1. 強い 糸の 先に、なぜ ちがう 糸を つけるの?
1. 強いはずのPEラインの先に、別の糸が結ばれている
1. 先端の約1mは、なぜナイロンかフロロカーボンなのか
つりざおの 先から のびる 糸を、よく 見て みましょう。PEと よばれる 強い 糸の 先に、ちがう 糸が 1メートルほど むすんで ある ことが あります[1]。
この 短い 糸を、ショックリーダーと いいます。ナイロンか フロロカーボンで できて います[1]。
わけは、PEに 弱い ところが 2つ あるからです。岩などに こすれると 切れやすい こと。むすび目が 弱く なる こと。そこで、先だけ ちがう 糸に して おぎなうのです[1]。
では、PEは どんな 糸なのでしょう。つぎの 章から、ナイロン、フロロカーボンと くらべて いきます。
釣りざおの先から出ているPEラインを、先端までたどってみると、色のちがう糸が1mほど結ばれていることがあります。ショックリーダーと呼ばれる糸で、ナイロンかフロロカーボンでできています[1]。
理由は、PEラインの弱点を、別の素材に受けもってもらうためです。PEラインは、岩などにこすれると細い繊維が切れやすくなり、結び目の強度も落ちます。そのため、先端にナイロンかフロロカーボンの糸を結んでルアーにつなぐ方法が紹介されています[1]。
ここまでが、題名の問いへの答えの要点です。では、そもそもPEラインは何でできていて、ナイロンやフロロカーボンとは何がちがうのでしょうか。強さ、伸び、結び目、水の中での重さの順に、資料の数字で比べていきます。
2. PEは、水に うくほど 軽い 糸
2. 同じ重さならピアノ線の約8倍、しかも水に浮く繊維
2. 原料繊維は「軽くて強い」── 比重0.97と、同じ重さで約8倍の意味
PEの 糸の げんりょうは、とても 強い ポリエチレンの せんいです。同じ 重さで くらべると、ピアノの 線の やく 8ばいの 強さが あると いわれます[2]。
しかも、水に うくほど 軽い のです[2]。水の 重さを 1と すると、PEは 0.97。1より 小さいので、うきます[5]。
ただし、「同じ 重さで くらべた とき」の 話です。同じ 太さの 糸を くらべた 話では ありません[2]。
PEの 糸は、細い せんいを 4本や 8本、よりあわせて 作ります[1]。
PEラインのPEは、ポリエチレンのことです。ポリエチレンの細い糸を複数本撚り合わせて作り、4本撚りか8本撚りが主流で、一部の高級品に12本撚りがあります。本数が多いほど断面が円に近くなり、直線強度も上がるとされています[1]。
この糸の原料は、超高強力ポリエチレン繊維と呼ばれます。製造元の東洋紡は、同じ重さで比べるとピアノ線の約8倍の強さがあり、比重は1以下で水に浮くほど軽い素材だと説明しています[2]。
比重は、水を1としたときの重さの比です。PEラインでは約0.97で、水よりわずかに軽いため浮きます[5]。軽くて強いのが、この素材のいちばんの売りです。
ただし「約8倍」は、同じ重さで比べたときの数字です。同じ太さの糸どうしを比べた数字でも、1本の釣り糸がピアノ線より8倍強いという意味でもありません[2]。
PEラインの「強さ」は、どこから来るのか。原料の超高強力ポリエチレン繊維について、東洋紡は、同じ重さで比較するとピアノ線の約8倍の強さがあり、比重は1以下で水に浮くほどの軽量素材だと説明する[2]。
「同じ重さで」という条件に注意が要る。金属は重いので、同じ重さに揃えると糸の体積が大きく変わる。つまり「約8倍」は、同じ太さの比較でも、釣り糸1本の破断強度の比でもない。比重の値は、素材の比較表では水を1としてPEが0.97、ナイロンが1.14、フロロカーボンが1.78とされ[5]、製品や撚り方でやや変わるため代表値として読む。
