1. よなかに お湯が すぐ いる とき、どうする?
1. 夜中にお湯がすぐ要るとき、電気ポットは助けになる
1. 夜中の調乳 ── 沸かし直しを待たずに湯が出る道具
よなかに、赤ちゃんが なきました。おなかが すいた ようです。ミルクを つくる ために、あつい お湯が すぐ ほしい ところです。
そんな とき、お湯が もう できて いて、あたたかい まま まって いてくれたら、たすかります。電気ポットは、そういう 道具です。お湯を わかして、そのあと ほおんして おきます[1]。
ミルクの ほかにも、お茶や カップめんなど、一日に 何回も お湯を つかう 家では、ポットの お湯が いつでも まって いて くれます。
では、お湯を わかす 電気の道具には 電気ケトルも あります。電気ポットとは、何が ちがうのでしょう。
夜中に赤ちゃんが泣きました。おなかがすいたのかもしれません。ミルクを作るには、熱いお湯がすぐに要ります。
こんな場面で、すでに沸いたお湯が使える温度のまま待っていてくれれば、とても助かります。電気ポットは、お湯を沸かしたあと、そのまま保温しておける道具です[1]。赤ちゃんのミルクだけでなく、お茶、カップ麺、スープなど、家族が一日のうちに何度もお湯を使う家では、同じように役に立ちます。
電気ポットは「沸かす」より、「使える温度で待たせておく」ことが得意な道具です。ところで、お湯を沸かす電気の道具には、電気ケトルもあります。この二つは、何が違うのでしょうか。
夜中に赤ちゃんが泣き、すぐに調乳しなければならない場面を考える。必要なのは、熱い湯が、湯を沸かし直す時間を待たずに手元にあることだ。電気ポットは、沸かした湯をそのまま保温しておける製品であり[1]、この条件に合う。
家族が一日のうちに茶、カップ麺、スープなどで何度も湯を使う家庭でも、同じことが言える。ただし、これは「電気ポットが調乳専用」という意味ではない。電気ポットの強みは、必要なときに湯を使える温度で保っておけることだ。
要するに、電気ポットの強みは湯を沸かす力ではなく、沸かしたあとの「待たせ方」にある。では、湯を沸かす電気の道具としては先輩格にも見える電気ケトルとは、何が決定的に違うのか。
2. 電気ポットと 電気ケトルは、何が ちがうの?
2. 電気ケトルとのちがいは、沸かしたあとにある
2. 電気ケトルとの違い ── 加熱は同じで、そのあとが分かれる
電気ポットも 電気ケトルも、お湯を わかす しくみは、ほとんど おなじです[1]。ちがうのは、わかした あとです。
電気ポットは、わいた あとも ほおんが できます。電気ケトルは、わかす ところまでが おもな しごとです[1]。
はいる 水の りょうも ちがいます。電気ポットは 2リットル いじょうが ふつうで、電気ケトルは 1リットル いかが ふつうです[1]。ポットは たくさん、ケトルは すこし です。
電気ケトルが 日本で ひろまり はじめたのは、2007年ごろと いわれます[1]。
ただし、ケトルにも ポットにも、さかいめは ゆるい ものが あります。ほおんが できる ケトルや、はやく わく 大きい ポットも 出て います[1]。
電気ポットも電気ケトルも、お湯を沸かす加熱の方法は基本的に同じです[1]。違いが出るのは、沸いたあとです。電気ポットは沸騰後に保温ができ、電気ケトルは沸騰までが主な仕事です[1]。
入るお湯の量も違います。電気ポットは2リットル以上、電気ケトルは1リットル以下が一般的とされます[1]。ポットは「大きな家族が一日使うぶん」、ケトルは「いま飲む数杯ぶん」と考えると、イメージしやすいでしょう。電気ケトルが国内で広まり始めたのは、2007年ごろと紹介されています[1]。
ポットの弱点は「待ち時間」
電気ポットは大きいので、お湯が沸くまで時間がかかります。解説では、注ぎ足しができるまでの間に、麺がのびてしまう例があげられていました[1]。ただ、今は高速で沸かせる大容量のポットや、保温つきのケトルも出ています。両者の距離は近づきつつあり、境目はゆるくなっています[1]。
両者の違いは、加熱の方法ではない。湯を沸かす加熱方法は、電気ポットも電気ケトルも基本的に同じとされる[1]。分かれるのは沸騰後で、電気ポットは保温でき、電気ケトルは沸騰までを主な役目とする[1]。
この違いは容量にも表れる。一般に電気ポットは2L以上、電気ケトルは1L以下とされる[1]。大容量の湯を長く保つ道具と、少量をすぐ沸かす道具では、設計の方向が逆だからだ。電気ケトルが国内で普及し始めたのは2007年ごろと紹介されている[1]。
電気ポットには弱点もある。容量が大きいぶん沸騰までに時間がかかり、注ぎ足しを待つうちに麺がのびてしまう、という例が解説にある[1]。ところが近年は、高速沸騰の大容量ポットや保温つきケトルが出てきて、両者の距離は縮まっているという[1]。つまり「ポット=保温、ケトル=速さ」という区別は、一般的な傾向であって、製品ごとに確かめる必要がある。
この区別がいちばん強く効いてくる場面が、冒頭の調乳である。なぜ70℃以上の湯でなければならないのか。
3. ミルクの お湯は、どうして 70度 いじょうなの?
