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コイは、池や川の 水の どこで くらして いるの?

池や川、湖のコイは、水のどこで、どんなふうに暮らしているのか

コイは水のどこで暮らし、冬はどこへ行くのか:琵琶湖びわこの在来コイから見る、日本のコイの居場所

分野:生きもの

日本の 11か所で あつめた コイ 166ぴきの うち、湖や ぬまで とれた コイの 97ぴきが、海の むこうの 大きな りくから きた なかまでした。日本に むかしから いた コイは、琵琶湖びわこの 深い ところに のこって いると いわれて います。

では、コイは ふだん、水の どこに いるのでしょう。この メモでは、水の そこちかくで くらす すがたと、春・夏・秋・冬で かわる 場所、そして まだ わかって いない 冬の くらしが わかります。

国内11か所で集めたコイ166匹のうち、湖や沼でとれた97匹は大陸由来の系統だった、という報告があります。日本にもともといたコイは、琵琶湖の深い所に残っているのだそうです。

では、コイはふだん水のどこにいて、季節でどう動くのでしょうか。この記事では、水底近くで暮らす姿、季節ごとの居場所、まだ分かっていない冬の暮らしが分かります。

国内11か所で採集されたコイ166個体のうち、湖沼の97個体(約58%)は大陸由来の系統だった。一方、琵琶湖の深層には、比較的純粋に近い日本在来のコイが残っているという。コイは水のどこを居場所とし、季節でどう動くのか。

この記事では、水底近くという居場所、琵琶湖での季節移動、直接観察されていない冬の暮らし、そして在来型が深場に残っていることの意味が分かる。

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1. コイは、水の どこに いるの?

1. 池をのぞくと、コイは水のどのあたりにいるのか

1. コイが暮らす水域:川の中・下流、湖沼、流れの緩い淵

池の きしに しゃがんで、水の 中を のぞいて みます。コイは、水の どこに いる 魚でしょう。

コイは、大きな 川の 中ほどから 海に 近い ほうまで、湖、池に すんで います。とくに すきなのは、水の ながれが ゆるい ところ。ふちと よばれる、水が ゆっくり まわる 深い ところです[1]。

もっと くわしく いうと、水の そこの ちかくです。島根県の しりょうには、すなや どろの そこに すむと 書いて あります[2]。

体の 大きさは 60センチほどで、すんで いる ところに よっては 1メートルを こえる ことも あります[1]。これだけ 大きな 魚が、水の そこちかくで くらして いるのです。

池の岸から水の中をのぞくとき、コイはどのあたりにいる魚なのでしょうか。

資料では、コイは規模の大きい川の中流・下流、河口近くの汽水域、湖や沼などにすむとされています。なかでも好むのは、流れが緩やかな淵のような場所です[1]。

さらに島根県の資料は、コイが河川の中・下流や湖沼の「砂泥底」、つまり砂や泥の水底に生息すると書いています。分布は日本各地から、アジア、ヨーロッパの温帯域まで広がっています[2]。

体長は60cm前後で、すむ環境によっては1mを超えることもあるそうです[1]。それだけ大きな魚が、流れの緩い水底近くを居場所にしているわけです。

コイはどこで暮らす魚か。Hondaの釣り魚図鑑は、規模の大きい河川の中・下流域、汽水域、湖沼などに棲み、流れの緩い淵などを好むと記す[1]。島根県の資料はもう少し具体的で、河川の中・下流や湖沼の砂泥底、すなわち水底近くに生息するとし、分布は日本各地からアジア・ヨーロッパの温帯域に及ぶという[2]。

つまりコイは、流れが緩く、砂や泥が積もる水底近くを居場所にする魚だと読める。体長は60cm前後、環境によっては1mを超える[1]。大型の魚が、流れの弱い底の近くを選んでいることになる。

なお、この二つの資料は地域や水域を細かく区切ったものではない。「中・下流」「砂泥底」は広い目安であり、個々の池や川で必ずそうなるという意味ではない。

2. 歯の ない 口で、貝を どうやって たべるの?

