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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

1日に 244兆ちょう円も うごく お金は、どこで うごいて いるの?

1日に約244兆円が動く日銀の口座の決済 ── 日銀当座預金と国債の決済が「まとめて差額だけ」から「一件ずつ」へ変わった理由

日銀当座預金と日銀ネット ── 1営業日約244兆円の決済と、時点ネット決済から即時グロス決済(RTGS)への移行

分野:技術

日本銀行の しらべでは、2026年6月、日銀の とうざ預金よきんを つかった けっさいは、1日の へいきんで やく244兆ちょう円でした。とても 大きな 数字ですが、お金を はこぶ トラックの はなしでは ありません。

では、銀行どうしの お金は、どこで どう うごくのでしょう。そして、なぜ ひとつ ずつ その場で おわらせる ように かわったのでしょう。その わけが わかります。

日本銀行の統計によると、日銀当座預金を使った決済は、2026年6月の1営業日平均で約244兆円でした[3]。入金と引き落としを二重に数えない数え方での数字です。現金を何十台もの車で運んでいるわけではなく、日銀にある各銀行の口座の数字が、オンラインで書きかわります。

それなら、銀行どうしの支払いは、どんな順番で、どんな分担で終わるのでしょうか。日銀当座預金と国債の決済は、かつては「まとめて差額だけ」でしたが、2001年に「一件ずつその場で」へ変わっています。その分担と、変えた理由、止めないための工夫が分かります。

日本銀行の統計では、日銀当座預金を通る決済は、2026年6月の1営業日平均で約244.0兆円、約9.7万件だった。入金と引き落としを1件として二重に数えない片道ベースの数字である[3]。この資金は、日銀に口座を持つ金融機関どうしが、口座の残高をオンラインで受け払いすることで動く。

なぜ日銀が、民間の銀行どうしの決済の舞台になっているのか。全銀システムとの分担、日銀当座預金と国債の決済における、2001年の時点ネット決済から即時グロス決済(RTGS)への移行、その副作用として必要になる資金とその手当て、さらに止めないための設計が、日銀の公式資料から分かる。

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1. 銀行は、どこに お金を おいて いるの?

1. 銀行の口座は日銀にある

1. 決済の舞台としての日銀当座預金

わたしたちが 銀行に こうざを もって いるように、銀行も 日銀に こうざを もって います。このこうざを、とうざ預金よきんと いいます[1]。

銀行どうしで はらいを するとき、お金の かわりに 使う てだての 1つが、この こうざの 数字です。A銀行の 数字を へらして、B銀行の 数字を ふやす。それが オンラインで おこなわれます[2]。

2026年6月は、1日に やく9万7千 こ、金がくで やく244兆ちょう円ぶんの けっさいが ありました[3]。1 兆ちょう円は、1万億おく円です。それが 毎日、ほとんど 目に 見えない ところで うごいて います。

でも、2つの銀行の あいだだけで 話が おわらない ことも あります。たくさんの 人の 「ふりこみ」は、だれが とりまとめて いるのでしょう。

※ここでの 「けっさい」は、日銀の とうざ預金よきんを つかった ものの 数です。入る お金と 出る お金を 二重には 数えて いません。

私たちが銀行に口座を持つように、銀行など金融機関も日本銀行に口座を持っています。これが日銀当座預金で、日銀は、金融機関どうしの決済の手段として、銀行券とこの当座預金を提供しています[1]。

資金や国債の決済が終わるまでの流れは、日銀と金融機関を結ぶコンピュータ・ネットワーク「日銀ネット」の上で進みます。当座預金の間の受け払いや国債の受け渡しをオンラインで行うもので、稼働を始めたのは1988年です[2]。たとえばA銀行がB銀行に支払う場合は、A銀行の口座の数字を減らし、B銀行の口座の数字を増やす形になります。

この口座を通る決済は、2026年6月の1営業日平均で約9万7千件、約244兆円でした[3]。1件を入金と引き落としで二重に数えない片道ベースの数字で、月によって変わります。大まかには「240兆円前後」と受け取るのが安全です。

