小口の決済に使われるほど、傷みやすいということだ[3]。ここで留意すべきは、1〜2年は千円券と五千円券の合算値で、千円券単独の年数は示されていない点である[3]。

流通から戻った券のうち、汚れや損傷で再び流通させられないものは、本店・支店で細かく裁断される。裁断屑はトイレットペーパー等にリサイクルされ、再利用されない分は一般廃棄物として焼却される[3]。

つまり、千円札の「引退」は、法律上の失効ではなく、傷みによる流通からの退出である。では、傷んだ札は、どこまで傷んでも引き換えてもらえるのか。日本銀行は引き換えの基準を公表している。

4. やぶれた おさつは、どう なるの?

4. 破れたり焦げたりした札は、どこまで引き換えてもらえるか

4. 損傷券の引き換え基準 ── 残存面積と表裏の条件、本店・支店での手続き

おさつが やぶれたり、よごれたり しても、すぐに すてなくて だいじょうぶです。日本ぎんこうは、ひきかえの きまりを もって います[4]。

おもてと うらの りょうほうが のこって いて、もとの 大きさの 3ぶんの 2いじょうが あれば、おなじ ねだんの おさつと かえて もらえます[4]。

5ぶんの 2いじょう 3ぶんの 2みまんだと、はんぶんの ねだんに なります。5ぶんの 2みまんだと、かえて もらえません[4]。

かえて もらうには、日本ぎんこうの 本てんや してんへ いきます。じぜんの よやくが ひつようです[4]。

日本銀行は、傷んだお札の引き換え基準を次のように定めています。表と裏の両面が残っていることを条件に、残った面積が3分の2以上なら全額、5分の2以上3分の2未満なら半額で引き換えられます。5分の2未満だと、引き換えはできません[4]。

手続きは、日本銀行の本店・支店で行い、事前予約が必要です[4]。

基準は「残った面積」と「表裏の両面」です。たとえば、半分に切れたお札を貼り合わせて同じ扱いになるとは限りません。見た目では同じように見えても、基準で見られるのは、面積と、表と裏の条件です[4]。

日常で使うとき、多少の汚れや小さな破れなら、そのまま使われることもあります。引き換えは、大きく傷んだときの「最後の受け皿」と考えると分かりやすいでしょう。

日本銀行が公表する損傷券の引き換え基準は、表裏両面が残っていることを前提に、残存面積が3分の2以上で全額、5分の2以上3分の2未満で半額、5分の2未満で引き換え不可、というものだ[4]。窓口は日本銀行の本店・支店で、事前予約が必要である[4]。

基準は面積と表裏の条件に基づくため、破片を貼り合わせても同じ扱いになるとは限らない[4]。

つまり、傷んだ札にも受け取れる金額の線が引かれていて、その線は面積という誰でも測れる条件で決まる。では、手元に残る千円札の種類を、財布の中でどう見分けるのか。次の章は、指で触って分かる工夫だ。

5. 目を とじても、千円さつと わかるの?

5. 2024年の新しい千円札は、指でなぞって見分けられる

5. 2024年発行の千円券 ── 11本の斜線による識別マークと、券種ごとの配置

2024ねん7月3日に、あたらしい おさつが でました[5]。千円さつの えは、北里柴三郎きたざとしばさぶろうです。うらには、なみの えが かかれて います[5]。

この 千円さつには、ゆびで さわって わかる しるしが あります。ななめの せんが 11ぽん、ひだりしたと みぎうえに ならんで います[6]。

さつの しゅるいごとに、しるしの ばしょは ちがいます。一万円さつは ひだりと みぎの まんなか、五千円さつは うえと した です[6]。

むかしの おさつよりも、すうじも おおきく なりました[6]。みえにくい 人にも、さわって わかる 人にも、つかいやすく する くふうです。

2024年7月3日に、新しい日本銀行券の発行が始まりました。千円札の肖像は北里柴三郎、裏面は葛飾北斎『冨嶽三十六景』の「神奈川沖浪裏」です[5]。

この千円札には、指で触って券種を見分けられる識別マークがあります。11本の斜線で、左下と右上についています。額面のアラビア数字は、2004年発行の札より大きくなりました[6]。

