1. たちどまると、どうして しまりかけるの?
1. 立ち止まると閉まりかける
1. 基本動作と静止時の事故 ── 消費者庁の注意喚起
ふつうの じどうドアは、うえの センサーが ひとの うごきを 見つけると あきます。しばらく なにも 見つけないと、しまりはじめます。しまる とちゅうでも、また 見つけると、もう いちど あきます[1]。
ですから、あいた ドアの ところで じっと していると、センサーが 「だれも いない」と かんがえて しまう ことが あります。ドアの まんなかで とまるのは やめましょう。
2. ゆきや むしでも、あくことが あるの?
2. 雪や虫、揺れる旗でも開く
2. 誤作動の原因が示すもの ── センサーは「人」を識別していない
じどうドアの センサーを つくる かいしゃの せつめいでは、ゆきや むし、みずたまり、うえきばち、ゆれる はたなどでも、はんのうする ことが あると あります[2]。
ここで ふれた せつめいの センサーは、「ひと」を 見わけて いるのでは なく、「ふだんと ちがう ようす」を 見つけて いる ようです。たとえば、きもちよく ねて いる ねこの ちかくで、ふとんが すこし うごいたら 目を さます のに にて います。ねこは ふとんの 中身までは 見て いません。ただし ほんとうの センサーは、ねこの ような かんがえごとは して いません。
ある大手メーカーのよくある質問には、誤作動の原因として、雪、虫、水たまり、鉢植え、風で揺れる旗などが挙がっています。空調による室内と室外の温度差も、原因になることがあるそうです[2]。ここに書かれているのは特定の機種の話で、すべての自動ドアに当てはまるとはかぎりません。
この一覧を見ると、このメーカーが説明する方式のセンサーは「人か、そうでないか」を見分けているのではなく、決まった範囲で何かが変わったことを見つけているように思えます。眠っている猫の近くで、ふとんが少し動くと目を覚ますようなものです。ただし、センサーは猫のように考えているわけではありません。
メーカーの解説(FAQ)は、誤作動の要因として、雪、虫、水たまり、鉢植え、揺れる旗、空調による室内外の温度差を挙げる[2]。これは特定機種についての記述で、全機種に一般化はできない。
列挙された要因は、いずれも人ではない。このメーカーが説明する方式のセンサーは、対象の種類を識別せず、検出エリア内で反射や温度、電波の状態が変化したことに反応していると解釈できる。次章以降で方式ごとに見る。
3. あかがいせんの センサーは、なにを 見ているの?
3. 赤外線センサーの2つのやり方
3. 赤外線方式 ── 反射の差と温度の差
あかがいせんは、目には 見えない ひかりの なかまです。センサーには、おもに ふたつの やりかたが あると せつめいされて います[2]。
ひとつは、ゆかから はねかえって くる ひかりを 見る やりかたです。だれかが はいって くると、はねかえりかたが かわります。もうひとつは、ゆかと ものの おんどの ちがいを 見る やりかたです。
はねかえりを 見る やりかたは、ひくい ものや くろっぽい ふくが にがてです。おんどを 見る やりかたは、きおんが からだの おんどに ちかい あつい ひに、はんのうしにくく なると いいます[2]。
赤外線は、目に見えない光の仲間です。自動ドアのセンサーには、大きく分けて2つのやり方があると、メーカーは説明しています[2]。
1つは、近赤外線を床に向けて出し、床からの反射と、検出エリアに入った物からの反射の差を見るやり方です。もう1つは、床と物の温度の差を見るやり方です。
それぞれ苦手なこともあります。反射の差を見る方式は、低い物や黒っぽい服だと差が小さくなりがちです。温度の差を見る方式は、気温が体温に近い暑い日に差が小さくなって、反応しにくくなることがあるそうです[2]。
メーカーは1980年に、赤外線を使った自動ドアのセンサーを世界で初めて開発し、製品にしたと自社のサイトで述べています[3]。英語版のウィキペディアも、1980年に赤外線センサーを使った最初の自動ドアが登場したと書いています[4]。ただ、どちらも「世界初」を名のる資料なので、時期は1980年ごろと考えておくのがよさそうです。
メーカーの解説は、赤外線式に2種類あるとする。近赤外線反射方式は、床面からの反射と、検出エリアに入った物体からの反射の差を検出する。もう一方は、床面と物体の温度差を検出する[2]。
限界も方式ごとに異なる。反射方式は低い物体や黒っぽい服で反射差が小さくなり、温度方式は気温が体温に近いとき温度差が小さくなり反応しにくい[2]。
導入時期について、オプテックスは1980年に赤外線自動ドアセンサーを世界で初めて開発・製品化したと自社サイトで述べる[3]。「世界初」は企業の自己申告である。英語版Wikipediaも、1980年に赤外線センサーを使う最初の自動ドアが登場したと記す[4]。ただし双方とも「最初」を述べる二次的な記述で、独立した裏づけとは言いにくいため、1980年ごろと扱う。
4. でんぱで うごきを 見る、って どういうこと?
