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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

からだを うごかす とき、脳のうの どこが、どんな しごとを して いるの?

体を動かすとき、脳と脊髄はどう役目を分けているのか

脳は体の動きをどう分担して指揮しているのか:反射を手がかりに、運動皮質・小脳・脊髄の役割を比べる

分野:からだ

いすに すわって、膝ひざの 下を かるく トンと たたくと、足が ぴょんと 上がります。この とき、脳のうは 「上げよう」と 決めて いません。脊髄せきずいと いう、せなかの 中を とおる 神経しんけいの たばだけで 動いて います。

では、自分で 「手を 上げよう」と 決めた ときは、脳のうの どこから どんな 道を とおって、手に とどくのでしょう。この ページを 読むと、脳のうが 体を 動かす 道すじと、いくつもの 場所で 分けて はたらいて いる ことが わかります。

椅子に座って膝の下を軽くたたくと、足がぴょんと跳ね上がります。この動きは、脳に届く前に終わっています。脳の助けを借りず、脊髄の中やそのすぐ近くの神経の回路で起きていると説明されています[3]。

では、自分で「手を上げよう」と決めた動きは、どのようにして手まで届くのでしょうか。この記事を読むと、反射と意識した動きのちがい、脳の中で役目が分かれている様子、命令が筋肉に渡される最後の場面が分かります。

膝の下をたたくと足が跳ね上がる膝蓋腱反射は、脳や意識的な注意を介さず、脊髄の中、またはそのすぐ近くの神経回路だけで実行されると説明されている[3]。体を動かすのに、脳はいつも必要なわけではない。それなら、自分の意思で動かすときは何が違うのか。

この記事を読むと、随意運動では運動皮質が脊髄の運動ニューロンへ直接信号を送ること、ほぼすべての新皮質領域が関わること、小脳や基底核が動きを調整すること、筋肉の収縮が神経終末から放出される化学物質で起きることが分かる。

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1. 膝ひざを たたくと、どうして 足が かってに 動くの?

1. 膝をたたくと、なぜ脳に相談せずに足が動くのか

1. 膝蓋腱反射は、なぜ脳を通らずに完結するのか

いすに すわって、足を ぶらんと うかせます。膝ひざの おさらの すぐ下を かるく たたくと、足が ぴょんと はねます。

この 動きは とても はやくて、「あれ?」と 思う ひまも ありません。それは、脳のうに そうだんして いないからです。脊髄せきずいの 中や その ちかくの 神経しんけいの 回路が、「たたかれた」と いう しらせを 受けとって、足の 筋肉きんにくに 「ちぢめ」と つたえます[3]。

こういう 動きを、反射はんしゃと いいます。ぜんぶ 脳のうが 決めて いるわけでは ありません。

膝のお皿のすぐ下の腱をたたくと、足がぴょんと跳ねます。膝蓋腱反射と呼ばれる動きです。

この動きは、とても速く起きます。脳に届く前に、脊髄の回路で筋肉への指令に切りかわるからです。仕事をしているのは、脊髄の中、またはそのすぐ近くにある神経の回路です[3]。たたかれた刺激の知らせが脊髄に入り、そこで筋肉への指令に切りかわって戻ります。

体の動きというと、脳が全部決めているように思えます。しかし反射を見ると、動きの一部は脳に届く前に片づいていることが分かります。それなら、脳が出番になるのはどんなときでしょうか。

膝のお皿のすぐ下の腱をたたくと、足が跳ね上がる。膝蓋腱反射である。この応答が速いのは、経路に脳が入らないからだ。脳の関与も意識的な注意も要らず、脊髄の中またはその近くにある神経回路だけで実行されるとBrainFactsは説明している[3]。

感覚の入力が脊髄に入り、同じ脊髄の中で筋肉への出力に切りかわる、と言いかえてもよい。脳へ往復しない分、応答が速いと考えられる。ただし、ここで確かなのは「脳を通らない回路がある」ことまでで、その回路の細部は、この記事の資料の範囲では述べられていない。

では、反射ではない動き、つまり自分で「動かそう」と決めた動きは、どこから出発するのか。次の章でその出発点を見る。

2. 「手を 上げよう」と 決めたら、めいれいは どこから 出るの?

