1. しろい ところは、ねと、もう ひとつ
1. 白い部分は、根と「茎の下の方」でできている
1. 可食部は主根だけではない ── 胚軸という部分
たねから めが でると、ちいさな はっぱの したに、くきのような ぶぶんが できます。これを「はいじく」と いいます。
だいこんは そだつと、ねと、この はいじくが いっしょに ふとります[1]。しろい ところは、ねだけの もの では ないのです。
はつかだいこんでは、はいじくが ふとる ようすを しらべた けんきゅうも あります[2]。
2. たねから なんにち くらいで そだつの?
2. 種まきから収穫まで、2か月ちょっとかかる
2. 秋まきの時期と日数 ── 発芽、間引き、収穫までの流れ
あきに そだてる ときは、はちがつの おわりから くがつの おわりごろに、たねを まきます[4]。ただし これは、あたたかさが ちゅうくらいの ちいきの はなしです。
たねを まいて いっしゅうかんから とおかほどで、めが そろって でて きます[4]。そのあと、はっぱが ふえて きたら、まびきを して、ひとつの ばしょに 1ぽんだけ のこします[4]。
しゅうかくまでは、たねまきから 60〜70にちほど です[4]。2か月と ちょっとですね。しゅるいや ちいきで、にっすうは かわります。
秋まきでは、中間地(寒すぎも暑すぎもしない地域)で、8月下旬から9月下旬が種まきの適期と言われます[4]。まいてから1週間〜10日ほどで、芽がそろいます[4]。
そのあとは、間引きです。混み合った苗を抜いて、最終的に1か所に1株だけ残します。最初の間引きは本葉が1枚の頃、最後は6〜7枚の頃、とする解説があります[4]。ただし、時期の枚数は資料によって幅があります。
収穫は、品種によりますが、種まきから60〜70日です[4]。8月の終わりにまけば10月の終わり、9月の終わりにまけば12月の初めごろ、という計算になります。品種や地域で日数は変わります。
種まきの時期は地域で異なり、秋まきでは中間地で8月下旬〜9月下旬が適期とされる。発芽は種まきから1週間〜10日ほどでそろう[4]。
その後に間引きを行い、最終的に1か所1株にする。栽培解説の一例では、最初の間引きが本葉1枚の頃、最後が本葉6〜7枚の頃である[4]。ただし枚数は資料ごとに幅があるため、何枚と固定して覚える必要はない。
収穫までは、品種により種まきから60〜70日である[4]。8月下旬にまけば10月下旬、9月下旬にまけば12月初めごろに当たる、という概算になる。ただし品種・地域・年の気温で前後する。
発芽に1週間〜10日かかるので、芽が出てから収穫までは、単純に引き算すると50〜63日ほどになる(60日−10日、70日−7日)。つまり、白い部分が太るのは、この約2か月の間であり、その間、根と胚軸が少しずつ太っていく。
3. どうして ふたまたに なる ことが あるの?
3. 根の先が何かに当たると、二股になることがある
3. 又根(岐根)ができる条件 ── 石・土の塊・未熟な有機物
だいこんの なかには、ね が ふたつに わかれた「またね」に なる ものが あります。
ねの さきが、いしや つちの かたまり、ざっそうの ねに ぶつかると、またねに なるのだと いわれます[5]。ねの さきが、いしを よけて いこうと して、わかれる のかも しれません。これは たとえ ばなしです。
まだ くさって いない たいひ(くさった はっぱなどの こえ)が おおい つちでも、まっすぐ のびずに またねに なったり、びょうきや むしに やられやすく なったり します[3]。
ただし これは、ふつうの そだち方の ひとつです。だいこんが わるいのではなく、つちの なかに ぶつかる ものが あった、という ことです。
だいこんを抜いたら、根が二股に分かれていた。そんな経験のある人もいるかもしれません。この形は、又根や岐根と呼ばれます。
原因として、栽培解説は、根の先が石や土の塊、未熟な堆肥、雑草の根に当たること、をあげています[5]。主根(まっすぐ下へ伸びる太い根)の先が行く手をさえぎられると、道を変えるように分かれる、と考えると分かりやすいでしょう。これは、しくみをイメージするためのたとえです。
堆肥の話もあります。ホンダの野菜づくりの解説は、未熟な有機物が多い土では、根がまっすぐ伸びずに又根になったり、病気や虫の害にあいやすくなったりする、と注意しています[3]。
引っこしが苦手な野菜
苗を植えかえると、主根が切れて、多くが又根になるといわれます。そのためダイコンは、畑に直接種をまく、直まきが基本です[5]。
又根(岐根)は、主根が二股以上に分かれる現象である。ヤンマーの栽培解説は、根の先端が石・土の塊・未熟な堆肥・雑草の根に当たると生じる、とする[5]。ホンダの解説も、未熟な有機物が多い土では、根がまっすぐ伸びずに又根になり、病虫害も受けやすいと述べる[3]。
ここから分かるのは、又根の原因の多くが、根そのものの異常ではなく、土の中の条件にあるという点だ。主根の先が障害物にあたると、伸びる向きが変わる、という見方はできるが、これは比喩である。
もうひとつの条件は、移植である。主根(直根)が切れると、多くが又根になるといわれ[5]、ダイコンは直まきが基本とされる。「多くが」は割合を示す言葉ではなく、目安として読むとよい。
4. つちは、どう したら いいの?
