1. いちばん 古い ボタンは、なにに つかったの?
1. 最古のボタンは、飾りや印だった
1. 最古級のボタン ── モヘンジョダロの貝と、「最古」の異なる見方
インドの ちかくの モヘンジョダロという 古い まちの あとから、貝で できた 丸みの ある ボタンが 見つかって います。5000ねんほど 前の ものと いわれます[1]。
でも、このボタンは、ふくを とめる ためでは なく、かざりとして つかわれたと 考えられて います。もっと せまく 言うと、かざりや、しるしの ためです[1]。
「ボタン」と いっても、むかしは 今と ちがう しごとを して いたのですね。
ボタンの歴史をたどると、いちばん古い例のひとつは、インダス地方のモヘンジョダロで見つかった、曲がった形の貝製のものです。約5000年前とされ、留め具というより飾りとして使われたと説明されます[1]。
インダス文明では、ボタンやボタンに似た品物が、飾りや印として使われていました。見つかり始めるのは、前2800〜2600年ごろのコット・ディジ期からだといいます[1]。
ただし、「最古」は資料によって少しずれます。別の資料は、デンマークの湿地から出た鉄器時代(前1200〜450年)のボタンを、いちばん古い例だろうとしています[3]。そこで、ここでは「最古級の例のひとつ」と書いておきます。
最古級のボタンとされるのは、インダス地方のモヘンジョダロで見つかった、湾曲した貝製の品で、約5000年前とされる。資料は、ボタンが本来は留め具というより飾りとして使われたと述べる[1]。
同じ資料は、インダス文明のコット・ディジ期(前2800〜2600年ごろ)から、ボタンやボタン状の品が、留め具ではなく飾りや印章として出土すると記す。貝のボタンは前2000年までに飾り用に使われていたともいう[1]。「5000年前」と「前2800年ごろ」には幅があるため、年代は断定しない。
「最古」の書き方も一様ではない。ドイツ語の事典は、最古のボタンはおそらく鉄器時代(前1200〜450年)のもので、デンマークの湿地の発掘で見つかったと述べる[3]。インダス側の資料と食い違うので、「最古級の例のひとつ」とするのが安全だろう。
2. ボタンが なかった 時代、ふくは どう とめたの?
2. ボタンの前は、ブローチの仲間で留めていた
2. ボタン以前 ── ローマの fibula と、かぶって着る服
ボタンが かざりだった ころ、ふくは どうやって とめて いたのでしょう。
たとえば ローマの 人たちは、大きな あんぜんピンのような とめぐを つかって いたと いわれます[4]。ブローチ、とも よばれる ものです。
あたまから すっぽり かぶって 着る ふくなら、とめぐは あまり いりません。とめぐが たくさん いるように なるのは、前が ひらく ふくです。
3. 「穴」の はつめいで、なにが かわったの?
3. 13世紀、ボタンと穴の組み合わせが生まれた
3. ボタンホールの発明 ── 13世紀という時期と、発祥地を断定しない理由
ボタンが ふくを とめる ものに なる ために、いちばん 大切だったのは、ボタンを とおす 穴、つまり ボタンホールです。
ボタンと ボタンホールを くみあわせる やりかたは、13世紀ごろに できたと いわれます。ドイツで さいしょに あらわれた と する しりょうも あります[1][2]。
ただし、どこで はじまったかは、はっきり いえません。
ボタンだけでは、ふくは とまりません。ボタンと 穴が ならんで、はじめて 「とまる」のです。かぎと かぎあなの ような ものですね。ただし ほんとうの かぎは、もっと ふくざつです。
4. どんな ふくが ボタンを ひろめたの?
4. 体にぴったりの服が、ボタンを広めた
4. 14世紀の流行 ── 小さなボタンを並べた服と、残された服の断片
ボタンが ひろまったのは、13から14世紀ごろです。この ころ、体に ぴったり あう ふくが はやりました[3]。
ぴったりの ふくは、あたまから かぶれません。だから、前を ひらいて 着る ことに なり、ボタンなどの とめぐが やくに たちました。14世紀の フランスでは、小さな ボタンを ずらりと ならべた ふくが はやったそうです[2]。
ロンドンの はくぶつかんには、そでの きれはしが のこって います。ボタンで とめる ふくが 本当に あった、しょうこです[4]。
5. ボタンは、なにで つくられたの?
5. 木や骨から、大量生産へ
5. 素材と大量生産 ── 木・骨から16〜17世紀へ
むかしの ボタンは、木や、動物の 骨で つくる ことが 多かったそうです[3]。青銅や ガラスで できた ボタンも ありました。
おいわいの ときの ふくには、金や ぎんの ボタン、宝石を つかった ボタンも つくられました[3]。
16から17世紀には、ボタンが たくさん つくられるように なりました。フランスで とくに さかんだったと いわれます[5]。
6. 日本の ボタンは、いつから?