2. 自分で動かす命令は、どこから筋肉へ届くのか

2. 随意運動の命令は、運動皮質から筋肉へどう伝わるのか

自分で 「手を 上げよう」と 決めた ときは、脳のうの 「うんどう ひしつ」と いう ばしょから めいれいが 出ます。ここから 出た しらせは、脊髄せきずいの 中の、筋肉きんにくへ つながる 神経しんけいに 直せつ とどきます[2]。

その 神経しんけいが、筋肉きんにくとの つなぎめで 「アセチルコリン」と いう 小さな つぶを 出します。つぶを 筋肉きんにくが 受けとると、ぎゅっと ちぢみます[4]。

つまり、脳のうから 筋肉きんにくまで、信号しんごうが リレーのように つながって、手が 上がるのです。

うんどう ひしつの はたらきは、ペンフィールドと いう 人の けんきゅうで わかって きました。ここを ほんの 少し 電気で しげきすると、体の きまった ところの 筋肉きんにくだけが ちぢんだ、と いわれて います[1]。

自分の意思で動かす動き(随意運動)の出発点の一つが、脳の表面にある運動皮質です。運動皮質の神経細胞は、脊髄にあるアルファ運動ニューロンへ信号を送り、筋肉を動かす指令を直接出します[2]。

運動皮質という名前がついたのは、ペンフィールドの研究がきっかけです。脳の特定の場所を局所的に刺激すると、特定の筋肉だけが収縮したと報告され、この領域が一次運動皮質と名づけられました[1]。

指令は、最後に筋肉へ渡されます。脊髄から伸びる運動ニューロンの先端はアセチルコリンという化学物質を放出し、これが筋肉細胞に作用して収縮が起こります[4]。アセチルコリンは神経と筋肉のつなぎ目からすばやく取りのぞかれ、その作業にはアセチルコリンエステラーゼという酵素がはたらく、と説明されています[5]。

答えの骨組みは、ここまでで見えました。「動かそう」という決定をもとに、運動皮質から脊髄へ、脊髄から筋肉へ、化学物質の受け渡しで信号が伝わります。ところが、話はそこで終わりません。運動皮質は、脳の中で動きを担当する唯一の場所ではないのです。

随意運動の命令がどこから出るのかを、反射との対比で整理する。運動皮質のニューロンは、脊髄のアルファ運動ニューロンの活性化を直接制御する信号を送る[2]。反射が脊髄の中で完結するのに対し、随意運動では皮質から脊髄へ下る経路が加わる、という違いである。

この領域が運動をつかさどると分かった経緯には、ペンフィールドの研究がある。彼は、4野(Area 4)に限局した刺激を与えると、きわめて局所的な筋収縮が引き起こされることを示し、この領域が一次運動皮質(M1)と呼ばれるようになった[1]。刺激という実験条件から出た結論なので、「この場所を刺激すると、この筋肉が動く」という対応を示した研究として読むのが適切だ。

脊髄から先の段階は、化学物質が担う。下位運動ニューロンの軸索はアセチルコリンを合成して放出し、それが筋肉細胞を脱分極させて収縮を起こす[4]。放出されたアセチルコリンは、神経と筋肉のつなぎ目(シナプス間隙)からすばやく取り除かれ、その除去の一部はアセチルコリンエステラーゼという酵素の働きで行われる[5]。筋肉への信号は、出す仕組みと取り除く仕組みの両方がそろって、つながっている。

ここで一つの疑問が生まれる。命令を出す場所が運動皮質だけなら、話は単純だった。ところが脳の側は、それより広い範囲で動きに関わっている。

3. 手や くちびるの ための ばしょは、どうして 広いの?

3. 指や唇のための場所が広いのは、なぜか

3. 運動皮質の面積は、何に比例して割りあてられているのか

脳のうの うんどう ひしつには、体の 「ここは この ばしょ」と いう きまりが あります。足の ための ばしょ、手の ための ばしょ、唇くちびるの ための ばしょ…と ならんで います。

おもしろい ことに、ばしょの 広さは、体の 大きさとは ちがいます。こまかく 動かす ところほど、広い ばしょが わりあてられて いると いわれて います[1]。

たとえば、えんぴつを にぎって 字を 書く 指先は、じっと している せなかより、こまかい 動きが たくさん いります。だから 広い ばしょが ひつようなのだと 考えられます。

運動皮質の表面には、体の部分ごとに担当の場所が並んでいます。大事なのは、その広さが体の部分の大きさに比例するわけではない点です。ある部位の動きを制御する面積は、その部位の動きの精密さに比例して決まると説明されています[1]。

この説明にそって考えると、鉛筆を持って字を書く指先や、言葉を話す唇のように、細かく調整する部分は、広い場所をもらっていると予想できます。反対に、大きくても細かな動きをあまり求められない背中などは、狭い場所で足りることになります。