2. 歯のない口で、貝やミミズをどう食べているのか

2. 口に歯がないコイは、のどの歯で餌をかみ砕く

水の そこに いて、なにを たべて いるのでしょう。コイは、ミミズ、水草、貝、虫、小さな 魚など、ほとんどの ものを たべる 魚です[1]。

ふしぎなのは、口に 歯が ないことです。かわりに、のどの おくに 歯が あります。「いんとうし」と いいます。口で すいこんだ えさを、のどの 歯で かみくだくのです[2]。

だから、かたい からの シジミも たべる ことが できると、島根県の しりょうには あります。

ただし、池の そこの どろを つついて かきまぜると、水が よごれる ことも あると、とちぎけんの しりょうは 書いて います[6]。コイの 食べ方は、池の 水にも えいきょうする ことが あるのです。

水底近くで、コイは何を食べているのでしょうか。ミミズ、甲殻類、水草、貝、昆虫、小魚など、ほとんどのものを食べる雑食性の魚です[1]。

意外なのは、口の中に歯がないことです。代わりに、のどに「咽頭歯」という歯があり、吸いこんだ餌をそこでかみ砕きます。そのため、島根県の資料によれば、シジミのような貝も食べられます[2]。

この食べ方は、池の水にも関わります。栃木県の資料は、コイが池底の泥などをつついてかき回すことで、水質の悪化や富栄養化につながり、在来の水生生物に影響することがあると述べています[6]。

では、水底近くにいるコイは、一年じゅう同じ場所にいるのでしょうか。

コイは「ほとんどのものを食べてしまう雑食性」で、ミミズ、甲殻類、水草、貝類、昆虫、小魚などを食べるとされる[1]。ここで目を引くのが歯の位置である。口には歯がなく、のどに咽頭歯(いんとうし)と呼ばれる歯があって、吸いこんだ餌はそこでかみ砕かれる。島根県の資料は、そのためシジミのような貝も食べられると説明している[2]。

口でかみ切るのではなく、吸いこんでから、のどで砕くという順序である。歯の場所が、水底で吸いこんで食べる暮らしとどう結びつくのかまでは、資料に書かれていない。

この食べ方は、池の環境には別の面も持つ。栃木県の資料は、池底の泥などの堆積物をつついてかき回すことが、水質悪化や富栄養化につながり、在来の水生生物へ影響することがあるとする[6]。コイが水底で暮らしていることの、環境への現れともいえる。

3. 春・夏・秋・冬で、いる 場所は かわるの?

3. 琵琶湖のコイは、季節ごとに居場所を変える

3. 琵琶湖びわこの在来コイの季節移動と、水温8℃という目安

琵琶湖びわこの コイは、1年の うちで いる 場所が かわる ことが しらべられて います[3]。

春(3月から 6月)は、きしの ヨシの はえた ところや、水路、水田に 入って、たまごを うみます。夏から 秋は、きしの ちかくで えさを たべます。冬(12月から 2月)は、おきの ほうへ うつって、冬を こします[3]。

水の 温度も かんけいが あるかも しれません。島根県の しりょうには、水の 温度が 8度いかに なると、コイは うごかなく なって 水の そこちかくで じっと する、と 書いて あります[2]。これは 1つの しりょうの めやすで、どこでも 8度で そうなると いう わけでは ありません。

国立環境研究所は、琵琶湖のコイが季節で居場所を変えると説明しています[3]。

春(3〜6月)には、沿岸のヨシ帯や水路・水田に入って産卵します。夏から秋は沿岸で餌を食べ、冬(12〜2月)は沖合に移動して越冬するとされます[3]。浅い岸辺と沖を、季節に合わせて行き来するわけです。

水温にも手がかりがあります。島根県の資料には、コイは水温が8℃以下になると活動を停止し、水底付近に静止すると書かれています[2]。ただし、これは一つの資料に出ている目安で、すべての地域、すべての個体にあてはまる決まった値ではありません。

冬の沖合に移ったコイは、そこで何をしているのでしょうか。

コイの居場所は一年中同じではない。国立環境研究所によれば、琵琶湖の在来コイは、春(3〜6月)に沿岸のヨシ帯や水路・水田へ入って産卵し、夏から秋は沿岸で採餌し、冬(12〜2月)は沖合へ移動して越冬する[3]。産卵と採餌のための浅い水域と、冬を過ごす沖という、二つの場所を季節で使い分けている。

水温との関係では、島根県の資料に「水温が8℃以下になると活動を停止して水底付近に静止する」とある[2]。ただし8℃は島根県の資料にある目安で、琵琶湖の冬の沖合移動と結びつくかは分かっていない。

産卵期についても、Hondaの図鑑は4〜7月ごろとしており[1]、国立環境研究所の3〜6月とは少しずれる。地域や水域、年によって時期が異なる可能性があり、数字は幅のある目安として読むのがよい。

4. 冬の コイは、どこで なにを して いるの?

