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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

スカンクの においは、どくなの?

スカンクの臭いは「毒」なのか ── 毒を「かませる」「かける」「食べさせる」動物たち

スカンクの臭いは毒か ── 毒を届ける3つの方法と、毒を借りる動物(ヤドクガエル・ヤマカガシ)

分野:生きもの

スカンクは、かみつきも、さしも しません。それでも、てきを おいはらう ぶきを もって います。おしりの そばから、くさい えきを とばすのです。

この においは「どく」なのでしょうか。がくしゃの わけかたでは、どくの なかまには はいらない かも しれません。どくの「とどけかた」に ちゅうもくすると、ゴミムシの ぶきも、ヤドクガエルや ヤマカガシの ぶきも、すっきり わかれて みえて きます。どくを じぶんで つくらない どうぶつが いる ことも わかります。

スカンクは、かみつきも、針で刺しもしません。それでも、天敵を追いはらう強力な武器をもっています。肛門のそばの腺から出す、あの臭い液です。

あの臭いは「毒」の仲間なのでしょうか。研究者が提案した分け方では、毒は「どう届けるか」で三つに分かれ、スカンクはそのどれに入るのかが問題になります。この分け方でゴミムシ、ヤドクガエル、ヤマカガシの武器を並べ直すと、毒を自分では作らず、食べた虫やカエルから借りる動物がいることが分かります。

スカンクの噴射液は毒なのか。2014年にNelsenらが提案した分類では、毒は作り方ではなく届け方で分けられ、咬まず刺さず体の表面に届くスカンクの液は、venom(毒液)より toxungen に近い位置にある[1]。

では、この物差しでゴミムシの熱い噴射、ヤドクガエルの皮膚の毒、ヤマカガシの首の毒を見ると、何が分かるのか。とくに後の二つは、毒の成分を自分で作らず食べたものから得ている例として報告されており、「毒を作る」と「毒を届ける」が別の問題であることが分かる。

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1. スカンクは、いきなり ふきかけるの?

1. スカンクは、いきなり噴射しない

1. 噴射の前に警告する ── スカンクの臭いの出どころと成分

スカンクの においは、おしりの りょうがわに ある ふたつの せんから でます。においの もとは、チオールと いう、いおうを ふくむ ぶっしつの なかまです[3]。

ふきだす きょりは 3mほどと いわれて いて、ねらいも せいかくです。ただ、いきなりでは ありません。シマスカンクは、しっぽを あげ、あしを ふみならし、シューッと おとを だして、まず けいこくします[4]。

もうひとつ ふしぎな ことが あります。においを あらいおとしたのに、すうじつ あとに ぬれると また においが もどる ことが あるのです。においの もとと なる ぶっしつの ほかに、ゆっくり みずと はんのうして においの もとに かわる ものも まじって いる ためだと、せつめいされて います[3]。

臭いは二つの腺から

シマスカンクの臭いは、肛門の両側にある二つの腺から出ます。主な成分は、硫黄と水素がつながった部分をもつチオールという物質で、(E)-2-ブテン-1-チオールや3-メチル-1-ブタンチオールなどが含まれます[3]。

まず警告、それでも続けば噴射

噴射できる距離は資料によって幅がありますが、3mほどといわれ、狙いも正確です。ただし、いきなり撃つわけではありません。シマスカンクは噴射の前に、しっぽを上げ、足を踏みならし、シューッと音を出して警告します[4]。

洗ってもにおいが戻る理由

ブリストル大学の解説によると、噴射液にはチオールのほかにチオアセテートも混ざっています。チオアセテートはチオールより臭いが弱く、水でゆっくり分解されると、強いチオールを出します。そのため、いったん落ちた臭いが、ぬれたときに数日後に復活することがあります[3]。

スカンクは噴射する前に、まず警告する。シマスカンクの場合、尾を上げ、足を踏みならし、シューッと音を立ててから噴射し、その距離は資料により幅があるが約3m(10フィート)、狙いは正確とされる[4]。噴射の前に、これだけの行動が先に出る。

液の出どころは肛門の両側にある二つの腺で、主成分は硫黄と水素の結合部(チオール基)をもつ(E)-2-ブテン-1-チオール、3-メチル-1-ブタンチオールなどのチオールである[3]。さらに、William Woodが噴射液からチオアセテートも見つけた。チオアセテートは臭いがチオールより弱いが、水でゆっくり加水分解されて、再びチオールを出す。このため、洗って消えたはずの臭いが数日後に水にぬれて復活することがあり、臭い落としが難しい一因とされる[3]。

では、この液は「毒」と呼べるのか。それは成分の強さではなく、どう相手に届くかで決まる、という考え方がある。次の節でそれを見る。

2. どくは、どうやって あいてに とどくの?