ここまでは、運動皮質の「地図」の話です。ただ、動きを起こす前には、地図に命令が届くより前の準備があります。

運動皮質の面積の配分は、体の大きさでは決まらない。BrainFactsは、体の各部位の運動制御に割りあてられた皮質の面積は、その部位が必要とする動きの精密さに正比例して変わると述べる[1]。

この原則から導ける予想は二つある。第一に、指先や唇のように細かく調整する部位は、体の中での占有面積が大きくなる。第二に、体積が大きくても精密さがあまり要らない部位は、面積が小さくて済む。ただし、どの部位がどれだけの面積を持つかという具体的な数値は、使った資料の範囲には示されていないため、ここでは大小の傾向までにとどめる。

ここで問いが変わる。地図が精密さで決まるなら、その地図に「いつ、何を、どの順で」動かせと伝える部分が別にあるはずだ。運動皮質より前の段階を調べる。

4. 動く まえから、脳のうは じゅんびを して いるの?

4. 動く前から、脳の別の場所が準備を始めているのは本当か

4. 運動皮質に命令が出る前に、どの領域が動きを設計しているのか

うんどう ひしつは、動きの 一ばん さいごの 出ぐちに 近い ばしょです。その 前に、ほかの ばしょが じゅんびを して いると 考えられて います。

ひとつは、「ほそく うんどうや」と いう ばしょです。これまでの けいけんを もとに、動きの 計画を 立てると いわれます。「こう 動こうかな」と 思うだけでも、この ばしょの 神経しんけいは はたらき はじめます[1]。

もうひとつは、頭の うしろの 上の ほうです。ここは、自分の 体と ものが どこに あるかを しらべて、「こう 動かそう」と いう 見取り図を 先に つくります[1]。ボールを つかむ ときも、手を のばす 前に この 見取り図が ひつようなのです。

動きに かかわる 場所は、もっと たくさん あります。ほとんど ぜんぶの 脳のうの ひょうめんが かかわって いると 書かれて います[1]。

動きの準備は、運動皮質に命令が届く前から始まっています。脳の別の領域が、先に仕事をしています。

補足運動野は、過去の経験にもとづいて動きを計画し、開始するところです。動きを「予期する」だけでも神経が活動を始める、と報告されています[1]。体はまだ動いていないのに、脳の中では動く準備が進んでいます。

頭の後ろ上のほうにある後頭頂皮質は、自分の体や目標の位置を評価します。そして、これから行う動きの内部モデル(頭の中の見取り図)を、運動前野や運動皮質が関わる前に作ると説明されています[1]。ボールをつかむ場面なら、手とボールの位置関係を先に頭の中で組み立てる、というイメージです。

さらに、随意運動の制御には、運動皮質だけでなく、ほぼすべての新皮質の領域が関わっていると書かれています[1]。「動く」ために、脳の表面の広い範囲が協力していることになります。

ここまでで、決定→計画→命令→筋肉、という流れが見えました。では、その動きがなめらかで、思ったとおりになるのはなぜでしょうか。

運動皮質が命令の出口に近い領域だとすると、それより前の段階で何が起きているのか。BrainFactsの解説は、少なくとも二つの領域を挙げる[1]。

補足運動野は、過去の経験に基づいて動きを計画し、開始する領域である。動きを予期するだけで、この領域に神経伝達が起こるという。実際に筋肉が動く前に、計画の段階の活動が始まっていると読める。後頭頂皮質は、体と目標の空間的な位置を評価する領域で、運動前野や運動皮質が関わるより前に、これから行う動きの内部モデルを作る。内部モデルとは、動かす体と目標の関係を表した頭の中の設計図のようなもので、ここで体と目標の位置関係が整理されると考えると、運動皮質は「その経路を実行する」役目に近づく。ただし、この「位置関係が整理される」という言い方は、資料の言葉を分かりやすく言い換えたもので、細かい過程は資料の範囲を超える。

さらに、随意運動の制御には、運動皮質だけでなく、ほぼすべての新皮質領域が関与していると述べられている[1]。運動皮質は唯一の司令塔ではなく、計画・位置の把握・実行が別の領域に分担されている、というのが基本の構図である。

だが、計画と命令が整っても、動きが滑らかで正確かどうかは別の問題だ。次に、動きを整える側の部位を見る。

5. 動きを なめらかに する ばしょは どこ?

