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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

エアコンは どうして 部屋を すずしく できるの?

エアコンは、どうして部屋を涼しくできるのか ── 室外機から温かい風が出るわけ

エアコンはなぜ部屋を涼しくできるのか ── 冷媒・蒸発熱と、1902年の湿度制御装置

分野:技術

1902年に 作られた、いまの エアコンの もとに なる そうちは、人を すずしくする ための ものでは なかった ようです。アメリカの いんさつの 工場で、紙を まもる ために 作られた と いわれます。

では、いまの エアコンは どうして 部屋を すずしく できるのでしょう。じつは、「つめたさ」を 作って いるのでは ありません。この 記事では、ねつが どこへ 行くのかと、水が 出て くる わけが わかります。

夏の室外機からは、温かい風が出ています。エアコンは冷たさを作る機械ではなく、部屋の熱を外へ運ぶ機械だからです。しかも、1902年に作られた近代空調の原理となる装置は、人を涼しくするためではなく、印刷工場の紙を湿気から守るために作られた、といわれます。

なぜ熱を運ぶと涼しくなり、なぜ水まで出てくるのでしょうか。冷媒の動きと、1902年の発明から、そのわけが分かります。

エアコンの冷房は、冷気をつくる装置ではなく、室内の熱を冷媒に移して屋外へ運ぶ熱輸送である[1][2]。蒸発で熱を受け取り、圧縮して外へ捨てるという一つの流れが、除湿も暖房も説明する。起源も、人の快適さではなく、1902年の印刷工場の湿度制御だったとされる[5]。

なぜ熱を運ぶだけで部屋が冷えるのか。この記事では、熱が運ばれる道すじと、そこから除湿・暖房・消費電力がどうつながるかが分かる。

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1. 家の 外の はこから、あたたかい 風が 出るのは なぜ?

1. 部屋は涼しいのに、室外機の風が温かいのはなぜか

1. 室外機の風 ── 冷房は熱を屋外へ移している

夏の 暑い 日、家の 外に ある 大きな はこの そばを 通ると、あたたかい 風が 出て います。エアコンの 外がわの きかいです。部屋の 中は すずしいのに、どうして 外へ 出る 風は あたたかいのでしょう。

エアコンは、「つめたさ」を 作って 送って いるのでは ありません。部屋の 空気から ねつを 取りだして、外へ 運んで いるのです[1]。ねつを 取られた 空気が 部屋に もどるので、すずしく なります。ねつは きえるのでは なく、場所を うつすだけです。だから、外の 風は あたたかく なります。

ところが、ねつは ふつう、あつい ほうから つめたい ほうへ 流れます。外の ほうが 暑い 日に、どうやって 部屋から 外へ 運ぶのでしょうか。

夏の暑い日、家の外の室外機のそばを通ると、温かい風が吹いてくることがあります。部屋の中は涼しいのに、外へ出ていく風は温かい。この風が、エアコンのしくみを解く手がかりです。

エアコンは、冷たさを作って部屋に送り込んでいるわけではありません。部屋の空気から熱だけを取り出し、室外機へ運んで外へ放出しています[1]。熱を奪われた空気が室内機のファンで部屋へ戻るので、部屋が涼しくなります。熱は消えるのではなく、場所が変わるだけです。だから室外機の風は温かくなります。

ここで疑問が出ます。熱は、ふつう熱いほうから冷たいほうへ流れます。屋外のほうが暑い日に、どうやって部屋から外へ熱を運べるのでしょうか。

夏の室外機から温かい風が出るのは、冷房が冷たさの生成ではなく熱の移動だからだ。冷媒は室内の空気から熱だけを受け取って室外機へ運び、熱を奪われた空気が室内機のファンで部屋へ戻る[1]。熱は消えず場所を移すだけなので、屋外側で放出された熱が風の温かさとして現れる。

