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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

排水口はいすいこうの ぬるぬるは、なにが あつまって できて いるの?

流しても戻ってくる排水口のぬめりは、何が集まってできているのか

排水口のぬめりはなぜ洗っても戻るのか:細菌が自分で作る「すみか」と、浴室のピンク色の正体

分野:自然

おふろの ピンクいろの ぬるぬるは、「酵母こうぼ(カビの なかま)」と いわれる ことが よく あります。ところが、日本の おふろ 42か所を しらべた けんきゅうでは、どこでも 細菌さいきんが しゅやくでした。

どうして ぬるぬるは、あらっても また でて くるのでしょう。この 記事では、ぬるぬるの しょうたいと、のこりやすい わけが わかります。

お風呂のピンク色のぬめりは「酵母(カビの仲間)のしわざ」と説明されることがよくあります。ところが、日本の浴室42か所を調べた研究では、すべての場所で細菌が主役でした[4]。酵母が見つかった場所もありましたが、主役ではありませんでした。

そもそも、排水口のぬめりは何が集まってできているのでしょうか。なぜ流しても戻ってくるのでしょうか。この記事では、ぬめりの正体と、落ちにくくなるわけが分かります。

浴室のピンク色のぬめりは、酵母(ロドトルラ)のしわざだと書く生活サイトが多い。しかし日本の14軒・42か所の浴室を調べた研究では、全試料でメチロバクテリウムという細菌が主な属で、ロドトルラは42か所中17か所で分離されたにとどまった[4]。

排水口を含む水まわりのぬめりは、そもそも何で、なぜ洗っても戻るのか。この記事では、ぬめりを「微生物と、それが作る物質の構造体」としてとらえ、落ちにくさの理由と、その限界が分かる。

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1. ながしても もどって くる ぬるぬるは、なに?

1. 流してもすぐ戻るぬめりは、ただの汚れではない

1. 流してもすぐ戻るぬめりは、汚れではなく微生物の集まりである

だいどころの 排水口はいすいこうを あらったのに、つぎの 日には また ぬるぬる。そんな ことは ありませんか。

この ぬるぬるは、ただの よごれでは ありません。細菌さいきんなど、とても ちいさな いきものが あつまって、じぶんで だした ねばねばに つつまれた ものです。「バイオフィルム」と よばれます。

バイオフィルムは、はいすいこうだけに あるのでは ありません。かわの 石の ひょうめんや、水道の くだの 中にも できます。

できやすい ところには、3つの じょうけんが あると いわれます。水が いつも ある こと。たべものの かすや あぶらなど、えさに なる よごれが ある こと。そして ほどよい あたたかさです。ぬるぬるは、細菌さいきんなど 小さな いきものが あつまる、すみかのような もの、と おもうと わかりやすいですね。

台所の排水口を掃除したのに、翌日にはまたぬるぬるしている。この正体は、細菌などの微生物が集まり、自分たちが出した物質に包まれた構造で、「バイオフィルム」と呼ばれます。歯の表面や川の岩、水道管の内側にも見られます[1]。

米国のCDC(疾病対策センター)は、バイオフィルムを「湿った場所の表面で、微生物が互いにくっつき、表面にも付着した集まり」と説明しています。排水口には長く残り、取り除くのが難しい、ときには不可能な場合もあるとも述べています。ただしこれは病院向けの水管理の資料で、家庭の排水口にそのまま当てはめた説明ではありません[2]。

家庭向けの解説の一例では、ぬめりが出やすい条件を3つ挙げています。水分がいつもあること、汚れ(栄養源)がついていること、ほどよい温度が保たれていることです[6]。台所では、油や食べかすに水が加わると出やすく、室温20〜30度で湿度の高い夏に広がりやすいといいます。ただし20〜30度は広がりやすい目安で、この範囲の外なら出ないという意味ではありません[5]。

では、ただの汚れの膜と、バイオフィルムは何がちがうのでしょうか。

台所の排水口を洗っても、翌日にはぬめりが戻る。ぬめりの多くは、細菌が汚れを栄養にして増える過程で作る膜であり、バイオフィルムと呼ばれる。バイオフィルムは、微生物が集まり、自ら作った物質に包まれてできる膜状の集まりで、歯のプラーク、川の岩、水道管の表面にも見られる[1]。