ところが、私たちの日々の振込は、銀行ごとに日銀と直接やりとりしているわけではありません。間に入る民間の仕組みがあります。

日本銀行は、金融機関どうしの決済手段として、銀行券と日本銀行当座預金を提供している。金融機関は日銀に当座預金口座を持ち、資金取引や国債取引の決済にこれを使う[1]。日銀ネット(日本銀行金融ネットワークシステム)は、この口座間の受け払いと国債の受け渡しをオンラインで行う日銀と金融機関のネットワークで、稼働は1988年に始まった[2]。

規模は、日銀の「決済動向」で確かめられる。2026年6月の日銀当座預金決済は1営業日平均で97,232件、244.0兆円で、いずれも前年同月より増えている(前年比はそれぞれ+4.7%、+6.3%)[3]。この数字は、1件を入金と引き落としで二重に数えない片道ベースである。月ごとに変動するため、約240兆円規模と幅を持たせて読むのが妥当である。

ここで疑問が出る。個人や企業の振込は、金融機関ごとに日銀へ直接つながって処理されるのか。次章で、全銀システムとの分担を見る。

2. ふりこみは、どこで まとめて いるの?

2. 大きな支払いと小さな支払いは、別の道を通る

2. 全銀システムと日銀ネットの分担 ── 1億円で分かれる道

銀行の あいだの ふりこみは、「ぜんぎん システム」と いう 仕くみが とりあつかって います。1973年に はじまりました[6]。

この システムでは、1けん 1億おく円 いじょうの はらいは、日銀ネットに ひとつ ずつ おくられ、その場で けっさいされます。1億おく円 みまんの はらいは、いったん あつめて、銀行ごとに 「受けとった ぶん」と 「はらった ぶん」を 引きざんします。その さだけを、その日の 午後4時15分に、日銀の とうざ預金よきんで 出し入れして、おわりにします[1][5]。

2025年12月の 1日の へいきんは、やく843万けん、やく17.5兆ちょう円でした[6]。

ここで 電たくを 出して みましょう。日銀の とうざ預金よきんは、1けん あたり やく2.5億おく円。ぜんぎん システムは、1けん あたり やく208万円です。ざっと 百ばい いじょうの ちがいに なります。ただし、数えた 月も 数え方も ちがうので、「だいたい この くらい」の 目やすです。

ちなみに、ぜんぎん システムは 2018年10月から、24時間 365日 うごいて います[6]。

それにしても、なぜ 大きな はらいだけ、ひとつ ずつ 急いで おわらせるのでしょう。

銀行間の振込は、全国銀行データ通信システム(全銀システム)が扱っています。発足は1973年4月で、2025年12月時点では1営業日平均で約843万件、約17.5兆円を処理しています[6]。

日銀の説明によると、全銀システムは金額で道を分けています。1件1億円以上の大口は、一件ずつ日銀ネットに送られ、その場で決済されます。1億円未満の小口は、いったん全銀ネットが集めて、金融機関ごとの「受け取った額」と「払う額」の差を計算し、当日の16時15分に、日銀当座預金への入金または引き落としで最終的に決済されます[5]。

一件あたりの大きさを、手元で比べてみます。244.0兆円を97,232件で割ると約2.5億円です。一方、17.5兆円を843万件で割ると約208万円になります。およそ120倍の開きです。ただし、全銀は2025年12月、日銀当座預金は2026年6月という別の月で、数え方も別の集計です。足し合わせたり、厳密に比べたりするものではなく、「日銀のほうは1件が桁違いに大きい」という目安として見てください。

全銀システムは、2018年10月9日にモアタイムシステムが動き出し、24時間365日の稼働になりました[6]。ただ、全銀システムの24時間稼働と日銀ネットの利用時間は同じではありません。夜間・休日の最終決済の時刻は、ここでは扱いません。