4. 冬のコイは沖合で何をしているのか、手がかりから考える

4. 冬のコイの暮らしを考える手がかり:気道弁の形

冬の おきで コイが なにを して いるのか、じつは まだ よく わかって いません。こくりつ かんきょう けんきゅうじょの ページには、冬の くらしを じかに 見た れいは ほとんど なく、あみに かかる 場所や 時期から 考えられて いる、と あります[3]。

でも、手がかりは あります。コイには、うき ぶくろと 食道を つなぐ くだに、「きどうべん」と いう ふたの ような ぶぶんが あります。琵琶湖びわこの もとからの コイでは、これが 太く そだって います。そこから、深い ところと あさい ところを みじかい 時間で 行き来する くらしに 合って いるのかも しれない、と 考えられて います[3]。

まだ「そう 考えられて いる」と いう だんかいで、たしかな こたえでは ありません。

冬の沖合で、在来コイが何をしているのかは、実は直接観察された例がほとんどありません。国立環境研究所は、漁網にかかる場所や時期から推測されていると説明しています[3]。産卵期以外の暮らしは、確実には分かっていないのです。

それでも、体のつくりが手がかりになります。浮き袋と食道をつなぐ管の弁(気道弁)が、琵琶湖の在来コイでは太く発達しており、短時間で深場と浅場を行き来する暮らしに適応しているのではないか、と推察されています[3]。

では、そのコイたちの「在来」とは、どういう意味なのでしょうか。

冬の越冬場所での暮らしは、直接観察された例がほとんどなく、漁で網にかかる場所や時期から推測されている[3]。産卵期以外の暮らしは確実には分かっていない、というのが現状である。

手がかりの一つが気道弁(きどうべん)だ。気道は浮き袋と食道をつなぐ管で、琵琶湖の在来コイではその弁が太く発達している。この形から、短時間で深場と浅場を行き来する生活に適応していると推察される[3]。ただし資料は「適応している」と断定しておらず、あくまで推察の段階である。

5. 日本に むかしから いた コイは、どこに いるの?

5. 日本にもともといたコイは、琵琶湖の深い所に残っていた

5. 大陸由来の系統が多い湖沼と、20m以深に残る在来型

ここで、さいしょの はなしに もどります。日本の 11か所で あつめた コイ 166ぴきの うち、湖や ぬまで とれた コイの 97ぴきが、海の むこうの りくから きた なかまでした。6わりに 近い 数です。多くの 湖や ぬまで、むかしから いた なかまと りくの なかまが まざって きて いるそうです[4]。

そんな なか、琵琶湖びわこの 深さ 20メートル より 深い ところには、日本に もとから いた コイに ちかい なかまが のこって いると いわれて います[4][5]。もとからの なかまほど、体が ほそ長いと いわれます。

むかしから いたのに、人が 放した コイは 外から きたものと して あつかわれる ことも あります[6]。コイは、人と いっしょに 動いて きた 魚でも あるのです。

国内11か所で採集されたコイ166匹のうち、湖沼でとれた97匹は大陸由来の系統でした[4]。約58%、およそ6割です。ただしこれは調べた湖沼の中での割合で、日本全体の数ではありません。多くの湖沼では、大陸由来のコイと日本在来のコイの交雑が進んでいます。

そのなかで琵琶湖の深層部(20〜100m)は例外的で、比較的純粋に近い日本在来のコイが残っています。純粋な在来型ほど、体が細長い傾向があるそうです[4]。別の研究でも、琵琶湖の野生型コイは大陸のコイと遺伝的にはっきり異なる系統で、20m以深に比較的純粋な集団が残っていると報告されています[5]。

島根県の資料も、野生種のノゴイは体高が低く円筒形に近く、飼育品種のヤマトゴイは体高が高くやや側扁していると書いています。ところが飼育品種の放流が盛んで交雑が進み、今は区別が難しいそうです[2]。

栃木県の資料では、コイは日本の在来種ですが、もともといなかった水域に人が放流したものは外来種として扱われます[6]。同じ「コイ」でも、水域の歴史や系統で、位置づけが変わるのです。