米国CDCは、湿った環境の表面で微生物が互いに、また表面に付着した集まりをバイオフィルムとし、排水口では長期間残り、除去が困難、ときには不可能なこともあると述べる。ただしこれは医療施設向けの水管理の資料であり、家庭の排水口の記述として断定はできない[2]。

成立の条件は、家庭向けの解説では、水分が常にあること、汚れ(栄養源)が付着していること、適度な温度が保たれることの3つに整理される[6]。台所は油分や食べかすに水分が加わると出やすく、室温20〜30度で湿度が高い夏に広がりやすいとされるが、20〜30度は広がりやすい目安であって、範囲外で出ないという意味ではない。風呂場では、汚れがなくても水分だけで増える細菌がいるという説明もある[5]。ただしこの記事は監修者の記載がない生活情報なので、条件の「目安」として読む必要がある。

では、同じ汚れの膜でも、バイオフィルムがしぶとい理由はどこにあるのか。

2. ぬるぬるの なかは、どう なって いるの?

2. 細菌が自分で作る「すみか」の中身

2. 土台になる物質が、細菌を近づけて守る

ぬるぬるの 土台は、細菌さいきんが じぶんで だす ねばねばです。ここには、でんぷんの なかまの ような ものの ほかに、たんぱくしつや あぶらなども まざって いると いわれます。

この ねばねばには、2つの やくわりが あると されます。ひとつは、細菌さいきんどうしを ちかくに あつめて おく こと。もうひとつは、くすりが とどきにくい かべに なる ことです。

ねばねばの 中は、ほとんどが 水だと いう たとえも あります。ゼリーの ような すみか、と おもって みて ください。でも、ゼリーと ちがって、中では 細菌さいきんが いきて、ふえています。

ぬるぬるは、ずっと そこに いるだけでも ありません。ある ときには、細菌さいきんが すみかを でて、べつの ばしょへ うつって いく ことも あります。だから、また べつの ところに できるのです。

バイオフィルムの土台(すみかの骨組み)はマトリックスと呼ばれ、細菌が体の外に出すねばねばした物質「菌体外多糖(EPS)」が主な成分です。多糖のほかに、タンパク質、核酸(遺伝子のもとになる物質)、脂質も含まれます。この物質には細胞どうしを近くに保って長くやりとりさせる役目があり、抗菌物質に対する防壁にもなると、研究者のFlemmingは整理しています[3]。

この論文では、EPSの水分が約98%のゲルという表現も紹介されています。ただし、これは別の研究者の表現を紹介した値で、すべてのバイオフィルムに当てはまる固定値ではありません。ほとんどが水でできた、やわらかいすみかを思い浮かべるくらいがちょうどいいでしょう。

日本語の医療講義の資料では、細菌がまず表面に弱く付着し、のちに強く付着して増え、多糖を出して膜のようになると説明されています。ただし段階の数や進み方は菌や環境によって変わるので、決まった順序と考えるのは避けたほうがよさそうです。

ぬめりは「ずっと同じ場所に居座る」ものでもありません。Flemmingは、バイオフィルムから細胞が出ていく「分散」が遺伝的に制御され、さまざまな合図に応じて起こると述べています[3]。すみかの中で増えた細菌が、新しい場所へ引っ越していくわけです。

バイオフィルムを構成する土台がマトリックス(EPS、菌体外多糖を中心とする物質群)である。Flemming(2016)の総説では、多糖のほかにタンパク質、核酸、脂質が主要な構成要素とされ、機能として、細胞を近くに保って長期の相互作用を可能にすることと、抗菌物質に対する防壁になることが挙げられている。同論文はまた、EPSを水分約98%のゲルと表現した例(Geesey)を紹介しているが、これは一人の表現であり、すべての膜に共通の値ではない[3]。

形成の流れは、日本語の医療講義資料では、まず表面に弱く付着し、のちに強く付着して増殖し、菌体外多糖を分泌して膜状になる、と説明されている。成熟した膜から細菌が放出されて、別の場所に広がることもある。ただし段階の数や経過は菌や環境で変わり、5段階モデルがあらゆる場面に合うわけではないという指摘もある。

注意したいのは、バイオフィルムが「できて終わり」の固定物ではないことだ。Flemmingは、分散(膜から細胞が出ていくこと)が遺伝的に制御され、さまざまな合図に応じて起こると述べる[3]。掃除で落としきれなかった一部が、あとで別の場所に新しい膜を作る足がかりになりうる、と考えると、「戻ってくる」感覚と整合する。家庭の排水口でどの程度起きるかは、この記事の資料からは言えない。

3. おふろの ピンクの ぬるぬるは、だれの しわざ?

