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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

お金は、だれが つくって、だれが だすの?

お札とコインは、だれが作って、だれが出しているのか

お金は、だれが作り、だれが出すのか ── お札・コイン・預金の3つの経路

分野:歴史・文化

お財布さいふの中の1まんえんさつは、「にっぽんぎんこう」が だして います。でも、さつを すって つくって いるのは、にっぽんぎんこうの たてものでは ありません。コインを つくるのは「ぞうへいきょく」で、だすのは 国(せいふ)です。「お金を つくる 人」は ひとりに きまって いません。

それに、ぎんこうの 口ざに ある お金も、お金の 一つです。いまの お金の 多くは、ぎんこうが かす ことで できると いう せつめいも あります。この メモでは、おさつ・コイン・よきんの 3つの 道すじを じゅんに たどります。

財布の中の1万円札は、日本銀行が発行しています。ところが、お札を印刷しているのは国立印刷局で、日本銀行ではありません。コインを作るのは造幣局ですが、出すのは政府で、これも日本銀行ではありません。「お金を作る人」は一人に決まっていないのです。

銀行口座にある預金も、お金の一つです。いまのお金の多くは、銀行が貸し出すことで生まれると、イギリスの中央銀行が解説しています。この記事では、お札・コイン・預金の3つの道すじを順にたどります。

財布の中の1万円札は、日本銀行が発行する。ところが、お札を印刷しているのは国立印刷局で、日本銀行の建物ではない。コインを作るのは造幣局だが、出すのは政府で、これも日本銀行ではない。「お金を作る人」は一人に決まらない。

さらに、銀行口座の預金もお金の一部である。いまのお金の多くは、銀行が貸し出すことで生まれると、イングランド銀行の解説は述べる。この記事は、お札・コイン・預金の3つの経路をたどり、「銀行は集めた預金を貸している」という一般的な説明が正確かどうかを確かめる。

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1. つくる 人と だす 人は、ちがう

1. 作る機関と出す機関は、別々

1. 「作る」と「出す」は別の機関

日本銀行は、おさつを だす ことが ほうりつで きまって います[1]。コインは、ぞうへいきょくが つくって、せいふが だします[2]。だから、「つくる」と「だす」は わけて かんがえる ひつようが あります。

3つ目は、紙にも コインにも ならない お金です。ぎんこうの 口ざの よきんです。これも ぎんこうが かす ことで ふえます[3][4]。

日本銀行法では、日本銀行が銀行券(お札)を発行すると定められています[1]。一方、貨幣(コイン)は造幣局が製造し、政府が発行します[2]。まずは、製造と発行を分けて考えることが大切です。

3つ目の道すじは、銀行口座の預金です。紙にもコインにもならないお金です。銀行口座の預金は、銀行が貸し出すときに増えます。その説明は、日本銀行とイングランド銀行の解説にあります[3][4]。

日本銀行法は、日本銀行が銀行券(お札)を発行すると定めている[1]。一方、貨幣(コイン)は造幣局が製造し、政府が発行する[2]。製造と発行は別の機関が担う。これが、この記事の最初の答えである。

3つ目の経路は、紙にもコインにもならない預金のお金だ。日本銀行の解説は、お金の量が変わるとき、銀行の貸出や証券投資などの資産の変化が必ず対応すると説明している[3]。イングランド銀行も同じ方向の説明をしている[4]。

2. おさつは どこで つくられ、どう 出て いくの?

2. お札は、印刷局で刷られ、銀行を通って出ていく

2. お札は印刷局で刷られ、銀行を通って世の中へ

おさつを つくる のは、国立印刷局こくりついんさつきょくです。できた おさつを、にっぽんぎんこうが 製造せいぞうの 代金を はらって ひき取ります[1]。

ふしぎなのは、「だした」時が いつかです。おさつが 工場を 出た 時では ありません。ぎんこうが、にっぽんぎんこうに もって いる 口ざの お金を ひき出して、おさつを うけとった ときです。そこで はじめて 世の中に 出て いきます[1]。

つかわなく なった おさつは、ぎんこうが にっぽんぎんこうに もどします。その 数を かぞえ、にせものが ないか しらべます[5]。

銀行券は、独立行政法人国立印刷局が製造し、日本銀行が製造費用を支払って引き取ります[1]。ここまでが「製造」です。

ただし、お札の「発行」の時点は、印刷所を出た瞬間ではありません。日本銀行の取引先の金融機関が、日本銀行にもつ当座預金を引き出して銀行券を受け取ったとき、世の中に送り出されます[1]。口座のお金を引き出して紙で受け取った瞬間が、発行なのです。

使わなくなったお札は、金融機関が日本銀行に持ち込み、当座預金に預け入れます。これを還収といいます。日本銀行は戻ってきたお札の枚数を数え、偽造・変造がないかを鑑定し、再び使えるかどうかを判別します。これを鑑査といいます[5]。