釣り糸としてのPEラインは、この繊維を細い糸にし、その糸を複数本撚って作る。4本撚りか8本撚りが主流で、一部の高級品に12本撚りがあり、本数が多いほど断面が円に近づき、直線強度も上がるとされる[1]。
素材の側の歴史を見ると、東洋紡は、オランダのDSM社との共同研究を1984年に始め、1991年に製造合弁会社の日本ダイニーマ株式会社を設立した。用途は釣り糸のほか、船舶の係留ロープや安全手袋に広がり、商標は2016年4月に「ダイニーマ」から「イザナス」へ変わった[3]。報道では、国内で主流のPE製釣り糸の約8割がイザナスを原料としていると伝えられた(2010年代後半の報道で、現在の割合を示すものではない)[4]。
3. のびない 糸と、のびる 糸
3. 魚が掛かった瞬間、のびる糸とのびない糸で何が変わるか
3. 伸びの差は、衝撃の吸収と感度のどちらに効くのか
魚が かかった とき、糸は のびる ほうが いいでしょうか。のびない ほうが いいでしょうか。
ナイロンは のびるので、ぐいっと 引かれた ショックに 強いと いわれます[6]。PEは のびる りょうが 小さく、水の 中の ようすが 手に とどきやすい、と いわれます[6]。
ある しりょうでは、PEは やく 4%、ナイロンは やく 30% のびると 書いて あります[1]。糸の 長さを 100と すると、PEは やく 4ぶん、ナイロンは やく 30ぶん のびると いう 目やすです。
ただし この 数字は 目やすです。糸や はかり方で かわります。
魚が掛かった瞬間、糸が伸びたほうがよいのか、伸びないほうがよいのか。ダイワの解説では、ナイロンは伸縮性があるのでショックに強く、掛けた魚をバラシにくいとされます。フロロカーボンはナイロンより伸びが少なく感度が良く、PEは伸縮率が小さく高感度でアタリが明確だとされます[6]。
数字で見ると
BE-PALの解説では、PEラインの伸び率は約4%、ナイロンラインは約30%とされます[1]。伸びが小さいぶん、手元に水中の情報が伝わりやすい、という説明です。
島津製作所の引張試験では、太さ0.175mmの糸を、200mmの間隔でつかんで引きました。ナイロン4種は約36〜41mm、フロロカーボンは約43mm伸びて切れました。PEは、この試験の対象に入っていません[7]。
200mmのうちの約40mmなので、ざっくり2割前後に当たります。ただし、つかんだ部分の動きも含む数字で、伸び率としては断定できません。BE-PALの約30%とも一致しないので、伸びの数字は、測り方や糸によって変わる目安として読むのが安全です。
伸びる糸と伸びない糸では、魚が掛かった瞬間に何が変わるのか。ダイワの初心者向け解説は、ナイロンを「伸縮性があるのでショックに強く、掛けた魚もバラシにくい」、フロロカーボンを「ナイロンより伸びが少なく感度が良い」、PEを「伸縮率が小さく高感度でアタリが明確」と整理する[6]。
数字としては、BE-PALがPEの伸び率を約4%、ナイロンを約30%とする[1]。これに対し、島津製作所のアプリケーションノート(河川釣り用ライン)は、太さ0.175mm、つかみ間隔200mm、速度200mm/minの引張試験で、ナイロン4種が約36〜41mm、フロロカーボンが約43mm伸びて切れたと示す。金属系の糸は、ナイロンやフロロカーボンの約10分の1の伸びだった。この試験にPEは含まれない[7]。
200mmに対する36〜43mmは、単純計算で18〜21.5%にあたるが、これは変位量であり、つかみ部分の動きも含む。したがって伸び率として約30%と直接比べることはできず、一例の目安と見るべきである。確かなのは、ナイロンとフロロカーボンの伸びが大きく、PEや金属系が小さいという向きである。
伸びが小さい糸は、水中の変化が手元へ届きやすい一方、急に引かれた衝撃を伸びで逃がしにくいと考えられる。PEラインの先にナイロンやフロロカーボンをつなぐことは、この点でも筋が通る。
4. むすぶと、どのくらい 弱く なるの?
