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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

キャラメルの ちゃいろい いろと あまい かおりは、どこから くるの?

キャラメルの茶色と香りは、鍋の中でどう生まれるのか ── 煮つめる温度と、紙の箱で持ち歩けるようになるまで

キャラメルはなぜ褐色になり、持ち歩けるようになったのか ── 糖と乳製品の加熱、煮つめ温度、携帯用の紙箱

分野:歴史・文化

この きじで しょうかいする きほんの ざいりょうを ならべても、ちゃいろい ものは ありません。さとう、みずあめ、ぎゅうにゅうの なかま、あぶらです。

それなのに、どうして あの いろに なるのでしょう。いろと かおりの わけ、かたさを きめる もの、そして ポケットに はいる はこの ひみつが わかります。

キャラメルの原材料は、砂糖、水あめ、練乳、油脂です。この記事で紹介する基本的な配合には、茶色いものは入っていません。

それなのに、鍋の中ではあの色と香りができます。その理由と、硬さを決めるもの、溶けやすい菓子をポケットに入れられるようにした工夫が分かります。

キャラメルの原料は、砂糖・水あめ・練乳・油脂類で、有色の原料はない。それでも煮つめる間に褐色になり、香りが立つ[1]。

では、色と香りはどこから来るのか。硬さは何で決まるのか。そして、熱に弱い菓子はどう持ち歩けるようになったのか。事典とメーカーの資料から、この3つの理由と条件が分かる。

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1. ざいりょうに ちゃいろは ない のに

1. 材料に茶色はないのに、なぜ茶色になるのか

1. 有色原料なしで褐色になる ── 「乳製品と糖の加熱」

こうじょうでは、さとうと みずあめ、ぎゅうにゅうの なかま、あぶらを よく まぜます。それを おおきな かまで にて、とても あつく なるまで につめます[1]。

まぜた ときは、うすい いろです。にて いる うちに、だんだん ちゃいろに かわります。

めいじの しょくいくの ページは、いろが かわる ひみつは「ぎゅうにゅうの なかまと、さとうを あたためる こと」に ある、と せつめいします[4]。

つまり、この きほんの つくりかたでは、ちゃいろい ざいりょうを いれて いるのでは ありません。なべの なかで、あたためて いる うちに、いろが できて いくのです。

白っぽい材料が、茶色に変わる

日本大百科全書によると、工場でのキャラメルづくりは、砂糖、水あめ、練乳、油脂類をよく混ぜるところから始まります。それを蒸気で温める釜に入れ、118〜125℃ぐらいまで煮つめます[1]。

最初の混ぜ物は、色がうすい状態です。それが煮つめるうちに、あの茶色になっていきます。

色の秘密は「乳製品と糖の加熱」

明治の食育ページ(生キャラメルの実験)は、色が変わる秘密を「乳製品と糖の加熱」にある、と説明しています[4]。茶色い材料を足しているのではなく、加熱の途中で色が生まれる、ということです。

では、鍋の中で何が起きているのでしょうか。

日本大百科全書によれば、工業的なキャラメルは、砂糖・水あめ・練乳・油脂類を混合し、蒸気釜で118〜125℃ぐらいまで煮つめて作る[1]。この基本的な配合には、褐色の原料は含まれない。

それでも煮つめる間に褐色になる。理由を、明治の食育ページ(生キャラメルの実験教材)は「乳製品と糖の加熱」と説明する[4]。色は原料に最初からあるのではなく、加熱の過程で生じる、という整理になる。

この一文が、記事の問いに対する答えの要点だ。次に、その「加熱で起きること」を、もう少し具体的に見る。

2. なべの なかで おきて いる こと

2. 鍋の中で起きているのは、メイラード反応

2. メイラード反応とメラノイジン ── 糖とアミノ酸の加熱

この ことを「メイラードはんのう」と いいます。さとうの なかまと、ぎゅうにゅうなどに ふくまれる アミノさんと いう ものを あたためると、ちゃいろい ものが できる ことです[4]。

ちゃいろい ものの なまえは「メラノイジン」です。この とき、いろだけでなく、おいしい かおりも ふえます[4]。

はちみつは、この はんのうが おこりやすい と いわれます[4]。

めいじの ページでは、あわが ちいさく なったら よわびに して、とろみが でて うすい ちゃいろに なったら ひを とめます。いろが、ひを とめる めじるしに なるのです[4]。

