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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

昼が いちばん ながい 日より あとに、どうして 八月が いちばん あついの?

昼がいちばん長い6月より、9月のほうが暑いのはなぜか:夏至から1か月以上あとに暑さが最大になる理由

日射が最大の夏至から約2か月後に、東京の気温はなぜ最高になるのか:地面と水が熱をためる時間差

分野:自然

東京の へいきんの 気温を 月ごとに 見ると、昼が いちばん ながい 夏至げしの ある 六月より、昼が みじかく なった 九月の ほうが 高く なって います。太陽が いちばん がんばる 日の あとに、どうして 暑さの ピークが くるのでしょう。

この 記事を 読むと、地面と 水が ねつを ためる ことで、ピークが おくれる わけが 分かります。

東京の月平均気温(1991〜2020年の平年値)は、6月が21.9℃、9月が23.3℃です。昼がいちばん長い夏至は6月にあるのに、昼が短くなった9月のほうが1.4℃も高いのです。太陽の力が最大の日から、なぜ暑さの最大は遅れて来るのでしょうか。

この記事では、地面と水が熱をためる「熱の貯金」の考え方と、場所によって遅れ方が変わることが分かります。

東京の月平均気温の平年値(1991〜2020年)は、昼がもっとも長くなる夏至を含む6月が21.9℃、昼が短くなった9月が23.3℃で、9月のほうが1.4℃高い。最高は8月の26.9℃で、6月より5.0℃も高い。太陽からの熱の入りが最大の時期に、なぜ気温は最大にならないのか。

この記事では、熱の入りと出のつり合い、水と地面の熱のため方、場所による遅れの長さの違いから、8月に暑さが最大になる理由が分かる。

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1. 昼が いちばん ながい 六月より、九月の ほうが あついの?

1. 夏至の6月より、昼の短い9月のほうが平均気温は高い

1. 6月より9月が暖かい:東京の月平均気温に見える「遅れ」

東京の 気温を、気象庁きしょうちょうの 平年の 数字で 見て みましょう。ひと月ごとの 平均へいきんは、六月が 21.9度、七月が 25.7度、八月が 26.9度、九月が 23.3度です[1]。

昼が いちばん ながいのは、六月の 夏至げしの ころです。それなのに、いちばん 暑いのは 八月で、六月より 5度も 高く なって います。九月でも、六月より 1.4度 高く なって います。

太陽が いちばん 長く 出る 日から、どうして 気温は まだ 上がりつづけるのでしょう。

気象庁がまとめた東京の月平均気温の平年値を並べると、6月が21.9℃、7月が25.7℃、8月が26.9℃、9月が23.3℃です[1]。平年値は1991〜2020年の30年平均で、年ごとには上下します。

昼の長さがいちばん長くなるのは、6月21日ごろの夏至です。ところが最高の月は8月で、6月との差は5.0℃にもなります。昼が目に見えて短くなった9月でさえ、6月より1.4℃高くなっています。日中の最高気温の平年値も、7月の29.9℃より8月の31.3℃のほうが高くなっています[1]。

太陽の力が最大の日と、暑さが最大の月が、1か月以上ずれているわけです。このずれは、東京だけの偶然なのでしょうか。それとも、気温が決まるしくみそのものから来ているのでしょうか。

東京の月平均気温の平年値(1991〜2020年の30年平均)は、6月21.9℃、7月25.7℃、8月26.9℃、9月23.3℃である[1]。昼の長さが最大になる夏至(6月21日ごろ)を含む6月が、8月より5.0℃低いのは、梅雨で日照時間が短いことも、差の一因だと考えられる。実際、日照時間の平年値は6月が124.2時間、8月が174.2時間で、6月は8月の約7割にとどまる。

だが、梅雨だけでは説明しきれない点がある。梅雨が明けたあとの比較でも、日中の最高気温の平年値は7月29.9℃に対して8月31.3℃と、8月のほうが1.4℃高い。さらに、昼が目に見えて短くなった9月(23.3℃)が6月より1.4℃高いことは、「日射が強いほど気温も高い」という素朴な見方では説明できない[1]。

この記事では、日射の最大と気温の最大が約2か月ずれる主因を、熱の出入りと、地面・水の熱のため方から考える。梅雨は別の事情として重なるので、ここでは主役にしない。

2. 夏至げしの あとも、どうして 気温は 上がりつづけるの?

