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ここに書いてあることは、誰かが実際に手を動かして調べ、考え、作り上げてきたものを拾い集めています。専門の本や論文、作品、そしてそれを生み出した人たち。気になったことがあれば、ぜひそのおおもとに直接ふれてみてください。このメモには書ききれない熱を、感じてもらえると思います。

高い ねつが 出た とき、へんな ゆめを 見るのは なぜ?

高熱を出したときに見る夢は、なぜ世界共通なのか

高熱を出したときに見る夢は、なぜ世界共通なのか

分野:からだ

高い ねつを 出した とき、大きな まるい ものに おしつぶされる ような ゆめを 見た ことは ないだろうか。

じつは、これと にた ゆめを 見た ことが ある 人は、せかいじゅうに いる。

高い熱を出したとき、大きな丸いものに押しつぶされるような夢を見たことはないだろうか。

実は、これと似た夢を見たことがある人は、世界中にいる。

高熱時に見る、周囲のものの大きさや距離の感覚が異常にゆがむ体験には、共通した特徴がある。この現象の一部には、「不思議の国のアリス症候群」という名前がついている。

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1. ねつが、こわい ゆめを 見させる

1. 熱が、こわい夢を見させる

1. 体温の上昇が、扁桃体を刺激する

のうの 中には、こわさや しんぱいを かんじる ところが ある[1]。体の 中の おんどが 上がると、この ところが いつもより はたらきすぎて しまう[1]。びょうきに たいこうする ために 体が 出す ぶっしつも、いっしょに はたらく[1]。かさいほうちきが、けむりも 出て いないのに なりつづける ような ものだ。ただし ほんとうは、のうの 中に きかいが あるわけでは ない。それで、ねつが 出た ときは、こわい ゆめを 見やすく なるのだ。

脳の中には、怖さや心配を感じるところがある(扁桃体という)[1]。体の中の温度が上がると、この扁桃体がいつもより働きすぎてしまう[1]。病気に対抗するために体が出す物質も、いっしょに働く[1]。それで、熱が出たときは、怖い夢を見やすくなるのだ。

発熱時には、体温上昇そのものが神経伝達の速度と活動を活発化させ、恐怖や不安の処理に関わる扁桃体のニューロン活動を高めるとされる[1]。さらに、感染症に対する免疫反応で生じる化学物質(サイトカインなど)も体温上昇と並行して働き、扁桃体を刺激する[1]。この2つの作用が重なることが、発熱時に恐怖や不安を伴う夢、すなわち悪夢を見やすくなることに関係している可能性がある。

2. ものの 大きさが へんに 見える「アリス しょうこうぐん」

2. 「不思議の国のアリス症候群」というものがある

2. 大きさと距離の感覚がゆがむ「不思議の国のアリス症候群」

高い ねつを 出した とき、まわりの ものが、じっさいより 大きく 見えたり、小さく 見えたり する ことが ある[2]。じぶんの 手や 足が、のびちぢみ して いる ように かんじる ことも ある[2]。この 体けんは、「ふしぎの国の アリス しょうこうぐん」と 名づけられて いる[2]。1955年に、イギリスの お医者さんが、この しょうじょうを くわしく しょうかいした ことから、この 名まえが ついた[2]

子どもが 高い ねつや かぜなどの びょうきに かかった ときに、とくに おきやすいと いう[2]。ものが 大きく 見える かんかくと、さっき 話した こわい ゆめを 見やすく なる ことが、いっしょに おきる ことで、大きな ものに おしつぶされる ような かんじに なるのかも しれない。

高熱を出したとき、まわりのものが、実際より大きく見えたり、小さく見えたりすることがある[2]。自分の手や足が、伸び縮みしているように感じることもある[2]。この体験は、「不思議の国のアリス症候群」と名づけられている[2]。1955年に、イギリスの医師が、この症状を詳しく紹介したことから、この名前がついた[2]

子どもが高熱やかぜなどの病気にかかったときに、とくに起きやすいという[2]。ものが大きく見える感覚と、前の章で説明した怖い夢を見やすくなることがいっしょに起きることで、大きなものに押しつぶされるような感じになるのかもしれない。

「不思議の国のアリス症候群」(Alice in Wonderland Syndrome, AIWS)は、ものの大きさが実際より小さく見える「小視症」や大きく見える「大視症」、距離感がゆがむ症状、自分の体の一部が縮んだり伸びたりするように感じる身体像の異常、時間の流れの感じ方がゆがむ症状などを特徴とする[2]。イギリスの精神科医ジョン・トッドが1955年の報告でこの名称を提唱したが、それに先立つ1952年にアメリカの神経科医キャロ・リップマンが同様の症状をすでに記録していた[2]

報告された症例の半数以上は原因不明とされるが、片頭痛・ウイルス感染(とくにEBウイルス)・頭部外傷・発熱などとの関連が知られている。子どもの場合は感染症が最も一般的な原因とされる[2]。大視症などの大きさの知覚のゆがみと、前章で説明した扁桃体の過活動による恐怖感が同時に起こることで、「巨大なものに押しつぶされる」といった特有の悪夢の内容につながっている可能性がある。

3. 「ふしぎの国の アリス」を 書いた 人も、にた けいけんを した?

3. 「不思議の国のアリス」を書いた人も、似た経験をした?