では、日本のコイはもともと日本にいた系統なのか。国立環境研究所の報告によれば、国内11か所で採集された166個体のうち、湖沼の97個体が大陸由来の系統で、多くの湖沼で在来系統との交雑が進んでいる[4]。97÷166は約0.58、すなわち約58%だが、これは調べた湖沼内の割合であり、日本全体の割合を示すものではない。

その中で例外が琵琶湖の深層部(20〜100m)で、比較的純粋に近い日本在来のコイが残存する。純粋な在来型ほど体が細長いという[4]。科研費の研究課題の記述も、琵琶湖産の野生型コイが大陸のコイと遺伝的に明瞭に異なる特異な系統であり、20m以深に比較的純粋な野生型集団が残存していると述べる[5]。深さの範囲は資料によって「20m以深」「20〜100m」と表現が異なるが、いずれも深い所に残るという点では一致する。

ここに、呼び方の問題が重なる。島根県の資料は、野生種の野鯉(のごい)は体高が低く円筒形に近く、飼育品種の大和鯉(やまとごい)は体高が高くやや側扁していると記し、飼育品種の放流が盛んで交雑が進み、区別が難しくなったとする[2]。島根県の「飼育品種」と国立環境研究所の「大陸由来」が同じものかどうかは、資料からは分からない。

さらに栃木県の資料は、コイは日本の在来種だが、もともといなかった水域に人が放流したものは外来種として扱うとし、古くから放流されて県内全域に定着したと述べる[6]。「在来」かどうかは、種の単位だけでなく、系統と水域ごとに考える必要がある。

6. コイを 見に 行ったら、どこを 見る?

6. コイを見に行ったら、どこを見るか

6. 現地で確かめられること、資料で読めること

きょう できる こと

近くの 池や 川に コイが いたら、おうちの 人と 見に 行って みましょう。水の 上の ほうに いるか、そこの ほうか、きしの ちかくかを 見て、日づけと いっしょに メモします。水に 落ちないよう、きしから はなれて 見ます。

なんど か 見に 行くと、日に よって いる 場所が ちがうか くらべられます。

しらべる とき

こくりつ かんきょう けんきゅうじょの「琵琶湖びわこの コイ」の ページに、琵琶湖びわこの コイの くらしが 日本語で のって います[3]。

今日できること

近所の池や川にコイがいたら、保護者と一緒に見に行きます。水面近くか、底近くか、岸の近くかをメモし、日づけと天気も書いておきます。水に落ちないよう、岸から離れて見ます。

何度か通うと、場所や日によって居場所が変わるかどうかを、自分の記録で比べられます。

資料を読むなら

国立環境研究所の「琵琶湖のコイ」のページに、季節ごとの居場所や、冬の暮らしの手がかりが日本語で載っています[3]。

今日できること

近所の池や川でコイを見る機会があれば、水面近くか水底近くか、岸の近くかを、日時・天気・水の濁り方とあわせて記録してみる。複数回の記録があれば、居場所が日や条件で変わるかどうかを、自分のデータで比べられる。安全のため、岸から離れ、保護者と行く。

資料を読むなら

国立環境研究所の「琵琶湖のコイ」[3]と「国環研ニュース」36巻5号[4]が、季節移動と在来系統の話を日本語でまとめている。科研費の課題ページ[5]は、琵琶湖産野生型コイの識別法に関する研究の概要を載せる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。

  1. Honda 釣り魚図鑑 コイ. https://www.honda.co.jp/fishing/picture-book/koi/ (すむ場所・食べ物・大きさ)
  2. 島根県 コイ(宍道湖の生きもの). https://www.pref.shimane.lg.jp/industry/suisan/shinkou/kawa_mizuumi/seibutu/koi.html (水底の暮らし・咽頭歯・水温の目安・野生種と飼育品種)
  3. 国立環境研究所 琵琶湖のコイ. https://www.nies.go.jp/biwakoi/koi.html (季節ごとの居場所・冬の暮らし・気道弁)
  4. 国環研ニュース36巻5号 DNAが語る日本のコイの物語. https://www.nies.go.jp/kanko/news/36/36-5/36-5-03.html (大陸由来の系統と琵琶湖の深層)
  5. 科研費研究課題 琵琶湖産野生型コイの簡易遺伝識別法. https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18780142 (野生型コイの系統と深層の集団)
  6. 栃木県 コイ(外来種). https://www.pref.tochigi.lg.jp/d04/gairaishu/koi.html (放流と在来・外来の扱い、池底をかき回す影響)

なおした ところ

更新履歴

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