では、なぜ大きな支払いだけ、一件ずつ急いで決済するのでしょうか。

銀行間の振込を担う全銀システム(全国銀行データ通信システム)は1973年4月に発足し、2025年12月時点で1営業日平均約843万件、約17.5兆円を処理する[6]。日銀は、その決済の分担を次のように説明している。1件1億円以上の大口は、一件ずつ日銀ネットへ送ってRTGSで決済する。1億円未満の小口は、全銀ネットが集計して各金融機関の受払差額を計算し、当日16時15分に、各金融機関と全銀ネットの間の日銀当座預金の入金・引き落としで最終的に決済する[5]。なお、この時刻は制度の見直しを経ており、以前は15時だったので、現行値は日銀のページで確認する必要がある。

一件あたりの大きさを計算すると、規模の差が見える。日銀当座預金決済は、244.0兆円÷97,232件=約2.5億円。全銀システムは、17.5兆円÷843万件=約208万円。比は約120倍になる。ただし、前者は2026年6月、後者は2025年12月の平均で、集計の範囲もちがう。全銀の17.5兆円と日銀当座預金の244兆円を足したり、直接の大小比較に使ったりすることはできない。あくまで1件の大きさの目安である。

全銀システムは、2018年10月9日にモアタイムシステムが稼働し、24時間365日稼働となった[6]。一方、日銀ネットのオンライン入力は午前8時30分に始まり午後9時に締め切られる[7]。全銀システムの24時間稼働と日銀ネットの利用時間は同じではなく、夜間・休日の最終決済の時刻は、ここでは扱わない。

大口だけを一件ずつにしている点は、決済方式の歴史と関係する。かつて日銀自身が、すべてを「まとめて差額」にしていた時代があった。

3. 「まとめて」より「ひとつ ずつ」が よいのは なぜ?

3. 2001年、「差額だけ」から「一件ずつ」へ

3. 時点ネット決済からRTGSへ ── システミック・リスクを小さくする設計

お金の けっさいには、2つの やりかたが あります[4]。

1つめは、「まとめて さだけ」です。はらいの 注文を 時間まで ためて おいて、その 時間に、銀行ごとに 出る お金と 入る お金の さだけを けっさいします。

2つめは、「ひとつ ずつ すぐ」です。注文が 日銀に とどいたら、そのたびに すぐ おわらせます。「RTGS(そくじ グロス けっさい)」と よばれます。

日銀は 2001年に、日銀の とうざ預金よきんと こくさいの けっさいを、1つめから 2つめに かえました。ふりこみの すべてでは ありません[4]。

わけは、もしも 1つの 銀行が はらえなく なった ときの ことです。「まとめて」だと、1つの 銀行の ふそくで、ほかの 銀行の けっさいまで 止まるかもしれません。「ひとつ ずつ」なら、だれへの はらいが できなかったのかが はっきりして、ほかの 銀行の けっさいまで すぐに 止まるのを ふせげます。

たとえば、クラスで 係が 「きゅうしょくひを 全員ぶん まとめて あつめて、お店に 一度に はらう」と するとします。1人 足りなければ、全員ぶんの はらいが のびて しまうかも しれません。ひとつ ずつなら、足りない 人の ぶんだけが のびます。ただし、本当の けっさいは もっと ふくざつです。

ただ、「ひとつ ずつ」にも 弱点が あります。すぐに はらう ための お金が、たくさん いるのです。

決済の方式には大きく2つあります。1つは時点ネット決済で、振替の指図を一定の時点までためておき、その時点で各金融機関の受け払いの差額だけを決済します。もう1つはRTGS(即時グロス決済)で、指図が日銀に届き次第、一つ一つ直ちに実行します[4]。

日銀は、2001年に当座預金と国債の決済を、時点ネット決済からRTGSへ移しました。理由は、システミック・リスク、つまり一つの金融機関の不払いが次々と他の決済に波及して全体が止まる危険を、減らすためです[4]。

差額だけにまとめる方式は、必要な資金が少なくて済みます。一方で、たとえば午後1時のように決まった時点に決済が集まり、その1行が払えないと、その時点の決済全体が影響を受けかねません。RTGSでは、不払いが「だれへの支払いの失敗か」を特定でき、他の金融機関の決済を直ちに止めないとされています[4]。