3. ルイス・キャロルとの関係 ── 確かめられていない説

この しょうじょうの 名まえは、「ふしぎの国の アリス」と いう おはなしから きて いる。アリスが、体が 大きく なったり 小さく なったり する おはなしだ[3]。名まえを つけた 医者は、作者の ルイス・キャロルじしんが、にた かんかくを けいけんして いたのでは ないかと 考えた[3]。ただし、これは 「そうかも しれない」と いう 考えで、ほんとうに そうだったかは、たしかめられて いない[3]

この症状の名前は、「不思議の国のアリス」という物語からきている。アリスが、体が大きくなったり小さくなったりする物語だ[3]。名前をつけた医師は、作者のルイス・キャロル自身が、似た感覚を経験していたのではないかと考えた[3]。ただし、これは「そうかもしれない」という考えで、本当にそうだったかは、確かめられていない[3]

「不思議の国のアリス症候群」という名称は、作中でアリスの体が巨大化・縮小化する場面にちなむ。命名者のトッドは、作者ルイス・キャロル自身が自らの片頭痛の経験をこの物語の着想源にしたのではないかと推測した[3]。キャロルの日記には、1856年に片頭痛にともなう視覚症状について眼科医に相談した記録や、1885年に「動く要塞のようなものが見え、その後頭痛が続いた」という記述が残っているが、これらの記録がAIWSの症状と直接結びつくかどうかは推測の域を出ず、確定した事実ではない[3]

4. どのくらいの 子どもが、けいけんして いるのか

4. どのくらいの子どもが、経験しているのか

4. 疫学調査が示す発症率

日本で、中学生や 高校生 3,224人に たずねた しらべが ある[2]。ものが 大きく 見えたり 小さく 見えたり する けいけんが あると こたえたのは、男の子で 6.5%、女の子で 7.3%だった[2]。多く の 場合、6さいくらいから 20だい後半までの あいだに おきると いう[2]

日本で、中学生や高校生3,224人にたずねた調べがある[2]。ものが大きく見えたり小さく見えたりする経験があると答えたのは、男の子で6.5%、女の子で7.3%だった[2]。多くの場合、6歳くらいから20代後半までのあいだに起きるという[2]

日本の思春期の生徒3,224人を対象とした調査では、大視症・小視症を経験したことがあると回答した割合は男子で6.5%、女子で7.3%だった[2]。発症の平均年齢は6歳とされ、症状は幼少期から20代後半にかけて現れることが多いとされる[2]。多くの場合、成長とともに症状は目立たなくなっていく。

むかし ねつが 出た とき の ことを、思い出して みよう

昔熱が出たときのことを、思い出してみよう

自分や家族の経験を、症状のリストと照らし合わせてみる

むかし 高い ねつを 出した とき、まわりの ものが へんな 大きさに 見えたり、へんな ゆめを 見たり した ことが なかったか、おもいだして みよう。家ぞくに きいて みるのも おもしろい。何ども つづく、心ぱいな ときは、大人に そうだんし、いっしょに おいしゃさんに 行こう。

昔高い熱を出したとき、まわりのものが変な大きさに見えたり、変な夢を見たりしたことがなかったか、思い出してみよう。家族に聞いてみるのもおもしろい。何度も続いて心配なときは、大人に話し、いっしょに医師に相談しよう。

過去に高熱を出したときの記憶をたどり、この記事で紹介した症状(大視症・小視症・身体像の異常・時間感覚のゆがみ)のいずれかに当てはまる体験がなかったか、家族にも聞いてみよう。多くの場合は一時的な現象だとされているが、繰り返し起きて日常生活に支障が出る場合、発熱以外の場面でも頻繁に起きる場合、強い苦痛を感じる場合は、自己判断せず医師に相談することが勧められる。

しらべた ところ

参考にした情報源

参考にした情報源

  1. ログミーBusiness「発熱すると悪夢を見てしまう理由」。 https://logmi.jp/knowledge_culture/culture/290172 (体温上昇が神経伝達の速度と活動を活発化させ扁桃体のニューロン活動を高めること、感染症への免疫反応で生じる化学物質も並行して扁桃体を刺激することは同出典による)
  2. English Wikipedia「Alice in Wonderland syndrome」。 https://en.wikipedia.org/wiki/Alice_in_Wonderland_syndrome (小視症・大視症・距離感のゆがみ・身体像の異常・時間感覚のゆがみという症状、1955年にジョン・トッドが報告し1952年にキャロ・リップマンが先行して記録していたこと、原因の半数以上が不明とされ片頭痛・ウイルス感染・頭部外傷・発熱との関連が知られること、子どもでは感染症が最も一般的な原因とされること、日本の思春期の生徒3,224人を対象とした調査で大視症・小視症の経験が男子6.5%・女子7.3%だったこと、発症の平均年齢が6歳とされることは同出典による)
  3. English Wikipedia「Alice in Wonderland syndrome」。 https://en.wikipedia.org/wiki/Alice_in_Wonderland_syndrome (トッドが作者ルイス・キャロル自身の片頭痛経験がこの物語の着想源になったのではないかと推測したこと、キャロルの日記に1856年の眼科医への相談記録や1885年の視覚症状の記述が残っていること、これらが確定した事実ではなく推測の域を出ないことは同出典による)

なおした ところ

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