6. 日本のボタンと、11月22日の「ボタンの日」
6. 日本語の「ボタン」、明治の国産化と1870年の制服
「ボタン」という ことばは、ポルトガルの ことばから きたと いわれます。ほかの せつも あり、はっきり きまって いません[6]。
日本では、江戸の おわりごろに、牛の ほねや 金ぞくの とめぐが つくられ はじめました。ほんとうの ボタンづくりが はじまったのは、明治に なってからです[5]。
11月22日は「ボタンの日」です。1870ねん(明治3ねん)の この日、海軍が ヨーロッパふうの 制服を 決めた ことに ちなんで います[7]。
日本語の「ボタン」は、ポルトガル語の botão などから来たとされます。ただし語源には諸説あり、はっきりしません[6]。
日本では、江戸時代の終わりごろから牛の骨や金属の留め具が作られ始めました。本格的なボタンの製造は、明治になってからです[5]。軍隊の制服の需要が、国産化を進めたともいわれます[5]。
11月22日は「ボタンの日」です。1870年(明治3年)のこの日に、日本海軍が欧州式の制服(ネイビールック)を採用し、ボタンの数などを決めたことにちなみ、1987年に日本釦協会が決めました[7]。
日本語の「ボタン」は、ポルトガル語の botão などに由来するとされる。伊勢貞丈の『安斎随筆』には、ポルトガルでブタンと言うのを言い誤って日本でボタンと言う、という趣旨の記述があると紹介される。漢字の「釦」は当て字とされる。ただし語源は、古ラテン語やゲルマン語に求める説もあり、一つには定まらない[6]。
日本では江戸時代末期に牛骨や金属の留め具が作られ始め、本格的なボタンの製造は明治以降とされる。軍隊の制服の需要が国産化を進めた[5]。
11月22日の「ボタンの日」は、1870年(明治3年)のこの日に日本海軍が欧州式のネイビールックを制服に採用し、金地に桜の花をあしらったボタンの数などを定めたことに由来する。1987年に日本釦協会が制定した[7]。
7. じぶんでも たしかめて みたく なったら
7. 自分でも調べてみたくなったら
7. 自分でも調べてみたくなったら
やってみよう。おうちの ふくで、ボタンと 穴を 見くらべて みましょう。ボタンは 穴より 少し 大きい でしょうか。ボタンを 穴に とおすと、どんな ふうに ひっかかって とまるでしょうか。
もう ひとつ。ふくの ボタンが、なにで できて いるか 見て みましょう。ぷらすちっく、貝、ぬの。むかしの 木や ほねの ボタンとは、なにが ちがうでしょうか。
次のようなことを、調べたり試したりできそうです。
- 家にある服で、ボタンとボタンホールを見くらべてみましょう。穴はボタンより少し小さいでしょうか。ボタンを通したとき、どこが引っかかって留まるのかを、指で確かめます。
- ボタンの素材を見てみましょう。プラスチック、貝、布などがあるでしょうか。木や骨で作られていた昔のボタンとは、何が違うでしょうか。
- ボタンホールの向きと大きさを、シャツの前と袖口などで比べてみましょう。穴は縦でしょうか、横でしょうか。場所によって違いがあるでしょうか。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文は、次の資料を突き合わせて書きました。年代や発祥地が資料で食い違う点は、本文にそう書いています。
- Wikipedia "Button". https://en.wikipedia.org/wiki/Button (最古級のボタン、インダス文明、ボタンホールの起源について)
- Kinderzeitmaschine "Was macht ein Knopf ohne Knopfloch?". https://www.kinderzeitmaschine.de/mittelalter/spaetmittelalter/lucys-wissensbox/wissenschaft/was-macht-ein-knopf-ohne-knopfloch/ (13世紀の発明、14世紀フランスの服について)
- Mittelalter-Lexikon "Knopf". https://www.mittelalter-lexikon.de/wiki/Knopf (鉄器時代のボタン、体にぴったりの服、素材について)
- Frock Flicks "Buttoning Up the Myth About Buttons". https://frockflicks.com/buttoning-up/ (ローマ人の留め具と、14世紀の現物について)
- Wikipedia日本語版「ボタン (服飾)」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/ボタン_(服飾) (大量生産、婦人服、日本での製造の始まりについて)
- Wikipedia日本語版「ボタン」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/ボタン (日本語の「ボタン」の語源について)
- PR TIMES MAGAZINE「ボタンの日」。 https://prtimes.com/magazine/today/button-day/ (11月22日の由来について)
なおした ところ
更新履歴
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