識別マークの位置は券種ごとに違います。一万円札は左右の中央、五千円札は上下についていて、手で触れただけで千円札かどうかを見分けやすくしています[6]。

何枚でも、いつのものでも使える約束を持つ札には、見た目の工夫だけでなく、触って分かる工夫も足されました。これは、財布の中のお札を誰もが同じように使える道具として整える工夫の一つです。

2024年7月3日、新しい日本銀行券が発行された。千円券の肖像は北里柴三郎(1853〜1931)、裏面は葛飾北斎『冨嶽三十六景』の「神奈川沖浪裏」である[5]。

新券では、視覚に頼らず券種を見分けられるように、識別マークが設けられた。千円券では11本の斜線が左下と右上に配され、額面のアラビア数字は2004年発行の券より大きくなった[6]。識別マークの位置は券種ごとに変えてあり、一万円券は左右中央、五千円券は上下である[6]。同じ約束の下で何枚も取り扱われる札だからこそ、種類の取り違えを減らす工夫が意味を持つ。

なお、新札に付けられたホログラムなどの偽造防止技術は、日本銀行の公開資料に詳しい[6]。この記事の主題である「使い方の約束」からは外れるため、ここでは扱わない。

6. さいふの 千円さつを、ゆびで なぞって みよう

6. 財布の千円札で、自分の指で確かめる

6. 手元の千円券で確かめられること

おうちの 人に 千円さつを みせて もらいましょう。おもての 左下と 右上を、ゆびで ゆっくり なぞって みます。ざらざらした ななめの せんが あれば、それは あたらしい 千円さつに ある、ゆびで わかる しるしです。

いくつか あれば、せんの かずも かぞえて みましょう。ほんとうに 11ぽん あるでしょうか。

ふるい 千円さつと くらべると、すうじの おおきさも ちがいます。やぶれたり、よごれたり して いないかも、そっと みて みます。

家の人に、財布の中の千円札を見せてもらいましょう。表の左下と右上を、指でゆっくりなぞります。ざらざらした斜線があれば、それが新しい千円札にある、指で券種を見分けるための識別マークです。線の数を数えて、11本あるかどうかも確かめられます。

古い千円札と並べられるなら、額面の数字の大きさを比べてみましょう。2004年発行の札より、新しい札のほうが数字は大きくなっています[6]。

お札を見るときは、折ったり引っぱったりして傷めないよう、そっと扱います。千円札の一生が1〜2年ほどでも、手にした間は、その1枚を大事に使えます。

手元の千円券で、次の3点を確かめてみよう。

まず、識別マークの位置と本数。左下と右上に11本の斜線があるかを、指でなぞって確かめられる[6]。次に、額面数字の大きさ。2004年発行の旧券があれば、並べて比べられる[6]。最後に、傷み具合。折れや汚れを見て、1〜2年という平均寿命[3]の間に、どれだけ傷むのかを想像してみる。大きく破れた札は、残った面積が3分の2以上かどうかが引き換えの目安になる[4]。

法令の条文(日本銀行法第46条第2項、通貨法第7条)は、e-Gov法令検索で原文を読める。日本銀行の「教えて!にちぎん」にある各項目も、この記事の出典欄から開ける。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

お札と硬貨の使い方、古い札の扱い、寿命、損傷券の引き換え、新券の特徴は、いずれも日本銀行の公開資料による。

  1. 日本銀行「教えて!にちぎん お札や硬貨は何枚でも使えるか」 https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/money/c08.htm (法貨・無制限通用、硬貨の20枚までの決まり)
  2. 日本銀行「教えて!にちぎん 古いお札は使えるか」 https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/money/c07.htm (発行種類数・通用力を失った3回の特別措置)
  3. 日本銀行「教えて!にちぎん お札の寿命」 https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/money/c10.htm (平均寿命・裁断とリサイクル)
  4. 日本銀行「教えて!にちぎん 損傷したお札の引き換え」 https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/money/c09.htm (残存面積による引き換え基準)
  5. 日本銀行「新しい日本銀行券」 https://www.boj.or.jp/note_tfjgs/note/n_note/index.htm (発行日・千円券の肖像と裏面)
  6. 日本銀行「新しい日本銀行券の特徴」 https://www.boj.or.jp/note_tfjgs/note/n_note/security.htm (識別マークの位置・額面数字の大きさ)

なおした ところ

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