3. 浴室42か所の調査では、ピンク色のぬめりは細菌が主な属だった

3. 浴室42か所で見つかったピンク色のぬめり

おふろの ピンクの ぬるぬるは、「酵母こうぼ」の しわざだと かく ほんが たくさん あります。ほんとうでしょうか。

日本で、14けんの おふろの 42か所から ピンクの ぬるぬるを あつめて、しらべた けんきゅうが あります。すると、どの ぬるぬるでも、いちばん おおかったのは 細菌さいきんでした。酵母こうぼの なかまは 42か所の うち 17か所で みつかりましたが、しゅやくでは ありませんでした。

ピンクの ぬるぬるが あった ところは、はいすいこうの ちかくが 19パーセント、かべや ゆか、まどの まわりが 31パーセント、いすや ボトルなど、おふろの 中の ものが 50パーセントでした。みずが のこる ところなら、どこにでも でるのですね。

ただし、これは 日本の 42か所の はなしで、ぜんぶの いえに あてはまると いう わけでは ありません。

お風呂のピンク色のぬめりは、「ロドトルラという酵母のしわざ」と説明する生活情報サイトが多くあります。ところが、花王の研究者らが日本の14軒・42か所の浴室で調べたところ、すべての試料でメチロバクテリウムという細菌が主な属(属は、生き物のなかまの分け方の一つ)でした。ロドトルラは42か所のうち17か所(約40%)で分離されましたが、主役ではありませんでした[4]。

ピンク色のぬめりが見つかった場所は、排水口付近が19%(約8か所)、壁・床・窓まわりが31%(約13か所)、椅子・ボトル・ブラシなど浴室内の用品が50%(21か所)という内訳でした。排水口だけでなく、水が残る場所に広く出ているのが分かります。

この結果は、一つの調査の、その42か所についてのものです。すべての家庭のピンク色が細菌だと言い切ることはできません。それでも「ピンク色なら酵母」と決めつけて掃除を考えるのは、少し早いと言えそうです。

この細菌は、洗っても洗っても戻ってきます。それはどうしてでしょうか。

浴室のピンク色のぬめりは、酵母のロドトルラに由来すると書く生活サイトが多い。しかし日本の14軒・42か所の浴室で試料を調べたYanoら(2013)の研究では、すべての試料でメチロバクテリウム(Methylobacterium)が主な属だった。ロドトルラは42か所中17か所(約40%)で分離されたが、主役ではなかった[4]。

採取場所の内訳は、排水口付近が19%(約8か所)、壁・床・扉・窓まわりが31%(約13か所)、浴室内の用品(椅子・ボトル・ブラシ)が50%(21か所)だった。ぬめりは排水口に限らず、水が残る場所に広く出ている。

この結果は、一つの調査の42か所についてのもので、すべての家庭に当てはまるとはいえない。それでも、「ピンク色は酵母」という説明は、少なくともこの調査とは食い違う。台所の排水口の菌の構成を調べた査読論文を今回は参照していないので、台所のぬめりの菌名はここでは断定しない。

では、この細菌はなぜ、掃除をしても早く戻ってくるのか。

4. どうして ぬるぬるは、すぐ もどって くるの?

4. 洗っても早く戻ってくる理由には、細菌の性質とすみかの構造が関わる

4. 薬剤にも乾燥にも耐える:戻りやすさの理由と、その限界

あの ピンクの 細菌さいきんは、かなり しぶとい ことが わかりました。

しらべた 細菌さいきんの なかには、せんざいの ひとつの なかまを 1パーセントの こさに して、24じかん つけても いきのこった ものが いました。かわかしても つよく、えさが ないまま 4しゅうかんも かわかしたのに、ふえる ちからを のこして いる ものも ありました。

また、ピンクの ぬるぬるは、ほかの よごれより はやく また でて きて、かわいた ときには おとしにくい とも かかれて います。

ここで ひとつ、まちがえないで ください。これは、けんきゅうしつで しらべた 細菌さいきんの けっかです。せんざいが ぜんぜん きかない、と いう いみでは ありません。