4. 結ぶと、PEの「強さの差」はどこまで縮むのか
4. 結節強度の検算 ── 直線で約2.5倍の差が結び目で縮む
どんな 糸も、むすぶと 弱く なります。むすぶ 前の 強さを 100と した とき、むすび目の 強さは、ナイロンが 70〜80、フロロカーボンが 60〜70、PEが やく 40です[5]。
PEは、むすぶ 前なら ナイロンの やく 2.5ばい 強い とされます[5]。計算して みましょう。ナイロンを 1と すると、むすんだ あとは 0.7〜0.8です。PEは 2.5×0.4で 1.0。2.5ばいの ちがいが、1.3ばいほどに ちぢみます。
ただし、1つの 会社の 表の 数字です。ほかの しりょうでは、ばいの 数が ちがいます。
糸は、結ぶと弱くなります。山豊テグスの素材比較表では、結び目の強さは、結ぶ前の直線強度に対して、ナイロンが70〜80%、フロロカーボンが60〜70%、PEが約40%です。PEの直線強度はナイロンの約2.5倍とされています[5]。
検算してみる
同じ条件でナイロンの直線強度を1とします。結んだあとのナイロンは0.7〜0.8です。PEは、直線強度が2.5で、結ぶと約40%なので、2.5×0.4=1.0になります。
1.0÷0.8=1.25、1.0÷0.7≒1.4なので、結ぶ前は2.5倍あった差が、結んだあとは1.3倍前後に縮みます。PEラインが「結ぶと弱い」といわれるのは、この縮み方のことだと読めます。
ただし、これは1社の表の値です。BE-PALは結び目の強さをナイロンの約50%と書くなど、倍率や言い方は資料によってちがいます。結び方によっても変わるので、数字は目安です[1]。
PEラインは、直線ではナイロンより強いのに、結ぶと何が起きるのか。山豊テグスの素材比較表は、結節強度を直線強度に対する割合で、ナイロン70〜80%、フロロカーボン60〜70%、PE約40%とし、PEの直線強度をナイロンの約2.5倍とする[5]。
これを検算する。同じ太さのナイロンの直線強度を1とすると、結んだあとは0.7〜0.8、PEは2.5×0.4=1.0である。したがって、結び目をつくった時点で、PEの優位は2.5倍から約1.25〜1.4倍(1.0÷0.8〜1.0÷0.7)に縮む。
ところが、倍率は資料でそろわない。ダイワの資料には、PEの強度をナイロンの1.5〜2倍とする言い方がある。仮に2倍なら、結んだあとは2×0.4=0.8で、ナイロンの0.7〜0.8と同程度になる。BE-PALは結び目の強さをナイロンの約50%とも書く[1]。直線強度の倍率は、号数や測り方に左右され、結び方によっても結び目の強さは変わる。
一社の表を断定的に使うのは危うい。確かに言えるのは、PEは結び目で強さを失う割合が、ナイロン・フロロカーボンより大きいという向きである。この弱点があるため、PEラインでは先端のつなぎ方が問題になる。
5. 水の 中で、3つの 糸は どう ちがうの?
5. 水の中では、3つの糸は重さも吸水も見えやすさもちがう
5. 比重・吸水・屈折率 ── 水中での3素材の性格
水の 重さを 1と して、3つの 糸の 重さを くらべます。ナイロンは 1.14。フロロカーボンは 1.78。PEは 0.97です[5][8]。PEだけが 1より 小さいので、うきます。
フロロカーボンは、水の やく 1.8ばい 重い 糸です。しずむのが 早いと、作った 会社は せつめいして います[9]。
ナイロンは 水を すいやすく、フロロカーボンは すいにくい、と ダイワの ページに 書いて あります[8]。フロロカーボンは、ナイロンより 光の まがり方が 小さく、魚から 見えにくい とも いわれます[5][8]。
水の中に糸を入れると、3つの素材はそれぞれちがう動きをします。水を1としたときの比重は、ナイロンが1.14、フロロカーボンが1.78、PEが0.97です。ナイロンとフロロカーボンの値は、山豊テグスとダイワの2社の資料で一致しました[5][8]。
1.78÷1.14≒1.56なので、フロロカーボンはナイロンの約1.6倍重い計算です。PEだけが1を下回ります。値は製品や撚り方でやや変わるため、代表値として読みます。
重さのほかの性格
クレハは、自社のフロロカーボン糸について、吸水性がなく、比重が重く沈みが早いと説明しています[9]。山豊テグスの比較表とダイワの技術解説は、フロロカーボンはナイロンより水を吸いにくく、光の屈折率が低いので魚から見えにくいことが特徴だとします[5][8]。
逆にナイロンは、水や紫外線を吸収して劣化が早いとする資料もあります。伸びてショックに強いナイロンと、水を吸いにくいフロロカーボン、軽くて強いPEは、得意なことがちがうのです。
水中での糸の振る舞いは、比重で大きく分かれる。水を1として、ナイロン1.14、フロロカーボン1.78、PE0.97である[5]。ナイロンとフロロカーボンの値は、ダイワの技術解説にも同じ数字がある[8]。1.78÷1.14≒1.56から、フロロカーボンはナイロンの約1.6倍重く、PEだけが水より軽い。
吸水と見えやすさにも差がある。山豊テグスの比較表とダイワの技術解説は、フロロカーボンがナイロンより水を吸いにくく、光の屈折率が低く魚から見えにくいことを特徴に挙げる[5][8]。ダイワはさらに、吸水による劣化に強く、初期伸度が少なく感度が良いことも挙げ、ナイロンは水や紫外線を吸収して劣化が早いとする資料もある[8]。クレハは、自社のフロロカーボン糸を吸水性がなく、比重が重く沈みが早いと説明する[9]。
これらはいずれも、メーカー(糸を作る側)の説明である。複数社の資料が同じ方向を指すため、傾向としては信頼できるが、「見えにくい」の程度や「劣化が早い」の速さの具体的な数字は、ここで使った資料からは分からない。
6. 3つの 糸は、どんな じゅんばんで 生まれたの?