ところが、熱は自然には高温側から低温側へ流れる。夏の屋外は室内より暑いのに、なぜ部屋から屋外へ熱を送り出せるのか。この逆行を可能にしているのが、次章で見る冷媒の蒸発と圧縮である。

2. ねつを のせて はこぶ ものが ある

2. 熱の運び屋は、蒸発と圧縮をくり返している

2. 冷媒の状態変化 ── 蒸発で受け取り、圧縮して捨てる

ねつを はこぶ のは、エアコンの くだの 中を ぐるぐる まわる「れいばい」という ものです。「えきたい」に なったり「きたい」に なったり しながら まわります[1]。

部屋の がわでは、えきたいが きたいに かわります。これを「じょうはつ」と いいます。じょうはつする とき、まわりから ねつを うばう はたらきが あります[3]。ぬれた 手に 風を あてると ひんやり するのと にて います。

ねつを もらった きたいは、外の きかいで ぎゅっと おしつぶされます。すると 温度が 上がって、外の 空気より あつく なります[2]。あつく なれば、ねつは 外の 空気へ にげて いきます。ねつを すてた れいばいは えきたいに もどり、また 部屋へ むかいます[1]。

このように 電気の 力で ねつを 運ぶ きかいを「ヒートポンプ」と いいます。ひくい ところの ねつを、高い ところへ 運ぶ きかい です[4]。

熱を運ぶ役は、冷媒という物質です。エアコンの配管の中を、液体と気体に姿を変えながら回っています[1]。

部屋の側(室内機)では、冷媒が蒸発します。液体が気体になるとき、まわりから熱を吸い取る性質があり、これを蒸発熱といいます[3]。ぬれた手に息を吹きかけると冷たく感じるのも、同じ性質のおかげです。

熱を受け取った気体の冷媒は、室外機の圧縮機に送られます。圧縮機が冷媒をぎゅっと圧縮すると、冷媒に仕事が加わって温度が上がります[2]。外の空気より高温になれば、熱は冷媒から外の空気へ流れ出せます。熱を捨てた冷媒は液体に戻り、圧力を下げられて膨張すると温度が下がって、また部屋へ向かいます[2]。

電気の力で、低い温度のところから熱をくみ上げて高いところへ運ぶ装置を、ヒートポンプといいます[4]。

熱を受け取る側では、冷媒は室内機の熱交換器で蒸発する。液体が同じ温度の気体になるとき吸収する熱が蒸発熱(気化熱)で、水では100℃・1気圧のとき1gあたり539.1cal(約2.26kJ)とされる[3]。これは100℃での値で、室温での値はこれとは異なる。冷媒は水と別の物質だが、蒸発するときに周囲から熱を奪うという点は同じだ。

では、なぜ冷媒は室温より低い温度で蒸発できるのか。理科では、圧力が下がると沸点も下がると習う。日立の説明でも、減圧で分子の間隔が広がって膨張し、温度が下がるとされる[2]。圧力を下げた冷媒は、室温より冷たい状態で部屋の熱を受け取れる。

受け取った熱を捨てる側では、室外機の圧縮機が気体の冷媒を圧縮する。分子が密集してぶつかり合い、エネルギーが増えて温度が上がる[2]。外気より高温になるので、熱は熱交換器からファンの風へ流れ出し、冷媒は液体に戻る[1]。熱は本来、高温側から低温側へしか流れない。圧縮という仕事を電気で与えているから、低温の部屋から高温の屋外へ熱を送れる。

この型の装置がヒートポンプだ。ATOMICAの説明では、蒸発器と凝縮器の間に圧縮機を置き、低温下の蒸発で熱をくみ上げ、高圧下の凝縮で高温部へ運ぶ[4]。

3. 夏に 出て くる ふしぎな 水は どこから?