4. 「大根十耕」── よく耕すことが、育て方の基本
4. 「大根十耕」とは何か ── 耕すことと堆肥をめぐる、解説の食いちがい
「だいこん じっこう」ということばが あります。だいこんを そだてる ときは、つちを 10かいも たがやす くらい、よく たがやしなさい、という いみです[3]。
つちに くうきが はいり、ふかふかに なります。いしや かたまりが あれば、とりのぞく ときに みつかります。
ただし、どれだけ よく やっても、またねが ぜったいに ならない わけでは ありません。
ダイコン栽培の秘訣は、よく耕してから種をまくこと、とホンダの解説は書いています。これは「大根十耕」ということわざで表され、土に空気を入れることが基本とされます[3]。
ここで、前の章の話とつなげて考えてみます。耕すと、石や土の塊に気づいて、取りのぞくことができます。耕すことは、根の通り道を整えることにもなりそうです。ただし、これは筆者の推測で、資料にそう書いてあるわけではありません。
堆肥は入れるのか
同じ解説は、ダイコンは養分の少ない土地でも育つので、堆肥や肥料は要らない、とも書いています[3]。一方、家庭菜園の解説には、堆肥を使う方法もあります。いずれも、未熟な有機物が多いと又根になりやすい、という点は共通しています[3]。
「大根十耕(だいこんじっこう)」は、栽培上、よく耕すことを重視することわざで、解説によれば、土に空気を入れることが基本である[3]。
耕起は、石や土の塊を取り除く機会にもなるため、前章の又根の条件と合わせて読むと、根の通り道を整える作業とも位置づけられそうだ。ただしこれは筆者の読みで、資料の記述ではない。
堆肥については、解説どうしに食いちがいがある。ホンダの解説は、ダイコンは養分の少ない土地でも育つので堆肥や肥料は不要としつつ[3]、未熟な有機物が多いと又根や病虫害の原因になると注意する。別の資料は、堆肥を入れる方法を紹介している。つまり「入れるか否か」より、入れるなら未熟でないこと、がもっとも確かな共通点だ。
こうして並べると、栽培の指針は、土をふかふかにして根の通り道を作る、未熟な有機物を避ける、苗は植えかえず直まきにする、の3つに整理できる。どれも、根の先が止められないようにする工夫である。家庭菜園の解説が方針を分けていても、根の先を守るという目的は共通しているように読める。
5. はるに まくと、はなが さくって ほんと?
5. 寒さに出会うと、ダイコンは花の準備を始める
5. 低温と花芽の形成 ── 春まきで起きる「とう立ち」
だいこんは、さむさに あうと、はなの もとを つくる ことが あります[6]。この もとを「はなめ」と いいます。
はるの はやい じきに たねを まくと、まだ さむい ひに あたる ことが あります。すると、だいこんが ふとる まえに、はなが さいて しまう ことが あるのです。
ちば けんの けんきゅうでは、あたたかい ふくろ のような べたがけで そだてる ときに、2がつ なかばより あとに まくと、はなが さくのを さけられる、と しらべて います[6]。
ダイコンの種を春の早い時期にまくと、収穫の前に花が咲いてしまうことがあります。この現象は「とう立ち」と呼ばれます。
千葉県農林総合研究センターによると、ダイコンは寒さに出会うと花の元(花芽)をつくる性質があり、そのあと花が咲く場合があるため、保温をしないと、収穫までに花が咲いて、野菜としての価値を損なうそうです[6]。べたがけ(布やシートで作物をおおう方法)で栽培する場合、とう立ちを避けられる種まきは、2月中旬以降という試験結果が出ています。これは千葉県での、この方法の場合の数字です。
ダイコンの花と実
ダイコンはアブラナ科の越年草です。越年草は、芽生えてから翌年にかけて花が咲き、実をつけて枯れる草のことです[7]。春に、茎の先に白色から薄い紫色の、十字形の花が咲きます。実は4〜6センチメートルほどで、中に赤茶色の種が入ります[7]。
つまり、ダイコンは、本来は花を咲かせて種を残す草です。白い部分は、そのための栄養をたくわえる体だと考えられます。この考えは筆者の見方で、資料に書かれているわけではありません。
ダイコンは、寒さに遭うと花芽を形成する性質があり、その後とう立ちして花が咲く場合がある。千葉県農林総合研究センターは、このため保温しないと収穫前にとう立ちして商品性を損なうと述べ、べたがけ栽培の場合、とう立ちを避けられる播種は2月中旬以降と示している[6]。数字は、この栽培方法と地域に限った結果である。
ダイコンはアブラナ科ダイコン属の越年草で、春に茎の先に白色または淡紫色の十字状の花をつける。果実は長さ4〜6cmほどのさや状で、赤褐色の種子が入る[7]。
つまり、春の早まきでは、芽生えの時期に低温に出会う可能性が残る。ダイコンが花を咲かせる草であることは、白い部分を太らせる生長が、花を咲かせる前の準備でもある、と読むこともできる。ただしこれは筆者の見方である。
6. うえと したで、あじは ちがうの?