身近な例で考えてみます。クラスの給食費を、全員分まとめて一度にお店へ払う場合と、1人ずつ払う場合です。まとめて払う方式は、1人が足りないと全員分の支払いが遅れるおそれがあります。一人ずつなら、遅れるのは足りない人の分だけです。もちろん、実際の決済はもっと複雑で、これは考え方を借りた例です。

ただし、一件ずつ即時に払う方式には代償があります。その場で払うためのお金を、あらかじめ用意しておかなければならないのです。

決済方式は2つに整理できる。時点ネット決済(DNS)は、指図を一定時点までため、その時点で各金融機関の受払差額だけを決済する。RTGS(即時グロス決済)は、指図が日銀に持ち込まれ次第、一つ一つ直ちに実行する[4]。

日銀は2001年に、当座預金と国債の決済を時点ネットからRTGSへ移した。目的は、システミック・リスクの削減である。一つの金融機関の不払いが他の金融機関の資金繰りに連鎖して、決済全体に広がる危険のことで、RTGSでは不払いが誰への支払いの失敗か特定でき、他の金融機関の決済を直ちに停止させることがない、とされる[4]。

では、時点ネットの何が問題だったのか。差額だけをまとめて決済するため、必要な資金は少なくて済むが、特定の時点に決済が集中し、1行の不払いがその時点の決済全体を止めかねない。1996年の日銀の計画資料は、この懸念を具体的に論じているが、この節では扱わない。

その代わりのコストが、次章の話である。一件ずつ即時に払うため、決済の前に資金が必要になる。日銀は2008年に、資金効率を高めるための流動性節約機能を導入した[4]。

日銀の資料はRTGSの利点を「他の決済を直ちに止めない」と説明する。ただし、時点ネット決済という方式そのものが誤りだったわけではない。全銀システムの小口が今も差額で決済される構造を見れば、方式はリスクと効率の組み合わせで選ばれていると読める。

4. すぐに はらうと、お金が たりなく ならない?

4. 「一時的に借りる」ことで、一件ずつの決済を回す

4. 日中当座貸越 ── RTGSに必要な流動性の手当て

ひとつ ずつ すぐに はらうには、大きな お金が すぐに いります。いつも 手もとに ぜんぶ ある わけでは ありません。

そこで 日銀は、「にっちゅう とうざ かしこし」と いう 仕くみを 用意しています。けっさいの ために、日銀から ちょっとの あいだ お金を かりて、同じ 日の うちに かえす ものです[2]。

ひとつ ずつ すぐに はらう ため、銀行は 日銀から ちょっとの あいだ お金を かりる ことが あります。2026年6月は、日中に かりて いた お金の ピークが、月の へいきんで やく16.4兆ちょう円でした[3]。これは、ある 日の いちばん 多い 日の 数字では なく、月の へいきんです。

お店の 人が、お客さんに おつりを 出す ために、朝だけ おつりようの お金を 少し かりて、夕方に かえす ようなもの。そんな ものを 思いうかべると いいでしょう。ただし、これも かんたんにした たとえです。

けっさいを 止めない ためには、お金の 流れだけでなく、システムそのものが 止まらない ことも 大切です。

RTGSでは、決済のたびに大量の資金が必要になります。そこで日銀は、日中当座貸越を提供しています[2]。銀行が日中に決済のために一時的に日銀から借り、同じ日のうちに返す前提の仕組みです。

2026年6月の日中当座貸越残高は、日中ピークの月平均で16.4兆円でした[3]。これは月平均であって、ある1日の最大額ではありません。

2008年には、資金効率を高める流動性節約機能も導入されました[4]。支払いの順番や組み合わせを工夫して、同じ資金でより多くの決済をこなす仕組みです(詳しい仕組みは、日銀の資料に当たってください)。

