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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

もともと 日本に いる たんぽぽの わたげも、くうきの わを つくるの?

「タンポポの空気の輪」は、在来のカントウタンポポでも同じようにできるのか

冠毛がつくる分離渦輪は、カントウタンポポでも成り立つか ── 研究材料の素性と、まだ測られていないこと

分野:生きもの

たんぽぽの わたげは、たねの すぐ上では なく、すこし はなれた ところに、くうきの わを つくる と いわれて います。ところが、その 有名な 研究けんきゅうで しらべられた のは、日本に もともと いる たんぽぽ では ありませんでした。

では、近くの 草むらに さく カントウタンポポの わたげも、同じ わを つくるのでしょうか。わかって いる ことと、まだ しらべられて いない こと、家で くらべる みちすじが わかります。

タンポポの綿毛の少し後ろには、タバコの煙の輪に似た空気の輪ができて、種を浮かせる助けになっています。2018年に報告されたこの発見は、いまや有名です。ところが、紹介記事には「タンポポ」としか書かれておらず、続報の論文で使われたのは、日本に昔からいる在来のタンポポではなく、外来のセイヨウタンポポの仲間でした。

身近なカントウタンポポの綿毛も、同じ輪をつくるのでしょうか。いまの時点で分かっていることと、まだ調べられていないこと、家で落ち方を比べる道すじが分かります。

冠毛が種子から離れた位置に安定した渦輪をつくることは、2018年にNature誌で報告され、よく知られるようになった。しかし、続報の前刷で使われた種はTaraxacum officinaleであり、日本の在来タンポポとは生殖のしかたも種子の親も異なる[4][5]。

では、在来のカントウタンポポにその結果を当てはめてよいのか。渦輪が決まる条件、種子の重さの違いを示す資料、手元で比較する方法から、分かることと検証が要ることが分かる。

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1. たんぽぽの わたげの うしろに、わが できるの?

1. 綿毛の後ろにできる空気の輪は、何を助けているのか

1. 冠毛の後ろに浮かぶ分離渦輪 ── 2018年の発見の中身

こうえんで たんぽぽの わたげを ふくと、ふわっと 空に のぼって いきます。この わたげの うしろに、くうきの わが できて いると、2018ねんに 発表されました[1]。

わは、たばこの けむりの わに にて いる、と しょうかいされて います[2]。たねの すぐ そばでは なく、すこし はなれた ところに ういて いるのが とくちょうです。

わたげは、すきまだらけです。それでも、すきまを とおる くうきが わを つくる ことで、たねを ささえる ちからが ふえる、と かんがえられて います[1]。

では、この 有名な 発見は、どの たんぽぽで たしかめられた のでしょう。

公園でタンポポの綿毛を吹くと、種はふわりと高く上がります。その綿毛の周りの空気の流れを目に見えるようにして調べたところ、種から少し離れた位置に、ぐるぐる回る空気の輪(分離渦輪)が浮かんでいると、2018年のNature誌で報告されました[1]。日本語の紹介では、タバコの煙の輪に似た輪が、種を浮かせるしかけになっていると説明されています[2]。

綿毛は、細い毛がすき間をあけて広がった円盤のような形です。研究チームは、この「円盤の形」と「すき間の割合」が、輪をつくる鍵だと考えました。すき間の割合を変えた円盤で試すと、本物の綿毛に近い割合の円盤が、本物と似た流れをつくりました[1]。

しかも空気から受ける力は大きく、同じ面積の詰まった円盤の4倍以上と紹介されています[3]。これは面積あたりの力の話で、落ちる速さが4分の1になるという意味ではありません。

では、この輪は、どの種類のタンポポで見つかったものだったのでしょうか。

冠毛は、細い毛が放射状に広がった円盤状の構造をもつ。研究チームは、この形と間隙率(すき間の割合)が、種子から離れた位置に分離渦輪をつくる鍵だと考えた。実際に、間隙率を変えた微細加工の円盤で調べると、冠毛に近い間隙率の円盤が本物と似た流れを再現したという[1]。著者らは、冠毛の間隙率は、渦を安定させつつ空気から受ける力を大きくし、材料を少なくするよう調整されているように見える、と述べる。ただし、これは「調整されているように見える」という解釈であり、進化の過程でそう選ばれたと断定したものではない[1]。

この性質は、数字でも紹介されている。冠毛が生む単位面積あたりの空気抵抗は、平たく丸い固体の円盤の4倍以上とされる[3]。ただしこれは単位面積あたりの力の比較であり、落下速度が4倍遅いという意味ではない。この「4倍以上」は、Nature本文ではなく日本語の研究紹介で確認した値である。

しかも、日本語の紹介ページには種名がなく、「タンポポ」とだけ書かれている[2]。では、この結果を在来種に当てはめてよいのか。まず、続報で使われた材料の素性を見る必要がある。

2. その けんきゅうの たんぽぽは、どんな たんぽぽ?