6. 上と下では、辛さが違うといわれる
6. 部位による辛味の差 ── 上は甘く、先端は辛いという使い分け
だいこんを たべくらべると、うえの ほう(はっぱに ちかい ほう)は、あまくて みずが おおいと いわれます[8]。
したの ほう(さきの ほう)は、からみが つよいと いわれます[8]。だから、からい たべものには あう、と いう つかい わけが あります。
なつの だいこんは、からみが つよめと される こともあります。ただし、これは ひとつの せつめいで、すべての だいこんで おなじとは かぎりません。
7. だいこんを きって みよう
7. 台所で、上と下を食べ比べてみる
7. 一本のダイコンで、部位による味の差を確かめる
だいこんを 1ぽん かって きて、おうちの 人と いっしょに、うえの ほう、まんなか、したの ほうを、うすく きって もらいましょう。ほうちょうは、かならず おとなに つかって もらいます。
なまの まま ひと きれずつ たべて、あまさや からさを くらべます。どこが いちばん からかったか、おうちの 人に はなして みましょう。
おみせで だいこんを みる ときは、かたちも みて みましょう。まっすぐな もの、すこし まがった もの、いろいろ あります。
ダイコンを1本買ってきて、家の人と一緒に、上・真ん中・先の3か所から、薄く切って食べ比べてみてください。包丁は、必ず大人が使います。
生のまま、少しずつ食べて、甘みや辛さの順番を確かめます。本文で読んだ「上は甘く、先端は辛い」という使い分けと、自分の舌が同じかどうかを見ます。
買った大根の形も観察してみましょう。まっすぐなもの、少し曲がったもの、先が細いもの。畑の土の中で何があったのかを想像すると、野菜売り場が少し違って見えます。
ダイコンを1本、上部・中央・先端の3か所から薄切りにして、生で食べ比べる。包丁を使うため、必ず大人と行う。
確かめたいのは、上は甘く先端は辛い、という紹介と自分の舌が一致するかである[8]。一本だけでは一般化できないので、別の品種や季節でも試して、記録を比べるとよい。
家でできる観察として、ダイコンを縦に切って断面を見てみるのもよい。上・中央・先端で、筋や色、水分の感じに差があるかを比べて記録する。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文の[ ]の番号は、下の一覧の番号です。
- 日本植物生理学会「植物の写真ギャラリー」ダイコン https://jspp.org/pcp/photo_gallery/back_number/year/detail.html?id=162 (白い部分が根と胚軸でできること)
- Li・Sasakawa「ダイコンの胚軸肥大」岡山大学農学部学術報告(要旨) https://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/ (ハツカダイコンで可食部の胚軸が肥大する研究)
- ホンダ 野菜づくり「ダイコン」 https://www.honda.co.jp/tiller/yasai/improve/japanese-radish/ (耕し方、堆肥の注意、又根)
- ホンダ 野菜づくり「ダイコン step2」 https://www.honda.co.jp/tiller/yasai/improve/japanese-radish/step2/ (種まき時期、発芽、間引き、収穫までの日数)
- ヤンマー 家庭菜園「ダイコン」 https://www.yanmar.com/jp/agri/agrilife/kitchen_garden/field/japaneseradish/ (又根の原因、直まきの理由。栽培解説であり、学術的な因果の証明ではない)
- 千葉県農林総合研究センター「とう立ち回避」 https://www.pref.chiba.lg.jp/lab-nourin/seikanokouhyou/h29/tousouyasai12-2.html (低温と花芽、種まき時期の目安)
- Weblio辞書「蘿蔔」(Wikipedia由来) https://www.weblio.jp/content/%E8%98%BF%E8%94%94 (分類、花と実の特徴)
- nippon.com「にっぽん食べ物図鑑」ダイコン https://www.nippon.com/ja/japan-topics/c15325/ (上と下の味の使い分け)
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