2. 夏至を過ぎても、入る熱が出る熱を上回るあいだは上がり続ける

2. 熱の入りと出:気温が最大になるのは「つり合った」ところ

バケツに 水を 入れながら、下の あなから 水が もれて いる ところを 思いうかべて ください。入れる 水が もれる 水より 多いうちは、バケツの 水は ふえつづけます。入れる 水を 少し へらしても、まだ 多ければ、ふえつづけます。

気温も 少し にています。太陽から 入る ねつは 夏至げしが 一番 多く、そのあとは 少しずつ へります。でも アメリカの NOAA という 役所は、夏至げしの あと 数週間は、昼に 入る ねつが 夜に 出て いく ねつより 多いと 話して います[4]。だから 気温は 上がりつづけます。

上がらなくなるのは、入る ねつと 出る ねつが 同じくらいに なった ころです。そこが 暑さの ピークです。ただし 本当の 空気と 地面は、バケツよりも ずっと こみいって います。

日射が最大なのは夏至ですが、気温が最大になるのは日射が最大の日ではありません。気温は、熱の「入り」と「出」の差で決まるからです。バケツに水を注ぎながら、底の穴から水が漏れている場面を考えてみてください。注ぐ量が漏れる量より多いあいだは、注ぐ量が少しずつ減っても、水位は上がり続けます。

米国のNOAA(海洋大気庁)は、夏至のあとも数週間は、昼に太陽から入る熱が夜の冷え込みより大きい状態が続くと説明しています。そのため北半球の多くの場所で、気温は7月まで上がり続け、下がり始めるのは7月下旬から8月初めごろだそうです[4]。これは主に米国についての説明ですが、日本の8月ピークと同じ向きの現象です。

日射の入りが夏至から減り始めても、出ていく熱を上回っているうちは気温が上がります。入りと出がつり合ったところが、暑さのピークです。では、昼のあいだに入った熱は、どこに、どれだけたまるのでしょうか。

日射の強さが最大になるのは夏至だが、気温の最大がそこで起こるとは限らない。気温の変化を決めるのは日射そのものではなく、地表と大気に入る熱と、そこから出ていく熱の差である。バケツに水を注ぎながら底の穴から水が漏れている状況に置きかえると、注ぐ量が漏れる量より多い間は、注ぐ量が減っても水位は上がり続ける。

米国のNOAA(海洋大気庁)は、夏至のあとも数週間は、昼に太陽から入る熱が夜の冷却を上回るため、北半球の多くの場所で気温は7月まで上がり続け、下がり始めるのは7月下旬〜8月初めだと説明している[4]。ただしこれは主に米国の記述であり、東京の8月ピーク(前章)は気象庁の観測値で別に確かめた事実である。両者は同じ向きの現象だが、同じ数値ではない。

したがってピークは、入る熱と出る熱がつり合った時点に来る。ここで問題になるのが、昼に入った熱がどこに蓄えられるかである。蓄える量が大きいほど、入りが出を上回る期間は長く続き、ピークは遅れることになる。

3. 海の 水と 地面は、どうして ねつを ためるの?

3. 水は温まりにくく冷めにくい:夏の貯金箱は地面と水

3. 水と地面の違い:熱をためる「器」の大きさが遅れを決める

夏の 晴れた 昼に、すなはまを 歩くと 足が あつく なります。海に 入ると ひんやり します。同じ 太陽の 光を 受けて いるのに、海の 水は なかなか 温まりません。

大学の 本には、同じ おもさで くらべると、水の 温度を 1度 上げるには、土の だいたい 5ばいの ねつが いると 書かれて います[7](土は しゅるいで かわります)。水は 温まりにくく、さめにくいのです。

アメリカの 天気の 役所は、夏至げしの あとも 気温が 上がる のは、地面と 水が 温まるのに 時間が かかるからだと 話して います[5]。夏の 間に 地面や 水に たまった ねつは、ちょきんのように、じわじわ あとまで のこります。

夏の晴れた昼、砂浜は素足で歩けないほど熱くなるのに、海に入るとひんやりします。同じ太陽の光を受けても、陸と海ではたまる熱の量がまるでちがいます。

大学の講義資料では、水の比熱を約4200 J/(kg·K)、土を約800 J/(kg·K)としています[7]。割り算すると約5.25なので、同じ重さなら、水を1℃上げるには土の約5倍の熱が必要です。土は種類や水分で値が変わるので、あくまで目安です。東京学芸大の資料も、海は陸より熱容量が大きいので、昼に日射で熱せられると陸のほうが早く温まる、と説明しています[8]。