2. 研究で使われたのは、日本の在来種とは別のタンポポだった

2. 研究に使われた種 ── 温室で育てた1個体の子孫と、日本の「セイヨウタンポポ」との関係

つづきの けんきゅうでは、Taraxacum officinale という たんぽぽが つかわれました[4]。日本で「セイヨウタンポポ」と よばれる がいらいの たんぽぽの なかまの ひとつです。ただ、日本の「セイヨウタンポポ」と まったく 同じとは かぎりません。

おんしつで そだてた たった 1ぽんの たんぽぽの こどもたちを つかった と、2019年の ろんぶんの まえずりに かかれて います[4]。

わたげは、毛が 100ぽん ぐらい あり、たねと あわせて 0.614ミリグラム でした。1円玉の 1600ぶんの 1 くらいの かるさです。

いっぽう、日本に もともと いる たんぽぽは、ほかの たんぽぽの 花ふんで たねを つくる と せつめいされて います[5]。つくりかたが ちがうので、たねの 親も ちがいます。カントウタンポポの わたげの 本数や 長さが、この けんきゅうの 数字と 同じかは、わかっていません。

続報の前刷(2019年)で使われたのは、Taraxacum officinaleと記された種です(2022年のeLife版ではT. officinale agg.という種群の表記)。日本で「セイヨウタンポポ」と呼ばれるものと同じとは限りません。前刷には、温室で育てた1個体の子孫を使ったと記されています[4]。冠毛は約100本の毛でできていて、毛の長さを7.41mm、太さを16μmと仮定して計算されました。冠毛つき種子の乾いたときの平均質量は0.614mgです[4]。1円玉が1gなので、1600分の1ほどの軽さです。

日本で「セイヨウタンポポ」と呼ぶものは、この種そのものというより、倍数性や無融合生殖をもつ種類の集まり(T. officinale agg.)で、在来種との雑種も多いと説明されています[5]。一方、ニホンタンポポの仲間はほかの個体の花粉で種子をつくる、と説明されています[5]。

つまり、研究の材料と、カントウタンポポとでは、種子のつくり方も、種子の親も別です。カントウタンポポの冠毛の本数や長さが、この研究材料の値と同じかは分かっていません。では、手がかりはあるのでしょうか。

この疑問に答えるために、続報の前刷を見る。2019年の前刷(のち2022年にeLifeで公表)で使われたのはTaraxacum officinaleと記された種で(eLife版ではT. officinale agg.の表記)、日本で「セイヨウタンポポ」と呼ばれる種群と同一とは限らない。前刷には、温室で育てた1個体の子孫を使ったと記されている。冠毛は約100本の毛で構成され、毛の長さ7.41mm、太さ16μmと仮定して計算されている。冠毛つき種子の乾燥時平均質量は0.614mgである[4]。1円玉を1gとすれば、1600分の1ほどの軽さになる。なお、ここで示す数値は前刷のもので、eLife版との差は照合していない。

では、日本の「セイヨウタンポポ」はこれと同じ扱いでよいか。J-STAGEの解説では、T. officinale agg.は形態的に識別しにくい、倍数性や無融合生殖をもつ種の複合体を指し、在来種との雑種が多いと述べられている[5]。ニホンタンポポ類は二倍体で自家不和合、つまり他の個体の花粉で種子をつくる、とされる。この記述は、本文ではなく書誌・抄録の要約で確認したものだ[5]。

このため、前刷の材料と日本の在来種とでは、生殖のしかたも種子の親も別になる。冠毛の本数や長さも、この材料の値がそのまま在来種に使えるとは言えない。ここまでで、確実に言える範囲が見えてくる。次は、そこから在来種について何が言えそうかを考える。

3. かんとうたんぽぽで、おなじ わは できるの?