ぬるぬる ぜんたいも、すみかの ねばねばに まもられて いるので、くすりが とどきにくく、そうじで ぜんぶ おとすのは むずかしい のです。

同じ研究では、浴室から取り出した細菌の株が、どのくらい厳しい条件に耐えるかも調べられました。ある洗浄剤(塩化ベンザルコニウムなど)を1.0%の濃さにして24時間触れさせても、生き残った株がありました。乾燥にも強く、栄養のないまま4週間(28日)乾かしても、増える力を保つ株がありました。研究者らは、ピンク色のぬめりは他の汚れよりも早く再発し、乾いた状態では落としにくいとも述べています[4]。

これは実験室での、分離した株についての結果です。洗剤全般が効かないという意味ではありません。それでも、「洗ってもすぐ戻る」という感覚には、ちゃんと理由がありそうです。

もう一つの理由は、前の章で見たすみかの構造です。バイオフィルムの中の微生物は性質が変わり、物理的に取り除きにくくなるうえ、薬剤の影響を受けにくくなることがあると説明されています[1]。表面の一部を落としても、土台と、そこに残った細菌から、また広がっていけるのです。

水道管のなかでは、バイオフィルムが詰まりや腐食の原因になることもあります[1]。ところで、ぬめりはずっと「悪者」なのでしょうか。

同研究は、浴室から分離したメチロバクテリウム株のストレス耐性も調べている。1.0%の洗浄剤(塩化ベンザルコニウムなど)に24時間曝露しても生存した株があり、栄養なしで4週間(28日)乾燥させても増殖能を保つ株があった。さらに著者らは、ピンク色のぬめりは他の汚れより速く再発し、乾燥状態では除去しにくいと述べる[4]。ただしこれは実験室での分離株の結果であり、洗浄剤全般が効かないという意味ではない。

この「戻りやすさ」には、構造の面からの理由も重ねられる。バイオフィルム内部の微生物は性質が変わり、物理的に除去しにくいうえ、薬剤の影響を受けにくくなることがあるとされる[1]。EPSの防壁(前章)と、乾燥や洗浄剤への株自体の耐性が組み合わさるため、表面を拭っても、土台や生き残った細胞から再び広がると考えられる。水道管では、これが詰まりや腐食の原因になりうる[1]。

限界も整理しておく。第一に、耐性の数値は特定の分離株の実験値で、台所の排水口の混合した菌の集まりにそのまま当てはめることはできない。第二に、掃除の方法(重曹・塩素系など)の効き目は、今回の資料では扱っていない。薬剤を使うときは、製品の表示に従うことが前提である。

では、これほど厄介なバイオフィルムは、人間にとって邪魔なだけなのか。

5. ぬるぬるの なかまは、やくに たつ ことも あるの?

5. 厄介なバイオフィルムが、人の役に立つ場面

5. 同じ構造が、排水処理や酢づくりで使われている

おもしろい ことに、バイオフィルムを じょうずに つかう ところも あります。

ひとつは、よごれた 水を きれいに する しごとです。細菌さいきんの すみかを つくっておいて、そこで よごれを たべて もらいます。もうひとつは、こめから おす(すっぱい あじつけに つかう 「す」)を つくる ときにも つかわれると いわれます。

おなじ しくみでも、あつまる ばしょと 細菌さいきんが ちがえば、じゃまものにも やくに たつ ものにも なるのですね。

うなぎの からだの ぬるぬるは、これとは べつの おはなしです。ここでは ふれません。

バイオフィルムは、役に立つ場面でも使われています。たとえば排水処理の「バイオフィルム法」では、微生物が表面にすみかを作る性質を生かして、水の中の汚れを分解してもらいます。米酢の製造にも、この性質が使われているとされます[1]。

同じ「集まって、自分で土台を作る」性質が、排水口では掃除の手間になり、処理場では働き手になります。ぬめりは「汚い」とだけ考えるより、「どこに、何があるか」で見え方が変わる現象だと言えます。

なお、ウナギなど魚の体表のぬめりは、細菌の集まりではなく別の話です。この記事では扱いません。

バイオフィルムは有害なだけではない。排水処理のバイオフィルム法は、担体の表面に微生物を付着させて有機物を分解させる方式であり、米酢の製造にも利用されているという[1]。