3. 冷房中、ホースから水がしたたるのはなぜか

3. 結露と除湿 ── 空気は冷えると水を含みきれなくなる

夏の エアコンの そばで、外に 出た ホースから 水が ぽたぽた 出て いるのを 見た ことが あるかも しれません。このホースを「ドレンホース」と いいます[2]。

この 水は、部屋の 空気に まじって いた 水です。空気は ひえると、ふくめる 水の かさが へります。エアコンの 中で ひやされた 空気から、水が しずくに なって 出て くるのです[1]。つめたい 飲み物の コップの 外がわに 水が つくのと にて います。

水は 中の 受け皿に たまり、ホースを 通って 外へ 出ます[2]。「じょしつ」の はたらきです。つまり エアコンは、ねつだけでなく 水も 部屋から 運び出して います。

それなら、この「水を へらす」はたらきは、いつ 生まれたのでしょう。じつは、すずしさより 先に ひつような 場所が ありました。

夏のエアコンの近くで、外に出たホースから水がぽたぽた落ちているのを見たことがあるかもしれません。ドレンホースといいます[2]。この水はどこから来たのでしょうか。

答えは、部屋の空気です。空気は温度が下がると、含める水分の量が減ります。室内機の中で冷やされた空気から、水分が結露して水になります[1]。その水は室内機の内部にある排水トレーで受け止められ、ドレンホースを通って室外へ出ます[2]。除湿運転は、この水を屋外へ捨てることで部屋の湿度を下げています[1]。

冷たい飲み物のコップの外側に水滴がつくのも、冷やされた空気から水が出る、同じ現象です。

つまりエアコンは、熱だけでなく水分も部屋から運び出しています。夏の部屋がさらっとして感じられるのは、温度だけでなく湿度も下がっているからでしょう。では、この「水を減らす」はたらきは、いつ生まれたのでしょうか。

冷房中、室内機の熱交換器は低温になっている。そこを通る空気は冷やされ、温度が下がると含める水分量が減るため、余った水分が結露して水になる[1]。除湿運転は、この水を屋外へ排出することで湿度を下げる[1]。結露水は室内機内部の排水トレーで受けられ、ドレンホースを通って室外へ出る[2]。

つまり冷房中のエアコンは、空気中の熱と水分の両方を、冷媒と排水路という別々の道で屋外へ運んでいる。夏の「じめじめ」を和らげる効果は、冷却の副産物というより、同じ仕組みが持つもう一つの働きだ。

この除湿の働きこそが、エアコンの出発点だった可能性がある。次章では、湿度を下げる目的で最初に作られた装置を見る。

4. 1902年の そうちは、紙の ための もの だった

4. 1902年の装置は、人ではなく印刷用の紙を守るために作られた

4. 1902年のキャリアの装置 ── 温度ではなく湿度を保つ

1902年に 作られた そうちは、人を すずしくする ためでは ありませんでした。アメリカの ブルックリンに ある いんさつの 工場で、紙が こまって いました。しめりけが かわると、紙が のびたり ちぢんだり して、色が ずれて しまうのです。紙の ふちが なみうって、きかいに つまる ことも ありました[5]。

ウィリス・キャリアが 作った きかいは、つめたい コイルに 空気を 通して しめりけを 水に かえました。ヒーターや、水を ふやす くだも 使い、一年中 しめりけを 55%に たもったと つたえられて います[5]。

夏に コイルを ひやす 水は、地めんから わき出る ふかい あなの 水でした[5]。ねらいは 人の すずしさでは なく、紙を まもる ことだったのです。

日本では、1935年に とうしばが「しばうら ルームクーラ」という 商品を 売り出した と、会社の しりょうに あります[7]。

1902年、アメリカ・ニューヨークのブルックリンにある印刷会社、サケット・ウィルヘルムズの工場には悩みがありました。湿度が変わると紙が伸び縮みし、印刷の色がずれたり、紙の縁が波打って給紙の機構が詰まったりしたのです[5]。

この問題を解いたのが、ウィリス・キャリアの装置です。冷却コイルに空気を通して冷やし、湿気を水に変えて取り除きます。ファンやダクト、ヒーター、加湿用の蒸気管も備え、工場を一年中、湿度55%に保ちました。夏にコイルを冷やす水は、自噴井の水でした[5]。