2. 毒は「どう届けるか」で三つに分けられる

2. 毒の三分類 ── venom・toxungen・poison と、スカンクの位置

どくを もつ どうぶつの ぶきは、あいてに とどける ほうほうで、3つに わけられると いう かんがえが あります[1]。

ひとつめは、きずを つくって、からだの なかへ いれる タイプです。ちいさな はりで さすような ものです。ふたつめは、きずを つくらず、からだの ひょうめんに かける タイプです。みずでっぽうの ようです。みっつめは、とどける しくみは なくて、たべられたり すわれたり したときに はたらく タイプです。

スカンクは、かまず、さしません。ですから、ふたつめの「かける タイプ」に ちかいと かんがえられます。

この わけかたは、がくしゃが 2014ねんに ていあんした ものです。まだ せけんで ひろく つかわれる ことばでは ありません[1]。ただ、「スカンクの においは どくか」を かんがえる ものさしには なります。においが つよい ことと、どくで あることは、べつの はなしです。

三つの分け方

2014年、Nelsenらは、毒をもつ生きものの武器を、毒の「作り方」ではなく「届け方」で分ける案を出しました。傷をつくって体の内部に届けるものが venom、傷をつくらず体の表面に届けるものが toxungen、届ける仕組みがなく、食べる・吸う・皮膚から吸収されることで作用するものが poison です[1]。

日本語では、毒蛇の牙のように「かませる」のが venom、液を「かける」のが toxungen、「食べさせる」のが poison と覚えると、区別しやすいでしょう。toxungen は学術上の提案で、一般にはまだ広く使われていない言葉です。

スカンクはどこに入る?

toxungen の定義には、噴射・唾はき・塗りつけなど、咬みつきや刺しなしに体表へ届く分泌物が含まれます[2]。スカンクの液は、咬みも刺しもせずに相手の体の表面へ届くので、venom より toxungen に近い位置にあります。

ここで大切なのは、この分類が「危険かどうか」ではなく「どう届くか」の分類だということです。スカンクの液の有害性そのものは、この分け方からは何も言えません。

毒かどうかを、毒性の強さではなく届け方で分類する提案がある。Nelsenらは2014年のレビューで、生物毒を三つに分けた。傷をつくり体内に届けるものが venom、傷を伴わず体表に届けるものが toxungen、届ける仕組みをもたず摂取・吸入・体表からの吸収で作用するものが poison である[1]。

この分類では、毒の「作り方」と「届け方」が切り離される。そのため、同じ毒でも、どの経路で届くかによって呼び名が変わりうる。toxungen の定義には、噴射・唾はき・塗りつけなど、咬みも刺しもせずに体表へ届ける方法が含まれる[2]。

スカンクは咬まず刺さず、液は体表に届く。したがって分類上は venom でなく toxungen に近い。ただし toxungen は学術上の提案で、一般に定着した語ではない。また、この分類は有害性の分類ではないので、スカンクの液が人や動物の目にどれほど強く作用するかは、ここからは言えない。

この物差しを手に、ほかの動物の武器を見てみよう。まずは、体の中で「熱い液」を作る甲虫から。

3. ゴミムシの なかまは、おなかの なかで ぶきを まぜるの?

3. ホソクビゴミムシの仲間は、腹の中で薬品を混ぜて100℃の液を噴く

3. 反応室で混ぜて噴射する ── ホソクビゴミムシ類の100℃の液

ホソクビゴミムシと いう こんちゅうの なかまは、てきに むかって、あつい えきを ふきかけます。にほんに いる ミイデラゴミムシ(へっぴりむしとも よばれます)も、にた ぶきで しられて います。

おなかの なかには、ふたつの へやが あります。おおきい へやには、ヒドロキノンと かさんかすいそが たくさん たまって います。ちいさい へやには、こうそと いう、はんのうを はやくする ものが はいって います[5]。

ふたつの へやを つなげて まぜると、さんそが でて、ヒドロキノンが かわります。この さんそが、えきを ふき とばす ちからにも なります[5]。ホソクビゴミムシの なかまの なかには、100℃の えきを ふきだす ものが いると ほうこく されて います。おゆが わく あつさと おなじです。ひとつの せんが からに なるまで、20かい いじょう ふき つづけられる ことも ほうこく されて います[5]。