3. カントウタンポポの綿毛で、空気の輪は調べられたのか

3. カントウタンポポの冠毛では ── 渦輪を決める条件から言えること

今回 しらべた はんいでは、カントウタンポポの わたげで くうきの わを はかった ほうこくは、みあたりませんでした。わたげの 本数や 長さを しめした 数字も、みつかりませんでした。

だから「同じ わを つくる」とは いえません。「ちがう わを つくる」とも いえません。

手がかりは あります。わは、わたげの 形と、すきまの わりあいで きまる と かんがえられて います[1]。ひろがりかたでも かわり、わたげを とじると、わの ながさは みじかく なりました[4]。

だから、カントウタンポポの わたげが 同じ ような 形と すきまを もって いれば、にた わが できるかも しれません。でも、それは はかって みないと わかりません。

今回調べた範囲では、カントウタンポポの冠毛で渦輪を測った報告は見当たりませんでした。冠毛の本数や長さ、種子の質量の公表値も見つかっていません。したがって、「同じ輪をつくる」とも「つくらない」とも言えません。

ただし、手がかりはあります。輪をつくる鍵は、冠毛の円盤状の形とすき間の割合でした[1]。続報の風洞実験では、冠毛の開き具合を変えても輪が見られ、閉じるほど渦の長さが短くなりました[4]。つまり、輪の大きさは冠毛の開き具合で変わります。

この性質から考えると、カントウタンポポの冠毛が、似た形とすき間をもっていれば、似た輪ができるかもしれません。しかし、それは「かもしれない」という推測で、実際に流れを見ないと確かめられません。もう一つ、種子の重さも気になります。在来の種子は、ほんとうに重いのでしょうか。

今回の調査(日英の検索)では、カントウタンポポの冠毛で渦輪を測った論文は見つからなかった。冠毛の本数、長さ、種子質量の公表値も同様である。したがって、「同じ渦輪をつくる」と断定する根拠はなく、「つくらない」とする根拠もない。

ただし、条件は分かっている。Natureの報告は、冠毛の円盤状の形と間隙率が渦輪の鍵だとした[1]。続報の前刷は、風洞(レイノルズ数Re=133〜197。慣性力と粘性力の比で、流れの性質を示す)で冠毛の角度を変え、どの角度でも渦輪を観察した。ただし冠毛を閉じるほど、渦の長さは短くなった[4]。

つまり、渦輪の有無というより、大きさが冠毛の開き具合や構造に左右される。このため、在来種の冠毛が似た構造をもつなら似た渦ができる可能性があるが、それは仮説にとどまり、実測が要る。本数や長さが違えば、結果がずれることもあり得る。では、もう一つの違いである種子の重さはどうだろう。

4. もともと いる たんぽぽの たねは、おもいの? それで なにが かわる?

4. 在来の種子は重いのか ── 落ち方への影響を考える

4. 種子の重さの違い ── 在来種が重いことを示す資料と、その限界

もともと いる たんぽぽは、たねの 数が すくなめで、たねが 大きい と、てんきの 会社の かいせつでは いわれます[6]。

とくしまけんの きょうざいでは、わたげの ついた たねは セイヨウタンポポの ほうが、カンサイタンポポより かるい、と あります[8]。

石川県の 高校生が せんぷうきで 調べた 研究けんきゅうでは、エゾタンポポの たねの ほうが セイヨウタンポポより おもく、とんだ きょりと うかんだ 時間が みじかく なりました[7]。

ただし、どれも カントウタンポポの はかった 数字では ありません。この ちがいが わの できかたに かかわるかは、わかって いません。

民間の気象会社の解説では、在来のタンポポは種子の数が比較的少なく、種子が大きいと述べられています[6]。これは学術資料ではなく、「大きい」も測った数値ではありません。

もう少し具体的な資料もあります。徳島県の教材資料は、綿毛のついた種子はセイヨウタンポポのほうがカンサイタンポポより軽い、と記しています[8]。石川県立七尾高校の扇風機を使った実験では、在来のエゾタンポポの種子は外来のセイヨウタンポポより重く、飛距離と滞空時間が短くなり、種子が重いほど飛距離が短いという負の相関が出ました[7]。

ここで大事なのは、これが別の種類(カンサイ、エゾ)の話で、カントウタンポポの測定値ではないことです。同じ在来でも、種類によって違う可能性があります。

種子が重いと、同じ冠毛でも落ち方は変わりそうだと考えられます。ただしそれは落ち方の話で、「輪ができるか」とは別の問いです。続報では、冠毛が乾いているときの落下速度が約0.3m/s、1時間ぬらすと約0.7m/s(2〜3倍)になりました。冠毛が閉じて、空気から受ける力が下がるためです[4]。これは実験条件での値で、野外のすべてのタンポポの値ではありません。