日本キヤリアは、キャリアが近代空調の原理となる発明を完成させた日を、1902年7月17日としています[6]。最初の目的は人の涼しさではなく、印刷工場の湿度の管理でした。冷やして湿気を取ることが、この装置の中心だったのです。ただし、これは企業の公式資料にもとづく説明です。

日本では、東芝が1935年に「芝浦ルームクーラ」を発売した、と同社の資料にあります。1953年には国産初の1馬力のルームクーラーを、1961年には家庭用のスプリット形エアコンを発売しました[7]。「日本初」は会社ごとに主張が異なるため、ここでは一社の記録として読んでください。

1902年、ブルックリンの印刷会社サケット・ウィルヘルムズの工場では、湿度の変化で紙が伸び縮みし、色のずれや縁の波打ち、給紙機構の詰まりが起きていた[5]。そこでウィリス・キャリアが作ったのが、冷却コイル・ファン・ダクト・ヒーター・加湿用の蒸気管を組み合わせた装置で、工場を年間を通じて湿度55%に保った。コイルは吸い込む空気を冷やして除湿し、夏の冷却水には自噴井の水を使った[5]。

ここで重要なのは、目標が「温度」ではなく「湿度を一定に保つ」ことだった点だ。紙は湿度で寸法が変わるため、印刷の品質は湿度に左右される。冷却は、空気を冷やして水分を結露させ、湿度を下げるための手段だった。前章のドレン水と、同じ原理である。

日付については、日本キヤリアが、近代空調の原理となる発明の完成を1902年7月17日としている[6]。ただし一次資料はCarrier社の英語のページで、企業の公式な説明という性格を持つ。設計の日と実際の設置の時期は別で、資料によって言い方に差がある。

日本では、東芝が1935年に「芝浦ルームクーラ」を発売し、1953年に国産初の1馬力のルームクーラー、1961年に家庭用スプリット形エアコンを発売した[7]。「日本初」の定義はメーカーごとに異なるため、東芝1社の社史の記述として扱う。

5. ぎゃくむきに すると、あたたかく なる

5. 熱の流れを逆にすると、暖房になる

5. 暖房運転とCOP ── 電気で熱を「運ぶ」効率

この きかいを ぎゃくむきに まわすと、どう なるでしょう。だんぼうの とき、れいばいは れいぼうと ぎゃくの 向きに 流れます[1]。外では 大気の ねつを 取りこんで じょうはつし、部屋の 中で ねつを 手ばなして えきたいに もどります。

つまり、同じ きかいが、夏は 部屋から ねつを 出し、冬は 外から ねつを 入れる のです。つめたく 感じる 冬の 空気にも、ねつは ふくまれて います。

電気を 使う のは、ねつを つくる ためではなく、運ぶ ためです。「COP」という 数が 大きい ほど、少ない 電気で 多くの ねつを 運べます[9]。

この機械の向きを逆にすると、どうなるでしょうか。暖房運転では、冷媒が冷房と逆の向きに流れます[1]。高温の気体になった冷媒は室内機の熱交換器で熱を手放して液体に戻り、屋外では大気の熱を取り込んで蒸発します。

つまり、夏は部屋の熱を外へ、冬は外の熱を部屋へ運ぶ。同じ機械が冷房にも暖房にもなるのは、熱の運び方の向きを変えるだけだからです[1]。冬の冷たい空気にも、熱は含まれています。

電気は、熱をつくるためではなく、運ぶために使われます。この運びやすさを表す数がCOPで、定められた温度条件での消費電力1kWあたりの冷房・暖房能力(kW)です。COPが大きいほど、少ない電気で多くの熱を運べます[9]。

暖房運転では、冷媒の流れが冷房の逆向きになる。室内機の熱交換器で熱を手放して液体に戻り、屋外では大気の熱を取り込んで蒸発する[1]。同じ機械で冷房にも暖房にもなるのは、熱を運ぶ方向を変えているだけだからだ。