4. 電波の変化で動きを見る ── マイクロ波とドップラー効果
4. マイクロ波ドップラー方式 ── 周波数のずれで動体を検出
もうひとつの やりかたは、でんぱを つかいます。ドアから でんぱを おくり、ものに あたって かえって きた でんぱを しらべます。
うごいて いる ものに あたると、かえって くる でんぱの ふるえかたが すこし かわります。これは、きゅうきゅうしゃが ちかづくと サイレンが たかく きこえ、とおざかると ひくく きこえるのと おなじ しくみで、ドップラーこうかと いいます[5]。
メーカーは、この しくみの センサーが、マイナス35℃の ひくい きおんでも あんていして うごくと せつめいして います[3]。
5. むかしの とびらは、ひとを 見て いたの?
5. 古代ギリシャの扉から、マットのドアへ
5. 自動開閉の歴史 ── ヘロンの仕掛けと1954年のマット式
むかしの ギリシャに、ヘロンという ぎじゅつしゃが いました。かみさまの ほこらの とびらを あける しかけを かいた、と つたえられて います[6]。
しかけは、こうです。さいだんの ひで、とじた いれものの くうきを あたためます。おされて でた みずが おもくなり、なわを ひっぱって とびらが あく、というものです。ひとを 見つける しくみでは ありません。じっさいに つくられたかは、わかりません。
そのあと、1954ねんに、ゆかに おく マットの じどうドアが はつめいされたと、えいごの じてんは かいて います[4]。マットに のると、あくのです。
6. ドアが あくまで、どうして じかんが かかるの?
6. 見つけてから開くまでの時間差と、補助のセンサー
6. 検知から開放までの遅れと補助光電センサー
センサーが 見つけてから、ドアが あくまでは、すこし じかんが かかります。はしって とおったり、ななめから はいったり すると、ドアが ひらく まえに ぶつかる ことが あります[1]。じどうドアの まえでは、あるいて ちかづきましょう。
ドアの なかには、しまる とちゅうで ひとが いると、もどって ひらく ように なって いる ものも あります。ただし、ドアと かべの すきまは、センサーの 見える はんいの そとです[1]。
7. じどうドアは、なにが まだ にがて?
7. 通りたい人と通り過ぎる人を見分けられるか
7. 従来方式の限界と研究 ── 通行の意思の判定
むかしからの じどうドアの なかには、とおりたい ひとと、ただ そばを とおりすぎる ひとを、みわけにくい ものが あります。だから、いらないのに あく ことが あると いわれます[7]。
そこで、だいがくの けんきゅうでは、レーザーで ひとの うごきを くわしく はかり、「とおりたいのかな」を ドアに はんだん させる こころみが あります。ドアが ひとの きもちを よむ ひが くるかも しれません。
自分でも しらべて みたく なったら
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
今日できること
いつも つかう じどうドアを おもいだして みましょう。うえの どこに、センサーの まどが あったでしょうか。おもいだせなければ、つぎに とおる ときの おたのしみです。
出かけてできること
おうちの ひとと いっしょに、スーパーの いりぐちで ドアを 見て みましょう。ドアの うえの センサーを さがし、ゆっくり あるいて ちかづいて、どこで あきはじめるか 見ます。ドアの ま下で とまって ためすのは、やめましょう。
こうしきの 情報
じどうドアの かいしゃの ホームページに、センサーの せつめいが あります。
今日できること
よく使う自動ドアを思い出して、センサーが上のどこにあったか、思い浮かべてみてください。思い出せなければ、次に通るときの楽しみにしましょう。
出かけてできること
スーパーなどの入口で、ドアの上のセンサーの窓を探し、歩く速さを変えて近づいてみます。どのあたりで開き始めるかを目で見るだけで、方式のちがいに気づくかもしれません。ドアの真下で立ち止まって試すのはやめましょう。
公式情報
自動ドアのセンサーを作っている会社のサイトに、方式の解説やよくある質問があります。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
今回は、使い方と事故の注意は公的機関の資料、方式の説明はメーカーの解説と特許文献、歴史は百科事典的な資料を使った。
- 消費者庁「建物の出入口にある自動ドアでの事故に気を付けましょう」(2018年3月27日、日光市掲載) https://www.city.nikko.lg.jp/material/files/group/15/jidoudoajikobousi.pdf (基本動作・時間差・静止時の事故・補助センサー)
- オプテックス よくあるご質問 自動ドア機器 https://www.optex.co.jp/support/faq/automatic-door.html (赤外線の2方式・誤作動の原因)
- オプテックス 自動ドア機器 https://www.optex.co.jp/products/automatic-door/ (赤外線センサーの開発・マイクロ波方式の低温での動作)
- Automatic door(Wikipedia英語版) https://en.wikipedia.org/wiki/Automatic_door (マット式・マイクロ波・赤外線の時期)
- 特許JP4783130B2 マイクロ波ドップラーセンサ https://patents.google.com/patent/JP4783130B2/ja (ドップラー方式の構成)
- Hero of Alexandria(Wikipedia英語版) https://en.wikipedia.org/wiki/Hero_of_Alexandria (古代の扉の仕掛け)
- 電気通信大学 Development of Intelligent Automatic Door System (ICRA 2014) https://www.robo.lab.uec.ac.jp/ja/publication/2014/icra/nishida/ (従来方式の限界と研究)
なおした ところ
更新履歴
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