一件ずつ急いで払う方式を選んだ以上、その分の資金を「一時的に借りる」仕組みをセットにして、全体が回るようにしている、という見方ができます。ただし、これは日銀の説明を読んだ上での私の整理で、日銀が同じ表現で説明しているわけではありません。

資金だけでなく、システム自体が止まらないことも、決済の前提です。

RTGSでは、決済のために大量の流動性が必要になるため、日本銀行は日中当座貸越を提供している[2]。金融機関が日中、決済のために日銀から一時的に借り入れ、同日中に返す前提の制度である。

規模は、日銀の「決済動向」で確認できる。日中当座貸越残高の日中ピーク(月中平均)は、2026年6月に16.4兆円だった[3]。ある日の最大額ではなく、月平均である点に注意が要る。

2008年の流動性節約機能は、RTGSの欠点(資金が多く必要)を和らげる目的で導入された[4]。仕組みの細部は、今回の資料の範囲では扱わない。

整理すると、時点ネットからRTGSへの移行は、リスクの除去と資金需要の増加を交換した選択である。その増加分を日中当座貸越が受け、さらに流動性節約機能で効率を補う。この読みは日銀の説明をつなげた筆者の整理であり、日銀が同じ言葉で述べているものではない。

次に問題になるのは、システムそのものの信頼性である。

5. 日銀ネットは、止まった ことが あるの?

5. 日銀ネットを止めないための準備

5. 日銀ネットの安定稼働と、新日銀ネットの開発

日銀の 人は、日銀ネットは 1988年に はじまってから 今日まで、一どもぜんぶは 止まって いないと 話して います[8]。ただし、これは 話した ときの ことで、これから 先も 止まらないと 言う わけでは ありません。

止めない ために、日銀は いろいろ 用意して います。日銀ネットの よびを つくったり、電車などが 止まっても しごとに 来られるよう、一部の しょくいんが 近くに すんだり しています[9]。

日銀ネットは、2015年ごろから 新しい 日銀ネットに 作りかえられました。はたらく 時間も のび、2016年2月からは 夜9時まで 動く ように しました[9]。

この 仕事を した 日銀の ぎじゅつ者は、「一生に 一どの 大プロジェクト」と 話して います[8]。

日銀の担当者は、日銀ネットは1988年の導入以来、一度も全面停止することなく安定的に動いていると、日銀のホームページで語っています[8]。これは掲載時点の言葉で、今後も止まらないという保証ではありません。

止めないための準備の例が、日銀の別のページに書かれています。日銀ネットのバックアップを用意することや、交通機関が運休しても業務に必要な職員を確保できるよう、一定数の職員を営業所の近くに住まわせることです[9]。

日銀ネットは作り直されました。システムが複雑になり、新しい技術を取り入れにくくなっていたことが背景にあり、担当のSEは、新日銀ネットの開発を「生涯一度の大プロジェクト」と語っています[8]。新日銀ネットは2015年10月に全面稼働したとされ、稼働時間を延ばしました。2016年2月からは、終了を21時まで延長し、アジア全域の日中や欧州の午前とも重なるようにしたと説明されています[9]。なお、この時期は開発計画の記述に基づくものです。

日銀ネットは、1988年の導入以来、一度も全面停止することなく安定的に稼動している、と日銀の担当者は述べている[8]。掲載時点の発言であり、将来の不停止を保証する言葉ではない。

この安定は、設計によって支えられている。日銀は、災害時にも決済を続けるため、日銀ネットのバックアップを用意し、交通機関が運休しても業務に必要な役職員を確保できるよう、一定数の職員を営業所の近くに住まわせている[9]。

作り直しの背景には、システムの複雑化があった。複雑になり、新しい技術を採り入れにくくなっていたことが、新日銀ネット開発の背景として語られる。担当のSEは、これを「生涯一度の大プロジェクト」と表現した[8]。新日銀ネットは2015年10月に全面稼働し、稼働時間を延ばして、開始を8時30分、決済を19時までに広げ、2016年2月からは稼働終了を21時まで延長した、とされる[9]。ただし、この時期は開発計画の記述に基づく。