3. 粉ミルクのお湯が、70℃以上と決められているのはなぜか
3. 調乳の湯が70℃以上とされる理由 ── 製造と殺菌の限界
国の しりょうは、赤ちゃんの 粉ミルクを とかす お湯を、70度 いじょうに たもつ ように しめして います[3]。この しりょうが 目あてに して いるのは、生まれて 12か月 までの 赤ちゃんです。
りゆうは、粉ミルクの 中に、びょうきの もとに なる きんが ごく すこし まざって いる ことが あるからです。お湯の あつさで、その きんを やっつけます[4]。粉ミルクは、つくる ときに、まったく きんの いない ものに するのが むずかしい と されます[4]。
ミルクが できたら、2時間いない に つかいます。つかわなかった ものは すてる ことに なって います[3]。また、あつい お湯を あつかうので、やけどに 気を つけて ください[3]。
ここで ポットが やくに たちます。70度 いじょうの お湯が すぐ 出せるからです。ただし、ミルクの つくり方は、粉ミルクの はこに かいて ある せつめいにも したがいましょう。
厚生労働省が示した調乳の指針(WHOとFAOの指針の仮訳)には、粉ミルクを溶かす湯は70℃以上を保つこと、と書かれています[3]。この指針が対象にしているのは、生後12か月までの赤ちゃんです。
理由は、粉ミルクの中にいるかもしれない病原菌を殺すためです[4]。粉ミルクは、製造の工程で完全に無菌にするのが難しいとされています。指針は、乳児が感染するリスクをできるだけ小さくするために、熱いお湯を使うよう求めています[4]。
指針には、作ったあとのルールも書かれています。調乳後2時間以内に使わなかったミルクは捨てること。そして、熱いお湯を扱うので、やけどに注意することです[3]。
だから「保温」が合う
70℃以上のお湯を、何度も、しかも夜中に必要とする場面では、保温ができる電気ポットが合います。お湯を沸かし直す時間を待たなくても、使える温度のお湯が出てくるからです。ただし、粉ミルクの作り方は、缶などの製品の表示にも従います。
厚生労働省が公表した「乳児用調製粉乳の安全な調乳…ガイドライン」は、WHOとFAOの指針の仮訳で、調乳に使う湯は70℃以上を保つこと、と定めている[3]。対象は12か月齢以下の乳児である。この条件の理由は、粉ミルクの製造工程で無菌にするのが困難なことにある。微量の病原菌が残りうるため、湯でそれを殺菌する。特定の病原菌による乳児のリスクを小さくするための指針だと、横浜市衛生研究所の解説は説明している[4]。
指針は調乳後の扱いも示している。調乳後2時間以内に使わなかったミルクは廃棄する。また、高温の湯を扱うのでやけどに注意する、と注記がある[3]。
では、なぜ「70℃以上を保つ」ことが問題になるのか。湯を沸かした直後は100℃近くても、保温機能のないケトルに入れたまま置けば冷めていく。電気ポットなら、沸かしたあとに保温が続くので、調乳に必要な温度を保った湯を手元に用意しやすい[1]。ただし、これは「電気ポットでなければ調乳できない」という意味ではない。実際の作り方は、製品の表示や保健の専門家の説明にも従う必要がある。
一方で、湯を保温し続けることには、別の側面もある。電気を使い続けるという点だ。
4. ずっと あたためて いると、電気は どう なるの?