5. 小脳と基底核は、動きをなめらかにどう助けるのか

5. 小脳と基底核は、動きの調整にどう関わるのか

自てん車に 乗る ときも、ボールを なげる ときも、うまく 動く ために、「小脳しょうのう」という ばしょも はたらいて います。

小脳しょうのうも、体から 来る しらせと、動かす ための めいれいを 合わせて、筋肉きんにくが はたらく タイミングを そろえて、動きを 整えるのを 助けます[2]。

もうひとつ、「きていかく」と いう ばしょも あります。ここは、いらない 動きが 勝手に 出ないように、おさえる はたらきを して います。脳のうの 中には、動きを 出す ばしょだけでなく、動きを ととのえる ばしょも あるのです[2]。

決まった命令は、そのままでは大ざっぱな指令にすぎません。それを滑らかな動きに仕上げる部位があります。

小脳は、感覚の情報と運動の指令を合わせ、筋肉の動くタイミングや全体のそろい方を調整します[2]。階段を下りる、鉛筆を持つ、といった動きの滑らかさにも、この調整が関わると考えられます。

基底核は、不要な動きを抑える側に関わっています。たとえば、基底核の抑制に関わるニューロンが失われる変化が起きる病気では、意図しない動きが抑えにくくなる例があると説明されています[2]。パーキンソン病では、ドーパミンを介して基底核に信号を送る、黒質のニューロンが変性します[2]。どちらも、基底核が動きの調整に欠かせないことを示す例です。

動きが整うしくみは、体を動かしていないときにも続いています。では、立っているだけのときは、何が体を支えているのでしょうか。

命令を出し、計画を立てても、動きが実際に滑らかで狙いどおりになるには、別の調整役がいる。BrainFactsの解説では、小脳のニューロンが感覚情報を統合し、筋肉の動きの適切なタイミングと統合を確保するとされる[2]。

基底核の役割は、病気の例で理解しやすい。基底核の抑制性ニューロンが選択的に失われる病気では、無秩序な不随意運動への抑制が弱まり、症状として現れる例がある[2]。逆に、パーキンソン病では、黒質のニューロンが変性し、ドーパミンを介して基底核へ送られる信号に問題が出る[2]。同じ基底核が関わる疾患でも、前者は抑制の喪失、後者は信号の変性という入口が異なる。基底核が動きの「出す」と「抑える」の両方を調整していると解釈できるが、具体的な神経回路の全容は、ここで使った資料には書かれていない。

こうして計画・命令・調整がそろっても、動いていない間の体はどう保たれているのか。次に姿勢を見る。

6. 立って いるだけの ときも、脳のうは はたらいて いるの?

6. 立っているだけのとき、何が体を支えているのか

6. 立っている間の姿勢は、どの経路が支えているのか

みんなが 立って いる ときは、「立とう」と、ずっと 考えて いるでしょうか。考えて いなくても たおれません。

その ひみつの ひとつは、「ぜんてい せきずいろ」などと よばれる、脳のうから 脊髄せきずいへ むかう 神経しんけいの 道すじです。この 道すじの 一つは、手や 足の しせいを ととのえる 大きな やくめを もつと いわれます[6]。

脳のうは、「うごかそう」と 決めた ときだけでなく、立つ、すわる、といった ふだんの 体を、ずっと ささえて いるのです。

立っているときも、体は微妙にゆれています。倒れないよう、姿勢を保つための調整が続いています。

この支えに関わる経路の一つが、前庭脊髄路です。その一つである外側前庭脊髄路は、手足の姿勢反応を調節する主要な役割を持つと説明されています[6]。前庭脊髄ニューロンと網様体脊髄ニューロンは、姿勢の安定に寄与しています[6]。

意識して動かすときの運動皮質の命令とは別に、体を支える信号を脊髄へ送る経路があることになります。

ここまでで、冒頭の疑問に戻れます。脳は「ひとつの司令室」ではなく、役目の違う場所が受けもちを分けて、体を動かしています。

動こうと決めていない間も、姿勢は保たれている。この維持を担うのは、運動皮質からの命令だけではない。

前庭脊髄路のうち外側前庭脊髄路は、手足の姿勢反応を調節するうえで主要な役割を持つとされる[6]。さらに、前庭脊髄ニューロンと網様体脊髄ニューロンは、姿勢の安定に寄与していると述べられている[6]。手足の姿勢反応と姿勢の安定に、脊髄へ下る複数の経路が関わる、という範囲で理解しておく。