ただし、これは おうちで つくる ときの はなしです。おとなと いっしょに、やけどに きを つけます。

糖とアミノ酸を温めると、褐色の物質ができる

メイラード反応は、糖とアミノ酸を加熱したときに、褐色の物質(メラノイジン)ができる現象です。できあがると風味がよくなり、色も茶色に変わります[4]。はちみつは、メイラード反応が起こりやすい食品だとも書かれています[4]。

牛乳などの乳製品には、アミノ酸からできたたんぱく質が含まれます。糖と乳製品を一緒に加熱するキャラメルは、この反応が起こりやすい組み合わせだと考えられます。

火を止めるのは、色を見て

同じ資料の生キャラメルのつくり方では、泡が小さくなったら弱火にします。とろみが出て、うす茶色になったら火を止めます[4]。鍋の中の色が、火を止める目安になるのです。

では、色や香りは、キャラメルの硬さともつながっているのでしょうか。

メイラード反応は、糖とアミノ酸を加熱すると褐色物質メラノイジンができる現象で、風味が増して茶色に変わる[4]。同じ資料は、はちみつはこの反応が起こりやすい、とも述べる[4]。

乳製品のたんぱく質はアミノ酸からできており、砂糖と乳製品を同時に加熱する配合は、この反応を起こしやすい。ただし、この点は資料の「乳製品と糖の加熱」という説明にもとづく推論であり、反応の速さや温度の詳しい数字は、今回使った資料に書かれていない。

実験教材の生キャラメルでは、泡が小さくなった段階で弱火にし、とろみが出てうす茶色になったら火を止める[4]。色の変化は、火を止める時機を知る視覚的な目印だ。だが色は、硬さそのものを決めるわけではない。次の章では、何が硬さを決めるのかを見る。

3. かたさを きめるのは なに?

3. 硬さを決めるのは、煮つめる温度

3. 煮つめ温度と硬さ ── 数度のちがいと、資料ごとの幅

やわらかい キャラメルも、かたい キャラメルも あります。この ちがいを きめるのは「にて いる ときの おんど」です[3]。

めいじの ページでは、はじめて つくる ひとは、りょうりの おんどけいを つかうと いい、と かいて あります[3]。

うちで つくる ときは、おんどが 118〜120どに なったら ひを とめます。そして、バット(りょうりに つかう ひらたい いれもの)に ながして ひやします[3]。

ひやしすぎると、きるのが たいへんです。ほうちょうを あたためながら きります[3]。

ただし、じてんに よって、おんどの かいて ある はばは ちがいます。どれか ひとつの おんどが、いつも ただしい わけでは ありません[2]。

いろは ひを とめる めじるし、かたさは にて いる ときの おんどで きまる、と おぼえて おくと よいでしょう。

温度計で、硬さを狙う

明治の食育ページ(手作りキャラメル)は、最終的なキャラメルの硬さは温度で決まる、と説明します。初めて作る人は、料理用の温度計を使うよう勧めています[3]。

家庭向けのレシピでは、牛乳、グラニュー糖、水あめを火にかけます。生クリームとバターを加えて弱火で煮つめ、118〜120℃になったらバニラオイルで香りをつけ、バットに流して冷やします[3]。ここで温度がずれると、できあがりの硬さが変わってしまいます。

冷やしたら、包丁を温めて切る

冷えて固まったものを約25等分に切ります。冷やしすぎると切りにくいので、包丁を温めながら切ります[3]。

温度の幅は、資料ごとにちがう

工業的な製法を書いた事典でも、温度の数字は一つではありません。日本大百科全書は118〜125℃ぐらい[1]、ブリタニカ国際大百科事典は約120℃とされています[2]。家庭向けレシピの118〜120℃も、この範囲に入ります。配合や求める硬さによって、ちがいが出るのだと考えられます。

キャラメルの硬さは温度で決まる、と明治の食育ページは述べる。初めて作る人には、料理用の温度計の使用を勧めている[3]。煮つめるとは、鍋の中の水分を飛ばしていくことであり、温度は「どこまで煮つめたか」を示す目印になる、と考えられる。ただし、資料はこの理由までは書いていない。

同じページの家庭向けレシピは、牛乳・グラニュー糖・水あめを火にかけ、生クリームとバターを加えて弱火で煮つめ、118〜120℃でバニラオイルを加えてバットに流し、冷やして約25等分に切る[3]。冷やしすぎると切りにくいため、包丁を温めながら切る。

温度の数字は、資料により幅がある。日本大百科全書は工業製法で118〜125℃ぐらい[1]、ブリタニカは約120℃[2]。日本大百科全書の範囲だけでも125−118=7℃の幅がある。家庭向けレシピの118〜120℃は、この範囲の下の部分にあたる。

この幅は、配合や目指す硬さの違いを反映していると考えられる。ただし、温度と硬さの対応(何℃でどの硬さ)は、今回の資料では示されていないため、一点の温度に断定しない。

4. こうじょうでは どう つくるの?