この すうじは、ホソクビゴミムシの なかまを しらべた ろんぶんの ものです。にほんの ミイデラゴミムシ そのものの あたいでは ありません。

二つの部屋

ホソクビゴミムシの仲間の腹部の腺は、大きな貯蔵室と小さな反応室に分かれています。貯蔵室にはヒドロキノンと過酸化水素、反応室にはカタラーゼとペルオキシダーゼという酵素が入っています[5]。

危険を感じたとき、二つを混ぜると酸素が出て、ヒドロキノンが酸化されます。このとき出る酸素は、液を押し出す役目もはたします[5]。材料を別々にしまっておいて、使うときだけ混ぜる、という作りです。

100℃の噴射、20回以上

論文では、一部のホソクビゴミムシ類の噴射液が100℃に達すると報告されています。成分には刺激物として知られるp-ベンゾキノンが含まれます。1匹は、腺が空になるまでに20回以上噴射できるとされます[5]。

日本のミイデラゴミムシ(へっぴり虫とも呼ばれる)も同じような武器の例として挙げられますが、これらの数値はホソクビゴミムシ類を調べた論文のものです。日本の種そのものの測定値ではありません。

噴射は傷を伴わず体の表面へ向かうので、定義の上では、スカンクと同じ「かける」型にあてはまりそうです。

臭いや刺激物を、体の中で「その場で作る」動物がいる。ホソクビゴミムシ類の腹部の腺は、大きな貯蔵室(ヒドロキノンと過酸化水素)と、小さな反応室(カタラーゼとペルオキシダーゼ)からなる。危険時に両者を混ぜると、酵素の働きで酸素が発生してヒドロキノンが酸化される[5]。この酸素は酸化反応の材料であると同時に、液を押し出す気体としても働く。反応物を別の区画に分けて貯めておく構造であり、貯蔵中は反応が進まないしくみになっている。

Eisner & Aneshansley(1999, PNAS)によれば、一部のホソクビゴミムシ類では噴射液が100℃で放出されると報告され、成分のp-ベンゾキノンは刺激物として知られる。1個体の腺が空になるまでに20回以上噴射できる[5]。ただし、これはホソクビゴミムシ類を調べた論文の値であり、日本の種であるミイデラゴミムシ(へっぴり虫とも呼ばれる)を個別に測った値ではない。日本の種に同じ数値をそのままあてはめることは、ここでは避ける。

三分類に戻ると、噴射は傷をつくらず体表に届くので、定義上は toxungen に近いと考えられる。しかし、この噴射は「毒を届ける」というより、熱と刺激物で相手をひるませる武器のようにも見える。分類の「毒」の範囲を広く取る提案だからこそ、こうした例も議論に入る。

ここまでの動物は、武器の材料を自分の体で作っていた。では、材料を自分で作らない動物はいるのか。

4. どくの ある カエルは、どくを じぶんで つくるの?

4. ヤドクガエルは、毒を自分では作っていない

4. 食物から取り込む毒 ── ヤドクガエルのアルカロイド

ヤドクガエルは、ひふに どくを もつ カエルです。ところが、この どくの もとを、じぶんの からだでは つくらない と かんがえられて います。

ヤドクガエルは、アリや ダニなどの、たべた むしから、どくの もと(アルカロイド)を とりこんで います[6]。かって いる ヤドクガエルに、ショウジョウバエだけを たべさせた グループでは、どくが なくなった という ほうこくも あります[6]。

やがいに いる ササラダニを しらべた けんきゅうでは、80しゅるい いじょうの アルカロイドが みつかり、そのうち 41しゅるいは、イチゴヤドクガエルの ひふの せんにも ありました[7]。ダニが、どくの おもな もとだと かんがえられて います。

この カエルの どくは、てきに うちこむ しくみが ありません。てきが かじったり なめたり して はじめて きく ので、さいしょの わけかたでは「たべさせる タイプ」に あてはまりそうです。

毒の材料は、食べた虫から

ヤドクガエルの毒は、アルカロイドという物質です。これを自分で作るのではなく、アリやダニなど、食べた節足動物から取り込んでいることが報告されています[6]。飼育下でショウジョウバエなどを食べさせたグループでは、毒が失われたといいます。ただし、この報告は査読前のプレプリントなので、ほかの資料と合わせて読む必要があります。

毒のもとをもつダニ

2007年のSaporitoらの研究では、野外のササラダニ類から80種類を超えるアルカロイドが見つかり、そのうち41種がイチゴヤドクガエルの皮膚の腺にもありました[7]。ダニのアルカロイドのおよそ半分が、カエルの皮膚とも重なっていたことになります。この結果から、ダニが毒の主な供給源の一つと考えられています。