銀行券は、独立行政法人国立印刷局が製造し、日本銀行が製造費用を払って引き取る[1]。ここまでが「製造」である。

ところが、お札の「発行」の時点は、印刷所を出た瞬間ではない。取引先の金融機関が、日本銀行に持つ当座預金を引き出して銀行券を受け取ったとき、はじめて世の中に送り出される[1]。口座の残高を引き出して、お札を受け取る瞬間が発行だと読むと、日銀と銀行の関係が見えてくる。

戻りの道もある。使わない分は金融機関が日本銀行へ持ち込み、当座預金に預け入れる(還収)。日本銀行は枚数を数え、偽造・変造を鑑定し、再流通に適するかを判別する(鑑査)[5]。作って出して、戻って確かめる。お札は一方通行ではない。

3. コインは、ぞうへいきょくが つくって、せいふが だす

3. コインは造幣局が作り、政府が出す

3. コインは造幣局が作り、政府が出す

コインを つくる のは、ぞうへいきょく[2]です。できた コインは にっぽんぎんこうに わたされます。そこで はじめて、コインが だされた ことに なります[1]。

コインの 数は、財務省ざいむしょうが ねんどごとに きめて います[2]。5円玉は 黄どう、10円玉は 青どうで できて います[2]。

でも、1まい いくら かかって つくって いるかは、ぞうへいきょくが はっぴょうして いません。「国の お金を だれもが しんじ つづける ため」と、「にせものを つくる 人を 助けて しまう おそれが ある ため」と せつめいして います[2]。

貨幣は、造幣局が製造します。製造が済んだ貨幣は日本銀行へ渡され、その時点で発行されたことになります[1]。貨幣の発行の権限は政府にあり、造幣局はその製造を担っています[2]。

製造する枚数は、財務省が年度ごとに、流通の状況を見て決めます[2]。財務省は、日本銀行券についても年度ごとの製造計画を公表しています[6]。

材質も公開されています。5円貨は黄銅、10円貨は青銅です[2]。一方、1枚あたりの製造原価は、造幣局が公表していません。国民の信任を保つことや、偽造を助けるおそれがあることが理由と説明されています[2]。

貨幣は、造幣局が製造する。製造が済んだ貨幣は日本銀行へ交付され、その時点で発行になる[1]。発行の権限は政府にあり、造幣局は製造を担う[2]。

製造枚数は財務省が年度ごとに、流通の状況を見て決める[2]。日本銀行券についても、財務省が年度ごとの製造計画を公表している[6]。

材質は、5円貨が黄銅、10円貨が青銅と公開されている[2]。ところが、1枚あたりの製造原価は公表されていない。国民の信任を維持するため、また偽造を助長するおそれがあるため、という理由が示されている[2]。コインでも、「いくらで作っているか」は社会の信用とつながる話になる。

4. 口ざの お金は、ぎんこうが かすと ふえる

4. 預金は、銀行が貸すときに生まれる

4. 預金のお金は、銀行が貸すときに生まれる

おさいふの 外に ある お金は、ぎんこうの 口ざの 中にも あります。にっぽんぎんこうの かいせつは、お金の かずが かわる ときは、ぎんこうの かしだしや ゆうか しょうけんの 買い入れなどの 数字が かならず うごく と して います[3]。

ふつうは、「ぎんこうは、あつめた 口ざの お金を かして いる」と 思いやすいです。でも、イギリスの 中央ぎんこうの 2014年の かいせつは、ぎんこうは 集めた よきんを ただ なかだち して かす だけでは ありません と 書いて います[4]。

かしたとき、ぎんこうは 手もとの よきんを 出すのでは なく、かりた 人の 口ざに あたらしい よきんを つくります。その よきんは、お金を つかうと ほかの ぎんこうに うつって いきます。

日本銀行の解説では、お金の量(マネーストック)が変わるとき、銀行の貸出や証券投資などの資産、または現金・預金以外の負債の変動を必ず伴います[3]。預金が増える裏側には、銀行の貸し出しがあるということです。

「銀行は集めた預金を貸している」と思いがちです。しかし、イングランド銀行は2014年の解説で、現代のお金の多くは銀行が貸し出すことで作られると説明し、銀行は預金を集めて貸すだけの仲立ちではないと述べています[4]。この解説はイギリスの銀行を例にしていますが、銀行の仕組みの説明として読めます。

貸すときの銀行は、手元の預金を出すのではなく、借り手の口座に新しい預金をつくります。預金は、使われると別の銀行へ移っていきます。

日本銀行の解説は、お金の量が変わるとき、銀行の貸出や証券投資などの資産、または現金・預金以外の負債の変動が必ず伴うと述べる[3]。預金が増える裏側には、銀行の貸出がある。

イングランド銀行は2014年の解説で、現代のお金の多くは銀行が貸し出すことで作られると説明した。銀行は、集めた預金を貸すだけの仲立ちではない、とも書いている[4]。「集めて貸す」という一般的な説明は、この点で正確ではない。この解説はイギリスの銀行を例にしているが、銀行の仕組みの説明として読める。

仕組みはこうだ。銀行が貸すとき、手元の預金を差し出すのではなく、借り手の口座に新しい預金をつくる。その預金が使われて別の銀行へ移れば、その銀行でも預金が増える。

5. つぎの ぎもん:お金の 数は、だれが きめて いるの?