6. 絹のテグスから、ナイロン、フロロカーボン、PEへ
6. 素材の登場順 ── 絹糸・ナイロン・フロロカーボン・PE
むかしの つり糸は、きぬの 糸や「てぐす」と いう 糸でした。ガの ようちゅうが 作る きぬの 糸から 作ったと いわれます[10]。
1938年に、アメリカの デュポン社が ナイロンを 発表しました。きぬの かわりに 売り出された 糸です。日本では、東レが 1951年に ほんかくてきに 作り はじめました[11]。
フロロカーボンの 糸は、1971年に クレハが 世界で はじめて 作ったと いって います[9]。
PEの げんりょうの せんいは、1984年に 研究が 始まり、1991年に 日本で 作る 会社が できました[3]。今は、3つの 糸が ならんで 使われて います[6]。
ここまで見てきた3つの素材は、いつ釣り場に現れたのでしょうか。
ナイロンが使われる前は、ヤママユガ科の蛾の幼虫の絹糸腺から作ったテグス(天蚕糸)や、絹糸が釣り糸に使われたとされます[10]。
ナイロンは、1938年にアメリカのデュポン社が発表した合成繊維で、絹の代わりとして売り出されました。日本では東レが1951年4月にナイロンの本格生産を始め、同年6月にデュポン社と技術提携しています[11]。1938年の発表は、釣り糸の発売年ではありません。
フロロカーボンは、クレハが1971年に世界で初めてフロロカーボン素材の釣り糸「シーガー」を開発・発売したと説明しています[9]。「世界初」は、同社の自社表記です。
PEの原料繊維は、東洋紡が1984年にDSM社と共同研究を始め、1991年に製造会社を設立して広がりました[3]。釣り糸としてのPEラインの発売年は、ここで使った資料からは分かりません。
新しい素材が古い素材を消したのではなく、今も3つの糸が並んで売られ、ダイワなども特徴を分けて紹介しています[6]。
3つの素材は、どの順に釣り糸の世界へ来たのか。ナイロン以前には、ヤママユガ科の蛾の幼虫の絹糸腺から作ったテグス(天蚕糸)や、絹糸が使われたとされる[10]。
ナイロンは1938年にデュポン社が発表した合成繊維で、絹の代わりとして売り出された。日本では、東レが1951年4月に愛知工場でナイロンの本格生産を始め、同年6月にデュポン社と技術提携した[11]。ただし、1938年の発表は繊維そのものの話であり、釣り糸としての発売年ではない。
フロロカーボンは、クレハが1971年に、フロロカーボン(ポリフッ化ビニリデン)を素材とする釣糸「シーガー」を世界で初めて開発・発売したと説明する[9]。この「世界初」は同社の表記である。
PEは、素材の年しか分からない。東洋紡が1984年にDSM社との共同研究を始め、1991年に日本ダイニーマを設立した[3]。釣り糸としてのPEラインの発売年と製品名は、ここで使った資料では示されていない。
こうして3つの素材が並んだ結果、今は特徴ごとに使い分けられている[6]。「新しい素材ほど優れる」わけではなく、PEの先にナイロンやフロロカーボンを足す形がその現れである。
7. 紙と えんぴつで、強さを 計算 して みよう
7. 紙とえんぴつで、倍率しだいで結論が変わる様子を見る
7. 数字の読み方 ── 「何と比べた強さか」を分けて読む
さっきの 計算を、数だけ かえて やって みましょう。
もし PEが、むすぶ 前に ナイロンの 2ばいの 強さだったら、どうなるでしょう。むすんだ あとは 2×0.4で 0.8。ナイロンの 0.7〜0.8と、ほとんど 同じです。
むすぶ 前の PEが ナイロンの 2.5ばいなのか 2ばいなのかで、むすんだ あとの 強さの くらべ方が かわります。「強い」と いう 言葉は、何と くらべるのかで 数が かわるのです。
おうちに つりを する 人が いたら、糸の ラベルを 見せて もらいましょう。「PE」「フロロ」「ナイロン」の 字が あるか さがします。はりと 切れた 糸には、さわらないでください。
第4章の検算を、数字だけ変えてやってみましょう。もしPEの直線強度がナイロンの2倍なら、結んだあとは2×0.4=0.8です。ナイロンの0.7〜0.8とほとんど同じになります。
倍率が2.5倍か2倍かで、「結ぶとナイロンと並ぶ」のか、「まだ少し強い」のかが変わります。資料ごとに倍率がちがうのは、号数や測り方、結び方がそろっていないからです。「強い」という言葉には、直線か結び目か、同じ重さか同じ太さかという条件がついています。