届ける仕組みはない

ヤドクガエルの毒には、咬みついたり噴射したりする仕組みがありません。敵が口にしたり皮膚にふれたりして初めて作用する点で、三分類の poison に当たりそうです[1]。毒を作ることと、毒を届けることは、別々の問題なのです。

毒をもつことと、毒を合成することは、同じではない。ヤドクガエルは、皮膚のアルカロイドを自分で合成せず、主にアリやダニなどの節足動物を食べて取り込む(sequestration)。飼育下でショウジョウバエなどを与えた群では毒性が失われたとする報告があるが、これはbioRxivのプレプリントで査読前の可能性があり、単独で結論の根拠にはしにくい[6]。

そこで、野外の餌側の調査が意味をもつ。Saporitoら(2007, PNAS 104:8885)は、野外のササラダニ類に80種類超のアルカロイドがあり、そのうち41種がイチゴヤドクガエルの皮膚腺にもあったと報告した[7]。ダニ側のアルカロイドの約半数が、カエルの皮膚腺と重なることになる。食物連鎖の中でダニから得ているという説明が有力であり、この一致が根拠の一つになっている。

届け方の面では、ヤドクガエルの毒に、傷をつくったり噴射したりする仕組みはない。捕食者に摂取されたり皮膚から吸収されたりして作用するため、Nelsenらの分類では poison に当てはまると考えられる[1]。ただし、カエルの種や毒の種類ごとに届き方まで調べた資料ではないので、ここでは一般的な当てはめにとどめる。

毒を借りる動物は、カエルだけではない。日本の身近なヘビにも、借り物の毒がある。

5. ヤマカガシの くびの どくは、どこから きたの?

5. ヤマカガシの首の頸腺の毒は、食べたカエルから借りている

5. 頸腺の毒の由来 ── ヤマカガシはヒキガエル、中国の近縁種はホタルを使う

ヤマカガシは、にほんに すむ へびです。くびの せなか がわの ひふの したに、「けいせん」と いう ところが あり、てきから みを まもる どくを ためて います[8]。

この どくの おもな せいぶんは、ブファジエノライドと いう ぶっしつです。これは、ヤマカガシが たべた ヒキガエルから もらった ものだと、きょうと だいがくの けんきゅうで わかって います[8]。

さらに、ちゅうごくの なんせいぶに いる、ヤマカガシの なかまの イツウロコヤマカガシの はなしが あります。この へびは ミミズを たべる ので、ヒキガエルが えさに なりません。かわりに、ホタルから おなじ ぶっしつを えて いる ことが わかりました[8]。2020ねんに、アメリカの かがくざっし PNAS に のりました。

これは にほんの ヤマカガシが ホタルを たべる、と いう はなしでは ありません。ちゅうごくの べつの しゅの はなしです。

首の「頸腺」にためた毒

ヤマカガシは、首の背中側の皮下に「頸腺」という器官をもち、捕食者から身を守ります。毒の主成分は強心ステロイドのブファジエノライドで、食べたヒキガエルに由来すると、京都大学の研究で示されています[8]。

食べ物が変わると、毒の借り先も変わる

中国南西部のイツウロコヤマカガシは、ミミズを食べます。ヒキガエルを食べないのに、頸腺にはブファジエノライドがあり、その材料はホタルでした。京都大学の森哲さんや森直樹さんらの研究で、2020年2月25日にPNAS誌に載りました[8]。食性がカエルからミミズに変わる中で、毒の借り先がヒキガエルからホタルへ移ったと考えられています。

頸腺の毒を相手にどう届けるのかは、ここで挙げた資料では説明されていません。そのため、三分類のどれに入るかは決めません。

ヤマカガシは、首の背側の皮下に頸腺をもち、捕食者から身を守る。毒液の主成分は強心性ステロイドのブファジエノライドで、ヤマカガシが捕食したヒキガエル由来の成分であることが、京都大学の研究で示されている[8]。つまり、成分を自分で合成していない毒が、体の決まった場所にたくわえられている。

この「借りる」仕組みは、餌が変わると毒の材料も変わりうることを示す。中国南西部のイツウロコヤマカガシ(ミミズを食べる)は、頸腺のブファジエノライドをヒキガエルではなくホタルから得ている。2020年2月25日にPNASに掲載された、京都大学の森哲・森直樹らの研究である[8]。食性がカエルからミミズへ変わる過程で、ブファジエノライドの供給源がヒキガエルからホタルへ置きかわったと説明される。ホタルを使うのは中国の別種であり、日本のヤマカガシがホタルを使うわけではない点に注意が必要である。