米国の気象局(NWS Caribou)は、夏至より気温のピークが遅れるのは、地面と水が温まるのに時間がかかるためだと述べます。メイン州の北部・東部では、日最高気温が夏至から約4週間後に現れるそうです[5]。地面や水にたまった熱が、貯金のように夏の後半まで効いてくるのです。

では、この貯金の大きさは、場所によってちがうのでしょうか。

水の比熱は約4200 J/(kg·K)、土は約800 J/(kg·K)とする講義資料があり[7]、4200÷800≒5.25から、同じ質量で同じだけ温度を上げるには、水は土の約5倍の熱を要する計算になる。ただし土の値は種類や含水量で変わるので、約5倍は目安にとどまる。さらに水は、波や対流で熱が深いところまで運ばれ、温まる部分の質量そのものが大きくなる。東京学芸大の局地気象資料も、海は陸より熱容量が大きいため、昼の日射では陸のほうが早く温まるとし、これを海陸風の原因に挙げている[8]。

この性質は、1日の変化だけでなく、季節の変化にも効く。米国の気象局(NWS Caribou)は、夏至から気温のピークまでの遅れは、地面と水が温まるのに必要な時間のためだと説明する。メイン州の北部・東部では、日最高気温が夏至から約4週間後に現れるという[5]。夏至以後も熱が入り続け、地面と水が熱をため込んでいる間は、気温が上がり続けるのである。

ここで注意したいのは、比熱の値だけで遅れの長さが決まるわけではない点だ。熱をためる量は、水の深さや陸の広がりにも左右される。そこで次に、遅れの長さが場所によってどれだけ違うかを見る。

4. おくれる 長さは、どこでも 同じなの?

4. 札幌も那覇も同じ? 場所でピークの月と遅れの長さが変わる

4. 札幌・那覇と世界の例:遅れの長さは気候で違う

日本の ほかの 町も 見て みましょう。札幌さっぽろは 七月が 21.1度、八月が 22.3度で、東京と 同じ 八月が いちばん 暑く なります。なはでは 七月が 29.1度、八月が 29.0度です。七月の ほうが 少し 高いだけで、ほとんど 同じです[2][3]。

世界の 本では、おくれの 長さは 気こうに よって ちがうと 書かれています。日本や かんこくの ちかくでは、冬より 夏の ほうが おくれが 大きい ようです[6]。

海の まわりは 水が 多く、ねつを ためる 力が 大きい と 考えられます。でも それだけで 町の ちがいが 全部 わかる わけでは ありません。

日本のほかの町も見てみましょう。気象庁の平年値で、札幌は7月が21.1℃、8月が22.3℃で、東京と同じ8月が最高です[2]。那覇は7月が29.1℃、8月が29.0℃で、7月が最高ですが、差は0.1℃しかありません[3]。町によって、ピークの月は少し変わります。

世界に目を向けると、遅れの長さは気候によって変わります。百科事典(Wikipedia)の「季節の遅れ」の項目によれば、日本や韓国の付近では、冬よりも夏の遅れが大きい傾向があり、梅雨との関係が示唆されているそうです[6]。

前の章の考え方に当てはめると、海の熱容量の大きさは、遅れを長くする要因の一つかもしれません。ただし、町ごとの差を海への近さだけで説明できるわけではなく、那覇の7月と8月の差が小さい理由までは、ここで挙げた資料から言い切れません。梅雨の影響は、東京の6月の日照時間が124.2時間、8月が174.2時間とちがう[1]という形で、別に重なっています。

地点によってピークの月は一様ではない。気象庁の平年値では、札幌は7月21.1℃、8月22.3℃で8月が最高[2]、那覇は7月29.1℃、8月29.0℃で7月が最高である[3]。ただし那覇の差は0.1℃にすぎず、「7月がはっきり高い」とは言えない。両月はほぼ並んでいる、と読むのが妥当だ。

では世界ではどうか。百科事典の「季節の遅れ」の項目によると、遅れの長さは気候によって異なり、日本・韓国付近は冬より夏の遅れが大きい傾向があり、梅雨との関係が示唆されている[6]。これは百科事典の記述で、一次資料で裏づけたものではない。

前章の枠組みに当てはめると、熱をためる器が大きい海洋性の場所ほど、入りが出を上回る期間が長くなり、遅れも大きくなると予想できる。海の熱容量は遅れに関わる要因の一つと考えられるが、地点差を海への近さだけで説明できるわけではない。海に近い場所で遅れが長くなるという予想に沿う例はあるが、那覇の7月と8月の差が小さい理由や、日本近海の海面水温のピークが何月かは、ここで挙げた資料からは言えない。さらに東京では、6月の日照時間が124.2時間、8月が174.2時間で、6月は8月の約7割にとどまり[1]、梅雨の影響が気温の遅れと別に重なっている。