4. 工場では、煮つめたあとにどう仕上げるのか

4. 工業製法の後半 ── 香料・冷却・切断・包装

こうじょうでは、にて いる ときの あと、かおりを つける ものを いれて、よく かきまぜます[1]。

つぎに、ひやす ための いたの うえで ひやします。そして、ほそながく のばして、きります[1]。

さいごに、ワックスペーパーと いう かみで つつみます。これが、くちに いれる まえの すがたです[1]。

ブリタニカの じてんでは、50〜60どに ひやして から きる と かいて あります[2]。あつい うちは やわらかく、ひえて きる ころに ちょうど よい かたさに なる のでしょう。

香りをつけて、冷やして、切る

日本大百科全書によると、煮つめたあとは、香料を加えて攪拌します。そして冷却盤で冷やし、のばして切断し、ワックスペーパーで包装します[1]。

ブリタニカ国際大百科事典の記述では、煮つめたあとにバターや香料を加え、50〜60℃に冷やしてから切ります[2]。家庭のレシピで「包丁を温めながら切る」のも、熱いうちは柔らかく、冷えるほど硬くなるからだと考えられます。

日本大百科全書によれば、工業的な製法では、煮つめたのち、香料を加えて攪拌し、冷却盤で冷やしてのばし、切断して、ワックスペーパーで包装する[1]。ブリタニカ国際大百科事典の記述は、バターと香料を加えたのち50〜60℃まで冷却して切る、というもの[2]。

煮つめの終点が118〜125℃ぐらい[1]、切断が50〜60℃[2]だとすると、切る時点までに60〜70℃ほど下がる計算になる。家庭のレシピが「冷やしすぎると切りにくい」とするのは、この冷却の度合いの調整が硬さの管理に関わるからだと考えられる[3]。

5. かみの はこで、キャラメルを もちあるける ように

5. 紙の箱で、溶けやすいキャラメルを持ち歩けるようにした

5. 森永のミルクキャラメルと携帯用の紙箱 ── 発売年の整理と価格の計算

「キャラメル」という なまえは、ポルトガルごの「カラメロ」(さとう おかし)から きた、と いわれます[1]。

にほんで、もりながの ミルクキャラメルが うられたのは、1913ねんです[6]。いまも おみせに ならんで います。

しりょうに よると、はじめは かんに はいった ばらうりで、1つぶ 5りん でした。あつさや しめりけで とけやすく、かいぜんを かさねた そうです[6]。

1914ねんに、20つぶ いりで 10せんの かみの はこが でて、ひろまった と いわれます[6]。ポケットに いれて、もちあるける ように なったのです。

名前の由来と、ミルクキャラメル

「キャラメル」の語は、ポルトガル語のcaramelo(砂糖菓子の意)に由来するとされます。カラメルやカルメラも同じ語源とされますが、カルメラは別の菓子です[1]。

日本で今も店頭に並ぶミルクキャラメルを出したのは、森永製菓です。創業者の森永太一郎(1865〜1937)は、アメリカで菓子の製法を学び、1899年に東京・赤坂に森永西洋菓子製造所を開きました[5]。ミルクキャラメルの発売は1913年、携帯用の紙サック入りが出たのは1914年と整理されています[6]。

缶から、20粒入りの紙箱へ

森永製菓の資料によると、1913年の発売時はバラ売りで1粒5厘でした。それが1914年に、20粒入り10銭の携帯用の紙サックになり、広まったとされます。高温多湿で溶けやすいという弱点に、改良を重ねたとも説明されています[6]。

1銭は10厘なので、1粒5厘のバラ売りを20粒買うと100厘、つまり10銭です。箱入りの20粒10銭も、1粒あたり5厘で、値段の見かけは同じです。この数字は二次資料にもとづく紹介です。

caramelo(カラメロ)はポルトガル語で砂糖菓子を指し、キャラメルの語源とされる。カラメルやカルメラも同じ語源とされるが、カルメラは別の菓子である[1]。

森永の起源は、アメリカで菓子製造を学んだ森永太一郎(1865〜1937)が、1899年に東京・赤坂に開いた森永西洋菓子製造所とされる[5]。ミルクキャラメルの発売は1913年、携帯用の紙サック入りが出たのは1914年と整理される[6]。コトバンクの事典項目は「1914年発売」と書いており、資料によって年がずれるため、年号は出典を添えて読む必要がある。「日本初のキャラメル」とは言い切れない。