現行の日銀ネットは、オンライン入力が午前8時30分開始・午後9時締切で、当座預金決済(外為円を除く)のコアタイムは午前9時〜午後5時、国債決済は9時〜16時30分である[7]。全銀システムの24時間365日と比べると、日銀の側には営業時間があり、その差を夜間・休日にどう受けるかは、本稿の資料の範囲を超える。

6. じぶんで 数字を たしかめて みよう

6. 毎月の数字を、自分で割り算してみる

6. 出口 ── 毎月更新される統計と、原典の読み方

日銀の ホームページでは、毎月 けっさいの 数が 出ます。電たくか 紙と えんぴつで、「金がく ÷ けん数」を して みましょう。1けん あたり いくらに なりますか。

この 記事の 数字では、244兆ちょう円 ÷ 9万7千けんで、1けん あたり やく2.5億おく円でした。ほかの 月でも、1けん あたりが どう かわるか、くらべて みましょう。

日銀の「決済動向」は、毎月更新される統計です[3]。最新の月の「日銀当座預金決済」の金額を件数で割れば、一件あたりの大きさが分かります。この記事の約2.5億円と、どのくらい近いでしょうか。月によって上下するので、数か月分を並べて、変動の幅を見るのも手です。

全銀システムの統計でも同じ割り算ができます。ただし集計が別なので、「1件あたりの大きさ」の変化だけを見比べます。

決済方式の変遷をもっと読むなら、「教えて!日銀」の決済の項目[4][5]と、日銀ネットの現場を語るページ[8][9]が、日本語で読めます。

日銀「決済動向」の「日銀当座預金決済」は、毎月公表される。金額÷件数で一件あたりの大きさを出し、数か月分を並べると、季節変動や前年比の動きが見える。全銀システムの統計と並べるときは、別の集計である点に注意する。

原典は、方式の理屈を「教えて!日銀(決済)」[4][5]、現場の語りを「Focus BOJ 日銀の現場」[8][9]、時刻の最新値を日銀ネット利用時間のページ[7]で読める。1996年のRTGS化計画の資料は、時点ネット決済時代の懸念を論じており、読みくらべる価値がある。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:日本銀行の「教えて!日銀」と決済システムの概要、決済動向(2026年6月)、日銀の現場の2本、日銀ネット利用時間のページ、全銀ネットのページを使いました。

  1. 日本銀行「教えて!日銀(決済)」。 https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/kess/i05.htm (日銀当座預金が決済の手段であること)
  2. 日本銀行「決済システムの概要」。 https://www.boj.or.jp/paym/outline/index.htm (日銀ネットの役割と日中当座貸越)
  3. 日本銀行「決済動向(2026年6月)」。 https://www.boj.or.jp/en/statistics/set/kess/release/2026/kess2606.pdf (決済の件数・金額と日中当座貸越残高)
  4. 日本銀行「教えて!日銀(決済)」RTGSと時点ネット決済。 https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/kess/i14.htm (2001年のRTGS移行と理由、2008年の流動性節約機能)
  5. 日本銀行「教えて!日銀(決済)」全銀システムの決済。 https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/kess/i27.htm (1億円で分かれる決済と16時15分の最終決済)
  6. 全国銀行協会「全銀システム」。 https://www.zenginkyo.or.jp/abstract/efforts/system/zengin-system/ (発足年、処理件数・金額、24時間365日稼働)
  7. 日本銀行「日銀ネット利用時間」。 https://www.boj.or.jp/paym/bojnet/bojnet01.htm (日銀ネットの運用時間)
  8. 日本銀行「Focus BOJ 日銀の現場(09)」。 https://www.boj.or.jp/about/annai/genba/focusboj/focusboj09.htm (日銀ネットの安定稼働と開発担当者の言葉)
  9. 日本銀行「Focus BOJ 日銀の現場(13)」。 https://www.boj.or.jp/about/annai/genba/focusboj/focusboj13.htm (新日銀ネットの稼働時間とバックアップ)

なおした ところ

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