5. 水と 土の ねつの ため方を、じぶんで くらべて みよう

5. 熱の貯金を、小さな入れ物と自分の町の数字で確かめる

5. 水と土の差を手元で確かめ、自分の町の月別平年値を読む

きょう できる こと

おうちの 人と いっしょに、小さな 入れものを 2つ 日なたに おきます。1つには 水、もう1つには 同じ おおさの 土か すなを 入れます。朝と 午後に、指の さきで そっと さわって、どちらが あたたかいか くらべます。日なたの すなは あつく なる ことが あるので、先に ほんの 少しだけ ふれて たしかめて ください。

しらべる とき

気象庁きしょうちょうの ホームページの 「むかしの 気象きしょうデータ」で、自分の 町の 月ごとの 平年値へいねんちが 見られます。いちばん 暑い 月は いつか、さがして みましょう。海の 近くと 山の 中で、ちがうか 見くらべても おもしろいです。

今日できること

おうちの人といっしょに、小さな入れ物を2つ、日なたに置きます。1つには水、もう1つには同じ量の土か砂を入れます。朝と午後に指先でそっとさわり、どちらが先に温まり、どちらが温かさを長く保つかをくらべます。日なたの砂は熱くなることがあるので、先にほんの少しだけ触れて確かめてください。

資料を読むなら

気象庁のホームページの「過去の気象データ」では、全国の観測地点の月別平年値が見られます。自分の町でいちばん高い月はいつか、東京と比べてどうかを調べてみましょう。海に近い町と内陸の町を並べると、いちばん高い月の違いが数字で見えてくるかもしれません。

日本近海の海面水温は、気温より遅れるのか。この記事ではそこまで確かめていない、次に気になる問いです。

手元でできる確認

同じ大きさの容器を2つ用意し、一方に水、他方に同量の土か砂を入れて日なたに置く。朝と午後に温度計か指先で比べると、土や砂のほうが先に温まり、水は温まりにくいことが確かめられる。日なたの砂は高温になることがあるので、まず少量に触れて確かめてから行う。

資料を読むなら

気象庁「過去の気象データ」の月別平年値で、自分の町のピークの月を調べ、海に近い町と内陸の町で比べるとよい。[1]〜[3]の表と同じ形式である。遅れについてさらに読むなら、NOAAとNWSの解説[4][5]が参考になる。

日本近海の海面水温が、気温より何週間遅れて最大になるのかは、この記事では数値を確かめていない。熱の貯金の考え方が合っているかを試す、次の問いとして残しておく。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

数値はすべて 2026年10月16日に確認した資料にもとづく。平年値は1991〜2020年の30年平均。

  1. 気象庁「過去の気象データ 東京 平年値」 https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/nml_sfc_ym.php?prec_no=44&block_no=47662 (東京の月平均気温・日最高気温・日照時間)
  2. 気象庁「過去の気象データ 札幌 平年値」 https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/nml_sfc_ym.php?prec_no=14&block_no=47412 (札幌の月平均気温)
  3. 気象庁「過去の気象データ 那覇 平年値」 https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/nml_sfc_ym.php?prec_no=91&block_no=47936 (那覇の月平均気温)
  4. NOAA NESDIS「NOAA satellites view 2023 summer and winter solstices」 https://www.nesdis.noaa.gov/news/noaa-satellites-view-2023-summer-and-winter-solstices (夏至後の熱の入りと出・米国の気温の推移)
  5. NWS Caribou「The Seasons, the Equinox, and the Solstices」 https://www.weather.gov/car/SeasonalChanges (地面と水の加熱に時間がかかること・メイン州の例)
  6. Wikipedia「Seasonal lag」 https://en.wikipedia.org/wiki/Seasonal_lag (遅れの長さの目安・百科事典の記述)
  7. 東京大学大気海洋研究所 流体地球科学 講義資料 https://ovd.aori.u-tokyo.ac.jp/fujio/2019chiba/2019chiba02.pdf (水と土の比熱の目安)
  8. 東京学芸大学 局地気象資料 http://kishou.u-gakugei.ac.jp/graduate/local/doc02.pdf (海と陸の熱容量のちがい)

なおした ところ

更新履歴

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