電気ヒーターは電気を熱に変えるが、ヒートポンプは電気を使って熱を運ぶ。そのため、使った電気より大きな熱を動かせる可能性がある。この指標がCOP(Coefficient of Performance)で、定められた温度条件での消費電力1kWあたりの冷房・暖房能力(kW)を表す[9]。COPが大きいほど、少ない電気で多くの熱を運べる。

ただし、具体的な倍率は機種と条件で変わる。ここで使った資料は定義を示すもので、家庭用の標準的な倍率までは示していないため、数値は書かない。購入時はカタログの省エネ性能表示を見るのが確かだ。

6. エアコンの 温度を 1度 かえると、電気は どう かわる?

6. 設定温度を1℃ゆるめると、電気はどれくらい減るのか

6. 設定温度1℃と消費電力 ── 見込み値の読み方と、冷媒の環境影響

エアコンの 温度を ゆるめると、電気は どれくらい へるのでしょう。かんきょうしょうの しりょうでは、1度 ゆるめた とき、電気の 使う 分は、れいぼうで やく 13%、だんぼうで やく 10% へると 見こまれて います[8]。

13%は、100の うち 13 くらい という 意味です。運ぶ ねつが 少なくて すむ ぶん、電気も 少なく なる、と 考えると わかりやすく なります。

ただし これは 2005年の しらべに もとづく 見こみです。いまの きかいで、いつも この 数に なる とは かぎりません。「28度」も、エアコンに 入れる 数では なく、部屋の 温度の めやすです[8]。

設定温度を1℃ゆるめると、電気はどれくらい減るのでしょうか。環境省は、冷房時で約13%、暖房時で約10%の消費電力量が減ると見込まれる、としています[8]。

13%は、100のうち13くらい、という意味です。たとえば電気を月に100使っていた冷房が、設定を1℃ゆるめれば87ほどになる計算です。運ぶ熱の量が少なくてすむぶん、電気も少なくなる、と考えると理解しやすくなります。

ただし、この数字は財団法人省エネルギーセンターの2005年3月の調査報告書にもとづく見込み値です。今の機種で、いつもこの割合になるわけではありません。また、よく聞く「28℃」は部屋の温度の目安で、設定温度ではありません[8]。

設定温度を1℃緩和した場合の消費電力量は、冷房時で約13%、暖房時で約10%減ると見込まれる、と環境省は説明する。根拠は、財団法人省エネルギーセンターの調査報告書(平成17年3月)である[8]。

この数字を読むときの条件が二つある。一つは、2005年の調査にもとづく見込み値であり、現在の機種の実測値ではないこと。もう一つは、夏28℃・冬20℃は室温の目安であって、リモコンに入れる設定温度ではないことだ[8]。熱を運ぶ量が少なくてすむぶん、圧縮機の仕事も小さくなる、と考えれば、傾向は筋が通る。

冷媒そのものも、見直されている。ダイキンによれば、冷媒R32の地球温暖化係数(GWP)は675で、R410A(2090)の約3分の1である。これはIPCC第4次評価報告書の100年値にもとづく値で、新しい報告書では数値が異なる[10]。熱を運ぶ冷媒を、環境への影響の面からも選び直す動きがある。

7. 夏の 外の きかいと ホースを 見に 行って みよう

7. 夏の日に、室外機の風とホースの水を見に行く

7. 観察の手がかり ── 風の温度・排水・資料の読みどころ

エアコンを 使って いる 日に、おうちの 人と いっしょに 外へ 出て、たしかめて みましょう。

まず、外の きかいから 出る 風に、少し はなれて 手を かざします。あたたかく 感じるでしょうか。きかいの 中の ファンや 金ぞくには、ぜったいに さわらないで ください。