では、頸腺の毒は三分類のどこに入るのか。頸腺の毒を相手に届ける仕組みは、ここで使った資料に書かれていないため、分類は決めない。ただ、ヤドクガエルとヤマカガシに共通するのは、毒の成分が外から来るという点であり、毒の「作り方」と「届け方」が別の問題であるという、この記事の中心の見方に重なる。

6. ほかの どうぶつの ぶきも、3つに わけて みよう

6. 動物園や図鑑で、武器の届け方を仕分けてみる

6. 図鑑や展示の動物を分類し、資料を読む

ためして みよう

おうちに ある ずかんや、がっこうの ほんから、ぶきを もつ いきものを ひとつ えらびます。その ぶきは、「きずを つけて いれる」「ひょうめんに かける」「たべさせる」の どれに ちかいでしょう。ほんに かいて ある ことから わかった ことを、ノートに かいて みましょう。

どれか きめられない ときも あります。きめられない ことも、がくしゃが わけかたを ていあんした ばかりの ことなので、ふしぎでは ありません。

よんで みたい ものは?

ヤマカガシと ホタルの はなしは、きょうと だいがくの けんきゅうニュースに にほんごで のって います。おうちの 人と いっしょに よむと、どんな ふうに しらべたのか、わかります。

つぎの なぞは、どくを かりる どうぶつは ほかにも いるのか、です。

仕分けのやり方

図鑑や動物園の解説で、武器をもつ動物を一つ選びます。その武器は、傷をつくって入れる(venom)、表面にかける(toxungen)、食べさせる(poison)のどれに近いでしょうか。ノートに理由と一緒に書きます。毒の材料を自分で作っているかどうかも、別の項目として書いておきます。

決められないことがあっても大丈夫です。この分類は2014年に提案されたもので、迷うところも多いはずです。

読みたくなったら

ヤマカガシとホタルの話は、京都大学の研究ニュース(2020年3月3日)に日本語で載っています。三分類の原典は、2014年のNelsenらのレビューです。ヤドクガエルの毒に、ダニ以外の餌がどのくらい関わるのか、ほかの動物にも「毒を借りる」例があるのかが、次に気になる問いになります。

家でできる仕分け

図鑑や博物館の展示で武器をもつ動物を一種選び、その武器を venom・toxungen・poison のどれに近いか、理由とともにノートに書く。同時に、毒の成分を自分で合成するのか、食物から得るのかも別の欄に記す。この二つの欄を分けて書くと、「作り方」と「届け方」が別の軸であることが、自分の例で確かめられる。迷う例が出ることは、分類自体が2014年の提案であることを考えれば自然である。

資料を読むなら

日本語では、京都大学の研究ニュース(2020年3月3日)が、ヤマカガシとイツウロコヤマカガシの頸腺の毒を扱っている。三分類の原典は Nelsen et al. 2014(Biological Reviews 89(2))の要旨が読める。ヤドクガエルは Saporito et al. 2007(PNAS 104:8885)が入口になる。三つの資料を並べると、どこまでが確かめられ、どこからが仮説なのかの線引きが見えてくる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文の参照番号は、下のリストの番号に対応します。ヤドクガエルの飼育下の報告は査読前の資料にもとづくため、ほかの資料と合わせて読んでいます。

  1. Nelsen et al. 2014, Biological Reviews 89(2) 要旨 https://experts.llu.edu/en/publications/poisons-toxungens-and-venoms-redefining-and-classifying-toxic-bio-2/ (毒の三分類)
  2. Wikipedia「Toxungen」 https://en.wikipedia.org/wiki/Toxungen (toxungenの定義とドクハキコブラの例。二次資料)
  3. University of Bristol, Molecule of the Month: Skunk Spray https://www.chm.bris.ac.uk/motm/skunk-spray/skunkh.htm (スカンクの噴射液の成分)
  4. PBS NOVA, The Chemistry of Skunks https://www.pbs.org/wgbh/nova/nature/chemistry-skunk.html (噴射の距離と警告の行動)
  5. Eisner & Aneshansley 1999, PNAS(PMC22274) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC22274/ (ホソクビゴミムシ類の噴射。日本の種の値ではない)
  6. McGugan et al., bioRxiv(プレプリント) https://www.biorxiv.org/content/10.1101/031849v1.full-text (ヤドクガエルの毒の取り込み。査読前)
  7. Saporito et al. 2007, PNAS 104:8885 https://discovery.fiu.edu/display/pub81316 (ササラダニとアルカロイド)
  8. 京都大学 研究ニュース(2020年3月3日) https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2020-03-03 (ヤマカガシ・イツウロコヤマカガシの頸腺の毒)

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