排水口では掃除の手間になる構造が、処理施設では設計された反応の場になる。違いは、微生物を意図して付着させるか、意図せず付着させるかにある。水道管で詰まりや腐食を起こす場合と、処理装置で浄化に働く場合を同じ現象の二つの面と見ると、「ぬめり=悪」とは言い切れなくなる。

なお、魚の体表のぬめりは、細菌の集まりではない別の現象であり、この記事では扱わない。

6. うちの みずまわりで、ぬるぬるを さがして みよう

6. わが家で、ぬめりが出る場所と出ない場所を見比べる

6. 3つの条件を、自宅で見比べる:調べるための視点

おうちの 人と いっしょに、ぬるぬるが ある ところと ない ところを、見くらべて みましょう。

まず、いつも ぬれている ところ(せっけん入れの 下、コップの そこなど)と、すぐ かわく ところを、さがします。つぎに、そこに ぬるぬるが あるか、目で みて くらべます。さわらずに、目で みて くらべます。

3つの じょうけん(水・よごれ・あたたかさ)の どれが ちがうか、かんがえて みましょう。そうじの ときは、くすりの ラベルを かならず よんで、まぜては いけない ものが ないか、おうちの 人に たしかめて もらってください。

わが家の水まわりで、確かめられることがあります。おうちの人と一緒に、いつも濡れたままの場所(石けん置きの下、コップの底、排水口の周り)と、すぐ乾く場所を探します。そして、ぬめりがあるかどうか、目で見て見比べてみます。ぬめりには触れないでおきましょう。

「水・汚れ・ほどよい温度」の3つのうち、どの条件が違うでしょうか。同じ場所で、水を拭き取る日と拭かない日を数日続けて比べるのも、観察する方法の一つです。ただし水分以外の条件も変わるので、水だけの影響とは決められません。条件が一つずつ変わると、ぬめりの出方も変わるかもしれません。

洗剤や薬剤を使うときは、製品の表示に従い、混ぜると危険な組み合わせがないか、必ず保護者と確認してください。もっと知りたくなったら、出典の腸内細菌学会の用語集(日本語)が、バイオフィルムを短く説明しています。原典のFlemmingの総説や、浴室の調査論文は英語で、中学生以上向けです。

この記事の内容は、自宅でも「3つの条件」の視点で見比べられる。いつも濡れたままの場所と、すぐ乾く場所で、ぬめりの有無を目で見て見比べる(ぬめりには触れない)。条件のうち水分だけを変えて、水を拭く日と拭かない日を数日比べると、水分の影響を自分の目で確かめる足がかりになる。ただし家庭の環境は温度や栄養も同時に変わるので、これは実験というより観察の練習である。

原典に当たるなら、Yanoら(2013)の論文[4]は、方法と結果が図とともに書かれており、「ピンク色は酵母」という説明が何に基づくのかを考える材料になる。Flemming(2016)の総説[3]は、EPSという言葉の歴史的な意味の変化をたどっており、「ぬめりを作る物質」が研究でどう定義されてきたかが分かる。

薬剤を使うときは、製品の表示に従い、混ぜると危険な組み合わせがないか確認すること。どちらの論文も英語である。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。家庭向けの解説([5][6])は、条件の目安としてだけ使っています。

  1. 腸内細菌学会「用語集:バイオフィルム」 https://bifidus-fund.jp/keyword/kw083.shtml (定義と役立つ使い道)
  2. CDC「Water Management (Healthcare Facilities Toolkit)」 https://www.cdc.gov/healthcare-associated-infections/php/toolkit/water-management.html (排水口での残りやすさ。病院向け)
  3. Flemming, H.-C. (2016) EPS—Then and Now. Microorganisms 4(4):41. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5192524 (土台の成分とはたらき、分散)
  4. Yano, T. ほか (2013) Stress Tolerance of Methylobacterium Biofilms in Bathrooms. Microbes and Environments 28(1):87-95. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4070686/ (浴室のピンク色の調査)
  5. ITmedia ねとらぼ「排水口のぬめり掃除」 https://nlab.itmedia.co.jp/fav/articles/3916212/ (台所のぬめりの出やすい条件。目安)
  6. 幻冬舎ゴールド「排水口のぬめり解説」 https://gentosha-go.com/articles/-/80536 (ぬめりが出る3つの条件。目安)

なおした ところ

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