では、自分の近くのタンポポで、この違いを確かめるにはどうすればよいでしょうか。

民間気象会社の解説は、在来タンポポの種子は数が比較的少なく大きいと述べる。ただし学術出典ではなく、「大きい」も定性的な表現にとどまる[6]。他の資料を見ると、徳島県の教材資料は、綿毛つき種子はセイヨウタンポポのほうがカンサイタンポポより軽いと記す[8]。石川県立七尾高校の扇風機実験では、在来のエゾタンポポの種子は外来のセイヨウタンポポより重く、飛距離と滞空時間が短く、種子が重いほど飛距離が短いという負の相関が出た[7]。

いずれもカントウタンポポの値ではなく、カンサイとエゾの話である。しかも高校生の実験で、条件や例数の詳細は要旨からは分からない。このため、「在来は重い」を一般化するのは慎重であるべきで、カントウに当てはめることはできない。

重さと渦輪は別の問いである。前刷では、冠毛が乾いていると落下速度は約0.3m/sだが、1時間ぬらすと約0.7m/s(2〜3倍)になった。冠毛が閉じて抗力係数が下がるためだ。渦輪は冠毛を開いた状態、部分的に閉じた状態のどちらでも見えた[4]。つまり、落ちる速さは重さだけでなく、冠毛の開き具合でも変わる。ただし、これは実験条件での値である。次は、条件をそろえて比べる方法を考える。

5. 近くの たんぽぽで、おち方を くらべて みよう

5. 近くのタンポポの種類を見分けて、落ち方を比べる

5. 手元で比べる ── 総苞外片による見分けと、落下時間の測り方

まず、花の ねもとを 見ます。みどりの がくのような ところ(総苞外片そうほうがいへん)が、そりかえって いなければ、カントウタンポポかも しれません。そりかえって いれば、セイヨウタンポポ ぎみです[9]。

ただし、そりかえらない セイヨウタンポポの なかまや、まざった たんぽぽも あるので、花の かたちだけでは きめられません。あくまで めやすです。

わたげに なったら、とって よい ばしょで、しゅるいごとに わたげの ついた たねを いくつか あつめます。

風の ない へやで、立って 手を 上に のばした 高さから、そっと おとします。時計で おちるまでの 時間を はかり、10回 くり返します。0.3メートル毎秒なら、1.5メートルで 5びょうぐらいです。

わたげを ぬらすと はやく おちる ので、かわいた ものを つかい、へやの 風は とめて おきます。

まず、種類の見分け方です。花の根元にある、がくのような部分(総苞外片)が反り返らない株は在来のカントウタンポポの可能性があり、反り返るのはセイヨウタンポポの特徴です。ただ、外来種の仲間にも反り返らないタイプがあり、雑種は中間的になることが多いものの例外もあります[9]。花の形だけでは確定できないので、あくまで目安にしてください。

次に、落ち方を比べます。綿毛になった種を、採ってよい場所で2種類ずつ採り、風のない部屋で、立って手を上に伸ばした高さ(約1.5m)から静かに離します。ストップウォッチで落ちるまでの時間を測り、10回くり返して平均を出します。

実験で報告された乾燥時の約0.3m/sという値なら、1.5mで約5秒かかる計算です。もしこの値と大きくずれるなら、種子の重さや開き具合が違う可能性があります。ただし、自分で測った数字は参考にとどまり、渦の有無まではこれでは分かりません。

湿ると落ちる速さが変わるので、綿毛はよく乾いたものを使います。扇風機やエアコンは止め、椅子や台の上には乗らないようにします。

種類の見分けには、総苞外片を使う。反り返らない株は在来のカントウタンポポの可能性があり、セイヨウタンポポは反り返る。ただし外来種群にも総苞片が反り返らないタイプがあり、雑種は中間的になることが多いが例外もある[9]。花の形だけでは確定できず、この見分けは目安にとどまる。

比較の手順は、条件をそろえることが要点だ。乾燥した冠毛つき種子を、採取が認められた場所で種類ごとに複数採り、風のない室内で同じ高さから静かに落として落下時間を測る。立って手を伸ばした高さ(約1.5m)から落とすなら、前刷の乾燥時の値0.3m/sでは約5秒、湿らせた0.7m/sでは約2秒の計算になる[4]。1.5÷0.3=5、1.5÷0.7≒2.1である。

ただし、この方法で得られるのは落下時間であって、渦輪の有無ではない。落下時間が違っても、原因が重さか、冠毛の開き具合か、渦輪かは切り分けられない。10回ほど繰り返して平均を取り、バラつきも見る。扇風機やエアコンは止め、椅子や台に乗らないなど、安全を保つ。

6. 空気の わの つづきは、どこで わかる?