家に釣りをする人がいたら、糸巻きのラベルを見せてもらうのもよいでしょう。素材名やPEなどの文字、号数が書かれているか探します。針や切れた糸は危ないので、さわらず、ラベルを見るだけにします。
この記事の数字は、出典にある値か、それをもとにした計算です。次の問いは、「結び方で、結び目の強さはどう変わるのか」です。PEの釣り糸がいつ売られ始めたのかも、この記事の資料では分かりません。
数字を読むときは、「何と比べた強さか」を分ける。同じ重さか、同じ太さか。直線か、結び目か。この区別がないと、「約8倍」「約2.5倍」「約40%」が同じ物差しに見えてしまう[2][5]。
実際、第4章の検算は、倍率を2.5倍から2倍に変えるだけで、「結ぶと約1.3倍の差」から「ほぼ同程度」へ結論が動く。結節強度は結び方にも左右される。伸びの数字が試験機の変位量と報道の目安でずれるのも同じ構造である[7][1]。
確かめるなら、メーカーの公式ページや、島津製作所の試験報告(英語)で、条件と数字を自分で並べて読む。なお日本の業界団体の共通規格値は、ここで使った資料には見つからなかった。
残る問いは2つある。PEの釣り糸の発売年と、結び方ごとの結節強度の差である。身近に釣りをする人がいれば、糸のラベルの素材名と号数を見せてもらい、この記事の比重や倍率が、実際の糸のどの条件に当たるかを考えてみるとよい。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:メーカーの製品ページと技術解説、東洋紡・島津製作所の資料、報道、解説記事を使った。何に使ったかは、それぞれの項目に書いている。
- BE-PAL「釣り糸PEラインって何?」。https://www.bepal.net/archives/421181 (PEラインの作り方、伸び率の目安、ショックリーダーについて。解説記事)
- 東洋紡 イザナス 製品ページ。https://www.toyobo-mc.jp/products/izanas/ (原料繊維の強さと比重について)
- 東洋紡 ニュースリリース(2016年)。https://www.toyobo.co.jp/news/2016/release_99.html (PE繊維の研究開始・会社設立・商標変更について)
- ニュースイッチ(日刊工業新聞)。https://newswitch.jp/p/11018 (PE製釣り糸の原料の割合について。報道)
- 山豊テグス 製品ページの素材比較表。https://yamatoyo.com/products/strong-super-nylon/ (比重と結節強度について。メーカー資料)
- ダイワ 初心者ガイド ハリス。https://www.daiwa.com/jp/beginner/tackle/harisu (3つの素材の特徴の説明について)
- 島津製作所 アプリケーションノート(河川釣り用ライン)。https://www.shimadzu.com/an/industries/chemicals/textile/strength-testing-of-various-fi/index.html (ナイロン・フロロカーボンの引張試験の数字について。英語)
- ダイワ フロロカーボンの技術解説。https://www.daiwa.com/jp/special/technology/fluoro/ (比重、吸水、見えやすさについて)
- クレハ シーガー 製品ページ。https://www.kureha.co.jp/business/polymer/seaguar.html (フロロカーボン釣り糸の開発年と特徴について。自社表記)
- 釣り糸(Wikipedia系ミラー)。https://ja.wikid.org/釣り糸 (ナイロン以前のテグスと絹糸について。二次資料)
- 東レの沿革(edinetdb)。https://edinetdb.jp/company/E00873/history (ナイロンの日本での本格生産について。二次資料)
なおした ところ
更新履歴
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