つぎに、ホースの 出口を さがします。水が 出て いたら、それが 部屋の 空気に あった 水です。

ところで、れいばいが 外の ねつを 取りこむ のなら、冬の 外の 風は どう なるのでしょう。冬にも、同じ 場所で 手を かざして くらべて みると、ヒントが 見つかります。

冷房を使っている日に、おうちの人といっしょに家の外へ出て、確かめてみましょう。

まず、室外機から出る風に、少し離れて手をかざします。部屋の熱を運んできた風は、温かく感じるでしょうか。ファンや金属の部分には、さわらないでください。風の出る正面に立ち続けるのも避けます。

次に、ドレンホースの出口をさがします。水が出ていたら、それは部屋の空気に含まれていた水分です。ホースの先が見つからない家もあるので、無理にさがさなくてかまいません。

もう一つ、問いが残ります。冷媒が冬に外の熱を取り込んでいるなら、冬の室外機の風は、夏と比べてどうなっているのでしょうか。同じ場所で手をかざして比べると、手がかりが見つかります。

資料を読むなら、メーカーの解説[1][2]と、環境省の家庭のエネルギーのページ[8]が日本語で読めます。1902年の装置は、Carrier社の英語のページが元になっています[5]。

観察するなら、冷房中の室外機から少し離れて手をかざし、風の温度を確かめる。ファンや金属部分には触れず、正面に立ち続けない。ドレンホースの出口で水が出ていれば、それが室内の空気に含まれていた水分である[2]。

冬にも同じ場所で試すと、冷媒が屋外の熱を取り込んでいる暖房時の風が、夏とどう違うかの手がかりになる[1]。ただし、室外機にはさわらず、離れて手をかざす。仮説を立てて、自分の手で比べてみるとよい。

資料の読みどころは三つある。仕組みはパナソニック[1]と日立[2]の解説、電気の見込み値は環境省[8]、1902年の装置の詳細は、英語になるが、Carrier社のページ[5]が一次に近い。日付や「日本初」など、資料ごとに言い方が揺れる点を読み比べると、一つの資料では見えない食いちがいが分かる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:メーカーの解説、公的機関の資料、企業の公式ページを使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. パナソニック「エアコンの仕組みを解説」。https://panasonic.jp/life/air/170110.html (冷房・暖房の冷媒の流れ、除湿の水について)
  2. 日立「エアコンのしくみ」Q&A。https://kadenfan.hitachi.co.jp/support/ra/q_a/a19.html (圧縮と減圧による温度の変化、排水のしくみについて)
  3. コトバンク「蒸発熱」(日本大百科全書)。https://kotobank.jp/word/蒸発熱 (蒸発熱の意味と水での値について。二次資料)
  4. 原子力百科事典ATOMICA「ヒートポンプ」。https://atomica.jaea.go.jp/dic/detail/dic_detail_1523.html (ヒートポンプの定義について)
  5. Carrier「Invention of Air Conditioning」(英語)。https://www.carrier.com/us/en/history/invention-of-air-conditioning/ (1902年の印刷工場の装置について。企業の公式ページ)
  6. 日本キヤリア プレスリリース(PR TIMES)。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000154091.html (発明完成の日付について。企業の発表)
  7. 東芝ライフスタイル「エアコンの歴史」。http://www.toshiba-lifestyle.com/jp/air_conditioners/contents-list/history/ (東芝のルームクーラーの発売年について。一社の記録)
  8. 環境省「家庭のエネルギー(家庭エコ診断)」。https://www.env.go.jp/earth/ondanka/kateico2tokei/energy/detail/06/ (設定温度1℃と消費電力量の見込みについて)
  9. J-Net21「エアコンの省エネ(COP・APF)」。https://j-net21.smrj.go.jp/development/energyeff/Q1177.html (COPの意味について)
  10. ダイキン「R32」。https://www.ac.daikin.co.jp/sumai/aircon/housing/merit/r32 (冷媒R32の地球温暖化係数について。メーカーの説明)

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