5. 次に調べたいこと:お金の量は、どう決まるのか

5. 残った問い:お金の量は、どの段階で決まるのか

ぎんこうが かしすぎれば、お金は ふえます。でも、どこまで ふえて いいのでしょうか。イギリスの かいせつは、お金の かずは さいごは 中央ぎんこうの きんゆうせいさくで きまる と 書いて います[4]。

日本の 中央ぎんこうは、にっぽんぎんこうです。どんな やりかたで お金の かずを かえて いるのかは、この メモでは わかりませんでした。ここが、つぎに 調べたい ところです。

お札とコインの製造と発行は、役割がはっきり分かれていました。預金は、銀行の貸出によって増えます。では、社会全体のお金の量は、どの段階で決まるのでしょうか。

イングランド銀行の解説は、最終的には中央銀行の金融政策によって決まると述べています[4]。日本銀行が金利などを通じてどのように調整しているのかは、この記事では十分に追えていません。

ここまでで、お札は日本銀行が発行し、印刷は国立印刷局、コインは造幣局が作って政府が出すと分かった。預金は、銀行の貸出によって増える。

残るのは、経済全体のお金の量が、どの段階で、誰によって決まるのかである。イングランド銀行は、最終的には中央銀行の金融政策によって決まると述べている[4]。ただし、金利の上げ下げが貸出と預金の量にどうつながるかは、この記事では追いきれていない。

いま 持って いる 1えんだまを 1つ 出して、いつ つくられた ものか 年を 見て みましょう。おなじ 1えんでも 年が ちがうと、見た目が ちがう ものも あるかも しれません。

おうちの 人と いっしょに、お金は どこから くるのか 話して みても よいでしょう。

手元の硬貨を並べて、製造された年の違いを見てみましょう。同じ額面でも、年によって見た目が違うものがあることに気づくかもしれません。

日本銀行の「銀行券・貨幣の発行・管理の概要」のページを読むと、お札とコインが世の中に出ていく道すじを順に追えます。イングランド銀行の2014年の解説(英語)は、預金が貸出で生まれるしくみを、もう一歩くわしく説明しています。

手元の硬貨を並べ、製造年の違いを見てみる。同じ額面でも年によって見た目が違うものがあると、気づくかもしれない。

原典を読むなら、日本銀行の「銀行券・貨幣の発行・管理の概要」と、イングランド銀行の2014年の解説(英語)が良い。前者は日本の発行の道すじ、後者は預金が貸出で生まれるしくみを扱う。

しらべた ところ

参考にした情報源

参考にした情報源

出典について:日本銀行の2本は、日本銀行が自ら公開している説明。造幣局は、造幣局が公開している質問と回答。財務省は、財務省が公表している製造計画の一覧。イングランド銀行は、英語の解説。

  1. 日本銀行「銀行券・貨幣の発行・管理の概要」。 https://www.boj.or.jp/note_tfjgs/note/outline/ (銀行券は国立印刷局が製造し、日本銀行が製造費用を払って引き取ること、取引先が当座預金を引き出して受け取ったときに発行となること、貨幣は政府が発行し、造幣局が製造して日本銀行へ交付した時点で発行となること、還収のしくみ、日本銀行法の定め)
  2. 独立行政法人造幣局「よくあるご質問(貨幣)」。 https://www.mint.go.jp/faq-list/faq_coin (造幣局が製造し政府が発行すること、製造枚数は財務省が年度ごとに決めること、5円貨は黄銅・10円貨は青銅であること、製造原価を公表していない理由)
  3. 日本銀行「マネタリーサーベイ」の解説。 https://www.boj.or.jp/statistics/outline/exp/exdatams.htm (お金の量が変わるとき、金融機関のバランスシートでは、貸出や証券投資などの資産、または現金・預金以外の負債の変動を伴うという説明)
  4. Bank of England「Money creation in the modern economy」(Quarterly Bulletin 2014 Q1、2014年3月14日、英語)。 https://www.bankofengland.co.uk/quarterly-bulletin/2014/q1/money-creation-in-the-modern-economy (現代のお金の多くは銀行の貸出で作られること、銀行は預金を集めて貸すだけの仲立ちではないこと、乗数の考え方への批判、経済全体のお金の量は中央銀行の金融政策に最終的に左右されること。イギリスの中央銀行の解説である)
  5. 日本銀行「おしえて日銀」(銀行券の発行・還収・鑑査の説明)。 https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/outline/a02.htm (日本銀行が唯一の発券銀行であること、受け入れた銀行券の枚数の計査・真偽の鑑定・再利用可能性の判別を行うこと)
  6. 財務省「日本銀行券の製造枚数」。 https://www.mof.go.jp/policy/currency/bill/lot/index.html (令和5年度から令和8年度までの日本銀行券製造計画が年度ごとに公表されていること。枚数の内訳はリンク先の資料による)

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更新履歴

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