全体を並べ直すと、動きは次の分担で成立しているといえる。脊髄は反射を、運動皮質は命令を、補足運動野と後頭頂皮質は計画と位置の把握を、小脳と基底核は調整を、前庭脊髄路などは姿勢の安定を、それぞれ受けもつ。脳は「命令を出す一か所」ではなく、複数の部位が協力して体を動かす仕組みとして理解するのが、この資料の記述に沿う。

膝ひざと指で、自分の体に聞いてみよう

膝と指先で、自分の体の分担を試す

反射と随意運動の違いを、自分の体で確かめる

1. 足を ぶらんと うかせて いすに すわり、膝ひざの おさらの 下を、手のひらの ふちで かるく トントンと たたいて みましょう。いたく ない つよさで やります。足が 勝手に はねたら、脊髄せきずいの 回路が かかわる 動きを 見たのです。うまく 出ない ときは、足の 力を ぬいて、たたく ばしょを 少し ずらして みましょう。

2. つぎは、ゆびを 1本だけ 曲げて みます。こまかい 動きは やさしいです。では、せなかの 一部だけを 動かして みましょう。むずかしいと 感じたら、どうしてか 友だちと 話して みましょう。ただし、これだけでは 本当の わけは わかりません。

1. 椅子に座って足を浮かせ、膝のお皿のすぐ下を手のひらのふちで軽くたたいてみます。痛くない強さで十分です。足が勝手に跳ねれば、膝蓋腱反射の説明を思い出し、脊髄の回路が関わる動きを観察したことになります。出にくいときは、足の力を抜き、たたく場所を少しずらしてみてください。

2. 次に、指を1本だけ曲げる動きと、背中の一部だけを動かそうとする動きを比べます。指は簡単に動きますが、背中は難しいと感じる人が多いでしょう。運動皮質の広さが動きの精密さに比例するという説明[1]を思い出すと、この差の理由を考えるきっかけになります。ただし、この体験だけで理由が確かめられるわけではありません。

3. 原典を読むなら、BrainFactsの解説(英語)が基本になります。運動皮質、複雑な運動、不随意運動の3本の記事があり、脳の領域ごとの役割が整理されています。

1. 椅子に座り、足を浮かせて、膝蓋腱を手のひらのふちで軽くたたく。足が跳ねれば、脊髄内またはその近くの回路が関わる反射を観察したことになる[3]。出にくいときは、脚の力を抜き、叩く位置を少し変える。

2. 次に、指を1本だけ曲げる動きと、背中の一部だけを動かす動きを比べる。運動皮質の面積は動きの精密さに比例して配分される[1]という説明から、指先の方が動かしやすい理由を考える手がかりになる。ただし、この体験だけでは理由を確定できないので、仮説としての確認にとどめる。

3. 出典はBrainFactsの3本(運動皮質/複雑な運動/不随意運動)と、アセチルコリンの働きを説明するLibreTextsとランカスター大学の解説、前庭脊髄路を扱う論文である。いずれも英語の資料で、今回の記事では内容を日本語で紹介している。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

体を動かす脳の仕組みについて、次の資料を参考にしました。いずれも英語の資料です。

  1. BrainFacts.org. The Motor Cortex (2012). https://www.brainfacts.org/Archives/2012/The-Motor-Cortex (運動皮質の役割、地図の広さ、補足運動野、後頭頂皮質)
  2. BrainFacts.org. Performing Complex Movements (2012). https://www.brainfacts.org/thinking-sensing-and-behaving/movement/2012/complex-movements (運動皮質から脊髄への信号、小脳、基底核、病気の例)
  3. BrainFacts.org. Understanding Involuntary Movements (2012). https://www.brainfacts.org/thinking-sensing-and-behaving/movement/2012/involuntary-movements (膝蓋腱反射は脊髄の回路で起きる)
  4. Open Neuroscience Initiative. 10.5: The Muscles (LibreTexts Medicine). https://med.libretexts.org/Bookshelves/Neuroscience/Open_Neuroscience_Initiative_(Lim)/10%3A_The_Motor_System/10.05%3A_The_Muscles (アセチルコリンと筋肉の収縮)
  5. Lancaster University. Neuromuscular junction (Lancaster Glossary of Child Development). https://www.lancaster.ac.uk/fas/psych/glossary/neuromuscular_junction (アセチルコリンの除去と酵素)
  6. Descending Influences on Vestibulospinal and Vestibulosympathetic Reflexes. PubMed Central PMC5366978. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5366978 (前庭脊髄路と姿勢の安定)

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