4. 保温は便利だが、電気を使い続ける
4. 保温の代わりに使う電気 ── メーカー試算の読み方
ポットの お湯は、ほおんの ために 電気を つかって あたため つづけます。はやく さめない ように、まほうびんのような つくりの ポットも あります[2]。
2015年に はっぴょうされた ぞうじるしの 電気ポット(2.2リットル)では、メーカーは、一年に かかる 電気代を およそ4500円と 見つもって います[2]。
これを 365日で わると、一日 およそ 12円です(じぶんで 計算しました)。ただし、これは メーカーの 見つもりで、電気の ねだんや、つかい方で かわります。
ポットによっては、ほおんする 温度を えらべる ものも あります。どんな 温度が えらべるかは、ポットごとに ちがいます。つかい方に あわせて、せっていを たしかめて みましょう。
電気ポットは保温のために、電気を使い続けます。熱が逃げにくいように、「電気で沸かし、まほうびんの構造で保温する」タイプも出ています[2]。
2015年に発表された象印の電気ポット「優湯生」は、ふた、側面、底の断熱層を強めて熱を逃げにくくした製品で、2.2リットルタイプの年間消費電力量は168kWh、電気代は約4,500円とメーカーは試算しています[2]。
これを365日で割ると、1日あたり約0.46kWh、電気代では約12円です(筆者の計算)。ただし、これはメーカーの試算で、電気の単価や使い方、機種によって変わります。
温度を選べるポットもある
機種によっては、保温する温度を選べるものがあります。どんな温度が選べるかは、機種ごとに違います。お茶や粉ミルクなど、使いたい用途に合わせて、取扱説明書で確かめるのがよいでしょう。
保温は、熱が逃げるぶんを電気で補い続けることだ。そのため、断熱の工夫が電気の使い方にも関わる。象印が2015年に発表した「優湯生」は、電気で沸かし、まほうびん構造で保温するタイプで、ふた・側面・底の断熱層を強化して熱を逃げにくくした[2]。2.2Lタイプの年間消費電力量は168kWh、電気代は約4,500円と、メーカーは試算している[2]。
この数字を日割りにしてみる。168kWh÷365日≒0.46kWh、4,500円÷365日≒12円。1日あたりでは約12円になる(換算は筆者)。ただし、4,500円と168kWhから逆算すると1kWhあたり約27円で、電気の単価が違えば金額も変わる。使う回数や室温などの条件も、メーカー試算の前提として確かめる必要がある。この数字は1機種の試算であり、電気ポット全体の平均ではない。
保温温度を選べる機種があることも、使い分けの手がかりになる。ただし、設定できる温度の段階は機種ごとに異なる。粉ミルクの調乳なら70℃以上を保つという指針があり[3]、用途に合わせた温度の設定は、取扱説明書で確かめるのが筋だ。
電気ポットは、保温という便利さを、電気を使い続けることと引き換えに手に入れる道具だと言える。では、自分の家ではどうなっているのか。
5. おうちの ポットを 見て みよう
5. 家のポットのラベルを読んでみよう
5. 身近なポットで確かめる ── 容量・保温の設定・使う回数
おうちに 電気ポットが あったら、おとなと いっしょに、ポットの よこや そこの ラベルを 見て みましょう。ポットが あつい ときは、さわらないで ください。
「何リットル?」と かいて ある ところが、はいる お湯の りょうです。ほおんの 温度を えらべる ポットなら、えらべる 温度も 見て みましょう。
家で お湯を つかう 回数も かぞえて みると、なぜ ポットが いるのか、いらないのか、わかって くるかも しれません。
家に電気ポットがあれば、大人と一緒に、本体のラベルや取扱説明書を見てみましょう。ポットが熱いときは、触らないでください。
入る量(リットル)と、保温の設定がどう書かれているかが分かります。電気ケトルが家にあれば、容量を比べてみるのも面白いです。
もうひとつ、1日に何回お湯を使うか数えてみると、「ずっと温めておく」ことが家族に合っているのかどうかの手がかりになります。
家に電気ポットがあれば、本体のラベルや取扱説明書で、容量と保温の温度設定を確認できる。ポットが熱いときは触らないこと。電気ケトルがあれば、容量を比べると、冒頭の「2L以上/1L以下」の目安が実際の製品で当てはまるかどうかが分かる。
もう一つの方法は、1日にお湯を使う回数を数えることだ。回数が多い家庭ほど、沸かし直しの手間を省ける保温の利点が大きく、少ない家庭では、電気を使い続けるぶんが相対的に目立つ。これは筆者の考え方であり、資料が示した結論ではない。
調乳の条件(70℃以上、2時間以内)は、公的な指針に書かれている[3]。実際に作るときは、粉ミルクの缶などの表示と、医療や保健の専門家の説明を優先してほしい。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
電気ポットと電気ケトルの違い、調乳の湯の温度、メーカーの電気代の試算について、次の資料を使いました。
- 家電 Watch 象印の電気ポット「優湯生」の記事 https://kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/720534.html (保温の構造と年間の電気量の試算)
- 厚生労働省 乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン https://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/kanshi/070605-1.html (70℃以上・2時間以内・やけどの注意)
- 横浜市衛生研究所 粉ミルクの話題 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kenko-iryo/eiken/hokenjoho/wadai/milk.html (70℃以上の湯を使う理由)
なおした ところ
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