携帯用の包装については、森永製菓の資料によれば、1913年の発売時はバラ売りで1粒5厘、1914年に20粒入り10銭の紙サックが出て広まったとされる[6]。高温多湿で溶けやすい性質への対応として、改良を重ねたとも説明される。

数字を同じ単位にそろえると、1銭=10厘より、10銭=100厘。バラ売り20粒は5厘×20=100厘で、箱入り20粒10銭と同額になる。つまり価格の差ではなく、持ち歩ける形になったことが箱の価値だったと読める。

6. ざいりょうひょうじを みて みよう

6. 原材料の表示から、茶色の理由を探してみる

6. 出口 ── 表示の読み方と、資料の探し方

おうちに キャラメルが あれば、うらの ざいりょうひょうじを みて みましょう。ならんで いる ものの なかに、ちゃいろい ものは ありますか。

つぎに、ひとつぶ くちに いれて、ゆっくり とかして みます。かたさや あまさ、かおりが、どう かわって いくか、かんじて みましょう。

ただし、キャラメルを おうちで つくる ときは、118〜120どの あつい なべを つかいます。かならず おとなと いっしょに しましょう。

家にキャラメルがあれば、包みの裏の原材料表示を見てみましょう。並んでいる材料の中に、茶色い原料は入っているでしょうか。砂糖、水あめ、乳製品、油脂の組み合わせに、鍋の中の加熱で色と香りが生まれる様子を重ねてみます。

一粒を口に入れて、ゆっくり溶けていく間の硬さや香りの変化を感じるのもよいでしょう。ただし、キャラメルを自分で作る場合は、118〜120℃の熱い鍋を使います。やけどの危険があるので、必ず大人と一緒に作ってください。

さらに知りたくなったら、明治の食育ページ(手作りキャラメル、生キャラメルの実験)[3][4]や、事典のキャラメルの項目[1]に、温度や手順が出ています。発売年や紙箱の話は、資料によって揺れているので、読み比べると発見があります。

原材料表示は、使われている原料が多い順に並ぶのが一般的だ。家にキャラメルがあれば、有色の原料が含まれているかを確かめる。原料が砂糖・水あめ・乳製品・油脂だけなら、本文で見た「加熱で色が生じる」説明と照らして読める。家庭で作る場合は、118〜120℃の熱い鍋を扱うため、必ず大人と一緒に行う。

資料を読むなら、製法の概要は事典の項目[1][2]、家庭向けの手順と硬さの扱いは明治の食育ページ[3][4]が日本語で読める。メイラード反応と、砂糖だけを加熱するカラメル化はどう違うのか。何℃でどの硬さになるのか。前者は「メイラード反応」「カラメル化」を事典で引き比べ、後者は温度計を使った製菓の解説や実験で、温度と硬さの対応表を探すと手がかりになる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:事典(コトバンク)、明治の食育ページ、森永製菓の沿革を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. 日本大百科全書・世界大百科事典・精選版日本国語大辞典「キャラメル」(コトバンク)。https://kotobank.jp/word/キャラメル (工業的な製法、語源について)
  2. ブリタニカ国際大百科事典・世界大百科事典「キャラメル」(コトバンク)。https://kotobank.jp/word/キャラメル (煮つめ温度の幅、冷やして切る温度について)
  3. 明治 食育「手作りキャラメル」。https://www.meiji.co.jp/meiji-shokuiku/shokuikurecipe/recipe/0304.html (家庭での作り方と温度について)
  4. 明治 食育「生キャラメルを作ろう」。https://www.meiji.co.jp/meiji-shokuiku/homework/experiment/rawcaramel/ (色の変化とメイラード反応について)
  5. 日本大百科全書・共同通信ニュース用語解説「森永製菓」(コトバンク)。https://kotobank.jp/word/森永製菓 (森永の起源とミルクキャラメルについて)
  6. 森永製菓「明治・大正」(企業情報・沿革)。https://www.morinaga.co.jp/company/about/history.html (1913年のミルクキャラメル発売と、1914年の紙サック入りについて)

なおした ところ

更新履歴

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