6. 空気の輪の続きを、どこで確かめられるか

6. 残された問い ── 在来種の冠毛を実測するには

ここまでで、わかった ことを まとめます。たんぽぽの わたげの うしろに 空気の わが できる のは、セイヨウタンポポの なかまで しらべられた ことです。カントウタンポポで 同じかは、調べた ほうこくが みあたりません。

次に しらべる ことは、いくつか あります。わたげの 本数、長さ、たねの おもさを はかる こと。くうきの ながれを 目に 見えるように して みる こと。

おうちの ものさしと はかりで、たんぽぽの わたげの 本数や 長さ、たねの おもさを くらべて みよう。自分で はかった 数字は、つぎの 問いの たねに なります。

ここまでの整理です。冠毛の後ろに輪ができるという発見は、セイヨウタンポポの仲間で調べられた結果です。カントウタンポポで同じことが起きるかは、まだ分かっていません。

次に確かめたいことは、はっきりしています。カントウタンポポの冠毛の本数と長さ、種子の質量を測ること。そして、風洞や水槽で、冠毛を通る流れを見ること。後者は研究室の道具が要りますが、前者は定規とはかりがあれば、近づける問いです。

家にある定規とはかりで、綿毛の毛の本数や長さ、種子の質量を種類ごとに比べてみましょう。自分の測った落下時間が0.3m/sに近いのか、遠いのか。それが次の問いの種になります。

整理すると、確かなことは次の点である。冠毛の形と間隙率が渦輪の鍵であること、渦輪の大きさは冠毛の開き具合で変わること、これらはT. officinaleで示されたことだ[1][4]。分からないのは、在来のカントウタンポポの冠毛で、同じ渦輪が同じ条件でできるかであり、本数・長さ・質量の公表値も見つかっていない。

検証には、種子の質量と冠毛の幾何形状(本数、長さ、太さ)を測り、風洞や可視化実験で渦輪を確認する手順が考えられる。冠毛の構造が似ていれば似た渦ができる可能性はあるが、実測が要る。

最初の一歩は、家にある定規とはかりで、冠毛の本数・長さと種子の質量を種類ごとに測ることだ。そのうえで、自分の測った落下時間が前刷の値(乾燥時0.3m/s)とどれほど離れるかを見る。数値の出どころ(前刷か、紹介記事か)を区別して比べると、どこまでが確かな数字かが見えてくる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

資料は、学術論文の書誌・要旨、研究紹介、公的・教育機関の資料の順に使いました。カントウタンポポの冠毛で渦輪を調べた報告は、今回は見つかっていません。

  1. Cummins et al. (2018) Nature 562: 414-418(Strathclyde機関リポジトリ) https://strathprints.strath.ac.uk/79669 (分離渦輪の発見と間隙率)
  2. Nature ハイライト(Nature Asia, 2018-10-18) https://www.natureasia.com/ja-jp/nature/highlights/94648 (煙の輪のたとえと日本語の紹介)
  3. Nature Asia 研究ハイライト https://www.natureasia.com/ja-jp/phys-sci/research/12734 (空気抵抗の比較)
  4. Seale et al. bioRxiv 542696v2(2019年の前刷) https://www.biorxiv.org/content/10.1101/542696v2.full-text (材料の種、冠毛の寸法、落下速度)
  5. 芝池博幸(2016)『草と緑』8: 64-72(J-STAGE) https://www.jstage.jst.go.jp/article/iuws/8/0/8_64/_article/-char/ja/ (在来種とセイヨウタンポポの生殖のしかた)
  6. ウェザーニュース(2024-04) https://weathernews.jp/news/202404/190065/ (在来の種子の大きさの一般的な説明)
  7. 石川県立七尾高校の研究(金沢大学WPI-NanoLSIシンポジウム要旨) https://nanolsi.kanazawa-u.ac.jp/10th-wpisymposium/assets/img/details/pdf/p-24.pdf (エゾタンポポの扇風機実験)
  8. 徳島県教育委員会 教材資料 https://siryou.tokushima-ec.ed.jp/file/223 (種子の軽重の比較)
  9. 野田市 自然ガイド資料(千葉県) https://www.city.noda.chiba.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/010/970/201707_02_zukan.pdf (総苞外片による見分け方)

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